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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control拡張プログラマーズ・リファレンス
13c リリース2
E92082-01
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6 BI Publisherレポートの開発

Oracle Business Intelligence Publisher (BI Publisher)は、戦略的なエンタープライズ・レポート製品で、広範囲なデータソースから高度にフォーマットされたレポートを作成し管理する機能を提供します。Microsoft WordまたはAdobe Acrobatを使用してBI Publisherレポートのレイアウトをデザインし、様々なタイプのデータソースからレポートを作成することができます。

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlは、BI Publisherと統合されています。BI Publisherを使用して、Enterprise Manager Cloud Control 12c以降用のレポートを作成することをお薦めします。BI Publisherには、データ・モデル・エディタ(BI Publisherインタフェース内でデータ・モデルを作成するためのグラフィカル・ユーザー・インタフェース)とレイアウト・エディタ(BI Publisherインタフェース内でレポート・レイアウトの作成を可能にするデザイン・ツール)が含まれています。

この章の内容は次のとおりです。

6.1 Oracle BI Publisherの概要

プラグイン開発者は次のことを実行できます。

  1. データ・モデルおよびレポート・テンプレートを使用したレポートの開発。

    レポート開発の詳細は、「レポートの開発」を参照してください。

  2. レポートのステージングとデプロイ。

    レポートのステージングとデプロイの詳細は、「Enterprise Manager EDKを使用したステージングとBI Publisherレポートのデプロイ」を参照してください。

6.1.1 前提条件

この章では、次の内容を十分に理解していると想定します。

  • 管理リポジトリ・ビュー。それに対して独自の問合せを作成できます。

  • BI Publisherについての十分な知識。

6.2 トレーニングとリソース

BI Publisherレポートの開発を始める前に、Oracleで用意しているトレーニングと参照リソースを活用することをお薦めします。

6.3 レポートのデータソースについて

Enterprise Managerレポート用に構成されたBI PublisherサーバーのEMREPOSデータソースを利用できます。EMREPOSデータ・ソースは管理リポジトリのMGMT_VIEWアカウントに接続し、BI PublisherにログオンしているEnterprise Managerユーザーに適切なセキュリティ・コンテキスト(VPD)を確立します。

セキュリティ対策として、EMREPOSデータソースを使用するBI Publisherレポートは、公開のMGMT$VIEWビューとGC$ビューへの読取り専用アクセス権しかなく、また基礎となるEnterprise Manager表にはアクセス権はありません。このモデルでは、Enterprise Managerが提供するレポートを自分のレポートのベースとして使用する可能性のあるEnterprise Managerユーザーとの間でのレポート問合せの共有もサポートされます。

6.4 レポートの開発

デフォルトでは、Enterprise Manager Cloud Controlフォルダのレポートとデータ・モデルは読取り専用です。自分のレポートはローカル・フォルダで開発し、その後で、BI Publisherのシステム管理者に、完成したレポートをEnterprise Manager Cloud Controlフォルダの外部にある共有フォルダに入れてもらってください。

BI Publisherレポートを開発するには、次の手順を実行します。

  1. 管理リポジトリに対するSQL問合せに基づいてデータ・モデルを開発します。

    BI Publisherレポートを開発するには、次のコンポーネントが必要です。

    • データ・モデル

    • レポート・テンプレート

    • サブ・テンプレート

    最初に、管理リポジトリに対するSQL問合せに基づいてデータ・モデルを開発してから、WindowsでMicrosoft Wordを使用してレポート(テンプレート)のレイアウトをデザインします。テンプレートは、2つの一般的なOracleサブテンプレート(縦または横)のいずれかを参照します。

    この例では次のレポートを確認します。

    Enterprise Manager Cloud Control -> EM Sample Reports -> Targets of Specified Type
    
    Enterprise Manager Cloud Control -> EM Datamodels -> Targets of Specified Type
    
  2. レポート・データと入力パラメータを要求するSQL問合せを開発、テストします。
  3. BI Publisherでデータ問合せに使用するデータ・モデルを作成します。
  4. BI Publisherで、レポートのパラメータとして使用するパラメータを作成します。
  5. レポートで使用するレポート・レイアウトを作成します。

    拡張開発キット(EDK)で提供されているサンプルの縦または横レイアウトのRTFファイルから開始します。

  6. レポートを作成して、テストします。

    BI Publisherを使用してレポートとデータ・モデルをダウンロードします。ダウンロード・オプションは、各レポートまたはデータ・モデルの名前の下の「詳細...」リンクにあります。

  7. レポート・ファイル(.xdoz)とデータ・モデル(.xdmz)をBI Publisherからローカル・ファイルにエクスポートします。

6.5 Enterprise Manager EDKを使用したステージングとBI Publisherレポートのデプロイ

プラグインからBI Publisher WebアプリケーションにBI Publisherレポートをデプロイするには、次の手順を実行します。

  1. 次のスキーマに完全に従っているメタデータ・ファイルを作成します。

    emcore/source/oracle/sysman/emSDK/ip/bipublisherreport/BIPublisherReport.xsd
    

    レポート・メタデータ・ファイルの例を次に示します。

    <?xml version = '1.0' encoding = 'UTF-8' ?>
    <BIPublisherReports
            xmlns="http://www.example.com/DataCenter/BIPublisherReport">
            <ReportFile relativePath="emreports" fileName="tvmlrb104a.jar"/>
            <ReportFile relativePath="emreports" fileName="tvmlrb104b.jar"/>
    </BIPublisherReports>
    
  2. BI Publisherレポート(レポート定義の場合は.xdoz、レポート・データ・モデル、つまりSQLの場合は.xdmzという拡張子を持つZIPファイル)を1つまたは複数のJARファイルにステージングします。これらのファイルが、先ほどのメタデータ・ファイルで参照されます。

    その例が、$ORACLE_HOME/sysman/jlib/emreports.jarファイルです。

    $ unzip -l emreports.jar
    Archive:  emreports.jar
    Label: EMGC_MAIN_LINUX_110220
      Length      Date    Time    Name
    ---------  ---------- -----   ----
            0  02-20-2011 23:08   META-INF/
           71  02-20-2011 23:08   META-INF/MANIFEST.MF
            0  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/
            0  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/EM Datamodels/
         4776  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/EM Datamodels/Usage Trend Report.xdmz
         4854  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/EM Datamodels/Usage Summary Report.xdmz
         5008  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/EM Datamodels/Charge Trend Report.xdmz
         7344  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/EM Datamodels/Consolidation Reports.xdmz
         5043  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/EM Datamodels/Charge Summary Report.xdmz
            0  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/Chargeback/
        52291  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/Chargeback/Charge Trend Report.xdoz
        66994  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/Chargeback/Charge Summary Report.xdoz
        26505  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/Chargeback/Usage Trend Report.xdoz
       112150  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/Chargeback/Usage Summary Report.xdoz
            0  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/Consolidation Planner/
        50114  02-20-2011 23:08   bipublisherreports/Consolidation Planner/Consolidation Reports.xdoz
    ---------                     -------
       335150                     16 files
    
  3. プラグインJARファイルを作成します。

    各JARファイルの最初のディレクトリは、bipublisherreportsである必要があります。レポートのすべてのデータ・モデルは、bipublisherreportsディレクトリ直下の、同一のサブディレクトリEM_Datamodelsにある必要があります。次に例を示します。

    1. プラグイン(すべてのメタデータ・ファイルとBI PublisherレポートJARファイルが含まれる)は、プラグイン環境を使用して動的にインストールされます(メタデータ・プラグインの場合)。

    2. BI PublisherレポートのJARファイルは、metadata/bipublisherreportディレクトリのサブディレクトリに置かれ、メタデータ・ファイル(emreports)内で参照されます。

    3. BI Publisherレポートは、プラットフォーム用もプラグイン用も、BI Publisher Webアプリケーション(プラグインのインストール時、またはしばらく後のBI Publisherのインストール時)にデプロイされます。

      プラグイン・レポートは、BI PublisherがEnterprise Managerに統合されるときにconfigureBIPスクリプトを使用してデプロイされるか、しばらく後に次のEMCLI動詞のいずれかを使用してデプロイされます。

      • * emcli setup_bipublisher (使用法の詳細はヘルプを参照)

      • * emcli deploy_bipublisher_reports[-force]

        この最後の動詞は、先ほどsetup_bipublisherを使用してセットアップしたEMからBI Publisherへのリレーションシップに、EMシステム・レポート(および、オプションで、拡張開発キット・プラグインが読み込んだレポート)をデプロイします。それを使用して、レポートJARファイル(Oracle Management Server (OMS)ファイルシステム上にある)をアップロードすることもできます。コマンドで-forceが使用されないかぎり、この操作によってEMレポート・フォルダ内の既存のBI Publisherレポートが上書きされることはありません。

        次のオプションが使用可能です。

        オプション 説明

        [-pluginid]

        このオプションを使用して、Enterprise Managerシステム・レポートの他に、その後ロードされたいかなるプラグイン・ベースのBI Publisherレポートもデプロイできます。

        [-pluginversion]

        このオプションは、特定のバージョンのプラグインに限定されます。

        [-reportsjarfile]

        このオプションを使用して、1つ以上のBI Publisherレポートが含まれる、単一のEnterprise ManagerレポートのJARファイルをデプロイします。このJARファイルの場所は、OMSの$ORACLE_HOMEディレクトリからの相対パスで指定されます。

        たとえば、emctプラグインのための構文は、次のとおりです。

        emcli deploy_bipublisher_reports -pluginid=oracle.sysman.emct -pluginversion=12.1.0.0.0

        注意:

        異なるJARファイルおよびPLATFORM JARファイルで重複したフォルダを使用しないでください。重複フォルダを使用すると、異なるJARファイルのレポートが、同じBI Publisherフォルダに置かれる原因になります。複数のJARファイルで同じレポート名が参照される場合、どちらが最後にデプロイされたのかを確認する方法はありません。