この章の内容は次のとおりです。
Enterprise Managerの強力なレポート作成フレームワークを使用すると、企業全体で対象読者が管理対象の環境に関する情報にアクセスできるようになります。レポートは、戦略的にはエンタープライズの監視情報のビューをビジネス・インテリジェンス目的で提示するために使用され、管理対象ターゲットのアクティビティ、リソース使用率および構成を示すことで管理目的でも役立ちます。IT管理者は、レポートを使用して、一連の管理対象システムの可用性を示すことができます。エグゼクティブは、一定期間におけるアプリケーション(会社の電子メールなど)の可用性に関するレポートを表示できます。Enterprise Managerには、このような様々なニーズに対応する100を超えるレポートが同梱されています。さらに、カスタマイズした独自のレポートを作成できます。
新しいレポートは、製品の要件に基づいてBI PublisherまたはEnterprise Manager情報パブリッシャ(IP)のいずれかのレポート作成フレームワークを使用して開発できます。しかし、情報パブリッシャ・レポートはリリース12c リリース1から非推奨になったため、BI Publisherの使用をお薦めします。
BI Publisherレポートには、次の利点があります。
ページ区切りおよびヘッダー/フッターを使用した、高度にフォーマットされた出力専用の業務用レポート。
JDBC (Java Database Connectivity)データ・ソースによってサポートされるEnterprise Managerリポジトリのアクセス・モデルと、仮想プライベート・データベース(VPD)のプロセスごとの関数(VPDはログインしているBIPユーザーとして設定されます)。MGMT_VIEWアカウントに使用できるselect文およびパイプラインPL/SQL関数のサポート。
"フォルダリング"を使用し、フォルダにアクセス権を付与するBI Publisherレポートのアクセス・モデル。
スケジュール機能および配信メカニズム(FTPなど)。
レポート定義とは別に書式を編集する機能。
レポート生成時のBI Publisherパラメータ機能によるパラメータ化の機能。
Enterprise Manager情報パブリッシャ・レポートには、次の利点があります。
Enterprise Managerコンソール・ページのような外観のレポート(レイアウトに対する制御が厳格ではありません)。
Enterprise Manager Oracle Management Services (OMS)およびリポジトリとの緊密な結合。
統合されたダッシュボード。
BI Publisherレポートには、データ・モデル・コンポーネント、レイアウト・コンポーネントおよび変換コンポーネントがあります。データ・モデル・コンポーネントは、BI Publisher UIを使用してモデル化されます。レポート・レイアウトはRTFテンプレートを使用して生成されます。RTFテンプレートは、BI Publisherレポート開発者によってBI Publisherデスクトップ・アプリケーションを使用して作成されます。このアプリケーションは、Microsoft Wordプラグインとして配信されます。
BI Publisherレポートの完全な例は、BI Publisher統合に同梱されています。これには、データ・モデルおよびレポート定義が含まれます。
レポートの開発およびテストが済むと、これらのコンポーネントはすべてBI Publisherからファイルとしてエクスポートして、プラグインの一部としてパッケージ化できます。
レポートの開発およびパッケージ化プロセスの詳細は、プログラマーズ・リファレンスを参照してください。
Enterprise Manager情報パブリッシャ・レポートは、XMLで定義され、プラグインにパッケージ化されます。これらのレポート定義は、レポートのレイアウトおよびコンテンツを指定します。新しいレポート定義はBI Publisherインタフェースを使用して開発する必要があります。Enterprise Manager情報パブリッシャのPL/SQL APIを使用しないでください。
これらのAPIは、Enterprise Manager 12c リリース1 (12.1.0.2)より前に作成されたプラグインに含まれるレポートに対して引き続きサポートされますが、12c リリース1 (12.1.0.2)に変換されます。これらのAPIは、新しいレポートの開発にはサポートされません。