JD Edwards Worldシステムの詳細は、Oracle JD Edwards Worldドキュメント・ページを参照してください。
J.D. Edwards Worldシステムでは、相互運用性フレームワークによってエンタープライズ・システムと統合できます。Oracle JD Edwards Worldアダプタでは、アダプタ・フレームワークを使用し、様々な統合アクセス方法を活用して最大限の柔軟性および機能性が提供されます。
JDE Edwards Worldシステムはデータベースベースの統合です。J.D.Edwardsアプリケーションは、本質的にはデータベースです。そのレポートおよび情報抽出はSQL問合せに基づきます。同様に、JDE Edwards Worldシステムとの書込み対話は特殊表への挿入に基づきます。特殊表はZ表と呼ばれ、外部ソース(フラット・ファイル、スプレッドシートまたは別のタイプのファイル)からインポートしたデータを一時的に保存するために使用されます。JD Edwards Worldシステムではこのデータが処理され、実際のデータベース表にインポートされます。Z表は、インポート・データの形式およびプロセスをできるだけ一貫させるのに役立ちます。
Zファイルには、JD Edwardsシステムでのトランザクションの処理に必要なすべての情報が含まれており、各Zファイルには、関連付けられているバッチ処理プログラムがあります。
Zファイルは、販売注文や住所など、様々なタイプのトランザクションに対応しています。JD Edwards Worldシステム・ドキュメントには、様々なタイプのファイルおよびJD Edwards Worldシステム内でのそれらのファイルの使用について記載されています。
JD Edwards Worldアダプタでは、次を実行して、統合のフィルタによって、基礎となるJD Edwards Worldシステム・データベース表が公開されます。
表/列の代替記述名である統合点のみの公開。JD Edwards Worldアダプタでは、JD Edwards World表の実際の名前は公開されません。
適切な統合タッチ・ポイントを検索できる強力なUIの提供。
特定の信頼できるコール元のみが制限された一連の表にデータを挿入できるようにするJDBCドライバの提供。
JD Edwards Worldシステムでは情報は、データベース・アダプタで使用できない形式で表内にあります。数値は小数点以下の桁数なしで保存され、日付には特定の書式が使用され、接続はtranslate binary=trueを使用して行う必要があります(AS/400 DB2に固有)。
JD Edwards Worldアダプタのために、これらの形式は、環境設定やデータ変換など、一般的な実行時アダプタ機能のほとんどを処理するJD Edwards World JDBCドライバによって処理されます。このため、JDBCドライバでは、JD Edwards WorldアダプタとJD Edwards WorldシステムのZ表の間の通信手段が提供されます。
JD Edwards Worldアダプタには、次の機能があります。
JDE World接続の作成テンプレート。アダプタでは、構成ウィザードによって、JD Edwards Worldシステムとの接続を支援する接続テンプレートを使用できます。
JDE Worldカスタム接続パラメータ。JD Edwards Worldアダプタでは、構成ウィザードによって、JDE Worldシステムに固有の接続パラメータを使用できます。
選択された表によって決定される操作。JD Edwards Worldアダプタを使用すると、選択されている表によって決定される操作を選択できます。
表の選択ブラウザ。この機能を使用すると、JD Edwardsアダプタを使用してZ表に対する選択を実行するための支援および前提条件として、JD Edwards WorldのZ表を参照できます。
ビジネス・モジュールによってグループ化されたJD Edwards World システムのZ表。挿入を実行し、選択を行う表の決定を支援するため、JD Edwards Worldアダプタでは、Z表のJD Edwards Worldシステム・ビジネス・モジュールによるグループ化が提供されます。このようなビジネス・モジュールには、エンタープライズ内での用途を明確に示すわかりやすい名前が付いています。
JD Edwards Worldアダプタでは、統合エンドポイントとして使用されるZ表のみが公開されます。統合エンドポイントではないZ表は公開されません。
JD Edwards Worldアダプタでは、接続プール・サポートが提供されます。
Z表挿入サポート。JD Edwards WorldシステムのZ表に挿入するには、JDE World JCAアダプタによって取得されたSQL接続に、挿入文を実行する権限がある必要があります。
この場合も、JD World Systemアダプタによって操作を実行する機能が提供されたZ表は、ステージング表となります。つまり、J D Edwardsとの間でデータをインポート/エクスポートするためのデータ・インタフェースとなります。外部アプリケーションは、常にZ表とのインタフェースをとります。Z表のデータは、バッチ・プログラミングおよびバックエンドJD Edwards Worldシステムのその他のインタフェースを使用して実際のJDEdwards Worldシステムの表に移動できます。異なる機能領域の異なるトランザクションには、実際のJDEdwards Worldの表に移動するための独自の定義済Z表および構成があります。各Z表からのデータ移動が可能になる処理オプションに関する情報が記載されている、垂直方向の(財務、製造、人事管理) JD Edwards Worldドキュメント・セットをそれぞれ参照してください。
ポーリング・サポートなし。JD Edwards Worldアダプタには、ポーリング・サポートがありません。
トランザクション・サポートなし。数多くのアダプタでは、通常、XAトランザクションがサポートされていますが、JDEdwards Worldアダプタではサポートされません。理由の1つは、JDE Worldシステムが非トランザクションであるためです。JD Edwards Worldシステムの基礎となるAS/400 DB2データベースでは、通常、ジャーナル処理を実行できません。つまり、XAトランザクションのみでなく、ローカル・トランザクションの開始とコミットもサポートされていません。
また、JD Edwards Worldアダプタで使用可能なのは、選択と挿入の2つのデータベース・オプションのみです。選択は、トランザクションである必要がありません。挿入もZ表に対してのみであり、常に非トランザクションのRPGコールに関連付けられます。
JD Edwards Worldアダプタには、複数の準備構成手順が関係しています。アダプタをデプロイする前に、実行時構成および設計時構成の両方を提供する必要があります。
JCAコネクタでは、プーリング・サポートが提供される必要があります。データベース・アダプタによって、データソースからSQL接続が取得されます。これにより、プーリング要件が基礎となるJDBCドライバおよびそのデータソース実装に委任されます。
JD Edwards World JCAアダプタはOracleデータベース・アダプタに基づいているため、JD Edwards Worldアダプタのプーリング・サポートを構成するプロセスは、Oracleデータベース・アダプタにプーリング・サポートを提供するプロセスと似ています。
JD Edwards Worldアダプタの接続プーリングを提供するには、次の手順を実行します。
JD Edwards Worldアダプタが含まれているビルドにOracle WebLogic Serverがインストールされていることを確認します。次に、WebLogicコンソールの検索パネルで、JD Edwards Worldアダプタを検索して見つけます。
アダプタの名前を「検索」フィールドに入力します。検索パネルに、検索結果としてJDEdwards WorldアダプタとそのタイプAppDeploymentが表示されます。図15-1を参照してください。
JDEdwards Worldアダプタはオプションのアダプタであるため、初期のJDeveloper状態は「アクティブ」ではなく「インストール済み」です。JDEdwards Worldアダプタの状態をアクティブにする必要があります。状態をアクティブにするには、次の手順を実行します。
WebLogicコンソールで、「ターゲット」タブを選択します。
アダプタをデプロイするサーバーを選択します。「保存」をクリックします。
Sourceforgeからjt400.jar
ファイルを取得する必要があります(jt400.jar
ファイルは、その場所ではJTOpen 7.9と呼ばれています)。JTOpenは、IBM Toolbox for Java Licensed Program Product (LPP)のオープン・ソース・バージョンです。
jt400.jar
ファイルを<middleware_home>/user_projects/domains/WLS_SOA/lib/
に配置します。
アダプタがアクティブであることを確認するには、「制御」タブを選択します。アダプタを手動でアクティブにする必要がある場合があります。これを行うには、JDBCWorldAdapter
の横のチェック・ボックスを選択して、「開始」を選択します。
次の手順では、WebLogicコンソールで「データ・ソース」→「サービス」に進み、「汎用データ・ソース」を選択して、データソース接続を作成します。
名前としてjdbc/JDEWorldDataSource
を指定します。この名前はデフォルトのJCA eis/JDEWorld/JDEWorldDemo
インスタンスが参照している用語を表しています。データベース・タイプOther
を使用します。
「トランザクション」タブで、「グローバル・トランザクションのサポート」が選択されていないことを確認して、XAを無効にします。図15-6を参照してください。
図15-6 WebLogicの「トランザクション」タブで「グローバル・トランザクションのサポート」が選択されていないことの確認
「接続プール」ページに進み、接続プール情報を構成します。図15-7を参照してください。
接続プールURLは、次のようになる必要があります。「接続プール」ページでは、プロパティとして3つの設定(「ユーザー」、「ServerName」および「JDEWEnvironment」)も指定します(3つのすべての設定がすでに接続URLに表示されているか、またはデータソースの構成時に入力されている場合でも)。
jdbc:jdew://JDED;JDEWEnvironment=QA92;JDEWTableNomenclature=OBJN_OBJT;JDEWColumnNomenclature=FDFT_FDFN;translate binary=true;date format=mdy;prompt=false;auto commit=true; user=BPELTEST serverName=JDED2.us.mydomain.com JDEWEnvironment=A93BPELTEST JDEWTableNomenclature=OBJN_OBJT JDEWColumnNomenclature=FDFT_FDFN
「詳細」を選択し、接続予約済タイムアウトを180に設定します。アダプタの接続プールを使用した最初の接続時に、接続の作成に3分かかるため、この値が必要です。
次に、「制御」タブを選択して、JDBCデータソースの各インスタンスを手動で制御します。
JD Edwardsアダプタ構成ウィザードを使用して、JDEdwards WorldのZ表への挿入操作を実行するようにJD Edwardsアダプタを構成できます。
JDEWorldアダプタでは、JD Edwards WorldのZ表からの選択または問合せを実行する機能が提供されます。この操作を構成するには、JD Edwards Worldアダプタ構成ウィザードを使用します。
この章のAddressbook
表を使用した構成済JD Edwardsアダプタの各例のWSDLおよび.jca構成ファイルを、参照のために示します。
次の例では、挿入操作のWSDLファイルの例を示しています。
例 - 挿入操作のWSDLファイル
<wsdl:definitions name="jdeworldReference" targetNamespace="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/ adapter/jdeworld/JDEW_selectAll/Insert/jdeworldReference" xmlns:jca="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/wsdl/jca/" xmlns:wsdl="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/" xmlns:tns="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/jdeworld/JDEW_selectAll/Insert/jdeworldReference" xmlns:plt="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2003/05/partner-link/" xmlns:top="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/ db/top/jdeworldReference" > <plt:partnerLinkType name="jdeworldReference_plt" > <plt:role name="jdeworldReference_role" > <plt:portType name="tns:jdeworldReference_ptt" /> </plt:role> </plt:partnerLinkType> <wsdl:types> <schema xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" > <import namespace="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/ adapter/db/top/jdeworldReference" schemaLocation="../Schemas/jdeworldReference_table.xsd" /> </schema> </wsdl:types> <wsdl:message name="F01018Z____Address_Book_Email_URL_Z_FileCollection_msg"> <wsdl:part name="F01018Z____Address_Book_Email_URL_Z_FileCollection" element="top:F01018Z____Address_Book_Email_URL_Z_FileCollection"/> </wsdl:message> <wsdl:portType name="jdeworldReference_ptt"> <wsdl:operation name="zFileInsert"> <wsdl:input message="tns:F01018Z____Address_Book_Email_URL_Z_FileCollection_msg"/> </wsdl:operation> </wsdl:portType> </wsdl:definitions>
次の例では、挿入操作の.jcaファイルの例を示しています。
例 - サンプル挿入操作の.jcaファイル
<adapter-config name="jdeworldReference" adapter="jdeworld" wsdlLocation="../WSDLs/jdeworldReference.wsdl" xmlns="http://platform.integration.oracle/blocks/ adapter/fw/metadata"> <connection-factory UIConnectionName="JDEWConnection1" location="eis/JDEWorld/JDEWConnection1"/> <endpoint-interaction portType="jdeworldReference_ptt" operation="zFileInsert"> <interaction-spec className="oracle.tip.adapter.jdeworld. JDEWorldZTableInteractionSpec"> <property name="DescriptorName" value="jdeworldReference.F01018Z____Address_Book_Email_URL_Z_File"/> <property name="MappingsMetaDataURL" value="jdeworldReference-or- mappings.xml"/> </interaction-spec> </endpoint-interaction> </adapter-config>
次の例では、サンプル選択操作のWSDLファイルの例を示しています。
例 - サンプル挿入操作のWSDLファイル
<wsdl:definitions name="jd" targetNamespace="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/ adapter/jdeworld/JDEW_selectAll/JDED_select1/jd" xmlns:jca="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/wsdl/jca/" xmlns:wsdl="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/" xmlns:tns="http://xmlns.oracle.com/ pcbpel/adapter/jdeworld/JDEW_selectAll/JDED_select1/jd" xmlns:plt="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2003/05/partner-link/" xmlns:top="http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/db/top/jd" > <plt:partnerLinkType name="jd_plt" > <plt:role name="jd_role" > <plt:portType name="tns:jd_ptt" /> </plt:role> </plt:partnerLinkType> <wsdl:types> <schema xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" > <import namespace= "http://xmlns.oracle.com/pcbpel/adapter/db/top/jd" schemaLocation="../Schemas/jd_table.xsd" /> </schema> </wsdl:types> <wsdl:message name="jdSelect_inputParameters"> <wsdl:part name="jdSelect_inputParameters" element="top:jdSelectInputParameters"/> </wsdl:message> <wsdl:message name= "F0101______Address_Book_MasterCollection_msg"> <wsdl:part name= "F0101______Address_Book_MasterCollection" element="top:F0101______Address_Book_MasterCollection"/> </wsdl:message> <wsdl:portType name="jd_ptt"> <wsdl:operation name="jdSelect"> <wsdl:input message="tns:jdSelect_inputParameters"/> <wsdl:output message= "tns:F0101______Address_Book_MasterCollection_msg"/> </wsdl:operation> </wsdl:portType> </wsdl:definitions>
次の例では、サンプル選択操作の.jcaファイルの例を示しています
例 - サンプル選択操作の.jcaファイル
<adapter-config name="jd" adapter="jdeworld" wsdlLocation="../WSDLs/jd.wsdl" xmlns="http://platform.integration.oracle/blocks/ adapter/fw/metadata"> <connection-factory UIConnectionName="JDEWConnection1" location="eis/JDEWorld/JDEWConnection1"/> <endpoint-interaction portType="jd_ptt" operation="jdSelect"> <interaction-spec className="oracle.tip.adapter.jdeworld.JDEWorldReadInteractionSpec"> <property name="DescriptorName" value="jd.F0101______Address_Book_Master"/> <property name="QueryName" value="jdSelect"/> <property name="MappingsMetaDataURL" value="jd-or-mappings.xml"/> <property name="ReturnSingleResultSet" value="false"/> </interaction-spec> </endpoint-interaction> </adapter-config>