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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド
12c (12.2.1.2.0)
E82973-02
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ソース・コントロール管理の下でのリポジトリ開発のためのシステムのセットアップ

ソース・コントロール管理でリポジトリを開発するためのシステムを設定するには、SCMシステムに固有のコマンドを使用してSCM構成ファイルを設定し、MDS XMLリポジトリを生成し、SCMシステムで確認する必要があります。

この項では、次の項目について説明します。

SCM構成ファイルの作成

Oracle BI管理ツールをソース・コントロール管理システム(SCM)と統合するには、使用している特定のSCMシステムに基づいてXML構成ファイルを作成する必要があります。

この構成ファイルには、ファイルの追加、削除、チェックアウトおよび名前変更のためのSCMシステム・コマンドが含まれます。リポジトリ・オブジェクトが作成または更新されるときに、管理ツールによってこれらのコマンドがSCMシステムに発行され、その結果、対応する新しいまたは変更済MDS XMLファイルが作成されます。

注意:

Oracle BI管理ツールによって、変更内容がSCMシステムにコミットされることはありません。リポジトリ開発者は、常にファイルをSCMシステムに直接チェックインする必要があります。SCMシステムでの別個のチェックインにより、管理ツール環境ではなくSCM環境で競合を表示することや、マージ・デシジョンを指定することが容易になります。

MDS XMLリポジトリが開いているときにSCM構成ファイルを作成または編集する場合は、「ソース・コントロールの使用」が選択されており、「新規」または「編集」ボタンが有効になっていることを確認する必要があります。

SCM構成ファイルのデフォルトの場所は、ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIServerComponent/coreapplication_obisnですこの場所でもテンプレートを使用できますが、このステップ中にテンプレート・ファイルを選択しないでください。かわりに、次のステップでテンプレートをロードできます。

SCM構成テンプレート・ファイルは、scm-conf-ade.template.xmlおよびscm-conf-svn.template.xmlと呼ばれます。示されたORACLE_INSTANCEの場所に加えて、次のOracle Technology Network (OTN)でも入手できます。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/bi-foundation/downloads/obieescmconfigfiles-1568980.zip

構成ファイル・テンプレート自体を変更する意図がない場合は、「構成エディタで編集」が選択されていないことを確認してください。このオプションが選択されている場合、SCM構成エディタの「構成ファイル」フィールドに表示されているファイル名は、先行ステップで指定したファイル名からテンプレート・ファイル名に変更され、変更内容はデフォルトではそのテンプレート・ファイルに保存されます。

セキュリティ・センシティブな環境変数を構成ファイルに格納しないでください。セキュリティ・センシティブな変数がSCMシステムで必要な場合は、セキュリティ・リスクを回避するために、セキュリティ・センシティブな変数がすでに設定されている管理ツールをWindowsコマンド・プロンプトから起動できます。

  1. 管理ツールを開き、「ツール」を選択し、「オプション」を選択します。
  2. 「ソース・コントロール」タブを選択します。
  3. 「新規」をクリックして、新しい構成ファイルを作成します。「新規構成ファイルの指定」ウィンドウが表示されます。
  4. XMLファイル拡張子を使用してファイル名を指定し、「保存」をクリックします。
  5. SCM構成エディタで「ロード」をクリックします。続いて、次の操作を行います。
  6. テンプレート・ファイルを選択して、「開く」をクリックします。
  7. SCM構成エディタで、オプションの説明を指定し、「コマンド」タブで、使用しているシステム用のコマンドを入力または編集します。

    長いコマンドの場合、省略記号ボタンをクリックし、「コマンド・エディタ」ウィンドウでコマンドを入力します。

    ${file}、${filelist}、${from}および${to}トークンを使用して、コマンドを定義します。「ファイルのリスト」オプションを、${filelist}コマンドとともに使用し、動作を設定することもできます。トークンは次のように使用できます。

    • ${file}は、一度に1つファイルずつ順番にコマンドを実行する必要があることを指定します。${file}は、「フォルダ追加」および「ファイルの追加」コマンドに必要です。

    • ${filelist}の動作は、「ファイルのリスト」が選択されているかどうかに応じて異なります。

      • 「ファイルのリスト」を選択しないで${filelist}を使用すると、管理ツールによって、指定したコマンド(削除前、削除、チェックアウトなど)に対して、プロセスの起動に対する上限の32K文字まで可能なかぎり多くのファイルがグループ化されます。実行は、すべてのファイルが処理されるまで繰り返されます。

      • 「ファイルのリスト」を選択して${filelist}を使用すると、管理ツールによって、ファイル・リストを保持する一時ファイルが作成されます。ファイル・リストのフォーマットでは行ごとに1つのファイル名を示します。これは、SCMベンダーで代表的なフォーマットとして使用されています。「ファイルのリスト」は、「削除前」「削除」または「チェックアウト」の各コマンドに有効です。この機能によって操作が非常に速くなるため、これをサポートしているSCMシステムでは常に選択するようにしてください。

      削除前、削除およびチェックアウトに対しては、${file}または${filelist}を使用できます。「ファイルのリスト」は、${filelist}とともに使用する場合にのみ機能します。

    • ${from}${to}は、「名前の変更」コマンドで元のファイル名および新しいファイル名を指定するために使用されます。

      すべてのSCMシステムが、最初からファイルの名前変更操作をサポートしているわけではありません。このような場合、様々なコマンドを連結することで名前変更操作を構築しようと試みるのではなく、「名前の変更」フィールドを空白のままにします。管理ツールは名前変更操作を実行します。

    注意:

    いくつかのSCMシステムには、フォルダを操作するコマンドが含まれていません。このような場合は、「フォルダ追加」を空白のままにします。いつでも必要なときに、管理ツールでフォルダを作成できます。

    SCMシステムにフォルダ管理コマンドが組み込まれている場合でも、管理ツールでフォルダは削除されません。必要であれば、SCMシステムで直接フォルダを削除する必要があります。

  8. 「環境変数」タブを選択し、SCMシステムに必要な環境変数を指定します。
  9. 「環境変数」タブで「テスト」をクリックし、「SCM構成のテスト」ウィンドウを開きます。その後、コマンドを入力して、「実行」をクリックし、特定のコマンドをテストします。環境が適切である場合は、コマンドを実行した後に適切な出力が表示されます。
  10. 「保存後コメント」タブを選択して、管理ツールに変更を保存した後に表示されるテキストを入力します。「保存後コメント」を使用すると、開発者が変更のチェックインを忘れないよう促すことができます。
  11. 「OK」をクリックして構成ファイルを保存するか、テンプレート構成ファイルをロードして変更した場合は「名前を付けて保存」をクリックしてコピーを保存します。

MDS XMLリポジトリの作成とSCMシステムへのファイルのチェックイン

SCMシステムと統合するには、Oracle BIリポジトリをMDS XML形式に変換する必要があります。

次のオプションのいずれかを使用して、MDS XMLリポジトリを作成し、それをソース・コントロール・システムにチェックインします。

既存のリポジトリ・ファイルをMDS XML形式で保存

既存のリポジトリ・ファイルがある場合、この初期インポートの手順を使用して、そのファイルをMDS XMLに変換します。

  1. 管理ツールで、既存のリポジトリ・ファイル(RPD)をオフライン・モードで開きます。
  2. 「ファイル」を選択し、「名前を付けて保存」を選択し、「MDS XMLドキュメント」を選択します。
  3. MDS XMLリポジトリ・ファイルのルートの場所を選択し、「OK」をクリックします。
  4. ソース・コントロール管理システムで手順を実行し、ファイルを追加してチェックインします。

    大部分のSCMシステムに使用可能な一括ファイル・インポート専用のコマンドを使用します。これらのコマンドは、効率的な方法でソース・コントロールにファイルのツリー全体を配信するように最適化されています。たとえば、Subversionでは次のコマンドを使用します。

    svn import module_name -m "Initial import"

注意:

biserverxmlgenユーティリティを-Mおよび-Dオプションを指定して使用し、既存のRPDからMDS XMLを生成することもできます。『Oracle Business Intelligence Enterprise Edition XMLスキーマ・リファレンス』のコマンドライン・ユーティリティを使用した既存のRPDからのMDS XMLの生成に関する項を参照してください。

新しいリポジトリをMDS XML形式で作成

次の手順を使用して、新しいリポジトリをMDS XML形式で作成します。

  1. 管理ツールを開き、「ファイル」を選択し、「新規リポジトリ」を選択して、新規リポジトリの作成ウィザードを開きます。
  2. ウィザードで、「MDS XMLドキュメント」オプションを選択します。他のウィザード・ステップを完了します。
  3. ソース・コントロール管理システムで必要な手順を実行し、ファイルを追加してチェックインします。大規模なリポジトリの場合、SCMシステム用の一括ファイル・インポート専用のコマンドを使用します。

注意:

新しいMDS XML形式リポジトリを作成して、オブジェクトを追加し、ソース・コントロールへのリンクを選択することはしないでください。この方法は機能せず、SCMコマンドは生成されません。

ソース・コントロール・ファイルにリンクしてリポジトリを変換(小さいリポジトリのみ)

とても小さいリポジトリの場合は、「ソース・コントロール・ファイルへのリンク」メソッドを使用して、バイナリRPDファイルをMDS XML形式に変換できます。

「SCM構成ファイルの作成」を参照してください。

  1. SCM構成ファイルを定義済であることを確認します。
  2. MDS XMLリポジトリ用の空のルート・フォルダを作成します。
  3. 管理ツールで、既存のRPDファイルをオフライン・モードで開きます。
  4. 「ファイル」を選択し、「ソース・コントロール」を選択し、「ソース・コントロール・ファイルへのリンク」を選択します。
  5. 作成したルート・フォルダおよび適切なSCM構成ファイルを選択します。

    注意:

    後で構成ファイルを変更する必要がある場合は、「ツール」「オプション」「ソース・コントロール」に移動し、「編集」をクリックして、構成ファイルを変更します。

  6. 「保存」をクリックします。MDS XMLリポジトリが作成され、必要なファイルの追加操作がソース・コントロール・システムで実行されます。
  7. SCMシステムで変更をコミットします。

注意:

「ソース・コントロール・ファイルへのリンク」メソッドを使用したリポジトリの初期インポートは、リポジトリが非常に小さい場合にのみお薦めします。このメソッドは、大規模なリポジトリ(数万のファイル)では非常に遅くなります。それは、管理ツールが、一括ファイル・インポート専用コマンドを使用せずに標準のadd fileコマンドを使用して一度に1つずつファイルをインポートするためです。

add fileコマンドを繰り返し起動すると、一時エラーが発生する可能性が高まることがあります。これが発生した場合、すべてのファイルがソース・コントロールに正常にインポートされる前に、数回このプロセスを再起動しなければならないことがあります。