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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド
12c (12.2.1.2.0)
E82973-02
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ADFデータ・ソースからのメタデータのインポート

ADFデータ・ソースからOracle Business Intelligenceにメタデータをインポートする各種の方法があります。

ADFソースからメタデータをインポートする前に、ADFデータ・ソースの設定の手順を完了する必要があります

この項では、次の項目について説明します。

ADFデータ・ソースからの初期インポートの実行

メタデータのインポート・ウィザードを使用してADFデータ・ソースから初期インポートを実行できます。

  1. 管理ツールで、「ファイル」を選択し、「メタデータのインポート」を選択します。

    注意:

    既存のADFデータ・ソースおよび接続プールをすでに定義している場合は、物理レイヤーの接続プールを右クリックし、「メタデータのインポート」を選択します。

  2. メタデータのインポート・ウィザードの「データ・ソースの選択」画面で、「接続タイプ」にOracleADF_HTTPを選択します。続いて、次の値を指定します。
    • 新規接続」を選択します。そのデータ・ソースの接続プールがすでにある場合は、「既存の接続」を選択します。「参照」をクリックして、既存の接続プールを探して選択します。「既存の接続」を選択した場合、「データ・ソース」、「AppModuleの定義」、「AppModuleの構成」および「URL」フィールドには情報を入力しません。「ユーザー名」および「パスワード」フィールドには事前に情報が入力されます。

    • データ・ソース」フィールドは空白のままにして、アプリケーション・モジュールで構成されているデフォルトのJDBCデータ・ソースを使用します。データ・ソース情報(jdbc/nWindORA05のようなJDBCデータ・ソース名)を入力する必要があるのは、アプリケーション・モジュールで設定されているデータ・ソースとは異なるデータ・ソースを使用する場合のみです。

    • AppModuleの定義」フィールドには、oracle.apps.fii.receivables.model.RootAppModulesnowflakesales.SnowflakeSalesAppなど、接続先のルート・アプリケーション・モジュールの完全修飾Javaパッケージ名を入力します。

    • AppModuleの構成」フィールドには、RootAppModuleSharedSnowflakeSalesAppLocalなど、接続で使用する構成の名前を入力します。

    • 「URL」フィールドには、Oracle Business Intelligenceブローカ・サーブレットのURLを次の形式で入力します。

      http://host:port/APP_DEPLOYMENT_NAME/obieebroker
      

      次に例を示します。

      http://localhost:7001/MyApp/obieebroker
      

      URLでは大/小文字が区別されます。

    • ユーザー名」および「パスワード」フィールドには、Oracle ADFアプリケーションの有効なユーザー名とパスワードを入力します。ユーザー名とパスワードは、Oracle WebLogic Serverセキュリティ・レルムで設定され、認証されている必要があります。

    「データ・ソースの選択」画面で情報を入力し終わったら、「次へ」をクリックします。「メタデータ・オブジェクトの選択」画面が表示されます。

  3. インポートするオブジェクトを「データソース・ビュー」で選択し、「>」(選択項目をインポート)ボタンまたは「>>」(すべてインポート)ボタンを使用して「リポジトリ・ビュー」に移動します。「<」(選択対象を削除)ボタンおよび「<<」(すべて削除)ボタンを使用して、「リポジトリ・ビュー」から「データソース・ビュー」にオブジェクトを戻すこともできます。

    特定の項目を検索するには、「検索」ボックスにキーワードを入力し、「下方検索」または「上方検索」をクリックします。

    すでにインポートされているオブジェクトを含め、すべてのオブジェクトを表示するには、「完全な構造の表示」を選択します。このオプションの選択を解除すると、インポート可能なオブジェクトのみが表示されます。このオプションを選択した場合、すでにインポートされているオブジェクトはグレー表示されます。

    このインポートでデータ・ソースへの新しい接続が作成される場合、「データソース・ビュー」から「リポジトリ・ビュー」リストに項目を移動すると、「接続プール」ダイアログが開き、メタデータのインポート・ウィザードの「データ・ソースの選択」画面で入力した値が表示されます。オプションで、「接続プール」ダイアログの「その他」タブをクリックし、「SQL Bypass Database」フィールドにSQL Bypassデータベースの名前を入力します。次に、「OK」をクリックします。SQL Bypassデータベースを指定しない場合は、「取消」をクリックしてください。

  4. 「終了」をクリックしてウィザードを閉じるか、「次へ」をクリックして「論理モデルへのマップ」画面に進みます。
  5. インポートが正常に完了したことを確認するには、物理レイヤーのADFデータ・ソースのデータベース・オブジェクトを開きます。次に、物理表を右クリックし、「データの表示」をクリックします。適切なデータが表示されていれば、インポートは正常に完了しています。

増分インポートを使用したフレックス・オブジェクト変更の伝播

ADFアプリケーション内のフレックスフィールドを変更した場合、Oracle BI管理ツールのメタデータのインポート・ウィザードを使用して、Oracle BIリポジトリの物理レイヤーに変更を増分インポートできます。

メタデータのインポート・ウィザードには、ADFデータ・ソースの同期機能が含まれており、これにより、オブジェクトに加えられた変更のみをインポートすることができます。同期機能は、新たに結合されたディメンション(KFF)や新規属性(DFFおよびEFF)などの、変更されたオブジェクトを検出し、それらを検索する必要なく、自動的に追加できるようにします。

同期機能により、次のものが検出されます。

  • 列内の変更

  • 表および列の追加や削除

  • キーと外部キーの追加

  • 新たに結合された表

    既存の表に結合された新しい表がインポートされるのは、「メタデータ・オブジェクトの選択」画面で「欠落した結合オブジェクトを自動的に含める」オプションが選択された場合のみです。

インポート後、ADFデータは、表に示されているようにモデル化されます。

ADFメタデータ インポートされたBIメタデータ

ルート・アプリケーション・モジュール

データベース

ビュー・オブジェクト

物理表

ビュー・オブジェクト属性

物理列

ビュー・オブジェクト・キー

物理キー

ビュー・リンク

物理結合

注意:

データが増分インポートされると、属性のプロパティへの変更が検出されて伝播されます。たとえば、属性でそのデータ型が変更された場合、その変更は物理レイヤー・オブジェクトに伝播されます。

メタデータを物理レイヤーの既存のデータベースにインポートする場合、COUNT_STAR_SUPPORTEDオプションが「データベース・プロパティ」ダイアログの「機能」タブで選択されていることを確認します。COUNT_STAR_SUPPORTEDオプションを選択しないでメタデータをインポートする場合、「行数の更新」オプションはデータベースの物理表の右クリック・メニューに表示されません。

「論理モデルへのフレックス・オブジェクト変更の自動マッピング」を参照してください。
  1. 管理ツールで、物理レイヤーのADF OLTPソースの接続プールを右クリックし、「メタデータのインポート」を選択します。
  2. 「同期化」をクリックして、インポートする最新の変更をすべて見つけて、自動的に選択します。
  3. 選択されたメタデータを確認して、新しい属性を見つけます。
  4. 「終了」をクリックしてウィザードを閉じるか、「次へ」をクリックして「論理モデルへのマップ」画面に進みます。

論理モデルへのフレックス・オブジェクト変更の自動マッピング

ADFアプリケーション内のフレックスフィールドへの変更をインポートした後、Oracle BI管理ツールのメタデータのインポート・ウィザードの「論理モデルへのマップ」画面を使用して、「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーおよび「プレゼンテーション」レイヤーに変更を自動的に伝播できます。

デフォルトのマッピングの動作をオーバーライドするには、論理表の名前を変更するか、ビュー・オブジェクトを複数の表に分割するか、複数のビュー・オブジェクトを単一の論理表に結合します。

「マッピングの動作のカスタマイズ」を参照してください。

デフォルトの動作のままにすることも、ニーズに合せて動作をカスタマイズすることもできます。たとえば、「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーの表と列の名前を変更したり、既存の論理表にマップしたり、論理列を複数のソース列にマップしたりすることができます。「列マッピング」グリッドには、通常の列に加えて別名列も表示されるので、別名列を含むカスタマイズ済マッピングを処理できます。「表のマッピング」グリッドにより、単一の物理表を複数の論理表に、およびその逆にマップすることが可能になります。

「表のマッピング」グリッドには、「VOタイプ」列が含まれています。オプションには、「標準」「ETLのみ」および「問合せのみ」があります。「ETLのみ」のビュー・オブジェクトは、ETLマッピングの拡張のためにのみ存在し、問合せには使用されません。このタイプのインポート済ビュー・オブジェクトを参照する論理表ソースは、「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーでは無効としてマークされます。「問合せのみ」のビュー・オブジェクトは、問合せでのみ使用され、データ・ウェアハウスへの拡張のためにBI拡張機能に渡されることはありません。

「表のマッピング」グリッドには、階層に使用する「階層」列も含まれています。

インポート済の表が、「論理モデルへのマップ」の手順で作成される新しいビジネス・モデルにマップされる場合は、「論理結合の作成」を選択します。論理結合を必要なだけ使用している場合は、誤って複数の論理結合が作成されないように、「論理結合の作成」オプションを選択しないでください。

増分インポートを使用したフレックス・オブジェクト変更の伝播を参照してください。

  1. 管理ツールで、物理レイヤーの「プロパティ」を右クリックします。
  2. 「プロパティ」で、「接続プール」タブ、ADF OLTPソースを選択し、「メタデータのインポート」を選択します。
  3. 「メタデータ・オブジェクトの選択」のフィールドの入力を完了し、「次へ」をクリックします。
  4. 「論理モデルへのマップ」の「表のマッピング」グリッドと「列マッピング」グリッドに、デフォルトのドラッグ・アンド・ドロップの結果が表示されていることを確認します。
  5. (オプション)「VOタイプ」で、使用するオプションを選択します。
  6. (オプション)「階層」列で、階層のオブジェクトに対してこのオプションを選択します。
  7. (オプション)インポート済の論理結合がまだ存在していないときは、「論理結合の作成」を選択します。
  8. 「終了」をクリックして、ウィザードを閉じます。

マッピングの動作のカスタマイズ

論理モデルに自動マッピングを設定する場合、「論理モデルへのマップ」画面に表示されるマッピングに対するカスタム要件を指定する一連のXMLファイルを作成できます。

管理ツールは、それらのXMLファイルを読み取り、指定されたロジックに従ってKFF、DFFおよびEFFセグメントを自動的にマップします。各XMLファイルには、ファイルの適用先のアプリケーションを指定する、appName属性を持つトップレベルの要素があります。

XMLスキーマ・ファイルapp_segment_rule.xsdおよびmapping_rules.xsd内のロジックに従ってXMLファイルを作成する必要があります。これらのファイルは次の場所にあります。

ORACLE_HOME\bi\bifoundation\javahost\lib\obisintegration\biextender

このディレクトリ内の、接頭辞がmapping_rulesおよびapp_segment_rulesであるすべてのXMLファイルは、管理ツールによって、ADFデータ・ソースに対して解析されます。

このディレクトリ内の既存のapp_segment_rules_*.xmlおよびmapping_rules_*.xmlをサンプルとして使用できます。

「ADFマッピングのカスタマイズのためのXMLスキーマ・ファイル」を参照してください。

論理モデルへのフレックス・オブジェクト変更の手動マッピング

物理オブジェクトを「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーおよび「プレゼンテーション」レイヤーにドラッグ・アンド・ドロップして、メタデータのインポート・ウィザードの論理マッピングの手順をスキップできます。

Oracle BI管理ツールでは、ADFデータ・ソースの増分ドラッグ・アンド・ドロップがサポートされています。これにより、物理データベースおよびスキーマ・オブジェクトを既存のビジネス・モデルにドラッグ・アンド・ドロップすることができ、その結果、増分変更に対してのみ更新を行うことが可能になります。

現行ロジックには、たとえば論理ディメンションおよび階層の自動作成を可能にするなどの、データ・ソース固有のデフォルト・ルールが含まれています。

biserverextenderユーティリティを使用したFlexオブジェクト変更の自動マッピング

biserverextenderユーティリティを使用してADFソースからFlexオブジェクト変更をインポートし、それを「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーおよび「プレゼンテーション」レイヤーにマップできます。

この機能は管理ツールを必要としないため、管理ツールを使用できないLinuxシステムおよびUNIXシステムでFlexオブジェクト変更をマップする場合に特に便利です。

biserverextenderユーティリティを使用するには、既存のADFデータ・ソースの接続プールが含まれているXMLパラメータ・ファイルを先に作成しておく必要があります。biserverextenderユーティリティでは、既存のADF接続プール名をパラメータ・ファイルから取得し、ADFデータ・ソースを同期化し、ソース内のデプロイ済オブジェクトを更新し、さらに、次のディレクトリにあるデフォルト・ルール・ファイルに基づいて物理メタデータを「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーおよび「プレゼンテーション」レイヤーにマップします。

ORACLE_HOME/bi/bifoundation/javahost/lib/obisintegration/biextender

ルール・ファイルの詳細は、「マッピングの動作のカスタマイズ」を参照してください。

構文

biserverextender -R base_repository_name [-P repository_password]
-O output_repository_name -I input_XML_file [-S]

説明:

-R base_repository_nameは、Flexオブジェクト変更のインポートおよびマップ先であるリポジトリの名前とパスです。

-P repository_passwordは、ベース・リポジトリに対するOracle BIのリポジトリ・パスワードです。

repository_password引数はオプションです。パスワード引数を指定しなかった場合、コマンドの実行時にパスワードを入力するように求められます。セキュリティ侵害のリスクを最小限にとどめるために、パスワード引数をコマンドラインやスクリプトで指定しないことをお薦めします。パスワード引数は下位互換性のためにのみサポートされています。スクリプト上の理由から、標準入力によってパスワードを指定できます。

-O output_repository_nameは、ユーティリティによって生成されたリポジトリの名前とパスです。

-I input_XML_fileは、ADFデータ・ソースの接続プールの完全修飾名が含まれている入力XMLパラメータ・ファイルの名前とパスです。

-Sはオプションです。-Sを指定しない場合は、ADFソースのDFF、KFFおよびEFFオブジェクトからの変更のみが、Oracle BIリポジトリに対して同期化されます。-Sを指定した場合は、Oracle BI管理ツールにより、ADFソースのデータベース・プロパティに基づいてすべてのDFF、KFFおよびEFFオブジェクトがADFソースから再インポートされ、Oracle BIリポジトリが再同期化されます。

-Sにより、app_segment_rules.xmlルール・ファイルの次の変更も取り込まれます。

  • 新しいマッピング・ルールのセグメント

  • 新しい別名表の作成

  • 新しいADF VO To Be Exposedサブジェクト・エリアまたはプレゼンテーション表

biserverextender -R /scratch/my_repos.rpd -O /scratch/my_repos_modelled.rpd 
-I /scratch/ADFSource.xml -S
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XMLパラメータ・ファイル のサンプル

<BIExtenderParameters>
 <ConnectionDetails>
  <ConnectionPool>
   <ConnectionPoolName>"oracle.apps.fscm.model.analytics.applicationModule.Fscm
   TopModelAM_FscmTopModelAMLocal"."Connection Pool"</ConnectionPoolName>
  </ConnectionPool>
 </ConnectionDetails>
</BIExtenderParameters>