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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Composerによるビジネス・プロセスの開発
12c (12.2.1.2.0)
E82843-01
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3 BAおよびBPMプロジェクトの作成および管理

この章では、プロジェクトの共有とコラボレーションの概要を説明し、ビジネス・アーキテクチャ(BA)およびBusiness Process Management (BPM)プロジェクトの作成および管理に利用できるいくつかの基本的な機能について述べます。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 プロジェクトの共有およびコラボレーションの概要

Oracle Business Process Composerでは、ユーザー間でBAおよびBPMプロジェクトを共有する機能が提供されます。

どのユーザーがプロジェクトを表示または編集できるのか制御できます。

3.1.1 プライベート・プロジェクトとパブリック・プロジェクト

BAおよびBPMプロジェクトは、プライベートまたはパブリックとして定義されます。プロジェクト所有者のみ、プライベート・プロジェクトを表示または編集することができます。プロジェクト所有者および適切な権限を持つ他のユーザーは、パブリック・プロジェクトを編集および表示できます。

プロジェクトの共有方法の詳細は、「他のユーザーとプロジェクトを共有する方法」を参照してください。

3.1.2 編集モード

共有プロジェクトの編集モードによって、プロジェクトを変更できるかどうかが決定します。プロジェクトの現在の編集モードは、「プロジェクト情報」ペインで確認できます。

読取り専用モードでは、プロジェクトは表示のみのために開かれ、一部のプロジェクト機能は使用できません。編集モードでは、プロジェクトに変更を加えることができます。変更できるのは自分だけで、他のユーザーは表示はできますが変更はできません。

3.1.3 プロジェクト・ロール

プロジェクト・ロールを使用して、どのユーザーにプロジェクトを表示および変更するためのアクセス権があるかを定義します。プロジェクト・ロールには、所有者、編集者、表示者という3つのタイプがあります。

  • 所有者: ユーザーがプロジェクトを作成すると、そのユーザーがプロジェクトの所有者として定義されます。また、別のユーザーをプロジェクトの所有者として定義することもできます。プロジェクトの所有者は、次の操作を実行できます:

    • プロジェクトの編集

    • プロジェクトのデプロイ

    • プロジェクト・スナップショットの作成

    • 他のユーザーとのプロジェクトの共有

    • プロジェクトの削除

  • エディタ: エディタはプロジェクトを変更できます。

    エディタ・ロールを持つユーザーがプロジェクトを開くと、デフォルトではプロジェクトは読取りモードになります。他にプロジェクト編集中のユーザーがいなければ、プロジェクトを編集できる状態になります。

  • 表示者: 表示者はプロジェクトを表示できますが、変更することはできません。

3.2 プロジェクトの作成および使用

新しいBAおよびBPMプロジェクトは、アプリケーションのようこそページから作成されます。これらのプロジェクトには、プロセス・アナリストが作成した基本的な情報のみが含まれます。

新しいBAおよびBPMプロジェクトの作成方法の詳細は、「プロジェクト・パネルの概要」を参照してください。

3.2.1 アプリケーションのようこそページを使用してプロジェクトを開く方法

プロジェクトをアプリケーションのようこそページから直接開くには、プロジェクト・リストで目的のプロジェクトを見つけて、プロジェクトの名前をクリックします。

アプリケーションのようこそページからBAプロジェクトを開くと、BAプロジェクトのようこそページがデフォルトで表示されます。プロジェクトのようこそページの詳細は、「BAプロジェクトのようこそページの概要」を参照してください。

アプリケーションのようこそページからBPMプロジェクトを開くと、BPMプロジェクトのようこそページがデフォルトで表示されます。BPMプロジェクトのようこそページの詳細は、「プロジェクトのようこそページの概要」を参照してください。

プロジェクト内のコンポーネントを編集しているときは、「プロジェクト・ホーム」タブをクリックしてプロジェクトのようこそページに戻ることができます。

3.2.2 他のユーザーとプロジェクトを共有する方法

スペース・レベルで、プロジェクトを他のOracle Business Process Composerユーザーと共有します。1つの特定のスペースに格納されているプロジェクトは、同じ権限を共有します。所有者のみが、プロジェクト・レベルで権限を変更できます。

プロジェクトの共有の詳細は、「他のユーザーまたはグループとスペースを共有する方法」を参照してください

3.2.2.1 共有プロジェクトを編集する方法

デフォルトでは、共有プロジェクトは表示モードで開かれます。プロジェクトを編集する権限があり、そのプロジェクトが別のユーザーによってロックされていない場合は、プロジェクトを編集できます。

プロジェクトの編集を開始するには:

編集を開始するには、プロジェクトのようこそページの上部にある「編集」をクリックします。

プロジェクトを編集モードにすると、プロジェクトの変更を開始できます。

3.2.3 プロジェクト変更の管理

プロジェクトのコンポーネントを編集しているときは、プロジェクトへの変更を保存できます。変更するには、編集モードに切り替える必要があります。

プライベート・プロジェクトへの変更を保存するには:

プライベート・プロジェクトへの変更を保存するには、プロジェクト・ツールバーの「保存」をクリックします。プロジェクトが保存され、必要に応じて、引き続きプロジェクトを変更できます。

共有プロジェクトに変更を保存するには:

  • 変更を保存して、プロジェクトの編集を続行する場合は、プロセス・エディタ・ツールバーで「保存」をクリックします。

    各プロジェクト・コンポーネントの未保存の変更がすべて保存されます。プロジェクトは引き続きロックされており、編集を続行できます。

  • プロジェクトのロックを解放するには、プロセス・エディタ・ツールバーの「保存して解放」をクリックします。

    各プロジェクト・コンポーネントの未保存の変更がすべて保存されます。プロジェクトの共有が有効になっている場合は、権限を持つ他のOracle Business Process ComposerユーザーおよびOracle BPM Studioユーザーはプロジェクトの編集を開始できます。ただしこの変更は、公開されるまで、他の参加者は利用できません。

    注意:

    プロジェクトが、保存およびリリース前に公開されていない場合は、公開するかどうかを尋ねられます。リリース前に公開しない場合は、変更は失われます。

変更を公開する手順は次のとおりです。

他の参加者も変更内容を利用できるようにするには、その変更を公開する必要があります。これには、プロジェクト・ツールバーにある「公開」アイコンをクリックします。

公開された変更は、プロジェクトのようこそページの「最近のアクティビティ」ペインに記録されます。

3.2.4 プロジェクトへの変更を破棄する方法

プロジェクト要素の編集中に、変更を元に戻し、プロジェクトの最新の公開済バージョンに戻すことができます。

現在のプロジェクトに対して行った変更を破棄するには:

  1. プロジェクト・ツールバーの「変更の破棄」アイコンをクリックします。
  2. 「OK」をクリックして、現在のプロジェクトに対する変更の破棄を確認します。

注意:

破棄した変更は復元できません。

3.2.5 プロジェクトを閉じる方法

プロジェクトを閉じるには、プロジェクトのホーム・ページの右上隅の「プロジェクトを閉じる」をクリックします。プロジェクトを共有している場合は、「ロックの解放」チェック・ボックスを含む確認のポップアップが表示されます。このチェック・ボックスを選択してロックを解放し、他のプロジェクトの参加者がプロジェクトを編集できるようにします。あるいは、プロジェクトのようこそページの右上にあるスペース名を選択して、アプリケーションのようこそページに戻ることができます。

3.3 プロジェクト・スナップショットの使用

プロジェクト・スナップショットは、特定の時点におけるプロジェクトの読取り専用コピーです。スナップショットは読取り専用であるため、編集のために変更したり、開くことはできません。

プロジェクト・スナップショットの内容の表示、およびスナップショットに基づいたプロジェクトのエクスポートおよびデプロイは実行できます。

3.3.1 新規プロジェクト・スナップショットの作成方法

新規プロジェクト・スナップショットはプロジェクトのようこそページから作成できます。ただし、最後に公開されたプロジェクトからのみスナップショットを作成できます。

新規プロジェクト・スナップショットを作成するには:

プロジェクトで所有者または編集者権限のあるユーザーは、新規スナップショットを作成できます。

  1. 図3-1に示すように、プロジェクトのようこそページの「最近のアクティビティ」パネルで、「スナップショット」をクリックして「スナップショット」ダイアログを開きます。

    図3-1 「スナップショット」ダイアログ - 新規スナップショットの追加

    図3-1の説明が続きます
    「図3-1 「スナップショット」ダイアログ - 新規スナップショットの追加」の説明
  2. 「新規」をクリックします。
  3. スナップショットの名前を入力し、「スナップショットの作成」をクリックします。

スナップショットは、このプロジェクトに対して定義されているスナップショットのリストに表示され、スナップショットが作成された日付やスナップショット作成者のユーザーIDなどが示されます。

3.3.2 プロジェクト・スナップショットの内容を表示する方法

プロジェクト・スナップショットの内容を表示すると、プロジェクトの以前のバージョンを表示して、現在のバージョンと比較できます。

プロジェクト・スナップショットの内容を表示するには:

  1. プロジェクトのようこそページの「最近のアクティビティ」パネルに移動します。
  2. 「スナップショット」をクリックして、「スナップショット」ダイアログを開きます。
  3. 表示するスナップショットの名前をクリックします。

スナップショット・ビュー内では、プロジェクトに関連付けられているプロセスの状態、ルールおよびヒューマン・タスクを表示できます。

3.3.3 プロジェクトのアクティブ・バージョンに戻る方法

プロジェクト・スナップショットからアクティブなバージョンのプロジェクトに戻るには、プロジェクトのようこそページ上部のブレッドクラムにあるアクティブなバージョンのプロジェクトの名前をクリックします。

プロジェクト・スナップショットからアクティブなバージョンのプロジェクトに戻る場合にプロジェクトのようこそページ上部のブレッドクラムにあるアクティブなバージョンのプロジェクトの名前をクリックします

3.3.4 プロジェクト・スナップショットの削除方法

プロジェクトの編集者ロールを付与されたユーザーは、Oracle Business Process Composerを使用して、作成したスナップショットを削除できます。プロジェクトの所有者または管理者ロールを付与されたユーザーは、任意のユーザーが作成したすべてのスナップショットを削除できます。

  1. プロジェクトを開きます。
  2. プロジェクトのようこそページの「最近のアクティビティ」パネルで、「スナップショット」をクリックします。
  3. 削除するスナップショットをリストから選択し、「削除」をクリックします。
  4. 「はい」をクリックして、プロジェクト・スナップショットを削除することを確認します。

    削除したプロジェクト・スナップショットは復元できません。

3.3.5 プロジェクト・スナップショットのエクスポート方法

Oracle Business Process Composerを使用して、プロジェクト・スナップショットをエクスポートできます。プロジェクト・スナップショットは、デプロイや他のユーザーとの共有などが可能な通常のBPMプロジェクトとしてエクスポートされます。

プロジェクト・スナップショットをエクスポートするには:

  1. プロジェクトを開きます。
  2. エクスポートするプロジェクト・スナップショットを表示します。
  3. メイン・メニューの「エクスポート」を選択し、「プロジェクトのエクスポート」を選択します。
  4. ローカル・ファイル・システム上の場所を選択し、「保存」をクリックします。

    エクスポートしたプロジェクト・スナップショットは、ファイル・システム上に.EXPファイルとして保存されます。

3.3.6 プロジェクト・スナップショットのデプロイ方法

Oracle Business Process Composerを使用して、プロジェクト・スナップショットをランタイムに直接デプロイできます。これにより、プロジェクトをテストしたり、旧バージョンのプロジェクトに戻したりすることができます。

プロジェクト・スナップショットをデプロイするには:

  1. プロジェクトを開きます。
  2. デプロイするプロジェクト・スナップショットを表示します。
  3. メイン・メニューの「プロジェクトのデプロイ」を選択します。
  4. 「プロジェクトをランタイムにデプロイする方法」に記載されている情報を指定します。
  5. 「デプロイ」をクリックします。

あるいはプロジェクトを開いているユーザーは、「デプロイ」ポップアップからスナップショットを選択できます。デフォルトの選択肢は現在のプロジェクトです。ただしスナップショットがある場合は、ユーザーはスナップショットを選択できます。

3.4 プロジェクトのインポートおよびエクスポート

Oracle Business Process Composerを使用すると、BPMプロジェクトを.EXPファイルとしてインポートおよびエクスポートできます。

この機能によって、Oracle BPMリポジトリを使用せずに、ファイル・システムを直接使用して、他のOracle Business Process ComposerユーザーおよびOracle BPM Studioユーザーとプロジェクトを直接共有できます。

注意:

12cより前のリリースからプロジェクトを移行する場合は、プロジェクトをBPM Studioにインポートします。その後は、コンポジットをデプロイしたり、Business Process Composerを使用してプロジェクトをエクスポートおよびインポートできます。

3.4.1 ローカル・ファイル・システムからプロジェクトをインポートする方法

以前にエクスポートして.EXPファイルとして保存したBPM 12cプロジェクトをインポートできます。インポートしたプロジェクトは、Oracle BPMリポジトリに格納されます。

注意:

12cより前のリリースからプロジェクトを移行する場合は、プロジェクトをBPM Studioにインポートします。その後は、コンポジットをデプロイしたり、Business Process Composerを使用してプロジェクトをエクスポートおよびインポートできます。

プロジェクトをインポートするには:

  1. アプリケーションのようこそページにアクセスします。
  2. メイン・メニューの「インポート」を選択し、「プロジェクトのインポート」を選択します

    図3-2に示すように、メイン・メニューには、Oracle Business Process Composerユーザー・インタフェースの左上からアクセスできます。

    図3-2 アプリケーションのようこそページのメイン・メニュー

    図3-2の説明が続きます
    「図3-2 アプリケーションのようこそページのメイン・メニュー」の説明
  3. インポートしたプロジェクトを格納するスペースを選択します。

    プロジェクトをインポートする前に、スペースを作成または選択する必要があります。

  4. 「参照」をクリックして、インポートするプロジェクト・ファイルを選択します。
  5. 「OK」をクリックして、プロジェクトをOracle BPMリポジトリにインポートします。

3.4.2 アプリケーションのようこそページからプロジェクトをエクスポートする方法

Oracle Business Process ComposerからエクスポートしたプロジェクトをOracle BPM Studioにインポートできます。プロジェクトをローカル・ファイル・システムにエクスポートすると、Oracle Process Asset Manager (PAM)を使用せずにプロジェクトを共有できます。

アプリケーションのようこそページのプロジェクト・リストからプロジェクトをエクスポートできます。

プロジェクトをEXPファイルとしてエクスポートするには:

  1. 図3-3に示すように、プロジェクト・リストにあるプロジェクトのリストから、エクスポートするプロジェクトを見つけます。

    図3-3 プロジェクト・リスト - リスト内のプロジェクト

    図3-3の説明が続きます
    「図3-3 プロジェクト・リスト - リスト内のプロジェクト」の説明
  2. 右上にある「ダウンロード」アイコン(「ダウンロード」アイコンはプロジェクト・ファイルをローカル・ファイル・システムにダウンロードする場合にクリックします)をクリックします。
  3. ローカル・ファイル・システム上の場所を選択し、「保存」をクリックします。

エクスポートしたプロジェクトは、ローカル・ファイル・システム上に.EXPファイルとして保存されます。

3.4.3 プロジェクトのようこそページからプロジェクトまたはプロジェクト・スナップショットをエクスポートする方法

プロジェクトまたはプロジェクト・スナップショットは、プロジェクトのようこそページで、Oracle Business Process Composerからローカル・ファイル・システムにエクスポートできます。プロジェクトまたはプロジェクト・スナップショットをローカル・ファイル・システムにエクスポートすると、Oracle Process Asset Manager (PAM)を使用せずにプロジェクトを共有できます。

プロジェクトをEXPファイルとしてエクスポートするには:

  1. エクスポートするプロジェクトまたはプロジェクト・スナップショットを開きます。
  2. 図3-4に示すように、メイン・メニューから「エクスポート」を選択し、現在のプロジェクトをエクスポートするか、最後に公開されたプロジェクトをエクスポートするかを選択します。

    プロジェクト・スナップショットの場合は、「最終公開プロジェクト」オプションのみが利用できることに注意してください。

    図3-4 プロジェクトのメイン・メニュー - エクスポート

    図3-4の説明が続きます
    「図3-4 プロジェクトのメイン・メニュー - エクスポート」の説明
  3. ローカル・ファイル・システム上の場所を選択し、「保存」をクリックします。

エクスポートしたプロジェクトは、ローカル・ファイル・システム上に.EXPファイルとして保存されます。