プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理
12c (12.2.1.2)
E82709-01
目次へ移動
目次

前
次

9 デプロイ・プロセスの理解

Oracle Fusion Middlewareアプリケーション(Java EEアプリケーションなど)をデプロイする前に、デプロイ・プロセス(アプリケーションの設計および開発、これらのアプリケーションの管理対象サーバーへのデプロイなど)を理解する必要があります。

トピック:

9.1 デプロイヤとは

デプロイヤ・ロールのユーザーは、Java EEアプリケーションやADFアプリケーションなどのアプリケーションを、WebLogic Serverのインスタンスまたはクラスタにデプロイする作業を担当します。

デプロイヤとして作業するユーザーには、Oracle WebLogic Serverのデプロイヤ・セキュリティ・ロールを付与する必要があります。デプロイヤ・セキュリティ・ロールが付与されていると、デプロイ操作の他に、サーバー構成の表示や起動クラスと停止クラスの変更などが可能になります。このロールをユーザーに付与するには、Fusion Middleware Controlから次の手順を実行します。

  1. 「WebLogicドメイン」メニューで、「セキュリティ」「ユーザーとグループ」を選択します。

    「ユーザーとグループ」ページが表示されます。

  2. 付与するユーザーがいない場合は、「作成」をクリックします。

    「ユーザーの作成」ページが表示されます。

  3. ユーザーの名前とパスワードを入力します。パスワードを確認します。

  4. 「作成」をクリックします。

  5. 「ユーザーとグループ」ページで、ユーザーを選択します。

  6. ユーザーの設定ページで、「使用可能」ペインから「デプロイヤ」を選択して「選択済」ペインに移動します。

  7. 「保存」をクリックします。

9.2 アプリケーション設計から本番デプロイへの一般的な移行手順

統合型のOracle WebLogic Serverを使用してアプリケーションを設計およびテストします。その後、アプリケーションを管理対象サーバーにデプロイできます。アプリケーションの設計および開発から、本番環境でのデプロイに移行できます。

この項では、次の項目について説明します。

9.2.1 アプリケーションの設計および開発

多くの場合、開発者はアプリケーションの作成にOracle JDeveloperを使用します。Oracle JDeveloperは、Java、XML、Webサービス、ポートレット、SQLの最新業界標準を使用してサービス指向アプリケーションを構築するための統合開発環境(IDE)です。JDeveloperは、アプリケーションのモデリング、コーディング、デバッグ、テスト、プロファイル、チューニング、デプロイの各機能が統合されており、ソフトウェア開発のライフサイクル全体をサポートしています。

この環境では、統合型のOracle WebLogic Serverを使用します。これは、アプリケーションのテストを目的として、Oracle JDeveloperとともにパッケージ化されています。

アプリケーションのデプロイの詳細は、次を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発

  • Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発

  • Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』

9.2.2 管理対象サーバーへのアプリケーションのデプロイ

統合型のOracle WebLogic Serverを使用した設計およびテストが済んだアプリケーションは、管理対象サーバー・インスタンスにデプロイできます。たとえば、本番環境にOracle WebLogic Serverをインストールして、管理対象サーバーを含めたドメインを構成し、その管理対象サーバーにアプリケーションをデプロイできます。

次の各ドキュメントでは、様々なタイプのアプリケーションのデプロイについて具体的な情報が記述されています。

  • Java EEアプリケーションについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』を参照してください。

  • Oracle ADFについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle ADFアプリケーションの管理』を参照してください。

  • Oracle SOA Suiteについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』を参照してください。

  • Oracle WebCenter Portalについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』を参照してください。

この項では、統合型のOracle WebLogic Serverからデプロイ環境とは別の環境にアプリケーションを移行する場合に必要な、主な手順の概要について説明します。一般的な手順は次のとおりです。

  1. アプリケーションをパッケージ化します。

    • Java EEアプリケーションでは、アプリケーションをEARファイルにパッケージ化します。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の「アプリケーションとモジュールのデプロイのための準備」を参照してください。

    • Oracle ADFでは、アプリケーションをEARファイルにパッケージ化します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のEARファイルとパッケージ化に関する必知事項に関する項を参照してください。

    • Oracle SOA Suiteでは、アプリケーションをJARまたはZIPファイルにパッケージ化します。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のパッケージ化の影響の理解に関する項を参照してください。

    • Oracle WebCenter Portalでは、アプリケーションをEARファイルにパッケージ化します。『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』のWebCenter Portalアプリケーションのパッケージ化に関する説明を参照してください。

  2. 環境を設定します。内容は次のとおりです。

    • ドメイン、およびその正しいドメイン・テンプレートで構成された管理対象サーバーのインストールおよび構成。たとえば、Oracle SOA Suiteアプリケーションをデプロイする場合、管理対象サーバーではOracle SOA Suiteドメイン・テンプレートを使用する必要があります。構成ウィザードを使用してドメインを作成すると、適切なドメイン・テンプレートが適用されます。また、「ドメインの拡張による追加コンポーネントのサポート」で説明するように、ドメインを拡張して別のドメイン・テンプレートを使用することもできます。

      具体的なコンポーネントのインストールおよび構成の詳細は、次を参照してください。

      • Oracle ADF: 『Oracle Fusion Middleware Oracle ADFアプリケーションの管理』のWebLogicインストールにADFランタイムをインストールする方法に関する説明

      • Oracle SOA Suite: Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールと構成の「Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteのインストール」、「Oracle SOA Suiteドメインの構成」および「Oracle Business Process Managementドメインの構成」

      • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのインストールと構成』「Oracle WebCenter Portalのインストール」およびOracle WebCenter Portalの構成に関する説明

    • 必要なすべてのスキーマの既存のデータベースでの作成。『Oracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』を参照してください。

    • Oracle WebLogic ServerドメインへのMDSリポジトリの登録(アプリケーションでMDSリポジトリを使用する場合)。たとえば、Oracle SOA SuiteアプリケーションにはMDSが必要です。一部のADFアプリケーションでは、MDSを使用してカスタマイズを行います。MDSリポジトリの登録の詳細は、「Fusion Middleware Controlを使用したデータベース・ベースのMDSリポジトリの登録」を参照してください。

  3. アプリケーションでデータベースを使用する場合は、JDBCデータ・ソースを設定します。

    JDBCデータ・ソースの設定の詳細は、次を参照してください。

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』

    • Oracle ADF: 『Oracle Fusion Middleware Oracle ADFアプリケーションの管理』のOracle WebLogic ServerのJDBCデータ・ソースを作成する方法に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のデータ・ソースおよびキューの作成に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』のデータ・ソースの選択に関する項

  4. Oracle SOA Suiteの場合、接続ファクトリおよび接続プールを作成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』の接続ファクトリおよび接続プールの作成に関する項を参照してください。

  5. ターゲットとなる管理対象サーバーへの接続を作成します。

    Oracle JDeveloperから、JDeveloperの外部にある管理対象サーバー・インスタンスにアプリケーションをデプロイできます。そのためには、まずアプリケーションのデプロイ先となるサーバー・インスタンスへの接続を作成する必要があります。

    詳細は、次を参照してください。

    • Oracle ADF: 『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のターゲット・アプリケーション・サーバーへの接続を作成する方法に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のアプリケーション・サーバー接続の作成に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』のWebLogic管理対象サーバー接続の作成に関する説明

  6. Oracle SOA Suiteの場合、SOAコンポジット・アプリケーションが他のコンポジットとメタデータを共有している場合、SOA-MDS接続を作成します。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のSOA-MDS接続の作成に関する項を参照してください。

  7. JDBC接続文字列や各種サーバーのホスト名など、環境に固有の値の情報を含む構成プランまたはデプロイメント・プランを作成します。詳細は、次を参照してください。

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の新しいデプロイ・プランの作成によるアプリケーションの構成に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』の構成プランの概要に関する項

  8. 資格証明、アイデンティティ、ポリシーなどのアプリケーション・セキュリティを移行します。詳細は、次を参照してください。

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』の「セキュリティ・データの移行」

    • Oracle ADF: 『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のデプロイメントのためのセキュア・アプリケーションの準備に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のセキュリティの有効化に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』の「WebCenter Portalアプリケーション・セキュリティの管理」

  9. デプロイメント・プロファイルを作成します。デプロイメント・プロファイルは、カスタムADF、WebCenter Portal、SOAの各アプリケーションおよび関連付けられたファイルをパッケージ化またはアーカイブして、Oracle WebLogic Server管理対象サーバー・インスタンスにアプリケーションをデプロイできるようにします。デプロイ・プロファイルは、プロジェクト・レベルおよびアプリケーション・レベルで作成されます。

    詳細は、次を参照してください。

    • Oracle ADF: 『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のデプロイメント・プロファイルの作成方法に関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のプロジェクト・デプロイメント・プロファイルの作成(オプション)に関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』のデプロイメント・プロファイルの作成に関する説明

  10. Oracle SOA SuiteOracle JDeveloperの拡張機能を移行します。表9-1に、拡張機能とそれを説明しているドキュメントを示します。

    表9-1 Oracle JDeveloperの拡張機能

    コンポーネント 拡張機能 関連項目:

    Oracle SOA Suite

    SOAの拡張機能

    『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperのインストール』のOracle JDeveloper拡張機能の有効化に関する項

    Oracle WebCenter Portal

    WebCenter Portalの拡張機能

    『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』のWebLogic管理対象サーバー・インスタンスの作成とプロビジョニングに関する説明

  11. アプリケーションを管理対象サーバーにデプロイします。

    詳細は、次を参照してください。

    • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の「デプロイメント用アプリケーションの新しい環境へのエクスポート」

    • Oracle ADF: 『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のアプリケーションのデプロイに関する項

    • Oracle SOA Suite: 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』のSOAコンポジット・アプリケーションのデプロイに関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』のアプリケーションのWebLogic管理対象サーバーへのデプロイに関する項

9.2.3 他の環境へのアプリケーションの移行の自動化

アプリケーションの移行は、WLSTスクリプトまたはantスクリプトを使用して自動化できます。これにより、複数の環境または管理対象サーバーへのアプリケーションのデプロイ、および更新されたバージョンのアプリケーションのデプロイが容易になります。

スクリプトの使用によってアプリケーションを他の環境に移行する操作の詳細は、次を参照してください。

  • ピュアJava EEアプリケーション: 『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolの理解』の「WebLogic Scripting Toolの使用」

  • Oracle ADF: 『Oracle Fusion Middleware Oracle ADFアプリケーションの管理』のスクリプトおよびAntを使用したデプロイに関する項

  • Oracle SOA Suite: 『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』の次の各項

    • スクリプトを使用したSOAコンポジット・アプリケーションに関する項

    • antスクリプトを使用したSOAコンポジット・アプリケーションに関する項

    • Oracle WebCenter Portal: 『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』のWebLogic管理対象サーバー・インスタンスの作成とプロビジョニングに関する説明

9.3 一般的なデプロイ問題の診断

アプリケーションのデプロイ時に問題が発生した場合、その問題を診断して修正できます。

次に、アプリケーションを管理対象サーバーにデプロイする際に直面する可能性のある一般的な問題についていくつか説明します。

また、SOAアプリケーションのトラブルシューティングの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発』の一般的なデプロイ・エラーのトラブルシューティングに関する項を参照してください。