様々なOracle製品スイート内のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの障害保護の要件およびこれらのコンポーネントの同期化に関する推奨事項について確認します。
ストレージ・レプリケーションを使用して中間層のコンテンツを同期化し、Oracle Data Guardを使用して、トポロジに含まれているOracle Databaseおよびカスタム・アプリケーション・データベース内のデータを同期化します。
注意:
Oracleインベントリ、beahomelist
ファイル、oratab
ファイル、oraInst.loc
ファイルなどの特定のアーティファクトは、すべてのOracle製品デプロイメント間で共通です。これらのアーティファクトが異なっていることはほとんどなく、通常のストレージ・レプリケーションおよび同期化アクティビティの一部とする必要はありません。Oracleインベントリ、beahomelist
ファイル、oratab
ファイルおよびoraInst.loc
ファイルはマシンのローカル・ディスクに配置することをお薦めします。これらのアーティファクトは、作成時およびパッチ・アップデートの適用時に手動で更新する必要があります。環境で必要な場合は、これらのアーティファクトを共有記憶域に配置することも可能です。Oracleインベントリの管理の詳細は、「Oracleインベントリの管理」を参照してください。
Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理』
この章の内容は次のとおりです。
Oracle WebLogic Serverは、スケーラブルなエンタープライズ対応のJavaプラットフォームであり、Enterprise Edition(Java EE)のアプリケーション・サーバーです。
Oracle WebLogic Serverインフラストラクチャは、様々なタイプの分散アプリケーションのデプロイメントをサポートしており、Oracle Fusion Middleware製品スイートに基づいてアプリケーションを構築するための理想的な基盤となります。
コンポーネント固有の推奨事項に加えて、次のアーティファクトと考慮事項がすべてのWebLogic Serverコンポーネントに適用されます。
ファイル・システム上のアーティファクト
Oracleホーム: Oracleホームは、WebLogic Serverバイナリ・ファイルを含むWebLogicホームから構成されます。
ドメイン・ホーム: ドメイン・ホームには、WebLogicドメインの構成データおよびアプリケーションが含まれます。
ネットワーク・アーティファクト
Oracle WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバーの両方のリスニング・アドレスとして、(物理ホスト名ではなく)仮想別名を使用することをお薦めします。この別名が本番サイトおよびスタンバイ・サイトの両方で解決されるかぎり、障害時リカバリ操作後にこの値を更新する必要はありません。
環境でサーバー全体の移行を構成する必要がある場合、サーバー全体の移行で構成されている管理対象サーバーのリスニング・アドレスとして仮想ホスト名を使用します。障害時リカバリ操作後にリスニング・アドレスを手動で更新しなくても済むようにするには、ホスト名をプライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの両方で解決できるようにしてください。
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、WebLogic Serverアプリケーションへのアクセスに使用されるロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
この項の残りの部分では、次のOracle WebLogic Serverコンポーネントの障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
Oracle WebLogic Server JMSおよびT-Logアーティファクトおよび障害時リカバリに関する推奨事項について確認します。
ファイル・システム上のアーティファクト:
ファイルベースの永続ストア: JMSおよびT-Logのファイル・ストアの場所(ファイルベースの永続ストアを使用する場合)。
データベース内のアーティファクト
JMSメッセージを含むスキーマ(データベースベースの永続ストアを使用する場合)。このスキーマには、JDBC LLRオプションを利用するWebLogicアプリケーションのロギング・ラスト・リソース(LLR)トランザクション・ログ・レコードが含まれます。
サーバー全体の自動移行が構成されている場合、必要なリース表はデータベース内にあります。
特別な考慮事項:
システムのリストア・ポイントよりも後にエンキューされていた未処理のメッセージは失われます。システムのリストア・ポイントよりも前にエンキューされており、その後デキューされて確認応答またはコミット(処理)されたメッセージについては、メッセージの複製が作成されます。
永続ストアがJMS専用のカスタム・ストアである場合は、ストア全体を削除できます。
システムの様々な部分を様々な時点でリストアすると、データに不整合が生じる可能性があります。メッセージ・ストア、トランザクション・ログまたはアプリケーション・データベースが別々に同期化されると、このような状況が発生することがあります。たとえば、存在しないデータベース行をメッセージが参照する場合(またはその逆)などです。これにより、重複メッセージに加えて未処理のメッセージが削除されることがあります。
ストアがJMS専用でない場合は、Oracle WebLogic Server JMSメッセージ管理ツールを使用します。このツールを使用して、管理コンソール、MBeanおよびWebLogic Scripting Tool(WLST)からインポート、エクスポート、移動および削除の各操作を行うことができます。
アプリケーションがキューとトピックの両方を使用する場合は、必ずキューとトピックの両方のサブスクリプションを処理してください。
同期に関する推奨事項:
JMSデータの重要性が高い場合には、同期レプリケーションを使用して、トランザクション・ログ・データとJMSデータをリアル・タイムで同期化します。同期レプリケーションを使用するとパフォーマンスに影響する場合があります。
各層間でのデータの整合性が重要な場合は、データベース層とアプリケーション層が同時にレプリケートされていることを確認します。こうすると、異なる層をまったく同じ時点でリカバリできるようにするために役立ちます。
データベース・ベースの永続ストアを使用している場合は、Oracle Data Guardを使用して、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトをレプリケートします。
ブロックレベルのスナップショット機能をサポートしていないストレージ・デバイスを使用している場合は、JMSサーバーを停止して、一貫性バックアップを作成します。これにより、コピー操作の実行中に永続ストアへの書込みが行われないようになります。クラスタ環境では、一度に1台のサーバーを停止して、バックアップし、再起動します。WLSTを使用してこれらの操作を実行するスクリプトを作成することもできます。
リカバリに関する推奨事項:
WLSドメイン内の管理サーバーおよび管理対象サーバーの永続ストアを含むデータベース・スキーマを直近の時点にリカバリします。
また、重複メッセージを回避するために、リカバリに関する次の推奨事項を使用します。
重複メッセージの回避
リカバリの前に次の手順を実行して、永続ストアのリカバリ後にJMSキュー内のメッセージをフィルタリングし、重複メッセージの処理を回避します。
注意:
メッセージを排出および破棄する前に、保存の必要なデータがメッセージに含まれていないことを確認してください。リカバリしたメッセージには、処理済の重複メッセージに加えて、重要なアプリケーション・データが含まれる未処理のメッセージが含まれている可能性があります。
Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
リカバリの前に、起動時に生成、挿入および消費操作を一時停止するようにJMSサーバーを構成します。これにより、古いメッセージを破棄する前に、新しいメッセージが宛先に生成または挿入されたり、宛先から消費されたりしないことが保証されます。これを行うには、次の手順を実行します。
「サービス」→「メッセージング」→「JMSサーバー」を開きます。
「JMSサーバーのサマリー」ページで、メッセージの休止を構成するJMSサーバーをクリックします。
「構成: 全般」ページで「詳細」をクリックして、メッセージの休止オプションを定義します。「起動時に挿入を休止」、「起動時に生成を休止」および「起動時に消費を休止」を選択します。
「保存」をクリックします。
管理コンソールのチェンジ・センターで「変更のアクティブ化」をクリックしてこれらの変更をアクティブ化します。
リカバリ後に実行する手順は次のとおりです。
永続ストアのリカバリ後に、管理対象サーバーを起動します。
次の手順を実行して、失効したメッセージをJMS宛先から排出します。
「サービス」→「メッセージング」→「JMSモジュール」を開きます。
JMSモジュールを選択して、宛先を選択します。
「監視」を選択して、「メッセージの表示」をクリックします。
「すべて削除」をクリックします。
手順2にリストされている指示に従って操作を再開します。
Oracle Platform Security Servicesアーティファクトおよび障害時リカバリに関する推奨事項について確認します。
データベース内のアーティファクト:
Oracle Platform Security Servicesにはデータベース依存性がないため、適用されません。
同期に関する推奨事項:
構成の変更後およびパッチの適用後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle Databaseメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。「手動によるデータベースの同期化」およびフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項を参照してください。
リカバリに関する推奨事項:
WebLogic Serverドメイン内の管理サーバーおよび管理対象サーバーをリカバリします。
Oracle SOA Suiteは、SOAコンポジット・アプリケーションを設計、デプロイおよび管理するサービス・インフラストラクチャ・コンポーネントの完全なセットを提供するOracle Fusion Middlewareコンポーネントです。
Oracle SOA Suiteでは、サービスの作成、管理、および複数のテクノロジ・コンポーネントと結合するSOAコンポジット・アプリケーションへの編成が可能です。
SOAコンポジット・アプリケーションは、次のものから構成されています。
サービス・コンポーネント: サービス・コンポーネントは、SOAコンポジット・アプリケーションの基本的な構成要素です。サービス・コンポーネントにより、SOAコンポジット・アプリケーション全体のビジネス・ロジックの一部が実装されます。サービス・コンポーネントの例としては、Oracle BPEL Process Manager、Oracle Mediator、Oracle Human Workflow、Oracle Business Rulesなどがあります。
バインディング・コンポーネント: バインディング・コンポーネントは、SOAコンポジット・アプリケーションを外部のサービス、アプリケーションおよびテクノロジに結び付けます。バインディング・コンポーネントは、次の2つのグループから構成されています。
サービス: SOAコンポジット・アプリケーションへのエントリ・ポイントを外部に提供します。サービスのWSDLファイルによって、そのサービスの機能が外部のアプリケーションに通知されます。サービス・バインディングには、SOAコンポジット・サービスを呼び出す方法(SOAPを使用するなど)が定義されています。
参照: SOAコンポジット・アプリケーションから外部サービスへのメッセージの送信を可能にします(たとえば、パートナ・リンクがBPELプロセスに提供するのと同じ機能を、それより高いSOAコンポジット・アプリケーション・レベルで提供するなど)。
注意:
11gなどの古いOracle SOA Suiteリリースでは、soa-infraおよびサービス・エンジン構成ファイルは、ドメイン構成の一部としてローカルまたは共有のストレージ・ファイルに格納されていました。Oracle SOA Suite 12c R1以降では、これらのファイルはメタデータ・リポジトリ・データベースに配置されます。そのため、soa-infraおよびサービス・エンジン構成変更は、クラスタ全体に即座に伝播されるようになりました。
Oracle SOA Suiteの障害時リカバリに関する推奨事項では、Oracle SOA Suite 12c R2 (12.2.1)リリースを使用しているものと想定しています。
Oracle SOA Suiteアーティファクトは、メタデータ・リポジトリだけでなく、ローカルまたは共有のファイル・システムに格納されます。コンポジット・アーティファクトはメタデータ・リポジトリに格納され、バイナリ・ファイルおよびドメイン関連の構成ファイルはローカルまたは共有のファイル・システムに格納されます。
すべてのOracle SOA Suiteコンポーネントで共通のアーティファクトおよび考慮事項
コンポーネント固有の考慮事項に加えて、次のアーティファクトと考慮事項がすべてのOracle SOA Suiteコンポーネントに適用されます。
ファイル・システム上のアーティファクト
Oracleホーム: Oracleホームは、WebLogic Serverバイナリ・ファイルが格納されるWebLogicホームとOracle SOA Suiteバイナリ・ファイルが格納されるOracleホームから構成されます。
Oracle Commonホーム: これは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびJava Required Files(JRF)に必要なバイナリおよびライブラリ・ファイルが格納されるOracleホームです。
ドメイン・ホーム: ドメイン・ホームには、SOAドメインの構成データおよびSOAコンポジットが含まれます。
ネットワーク・アーティファクト
Oracle WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバーの両方のリスニング・アドレスとして、仮想ホスト名を使用することをお薦めします。このホスト名が本番サイトおよびスタンバイ・サイトの両方で解決されるかぎり、障害時リカバリ操作後にこの値を更新する必要はありません。IPアドレスを仮想ホスト名に更新する手順については、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle SOA Suiteコンポーネントへのアクセスに必要なロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
データベース内のアーティファクト
Oracle SOA Suiteスキーマ、サービス・インフラストラクチャとサービス・エンジンの構成、およびコンポジット定義は、Oracle SOA Suiteのデータベースとメタデータ・リポジトリに格納されます。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更、コンポジットのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。「手動によるデータベースの同期化」およびフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項を参照してください。
リカバリに関する推奨事項
データベースを直近の時点にリカバリして、最新のコンポジット定義および進行中のインスタンスがリストアされるようにする必要があります。
進行中のインスタンスで処理が続行されるようにするには、コンポジット定義が一致している必要があります。このため、メタデータ・リポジトリ(コンポジット定義が格納されている場所)とOracle SOA Suiteデータベース(プロセス・ステータスが維持される場所)は、同じ時点にリカバリされる必要があります。
再デプロイされたコンポジットでは、データベース・リカバリにより、デハイドレーションされた進行中のプロセスと、対応するそれらの定義間の一貫性が確保されます。これは、デハイドレーションされたインスタンスが格納されているデータベース・リポジトリにプロセス定義が格納されているためです。
次の項では、次のOracle SOA Suiteコンポーネントの障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
Oracle SOAサービス・インフラストラクチャは、Oracle SOA Suiteを実行するための基礎となるサービスを提供するJava EEアプリケーションです。
このJava EEアプリケーションは、Oracle SOA Suiteがインストールされると、自動的にデプロイされるランタイム・エンジンです。コンポジット(サービス・コンポーネント・アーキテクチャ内の基本アーティファクト)をOracle SOA Infrastructureにデプロイすると、コンポジットの実行に必要なサービスが提供されます。Oracle SOA Infrastructureは、コンポジット用のデプロイメント、接続およびスレッド管理サービスを提供します。これらのサービスにより、コンポジットのライフサイクルと実行時操作が維持されます。
この項では、様々なOracle SOA Service Infrastructureアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
データベース内のアーティファクト
コンポジット定義と構成ファイルは、MDSリポジトリに格納されます。コンポジット・インスタンス・ステータスの永続性は、Oracle SOA Service Infrastructureデータベース内に格納されます。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更、コンポジットのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
データベースを直近の時点にリカバリして、最新のコンポジット定義および進行中のインスタンスがリストアされるようにする必要があります。
Oracle BPEL Processエンジンは、BPELプロセスの実行を可能にする、Oracle SOA Service Infrastructure内で実行されるサービス・エンジンです。
BPELプロセスは、個々のサービスのセットをエンドツーエンド・プロセス・フローにアセンブルし、同期および非同期サービスをエンドツーエンドBPELプロセス・フローに展開するための標準を提供します。それは、長時間実行される非同期プロセスのプロセス編成および格納を可能にします。
この項では、様々なOracle BPEL Process Managerアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
データベース内のアーティファクト
プロセス定義と構成ファイルは、MDSリポジトリに格納されます。BPELプロセス・ステータスの永続性は、Oracle SOA Suiteデータベース内に格納されます。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更後およびパッチの適用後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
データベースを直近の時点にリカバリして、最新のプロセス定義および進行中のインスタンスがリストアされるようにする必要があります。Oracle BPEL Process Managerの冪等プロセスを使用すると、障害時リカバリ操作の実行後にクリーンアップする必要がないため、これを使用することをお薦めします。冪等以外のOracle BPEL Process Managerプロセスを使用する場合は、障害時リカバリ操作の実行後に、デハイドレーション・ストアからプロセスをクリーンアップする必要があります(特に、プロセスが進行中の場合)。
Oracle Mediatorは、サービスとイベントのプロバイダおよびコンシューマを仲介するフレームワークを提供するOracle SOA Service Infrastructure内のサービス・エンジンです。
Oracle Mediatorは、SOA Service Infrastructure Java EEアプリケーションとともに実行されます。
この項では、様々なOracle Mediatorアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
データベース内のアーティファクト
Mediatorサービス・エンジンは、パラレル・ルーティング・ルールの非同期ルーティング用にメッセージをデータベースに格納します。Mediatorコンポーネント・インスタンス・ステータスおよび監査の詳細もデータベース内に格納されます。
メタデータ・リポジトリには、コンポジット定義の一部としてMediatorコンポーネント定義が格納されます。
注意:
順次ルーティング・ルールはメッセージをデータベースに実行の一部として永続化しません。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更およびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
管理サーバー、およびSOAアプリケーションを実行している管理対象サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle Human Workflowは、インタラクティブなユーザー主導のプロセスの実行、および承認、拒否や再割当てアクションなどのユーザーによる操作のサポートを可能にするOracle SOA Service Infrastructureで実行されるサービス・エンジンです。
Human Workflowサービスは、人間がビジネス・プロセスに関する様々な操作を実行できるようにするためのいくつかのサービスで構成されています。
この項では、様々なOracle Human Workflowアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
データベース内のアーティファクト
ヒューマン・ワークフロー・インスタンス・データおよび他のワークリスト・データ(休暇ルール、グループ・ルール、フィールド・マッピング、ビュー定義など)は、データベース内に格納されます。
メタデータ・リポジトリは、SOAコンポジットによって使用される共有のヒューマン・ワークフロー・サービス定義およびスキーマの格納に使用されます。
同期に関する推奨事項
ドメインの構成の変更およびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
SOAアプリケーションを実行している管理対象サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。Oracle Human Workflowエンジンは、Oracle User Messaging Serviceを使用して通知を送信および取得します。Oracle User Messaging Serviceの詳細は、「Oracle User Messaging Serviceに関する推奨事項」を参照してください。
Oracle B2Bは、SOAコンポジット・アプリケーションを外部サービス、アプリケーションおよびテクノロジに接続し、業界で認められている企業間(B2B)の標準をサポートするマルチプロトコル・ゲートウェイを提供します。
Oracle B2Bは、Oracle SOA Suiteを、電子データ交換(EDI)、ebXML、HL7、RosettaNetなどのビジネス・プロトコル標準で拡張します。Oracle B2Bは、SOA Service Infrastructure内のバインディング・コンポーネントとして実装されます。
この項では、様々なOracle B2Bアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
ファイル・システム上のアーティファクト
JMSストア: ファイルベースのJMS永続ストアを含むボリューム。表2-1に、Oracle B2Bによって内部的に使用されるJMSキューを示します。
表2-1 Oracle B2Bによって使用されるJMSキュー
JMSアーティファクト名 | タイプ | JNDI名 |
---|---|---|
|
分散キュー |
|
|
分散キュー |
|
|
分散キュー |
|
|
分散トピック |
|
データベース内のアーティファクト
Oracle B2Bメッセージおよびメッセージ・ステータスの永続性は、パートナ、ドキュメントおよびチャネル定義とともに、Oracle SOA Suiteデータベース内に格納されます。メタデータ・リポジトリは、Oracle B2Bメタデータの格納に使用されます。
特別な考慮事項
これらのアダプタを使用する場合は、スタンバイ・サイトで外部FTPサーバーおよび電子メール・サーバーが使用可能である必要があります。
同期に関する推奨事項
Oracle B2B JMSキューの同期化とリカバリの詳細は、「Oracle WebLogic Server Java Message Service (JMS)およびTransaction Logs (T-Logs)の推奨事項」を参照してください。
ドメイン関連の構成の変更およびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
SOAアプリケーションを実行している管理対象サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。Oracle B2Bは、JMSキューおよびSOAランタイム・データベース内に状態情報を格納するので、データベースおよび管理対象サーバーのリカバリにより、アプリケーションが正常に実行されるようになります。
Oracle Web Services Manager (Oracle WSM)は、組織全体でWebサービスを一貫して管理および保護するポリシー・フレームワークを提供します。Oracle Web Services Managerは、ポリシー・マネージャおよびエージェントから構成されています。
Oracle WSMは、セキュリティ、Web Services Reliable Messaging、メッセージ転送最適化メカニズムおよびアドレッシング・ポリシーを含むWebサービス・ポリシーを構築、強制、実行および監視する機能を提供します。
ポリシー・マネージャは、MDSリポジトリから、事前定義されたポリシーとカスタム・ポリシーを含め、セキュリティおよび管理ポリシーの読取りおよび書込みを行います。ポリシー・マネージャは、ステートレスJava EEアプリケーションです。ステートレス・セッションBeanによって、その機能が公開されます。ポリシー・マネージャはデータをキャッシュしませんが、基礎となるMDSインフラストラクチャはデータをキャッシュします。
エージェントは、ポリシーの適用と実行、および実行時統計の収集を行います。エージェントは、すべてのOracle Fusion Middleware管理対象サーバー上で使用可能であり、保護対象のアプリケーションと同じサーバー上に構成されます。エージェントは、ポリシー・アクセス・ポイント(PAP)とポリシー・インターセプタの2つから構成されています。
この項では、様々なOracle Web Services Managerアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
データベース内のアーティファクト
MDSリポジトリは、ポリシーの格納に使用されます。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更およびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle Databaseメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化します。
リカバリに関する推奨事項
SOAアプリケーションを実行している管理対象サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。すべてのポリシーはMDSリポジトリ内に格納されるので、データベースおよび管理対象サーバーのリカバリにより、アプリケーションが正常に実行されるようになります。
Oracle User Messaging Serviceを使用すると、ユーザーとデプロイ済アプリケーション間で双方向通信が行えます。これは、電子メール、IM、SMS、テキストから音声に変換したメッセージなど、様々なチャネルに対応しています。
Oracle User Messaging Serviceは、Oracle BPEL Process Manager、Oracle Human Workflow、Oracle Business Activity Monitoring (BAM)、Oracle WebCenter PortalなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントに統合されます。通常、これは、Oracle UserでOracle SOAサービス・インフラストラクチャとともにデプロイされます。Oracle User Messaging Serviceは、UMSサーバー、UMSドライバおよびUMSクライアント・アプリケーションで構成されています。
この項では、様々なOracle User Messaging Serviceアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
ファイル・システム上のアーティファクト
JMSストア: ファイルベースのJMS永続ストアを含むボリューム。表2-2に、Oracle User Messaging Serviceによって使用されるJMSリソースを示します。
表2-2 Oracle User Messaging Serviceによって使用されるJMSリソース
JMSアーティファクト名 | タイプ | JNDI名 |
---|---|---|
|
分散キュー |
|
|
分散キュー |
|
|
分散キュー |
|
|
分散キュー |
|
|
分散キュー |
|
|
分散キュー |
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データベース内のアーティファクト
Oracle User Messaging Serviceは、外部データベース・リポジトリを使用してメッセージおよび構成の状態を維持管理します。
特別な考慮事項
Oracle User Messaging Serviceは、JMSを使用して、メッセージング・アプリケーション間にメッセージを配信します。デフォルトでは、ファイルベースの永続性JMSストアを使用するように構成されているので、それらのファイルが配置されているストレージ・デバイスに依存します。
同期に関する推奨事項
構成の変更、追加のOracle User Messaging Serviceドライバのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle Databaseメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
usermessagingserver
アプリケーションを実行している管理対象サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。Oracle User Messaging Serviceは、外部データベース・リポジトリ内にメッセージおよび構成の状態を保持し、JMSキュー内にメッセージを保持するので、データベースおよび管理対象サーバーのリカバリにより、アプリケーションが問題なく機能するようになります。JMSデータの同期化の詳細は、「Oracle WebLogic Server Java Message Service (JMS)およびTransaction Logs (T-Logs)の推奨事項」の「同期に関する推奨事項」を参照してください。
Oracle JCAアダプタは、サービス・インフラストラクチャが様々なプロトコルを使用して通信できるようにする、JCAバインディング・コンポーネントです。
Oracle JCAアダプタは、JCAリソース(RAR)としてデプロイされるものであり、Oracle SOAサービス・インフラストラクチャの一部ではありません。
Oracle JCAアダプタには、次のものがあります。
Oracleテクノロジ・アダプタ
レガシー・アダプタ
パッケージ・アプリケーション・アダプタ
Oracle Applications用のOracleアダプタ
Oracle JCAアダプタのタイプの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタの理解』を参照してください。
この項では、様々なOracle JCA Adapterアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
ファイル・システム上のアーティファクト
特定のアダプタは、ローカルまたは共有のストレージ・ファイルを使用します。例:
ファイルベースの永続ストアとともにWebLogic JMSを使用するJMSアダプタ: フェイルオーバー後に処理を再開するには、永続ストアがスタンバイ・サイトと同期化される必要があります。
FileアダプタまたはFTPアダプタのいずれかからのインバウンドおよびアウトバウンド・ファイル: フェイルオーバー後に処理を再開するには、関連ファイルがスタンバイ・サイトと同期化される必要があります。
アダプタ構成は、ear JCAリソース(RAR)のweblogic-ra.xml
lデプロイメント・ディスクリプタ内に保持されます。各weblogic-ra.xml
ファイルの場所は、ファイルの作成時に管理者によって決定されており、スタンバイ・サイトにレプリケートされる必要があります。
データベース内のアーティファクト
アダプタ・アーティファクトは、コンポジット・プロジェクトの一部として設計時に生成されます。これらのアーティファクトは、残りのコンポジット定義とともにメタデータ・リポジトリに格納されます。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更(つまり、アダプタ構成の変更)後およびパッチの適用後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化します。
リカバリに関する推奨事項
JCAアダプタを実行している管理対象サーバーおよび管理サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle Business Activity Monitoring (BAM)は、企業のビジネス・サービスおよびプロセスを監視するためのツールを備えています。マーケット指標を実際のビジネス・プロセスおよび変化するビジネス・プロセスにすばやく関連付けることができます。
Oracle BAMは、ダッシュボード(リアルタイムのデータ流入を表示し、特定の状況でアラートを送信するためのルールを定義する場所)の作成に必要なツールとランタイム・サービスを提供します。
この項では、様々なOracle BAMアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
データベース内のアーティファクト
Oracle BAMデータおよびレポート・メタデータは、Oracle BAMスキーマを含むOracle BAMデータベース内に格納されます。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更後およびパッチの適用後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data Guardが、Oracle BAMスキーマとメタデータ・リポジトリを含むOracle SOA Suiteデータベース用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
Oracle BAMを実行している管理対象サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle Business Process Management( Oracle BPM)Suiteは、ビジネス・プロセスを中心としたビジネス・アプリケーションの開発、管理および使用に対応した統合環境を提供します。
Oracle BPM Suiteは、設計時や実装からランタイムやアプリケーション管理まで、アプリケーション開発ライフ・サイクルのすべてのステージをシームレスに統合します。
Oracle BPM SuiteはOracle SOA Suiteの上位レイヤーになり、次を含む製品コンポーネントの多くを共有しています。
Oracle Business Rules
Oracle Human Workflow
統合のためのOracleアダプタ・フレームワーク
SOAコンポジット・アーキテクチャ
この項では、様々なOracle BPMアーティファクトについて説明し、障害時リカバリに関する推奨事項を示します。
ファイル・システム上のアーティファクト
BPM JMS永続ストア(BPMJMSFileStore_auto): ファイルベースのJMS永続ストア。フェイルオーバー後に処理を再開するには、永続ストアがスタンバイ・サイトと同期化される必要があります。
データベース内のアーティファクト
プロセス定義、デプロイ済アプリケーションおよび構成ファイルは、Oracle Metadata Services (MDS)リポジトリに格納されます。Oracle BPMでは、プロセス・アナリストとプロセス開発者の間でプロジェクトとプロジェクト・テンプレートを共有するために、別のMDSパーティションも使用します。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更およびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle SOA Suiteデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期化が開始されると、スタンバイ・データベースも同じ時点まで更新されます。スナップショット・スタンバイ・データベースが使用される場合は、これをお薦めします。
リカバリに関する推奨事項
SOAアプリケーションを実行している管理対象サーバーとともに、データベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle Business Intelligence Suite (Oracle BI)は、テクノロジとアプリケーションの製品ラインであり、業界で最初に統合されたエンドツーエンドのエンタープライズ・パフォーマンス管理システムです。このシステムには、Oracle Business Intelligenceのファウンデーションおよびツール、さらに財務実績管理アプリケーション、運用Oracle Business Intelligenceアプリケーションおよびデータ・ウェアハウスが含まれます。
Oracle BIには、次のコンポーネントがあります。
BIサーバー
BIスケジューラ
BI Javaホスト
BIプレゼンテーション・サーバー
クラスタ・コントローラ
他のドメインの内容には、Oracle BIの実行に必要な構成ファイル、WebLogic Serverツールのコマンド、セキュリティ、および接続情報が含まれています。
Oracle BIアーティファクトは、メタデータ・リポジトリだけでなく、ローカルまたは共有のファイル・システムに格納されます。コンポジット・アーティファクトはメタデータ・リポジトリに格納され、バイナリ・ファイルおよびドメイン関連の構成ファイルはローカルまたは共有のファイル・システムに格納されます。
Oracle BIアーキテクチャの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。
この項には、次の推奨事項を記載しています。
すべてのOracle Business Intelligence Suite (Oracle BI)コンポーネントに関する推奨事項を確認します。
コンポーネント固有の考慮事項に加えて、次のアーティファクトと考慮事項がすべてのOracle BIコンポーネントに適用されます。
ファイル・システム上のアーティファクト
Oracleホーム - Oracleホームは、WebLogic Serverバイナリ・ファイルが格納されるWebLogicホームとOracle BI Suiteバイナリ・ファイルが格納されるOracleホームから構成されます。
ドメイン・ホーム - ドメイン・ホームには、そのドメインのWebLogic管理サーバーとWebLogic管理対象サーバーの構成データ、ログおよびOracle BIアプリケーションが含まれます。
SDD (シングルトン・データ・ディレクトリ) - メタデータおよび他のクラスタ間ファイルが含まれているディレクトリ。ドメインごとに1つのSDDがあります。SDDのパス(デフォルトではDOMAIN_HOME/bidata
)はbi-environment.xml
ファイルに定義されており、DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/bienv/core/bi-environment.xml
にあります。
ネットワーク・アーティファクト
Oracle WebLogic管理サーバーおよびWebLogic管理対象サーバーの両方のリスニング・アドレスとして、仮想ホスト名を使用することをお薦めします。このホスト名が本番サイトおよびスタンバイ・サイトの両方で解決されるかぎり、障害時リカバリ操作後にこの値を更新する必要はありません。
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle BIコンポーネントへのアクセスに必要なロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
データベース内のアーティファクト
Oracle Business Intelligenceスキーマは、Oracle Business Intelligenceデータベース内にあります。
スキーマベース・メタデータ - これは、データベース・スキーマ(スケジューラ、使用状況統計、イベント・ポーリング、リポジトリ・ファイルおよびOracle BIプレゼンテーション・カタログのスキーマを含む)に格納されている非デザインタイム・メタデータです。
同期に関する推奨事項
ドメイン構成の変更、コンポジットのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でディレクトリ層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle BIデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期化が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。『Oracle Data Guard概要および管理』のフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項を参照してください。
リカバリに関する推奨事項
該当のアイデンティティ管理コンポーネントとともに、Oracle Business Intelligenceスキーマを含むデータベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle Business Intelligence Enterprise Edition (Oracle BI EE)は、企業の様々なユーザーに可視化および洞察をもたらします。
Oracle BI EEは、エンタープライズ・ビジネス・インテリジェンスのツールとインフラストラクチャを包括的にまとめた製品です。これらのツールとインフラストラクチャとして、問合せと分析のためのスケーラブルで効率的なサーバー、非定型問合せと分析のツール、インタラクティブなダッシュボード、プロアクティブなインテリジェンスとアラート、リアルタイムの予測型インテリジェンス、エンタープライズ・レポート・エンジンなどがあります。
Oracle BI EE固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
BIPLATFORM
スキーマは、Oracle BI EEデータベースの一部です。
特別な考慮事項
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle BI EE用のロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
同期に関する推奨事項
構成の変更およびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期化が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
Middlewareホーム、ドメイン、およびOracle BI EEコンポーネントが含まれるOracleインスタンスをリカバリします。Windowsでは、Oracle BI EEのレジストリ・エントリをインポートします。必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle Business Intelligence Publisher (BI Publisher、旧名はXML Publisher)を使用すると、Business Intelligentレポートの印刷に適した書式に設定されたレポートを作成できます。
BI Publisherレポートは、BI Publisherデータ・モデルに基づいて作成されます。BI Publisherデータ・モデルは、Oracle Business Intelligence Serverまたは分析からのサブジェクト領域、リレーショナル・データベースに対するSQL問合せ、サブベースに対するMDX問合せ、LDAP、Webサービス、Microsoft Excel、HTTPフィード、XMLファイルなど、幅広いソースからのデータ・セットで構成できます。BI Publisherでは、様々なレイアウト・タイプがサポートされるため、組織で必要なあらゆる種類のドキュメントを作成できます。Oracle Business Intelligence Enterprise Edition内で、BI Publisherのレポートを表示、作成、編集およびスケジュールし、それらをダッシュボード・ページに含めることができます。
BI Pubisher固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
BIPLATFORM
スキーマは、Oracle Business Intelligence Publisherデータベースの一部です。
特別な考慮事項
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle Business Intelligence Publisher用のロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
同期に関する推奨事項
構成の変更およびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
BI Publisherコンポーネントが含まれるWebLogic管理対象サーバーをリカバリします。
Oracle WebCenter Portalは、情報の提示と使用、他とのコラボレーション、ビジネス・プロセスのコンテキストにおけるアプリケーションとの統合を行うためのセキュアで効率的なパーソナライズされた方法を提供するOracle Fusion Middlewareコンポーネントです。
Oracle WebCenter Portalでは、ユーザー、情報、アプリケーション間の接続を最適化し、ユーザーが自分のビジネスのニーズに関連するコンテンツにナビゲート、発見およびアクセスするコンテキストを提供します。
ディスカッション・アプリケーションおよびサービス
ポートレット・プロデューサ・サービス
ページレット・プロデューサ・サービス
この項には、次の推奨事項を記載しています。
すべてのOracle WebCenter Portalコンポーネントに関する推奨事項を確認します。
次のアーティファクトおよび考慮事項は、すべてのOracle WebCenter Portalコンポーネントに適用されます。
ファイル・システム上のアーティファクト
Oracleホーム - Oracleホームは、Oracle WebLogic Serverバイナリ・ファイルを含むWebLogicホームから構成されます。
ドメイン・ホーム - ドメイン・ホームには、WebLogicドメインの構成データおよびアプリケーションが含まれます。
Oracle WebCenter Portalランタイム・コンポーネントに共有ファイル・システムの永続ストアの要件はありません。
ネットワーク・アーティファクト
Oracle WebLogic管理サーバーおよびOracle管理対象サーバーの両方のリスニング・アドレスとして、(物理ホスト名ではなく)仮想別名を使用することをお薦めします。この別名が本番サイトおよびスタンバイ・サイトの両方で解決されるかぎり、障害時リカバリ操作後にこの値を更新する必要はありません。
Oracle WebCenter Portalでは、サーバー全体の移行またはサービスの移行を構成する必要はありません。この点について、特別な考慮事項は不要です。
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle WebCenter Portalアプリケーションとサービスへのアクセスに使用されるロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
データベース内のアーティファクト
Oracle WebCenter Portalでは、リポジトリ作成ユーティリティで作成されたデータベース・スキーマにすべてのデータおよびメタデータを格納します。アプリケーションのランタイム構成メタデータは、メタデータ・サービス・リポジトリ(MDS)を介して格納されます。
同期に関する推奨事項
ドメイン関連の構成の変更、アプリケーションや共有ライブラリのデプロイ、またはパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle WebCenter Portalデータベースおよびメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されている場合、この同期化は自動的に実行できます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。『Oracle Data Guard概要および管理』のフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項、および「手動によるデータベースの同期化」を参照してください。
リカバリに関する推奨事項
データベースを直近の時点にリカバリして、最新のコンポジット定義および進行中のインスタンスがリストアされるようにする必要があります。
Oracle WebCenter Portalは、一連の強力なサービスとアプリケーションによって、ソーシャル・ネットワーク、通信、コラボレーションおよび個人の生産性向上を実現する、統合された単一のWebベース環境を提供します。
Oracle WebCenter Portalサーバー固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
Portalアプリケーション・データは、WEBCENTER
データベース・スキーマに格納されます。Portalカスタマイズ済メタデータは、MDS
データベース・スキーマに格納されます
同期に関する推奨事項
構成の変更、アプリケーションのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data Guardが、WEBCENTER
スキーマとメタデータ・リポジトリを含むOracle Database用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されている場合、この同期化は自動的に実行できます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。『Oracle Data Guard概要および管理』のフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項、および「手動によるデータベースの同期化」を参照してください。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Portalドメインとともに、WEBCENER
スキーマとMDS
リポジトリを含むデータベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle WebCenter Portalを使用すると、単一のアクティブな分析コレクタの登録が可能になります。分析コレクタは、Portalアプリケーションから使用状況メトリックを受信します。分析コレクタへのすべての接続はステートレスです。
エンタープライズ・デプロイメント・ガイドのトポロジ・デプロイメントの後、各ポータル・サーバーには、そのポータル・サーバーですべてのポータル・トラフィックのメトリックを収集するローカルのアクティブな分析コレクタ・サービスが1つ含まれています。推奨される構成として、ポータルの共通接続登録をlocalhost
およびデフォルト・ポート31314
に設定します。各ポータル・サーバーはローカルに接続します。ロード・バランサの構成は不要で、分析機能用のセカンダリ・サイトへのフェイルオーバーの構成も不要です。
Oracle WebCenter分析固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
分析コレクタのデータは、Oracle WebCenter PortalのACTIVITIES
スキーマに格納されます。
同期に関する推奨事項
分析コレクタのMBeanの構成やPortalの分析サービスの登録の変更、またはパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data Guardが、Oracle WebCenter Portalスキーマとメタデータ・リポジトリを含むOracle Database用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されている場合、この同期化は自動的に実行できます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。『Oracle Data Guard概要および管理』のフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項、および「手動によるデータベースの同期化」を参照してください。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Portalドメインとともに、ACTIVITIES
スキーマを含むデータベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle WebCenterディスカッション・サーバーは、ディスカッション・フォーラムやお知らせをアプリケーションに統合する機能を提供します。
Oracle WebCenterディスカッション・サーバー固有の推奨事項は次のとおりです。。
データベース内のアーティファクト
Oracle WebCenter Portalスキーマの一部であるディスカッション・サーバー・スキーマには、メタデータとデータが格納されます。
同期に関する推奨事項
構成の変更、アプリケーションのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data Guardが、Oracle Discussion Serverスキーマとメタデータ・リポジトリを含むOracle Database用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されている場合、この同期化は自動的に実行できます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。『Oracle Data Guard概要および管理』のフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項、および「手動によるデータベースの同期化」を参照してください。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Portalドメインとともに、ディスカッション・サーバー・スキーマを含むデータベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle WebCenter Portalは、標準ベースのポートレット(WSRP 2.0)と、従来のOracle (Portlet Developer Kit) PDK (Javaベースのポートレット)の両方のデプロイメントと実行をサポートしています。Oracle WebCenter Portalでは、すぐに使用できるプロデューサがいくつか用意されています。
Oracle WebCenterポートレットおよびページレット固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
Oracle WebCenter Portalスキーマの一部であるPORTLET
スキーマには、ユーザーのカスタマイズ済データが格納されます。MDS
リポジトリには、ポートレットのメタデータおよび構成情報が格納されます。
同期に関する推奨事項
構成の変更、アプリケーションのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でアプリケーション層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data Guardが、PORTLET
スキーマとメタデータ・リポジトリを含むOracle Database用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されている場合、この同期化は自動的に実行できます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。『Oracle Data Guard概要および管理』のフィジカル・スタンバイ・データベースへのREDOデータの適用に関する項、および「手動によるデータベースの同期化」を参照してください。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Portalドメインとともに、PORTLET
スキーマとMDS
リポジトリを含むデータベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle WebCenter Contentは、エンタープライズ・コンテンツの管理のために設計された製品の統合スイートです。
Oracle WebCenter Contentにより、業界最先端のドキュメント管理、Webコンテンツ管理、デジタル資産管理およびレコード管理機能を利用して、ビジネス・アプリケーションを構築できます。エンタープライズ・コンテンツを管理する機能は、コストの削減、エンタープライズ間でのコンテンツの共有、リスクの最小化、手動プロセスの自動化、複数のWebサイトの単一のプラットフォームへの統合に役立ちます。
Oracle WebCenter Content
Oracle WebCenter Content: Inbound Refinery。
Oracle WebCenter Content: Enterprise Capture
Oracle WebCenter Content: Contentユーザー・インタフェース
この項には、次の推奨事項を記載しています。
すべてのOracle WebCenter Contentコンポーネントに関する推奨事項を確認します。
次のアーティファクトおよび考慮事項は、すべてのOracle WebCenter Contentコンポーネントに適用されます。
ファイル・システム上のアーティファクト
MW_HOME - Middlewareホームは、WebLogic Serverバイナリが格納されるWebLogicホームと、Oracle WebCenter Contentバイナリが格納されるOracleホームから構成されます。
Oracle_Common_Home - Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびJava Required Filesに必要なバイナリおよびライブラリ・ファイルが格納されるOracleホーム。
ドメイン・ホーム: ドメイン・ホームには、そのドメインの管理サーバーおよび管理対象サーバーの構成データ、およびOracle WebCenter Contentアプリケーションが含まれます。
Oracleインスタンス: Oracleインスタンスには、OPMN構成データやEnterprise Managerエージェント構成データなどの非J2EE Oracle WebCenter Contentアプリケーションの構成データが含まれます。
WebCenter Content共有ディレクトリ・ファイル: WebCenter Contentクラスタ実装では、エンタープライズ・デプロイメントのガイドラインにより、ドメイン構成、およびデータ・ディレクトリ、監査ディレクトリ、ボールト・ディレクトリなどのWebCenter Content共有ディレクトリ・ファイル用に共有ディレクトリが必要です。
ネットワーク・アーティファクト
Oracle WebLogic管理サーバーおよびOracle管理対象サーバーの両方のリスニング・アドレスとして、(物理ホスト名ではなく)仮想別名を使用することをお薦めします。この別名が本番サイトおよびスタンバイ・サイトの両方で解決されるかぎり、障害時リカバリ操作後にこの値を更新する必要はありません。
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle WebCenter Content Managementコンポーネントへのアクセスに使用されるロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
データベース内のアーティファクト
Oracle WebCenter Contentスキーマは、Oracle WebCenter Contentデータベース内にあります。
同期に関する推奨事項
構成の変更、アプリケーションのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でディレクトリ層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります
Oracle Data GuardがOracle Databaseメタデータ・リポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されている場合、この同期化は自動的に実行できます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
該当のアイデンティティ管理コンポーネントとともに、Oracle WebCenter Contentスキーマを含むデータベースを直近の時点にリカバリする必要があります。
Oracle WebCenter Contentは、様々な種類のコンテンツ管理を目的とした統合アプリケーションです。
Oracle WebCenter Contentでは、ユーザーフレンドリなインタフェース、ロールベースの認証およびセキュリティ・モデルを使用することによって、全社規模のユーザーでコンテンツに対する表示、共同作業および廃棄ができるようになるため、配布済または公開済のアクセス可能な情報は、すべてセキュア、正確かつ最新な状態であることが保証されます。
Oracle WebCenter Content固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
OCS
(Oracle Content Schema)スキーマは、Oracle WebCenter Contentデータベースの一部です。
ファイル・システムのアーティファクト
WebCenter Content共有ディレクトリとOracleセキュア・ファイル、またはファイルベースの永続ストアの設定は、スタンバイ・サイトでレプリケートして障害から保護する必要があります。
特別な考慮事項
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle WebCenter Contentに必要なロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
同期に関する推奨事項
構成の変更、アプリケーションのデプロイおよびパッチの適用を行った後は、手動でディレクトリ層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
Oracle Data GuardがOracle Databaseリポジトリ用に構成されている必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されている場合、この同期化は自動的に実行できます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
ファイルベースの永続ストアの場合、スタンバイ・サイトのファイルベースの永続ストアを同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
OCS
およびMDS
スキーマとともに、Oracle WebCenter Contentを最新の時点にリカバリする必要があります。
Oracle WebCenter Content Inbound Refineryは、ドキュメント、デジタル・イメージ、動画などの電子アセット用のファイル変換を管理する変換サーバーです。
Oracle WebCenter Content Inbound Refineryには、ドキュメントとイメージに対するサムネイル機能、ビデオのストーリーボード作成機能、デジタル・イメージからEXIFデータを抽出して使用する機能、およびAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどのプログラムから生成された電子ファイルからXMPデータを抽出して使用する機能があります。Oracle WebCenter Content Inbound Refineryを使用して、Oracle Content Serverに格納されているコンテンツ項目を変換できます。
Oracle WebCenter Content Inbound Refinery固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
Oracle WebCenter Content Inbound Refineryには、データベース依存性はありません。
特別な考慮事項
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle WebCenter Content Inbound Refineryに必要なロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
同期に関する推奨事項
構成の変更またはパッチの適用を行った後は、手動でディレクトリ層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Content Inbound Refineryインスタンスをリカバリします。
Oracle WebCenter Enterprise Capture (Enterprise Capture)では、ペーパー・ドキュメントと電子ドキュメントの両方を取り込むことができる1つのシステムを組織に提供します。
Enterprise Captureでは、大規模で本番レベルのスキャナを使用できるユーザーフレンドリなWebインタフェースにより、集中管理されたイメージと分散したイメージの両方の取込みをサポートしています。業界標準のTWAINスキャン・インタフェースがサポートされているため、業界をリードする様々なドキュメント・イメージングの使用が可能になります。Enterprise Captureでは、ペーパー・ドキュメント・スキャと電子ドキュメント・スキャナの両方を取り込んでペーパー・ドキュメントをデジタル化できる1つのシステムを組織に提供します。既存の電子ドキュメントは、ユーザーが容易に取り込むことができます。また、電子メール・サーバーまたはネットワーク・フォルダをモニターできるインポート・プロセスを介して自動的に取り込むこともできます。ドキュメントは取込み後、バー・コード認識技術による自動化プロセスまたは手動で、メタデータを適用することにより編成され索引付けされます。処理終了後、ドキュメントはコンテンツ管理システムにコミットされます。Enterprise Captureは、完全にOracle WebCenter Contentと統合されており、非常に重要なビジネス・コンテンツの取込み、保存、管理および取得を可能にする1つのシステムを組織に提供します。
Oracle WebCenter Content Enterprise Capture固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
Oracle WebCenter Enterprise Captureスキーマへの配置。
ファイル・システムのアーティファクト
JMSサーバーがファイルベースの永続ストアに格納されない場合、Enterprise Capture用のファイル・システム・アーティファクトはありません。JMSサーバーをデータベースベースの永続ストアとともに構成して、Oracle Data Guardを利用してサイト間でデータベース・スキーマをレプリケートすることをお薦めします。
特別な考慮事項
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle WebCenter Content Inbound Refineryに必要なロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
同期に関する推奨事項
構成の変更またはパッチの適用を行った後は、手動でディレクトリ層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Content Captureアプリケーションおよび関連インスタンスを実行する管理対象サーバーとともに、Enterprise Captureスキーマで、Enterprise Captureを直近の時点にリカバリする必要があります。
WebCenter Contentユーザー・インタフェースは、Oracle Application Development Frameworkに基づいたOracle WebCenter Contentを管理するためのユーザーフレンドリで機能が豊富なユーザー・インタフェースです。
Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェース固有の推奨事項は、次のとおりです。
データベース内のアーティファクト
メタデータ・サービス・スキーマ(MDS
)は、Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェースの一部です。
特別な考慮事項
本番サイトとスタンバイ・サイトの両方で、Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェース用のロード・バランサの仮想ホストを構成する必要があります。
同期に関する推奨事項
構成の変更またはパッチの適用を行った後は、手動でディレクトリ層をスタンバイ・サイトと同期化する必要があります。
ストレージ上でアプリケーション層の同期化が開始される場合は、スタンバイ・データベースを同期化することをお薦めします。Oracle Data Guardがデータベースに対して管理リカバリ・モード(推奨構成)に構成されているため、この同期化は自動的に行われます。スタンバイ・データベースが管理リカバリ・モードでない場合は、スタンバイ・データベースを手動で同期化する必要があります。
リカバリに関する推奨事項
管理サーバーとともに、Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェース・アプリケーションを実行している管理対象サーバーをリカバリします。