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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceのインストールと構成
12c (12.2.1.2)
E82976-01
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4 Oracle Business Intelligenceの構成

この章では、Oracle Business Intelligence 12c Configuration Assistantを使用するOracle BI標準トポロジを構成するプロセスの手順について説明します。

4.1 Oracle Business Intelligence Configuration Assistantについて

Oracle Business Intelligence 12c Configuration Assistantは、データベース・スキーマの作成、ポート範囲の指定、システム・コンポーネントの作成に加えて、アプリケーション・サーバーの起動やBI標準トポロジの構成をサポートするマルチ機能ユーティリティです。BIドメインを構成するにはConfiguration Assistantを使用することをお薦めします。

4.2 Configuration Assistantの前提条件

Configuration Assistantを使用してエラーのない円滑なドメイン構成を行うには、このトピックにリストされている基準が満たされていることを確認することが重要です。

必要な条件が満たされているかどうかを検証するには、以下を確認します。

  • BI製品のバイナリ・ファイルを正常にインストールしていること
  • サポートされている最新のJDKがシステムにインストールされていること
  • Oracleが動作保証されているいずれかのデータベース(Oracle、DB2、SQLServerまたはRAC)に対するアクセスがあること
  • (オプション)既存のRCUスキーマ接頭辞(STB)の接続詳細を持ち、すでに単一セッションでBIPLATFORM、IAU、OPSS、MDS、STBおよびWLSスキーマを作成していること

    注意:

    また、DBA資格証明があれば、BI Configuration Assistantの実行中にスキーマ接頭辞(STB)を生成し、BIPLATFORM、IAU、OPSS、MDS、STBおよびWLSスキーマを作成できます。

注意:

内部ハウスキーピング情報を保持するには、データベース・スキーマが必要です。これらのスキーマは、Oracle BIを使用して分析しようとしているデータソースとは異なります。

4.3 データベース・スキーマの作成

Oracle Business Intelligenceドメインを構成する前に、このリリースのOracle Fusion Middlewareで使用する動作保証されたデータベースに必要なスキーマをインストールする必要があります。

4.3.1 動作保証されたデータベースのインストールと構成

データベース・スキーマを作成する前に、動作保証されたデータベースをインストールして構成し、そのデータベースが稼働していることを確認する必要があります。

4.3.2 リポジトリ作成ユーティリティの起動

動作保証されたJDKがシステムにインストールされていることを確認したら、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動します。

RCUを起動する手順は次のとおりです。

  1. コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認します。12c (12.2.1.2)では、動作保証されたJDKは1.8.0_101以降です。
  2. JAVA_HOME環境変数が、動作保証されたJDKの場所に設定されていることを確認します。次に例を示します。
    • (UNIX) setenv JAVA_HOME /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_101
    • (Windows) set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_101
  3. /oracle_common/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\bin
  4. 次のコマンドを入力します。
    • (UNIX) ./rcu
    • (Windows) rcu.bat

4.3.3 スキーマ作成のためのリポジトリ作成ユーティリティ画面のナビゲート

RCU画面に必要な情報を入力して、データベース・スキーマを作成します。

4.3.3.1 RCUの概要

「ようこそ」画面は、RCUを起動したとき最初に表示される画面です。

「次へ」をクリックします。

4.3.3.2 スキーマ作成の方法の選択

コンポーネント・スキーマをデータベースに作成およびロードする方法を選択するには、「リポジトリの作成」画面を使用します。

「リポジトリの作成」画面で、次の操作を行います。
  • 対象のデータベースに対するDBAアクティビティの実行に必要なパーミッションと権限が付与されている場合は、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。この手順は、SYSDBA権限が付与されていることを前提としています。

  • データベースでDBAアクティビティを実行するために必要な権限を持っていない場合は、この画面で「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択します。このオプションによってSQLスクリプトが生成され、それをデータベース管理者が使用します。Oracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成のシステム・ロードと製品ロードに関する項を参照してください。

  • DBAがシステム・ロードに対してすでにSQLスクリプトを実行している場合、「製品ロードの実行」を選択します。

4.3.3.3 データベース接続の詳細の指定

「データベース接続の詳細」画面に、RCUがデータベースに接続するためのデータベース接続の詳細を指定します。

注意:

データベースのサービス名が不明な場合は、データベースの初期化パラメータ・ファイル内のSERVICE_NAMESパラメータから取得できます。初期化パラメータ・ファイルにSERVICE_NAMESパラメータが含まれていない場合、サービス名はDB_NAMEDB_DOMAINパラメータに指定されているグローバル・データベース名と同じです。

次に例を示します。

  • データベース・タイプ: Oracle Database
  • 名前: examplehost.exampledomain.com
  • ポート: 1521
  • サービス名: Orcl.exampledomain.com
  • ユーザー名: sys
  • パスワード: ******
  • ロール: SYSDBA

「次へ」をクリックして続行し、データベース接続の成功を確認するダイアログ・ウィンドウで「OK」をクリックします。

4.3.3.4 スキーマ・パスワードの指定

「スキーマ・パスワード」画面で、データベースでのスキーマ・パスワードの設定方法を指定した後、パスワードを入力して確認します。

ヒント:

この画面で設定するパスワードは、メモしておく必要があります。このパスワードは、後述するドメイン作成のプロセスで必要になります。

4.3.3.5 スキーマの作成の完了

残りのRCU画面を最後までナビゲートし、スキーマ作成を完了します。

RCUの起動時にデータベース(OracleまたはOracle EBR)でTDE (Transparent Data Encryption)を有効にした場合のみ、「表領域の暗号化」チェック・ボックスが「表領域のマップ」画面に表示されます。RCUによって作成されるすべての新しい表領域を暗号化する場合は、「表領域の暗号化」チェック・ボックスを選択します。

「完了サマリー」画面が表示されたら、「閉じる」をクリックしてRCUを終了します。

4.4 Configuration AssistantによるBIドメインの構成

Oracle BI 12c Configuration Assistantは、.sh (Unix)ファイルまたは.cmd (Windows)ファイルです。Oracleホームにあるbi/binディレクトリから構成実行ファイルを起動して、Configuration Assistantを起動します。このトピックのプロシージャに従って、構成手順を実行します。

注意:

Oracle BI 12cのConfiguration Assistantを使用して12cシステムを構成することをお薦めします。
BI標準トポロジを構成する方法は次のとおりです。

重要

Configuration Assistantを使用してOracle Business IntelligenceのWebLogicドメインを拡張する場合、そのドメインの管理サーバーには"AdminServer"という名前を付ける必要があります。他の名前の管理サーバーはサポートされていません。

注意:

Configuration Assistantをナビゲートしていくと、各画面で状況依存ヘルプが使用可能です。その画面の要素に関する詳細を得るには、「ヘルプ」をクリックします。
  1. 次のディレクトリに変更します。
    (UNIX) ORACLE_HOME/bi/bin
    (Windows) ORACLE_HOME\bi\bin
  2. 次のコマンドを入力して、Configuration Assistantを起動します。
    (UNIX) ./config.sh
    (Windows) config.cmd
  3. インストールするコンポーネントを選択し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    Configuration Assistantは、一貫したスイートのセットがデプロイされるように選択を自動的に調整します。
    • Essbase: Essbase Server、Cube Deployment ServerおよびAnalytic Provider Servicesなどのコンポーネントを含みます。
    • Business Intelligence Enterprise Edition: プレゼンテーション・サービス、ビジュアル・アナライザ、BIコンポーザ、Webサービス、プロアクティブ・インテリジェンス(配信およびアクション)、SOA用Webサービス(WS4SOA)およびモバイル・アプリケーション・デザイナなどのコンポーネントが含まれます。
    • Business Intelligence Publisher: Oracle BI Publisherを含みます。
  4. 前提条件のチェック」画面で、エラーが発生せずに前提条件のチェックが完了したら、「次へ」をクリックします。
    前提条件のチェックが失敗すると、短いエラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続ける場合は、「スキップ」をクリックします(このアプローチはお薦めできません)。

    注意:

    前提条件のチェック時にエラー・メッセージまたは警告メッセージの原因となった問題を解決せずに続行すると、構成が正常に動作しなくなる可能性があります。
  5. 「新規ドメインの定義」画面で、次の項目を指定して「次へ」をクリックします。

    表4-1 「新規ドメインの定義」画面のフィールド名の説明

    フィールド 説明
    ドメイン・ディレクトリ ドメイン・ディレクトリを設定するパスを指定します。
    ドメイン名 ドメインを指定します。
    ユーザー名 システム管理者のユーザー名を指定します。

    注意:

    このユーザーは埋込みLDAPで作成され、WebLogic Administrator権限が付与されます。
    パスワード システム管理者のパスワードを指定します。
    パスワードの確認 パスワードを再入力して確認します。
  6. 「データベース・スキーマ」画面で、該当するオプションをクリックして新しいスキーマを作成するか、既存のスキーマを使用します。
    新しいスキーマを作成することを選択した場合には、Configuration Assistantによってスキーマが作成されます。次の情報を指定し、「次へ」をクリックします。

    表4-2 「データベース・スキーマ」画面のフィールド名の説明

    フィールド 説明
    スキーマ接頭辞 スキーマ接頭辞を指定します。
    スキーマ・パスワード スキーマのパスワードを指定します。
    パスワードの確認 パスワードを再入力して確認します。
    データベース・タイプ 値リストから使用するデータベースを選択してください。サポートされているデータベースは次のとおりです。
    • Oracle Database

    • Microsoft SQL Server

    • IBM DB2

    ユーザー名 権限のあるユーザー名を入力し、スキーマを作成します。
    パスワード 前述のユーザー名のパスワードを入力します。
    単純な接続文字列 指定する接続文字列は、使用しているデータベースのタイプによって異なります。
    • (Oracle Database) host:port/serviceまたはhost:port:SIDまたはTNS接続文字列

    • (Microsoft SQL Server) //host:port;DatabaseName=dbname

    • (IBM DB2) //host:port;DatabaseName=dbname

    既存のスキーマを使用することを選択した場合には、RCUを使用してSTB、BIPLATFORM、IAU、MDS、OPSSおよびWLSのスキーマを作成する必要があります。次の情報を指定し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    Oracle Databaseバージョン12.2.0.1以降を使用している場合、リポジトリ・スキーマを作成するためにコンテナ・データベース内にプラガブル・データベースを作成する必要があります。プラガブル・データベースを使用せずに、コンテナ・データベース内にスキーマを作成することはできません。
  7. 「ポート範囲」画面で、ポート範囲を指定して「次へ」をクリックします。

    注意:

    デフォルトの、割り当てられたポート範囲は9500以上9999以下です。デフォルト値をそのままにするか、この範囲内の別の値を指定できます。
  8. 「初期アプリケーション」画面で、要件ごとに次のオプションの1つを選択し、「次へ」をクリックします。
    • Oracleサンプル・アプリケーション(SampleAppLite)
    • エクスポート・バンドル(.jar)からの自分の既存BIアプリケーション

      注意:

      このオプションは、Oracle BI 11gから12cに移行するときに適用できます。11gから12cへの移行の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence移行ガイドのOracle BI 11gから12cへの移行に関する項を参照してください。
    • 白紙の状態(事前定義済アプリケーションなし)
  9. 「サマリー」画面で、各画面に指定した値を確認します。
    「保存」をクリックして、サイレント・インストールに使用するレスポンス・ファイルを生成します(オプション)。
    「構成」をクリックします。
    構成プロセスが起動し、「構成の進行状況」画面が表示されます。
  10. エラーが発生せずに構成が完了したら、「次へ」をクリックして、「構成完了」画面に進みます。
  11. 「構成完了」画面で構成サマリーを確認します。
    この画面の情報をファイルに保存するには、「保存」をクリックします。
    「終了」をクリックし、Configuration Assistantを終了します。
    ブラウザでBIアプリケーションが開きます。BIアプリケーション・ホームにログインするように構成する際に指定したログイン資格証明を使用します。
これで、標準BIトポロジが構成されました。正常に完了すると、Configuration Assistantは新たに構成されたBIインスタンスを自動的に起動します。なお、停止中のドメインを手動で再起動する場合は、BIインスタンスの起動を参照してください。