Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド リリース12.2.1.2 E82650-01 |
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この章では、Web層の構成とWeb層ドメインのインストールおよび構成の際に使用される変数について説明します。
上位トピック: 「エンタープライズ・ドメインの構成」
Web層の構成中に、この項に示すディレクトリ変数を参照します。
いくつかのディレクトリ変数の値は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」で定義されています。
OHS_ORACLE_HOME
OHS_DOMAIN_HOME
また、次の仮想IP (VIP)アドレスとホスト名を参照する必要があります。
ADMINVHN
WEBHOST1
WEBHOST2
エンタープライズ・デプロイメントでは、各Oracle HTTP Serverインスタンスは個別のホストの専用スタンドアロン・ドメインに構成されます。これにより、最小限の構成と最小限のリソースを必要とする単純な構成を実行して管理できます。
Web層のOracle HTTP Serverインスタンスのロールと構成の詳細は、「Web層の理解」を参照してください。
Web層にOracle HTTP Serverソフトウェアをインストールする手順を理解することが重要です。
次の表では、インストール・プログラムによって表示される順序で画面を示します。
インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面名をクリックしてください。
表11-1 Oracle HTTP Serverのインストール画面
画面 | 説明 |
---|---|
ようこそ |
製品のインストーラの紹介画面です。 |
自動更新 |
この画面を使用して、使用可能なパッチをMy Oracle Supportで自動的に検索するか、組織のためにすでにダウンロードしたパッチをローカル・ディレクトリで自動的に検索します。 |
インストールの場所 |
この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。 エンタープライズ・デプロイメントのためには、表7-3に示すOHS_ORACLE_HOME変数の値を入力します。 |
インストール・タイプ |
「スタンドアロンHTTPサーバー(WebLogic Serverとは切り離して管理)」を選択します。 このインストール・タイプでは、他の既存のOracle WebLogic Serverドメインとは別にOracle HTTP Serverインスタンスを構成できます。 |
前提条件チェック |
この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。 警告またはエラー・メッセージが表示された場合、ホスト・コンピュータおよび必須ソフトウェアが「ホスト・コンピュータのハードウェア要件」および「エンタープライズ・デプロイメント・トポロジのオペレーティング・システム要件」に示すシステム要件および動作保証情報を満たしていることを確認してください。 |
セキュリティ更新 |
Oracle Supportアカウントをすでに所持している場合は、この画面を使用して、セキュリティ・アップデートの受取り方法を指定します。 アカウントを所持していない場合、またはこの手順を省略してもかまわない場合は、チェック・ボックスの選択を解除して、後続のダイアログ・ボックスで選択内容を確認します。 |
インストールの概要 |
この画面を使用して、選択したインストール・オプションを確認します。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。レスポンス・ファイルは、今後、サイレント・インストールを実行する場合に使用できます。 サイレント・インストールまたはコマンドライン・インストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』のサイレント・モードでのOracle Universal Installerの使用を参照してください。 |
インストールの進行状況 |
この画面では、インストールの進行状況を参照できます。 |
インストール完了 |
インストールが完了すると、この画面が表示されます。この画面の情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。 |
Oracle HTTP Serverのインストールが正常に完了したことを確認するには、新しいOracleホーム・ディレクトリにインストールされたファイルをリスト表示します。Oracle HTTP Server Oracleホームには次のディレクトリが表示されるはずです。
ldap ohs srvm has css crs nls oracore precomp rdbms plsql jlib slax sqlplus xdk oracle_common webgate bin wlserver OPatch plugins oui perl network lib oraInst.loc install cfgtoollogs inventory
最初のWeb層ホストで新しいOracle HTTP Serverスタンドアロン・ドメインを作成する方法を理解することが不可欠です。
構成ウィザードを開始するには、次のディレクトリに移動して、次のようにWebLogic Server構成ウィザードを起動します。
cdOHS_ORACLE_HOME
/oracle_common/common/bin
./config.sh
各Web層ホストにOracle HTTP Serverインスタンス用のスタンドアロン・ドメインを作成することをお薦めします。
次の項では、新しいスタンドアロンOracle HTTP Serverドメインを作成する方法を説明します。
「構成タイプ」画面で、「新規ドメインの作成」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドに、OHS_DOMAIN_HOME変数に割り当てる値を入力します。
次の点に注意してください。
ここに指定した新しいディレクトリが構成ウィザードによって作成されます。
WebサーバーがDMZ外部の記憶域デバイスに対して依存関係を持たないように、このディレクトリをローカル記憶域に作成してください。
注意:
ドメイン・ホーム・ディレクトリの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のドメイン・ホームの選択に関する項を参照してください。
この画面のその他のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成タイプに関する項を参照してください。
Web層およびDMZの詳細は、「標準的なエンタープライズ・デプロイメントのファイアウォールとゾーンの理解」を参照してください。
OHS_DOMAIN_HOMEディレクトリ変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。
「テンプレート」画面で、Oracle HTTP Server (スタンドアロン) - 12.2.1.2.0 [ohs]を選択します。
ヒント:
この画面のその他のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のテンプレートに関する項を参照してください。
「システム・コンポーネント」画面で、1つのOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。この画面ではデフォルトで1つのインスタンスが定義されています。これは唯一作成が必要なインスタンスです。
「システム・コンポーネント」 フィールドのデフォルト・インスタンス名はohs1
であることに注意してください。このデフォルト名を使用します。
「コンポーネント・タイプ」フィールドではOHS
が選択されていることを確認します。
「再起動間隔秒数」フィールドを使用して、アプリケーションが応答しない場合に、再起動を試行する前に待機する秒数を指定します。
「再起動遅延秒数」フィールドを使用して、再起動を再度試行する前に待機する秒数を指定します。
「OHSサーバー」画面を使用して、ドメイン内のOHSサーバーを構成します。
「システム・コンポーネント」ドロップダウン・メニューから、ohs1を選択します。
「リスニング・アドレス」フィールドにWEBHOST1
と入力します。
残りのフィールドはすべて事前に移入されていますが、組織での必要に応じて値を変更できます。この画面のフィールドの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のOHSサーバーに関する項を参照してください。
「サーバー名」フィールドで、リスニング・アドレスとリスニング・ポートの値を確認します。
正しくは次のようになります。
http://WEBHOST1:7777
ノード・マネージャのタイプとして「ドメインごとのデフォルトの場所」を選択し、ノード・マネージャのユーザー名とパスワードを指定します。
注意:
この画面のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のノード・マネージャに関する項を参照してください。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の複数マシンでのノード・マネージャの構成に関する項を参照してください。
「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。
変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで任意の画面に戻れます。
「更新」をクリックして、ドメインの拡張を実行します。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。
「構成に成功しました」画面で、ドメイン・ホームの場所が表示されます。
ここに表示される情報をメモしておいてください。サーバーの起動や管理サーバーへのアクセスで必要になります。
「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。
WEBHOST1でOracle HTTP ServerをインストールしてWeb層ドメインを構成したら、同じタスクをWEBHOST2でも実行する必要があります。
WEBHOST2にログインし、「WEBHOST1でのOracle HTTP Serverのインストール」の手順を使用してOracle HTTP Serverをインストールします。
「WEBHOST1でのWeb層ドメインの作成」の手順を使用して、WEBHOST2で新しいスタンドアロン・ドメインを構成します。
WEBHOST2ではインスタンスの名前としてohs2
を使用し、各例ですべてのWEBHOST1をWEBHOST2、すべてのohs1
をohs2
で置き換えてください。
WEBHOST1およびWEBHOST2でOracle HTTP Serverインスタンスを起動する方法を理解することが重要です。
Oracle HTTP Serverインスタンスを起動する前に、WEBHOST1およびWEBHOST2でノード・マネージャを起動する必要があります。
その他のノード・マネージャ構成オプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャの拡張構成に関する項を参照してください。
Webサーバー・インスタンスがリクエストをドメインのサーバーにルーティングするようにOracle HTTP Server構成ファイルを更新する方法を理解することが重要です。
次の各項では、エンタープライズ・デプロイメントのOracle HTTP Server構成に必要な変更に関する概要情報を提供します。
このガイドの参照用トポロジでは、ハードウェア・ロード・バランサで一連の仮想サーバーを定義することが必要になります。その後、Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルに<VirtualHost>
ディレクティブを追加して、(ロード・バランサ仮想サーバーにマップされた)個別の仮想ホストへのリクエストを認識するようにOracle HTTP Serverを構成できます。
各Oracle HTTP Server仮想ホストについては、後で、ロード・バランサからOracle HTTP Serverインスタンスを経由してOracle WebLogic Serverドメイン内の該当する管理サーバーまたは管理対象サーバーにリクエストをルーティングする特定のURL (またはコンテキスト文字列)のセットを定義します。
httpd.conf
ファイルに複数の仮想ホスト定義を追加するのではなく、デプロイする製品に必要な各仮想サーバーに対してより小さくより具体的な別個の構成ファイルを作成することをお薦めします。そうすることで、すでに大きなhttpd.conf
ファイルに追加のコンテンツを移入するのを回避できます。また、構成の問題のトラブルシューティングが容易になることがあります。
たとえば、通常のOracle Fusion Middleware Infrastructureドメインでは、admin_vh.conf
という名前の特定の構成ファイルを追加できます。この構成ファイルには、管理サーバー仮想ホスト(ADMINVHN)の仮想ホスト定義が含まれています。
次のタスクを実行して、エンタープライズ・トポロジに必要な追加の仮想ホストのhttpd.conf
ファイルを準備します。
WEBHOST1にログインします。
ドメイン・ディレクトリで最初のOracle HTTP Serverインスタンス(ohs1
)のhttpd.conf
ファイルを見つけます。
cd OHS_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs1/
テキスト・エディタでhttpd.conf
ファイルを開いて、次の変更を行います。
httpd.confファイルのVirtual Hostsセクションで、次のように# Virtual Hosts
コメント・ブロックの下および# VirtualHost Example
:コメントの前にServerName
エントリを作成します。
##### Virtual hosts ###### # Virtual Hosts # # If you want to maintain multiple domains/hostnames on your # machine you can setup VirtualHost containers for them. Most configurations # use only name-based virtual hosts so the server doesn't need to worry about # IP addresses. This is indicated by the asterisks in the directives below. # # Please see the documentation at # URL # for further details before you try to setup virtual hosts. ServerName http://WEBHOST1:7777 # # VirtualHost example:
この例では、WEBHOST1をWEBHOST1変数の値で置き換えてください。詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。
httpd.conf
にmoduleconf
サブディレクトリのすべての*.conf
ファイルをインクルードするINCLUDE
文があることを確認します。
IncludeOptional "moduleconf/*.conf"
この文により、各コンポーネントに対して個別に仮想ホスト・ファイルを作成することが可能になり、仮想ホスト定義の更新、維持およびスケール・アウトが容易になります。
httpd.conf
ファイルを保存します。
WEBHOST2にログインし、手順2から4までを実行してohs2
インスタンスのhttpd.conf
ファイルを更新します。
WEBHOST2では、すべてのWEBHOST1をWEBHOST2、すべてのohs1
をohs2
で置き換えます。
仮想ホスト構成ファイルを作成する手順は次のとおりです。
注意:
仮想ホスト構成ファイルを作成する前に、「Oracle HTTP Server仮想ホストの目的」の説明に従って、ロード・バランサで仮想サーバーを必ず構成しておいてください。ロード・バランサから次のURLにアクセスして、ロード・バランサとOracle HTTP Serverが正しく構成されていることを確認します。これらのURLは、Oracle HTTP Server 12cの初期Webページを示しています。
http://admin.example.com/index.html
http://
wccinternal.example.com
/index.html
Oracle HTTP Serverから管理サーバーにルーティングできるようにするには、一連の<Location>
ディレクティブをOracle HTTP Server admin_vh.conf
構成ファイルに追加する必要があります。
例11-1 admin_vh.confファイルの内容の例
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName admin.example.com:7777 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit # Admin Server and EM <Location /console> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /consolehelp> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /em> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> </VirtualHost>
ロード・バランサを使用してWebLogic Server管理コンソールにアクセスする際には、管理サーバーのフロントエンドURLを変更し、適切なロード・バランサ・アドレスにユーザーのWebブラウザをリダイレクトする必要があります。
WebLogic Server管理コンソール・アプリケーションでは、コンソールを使用して、ポート、チャネル、セキュリティに対する変更を追跡します。コンソールを使用して行われた変更をアクティブ化するとき、コンソールは現在のリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルを検証します。このリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルがまだ有効の場合、コンソールはHTTPリクエストをリダイレクトし、ホストとポートの情報を管理サーバーのリスニング・アドレスとポートに置き換えます。
管理サーバーのフロントエンドURLを変更する手順は次のとおりです。
WebLogic Server管理コンソールにログインします。
「ロックして編集」をクリックします。
左側の「ドメイン構造」ツリーの「環境」ノードを開きます。
「サーバー」をクリックします。
「サーバーのサマリー」ページで、表の「名前」列にある「管理サーバー」をクリックします。
管理サーバーの設定ページで「プロトコル」タブをクリックします。
「HTTP」タブをクリックします。
「フロントエンド・ホスト」フィールドをadmin.example.com
に設定し、「フロントエンドHTTPポート」フィールドを80
に設定します(admin URLにHTTPSを使用する場合は適宜変更します)。
変更を保存してアクティブ化します。
管理サーバーを再起動して、フロントエンド・ホスト・ディレクティブに対する変更を有効にします。
この章で行った変更を確認する手順は次のとおりです。
次のハードウェア・ロード・バランサへのURLを使用してOracle WebLogic Server管理コンソールを表示し、Oracle WebLogic Server管理者資格証明を使用してログインします。
http://admin.example.com/console
これによって、ロード・バランサ上のadmin.example.com
仮想ホストがWeb層のOracle HTTP Serverインスタンスにリクエストをルーティングでき、さらに、このOracle HTTP ServerインスタンスがOracle WebLogic Server管理コンソールのリクエストをアプリケーション層の管理サーバーにルーティングできることが検証されます。
同様に、類似したURLを使用してFusion Middleware Controlにアクセスできます。
http://admin.example.com/em