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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureへのアップグレード
12c (12.2.1.2)
E82835-01
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5 アップグレード後に実行するタスク

この項のトピックでは、Oracle Fusion Middleware 12c Infrastructureへのアップグレード後に実行する必要がある場合があるタスクについて説明します。アップグレードした環境に当てはまる手順のみを実行してください。

5.1 サーバーの正しい順序での起動と停止

デプロイメントに関する問題を回避するために特定の順序でサーバーを起動および停止することをお薦めします。

Infrastructureのアップグレード後は、ご使用の環境にあるすべての管理サーバーと管理対象サーバーを起動して、それらが予期したとおりに機能していることを確認してください。

注意:

管理サーバー、管理対象サーバーおよびコンポーネントを含めたOracle Fusion Middlewareの起動および停止の手順については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。

次の順序でサーバーを起動します。

  1. ノード・マネージャ

  2. 管理サーバー

  3. Web層(Oracle HTTP Serverを含む)

  4. Oracle Web Services Manager (OWSM)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

  5. サービス指向アーキテクチャ(SOA)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

  6. Oracle Service Bus (OSB)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

  7. Business Activity Monitoring (BAM)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

次の順序でサーバーを停止します。

  1. Business Activity Monitoring (BAM)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

  2. Oracle Service Bus (OSB)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

  3. サービス指向アーキテクチャ(SOA)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

  4. Oracle Web Services Manager (OWSM)の管理対象サーバー(インストールされている場合)

  5. Web層(Oracle HTTP Serverを含む)

  6. 管理サーバー

  7. ノード・マネージャ

サーバーの停止の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。

5.1.1 ノード・マネージャの起動

ノード・マネージャはWebLogic Serverとは別のプロセスで実行するJavaユーティリティです。管理サーバーとの位置関係に関係なく、管理対象サーバーに対する共通操作が可能になります。

注意:

ホストごとのノード・マネージャ構成を使用するには、適切なノード・マネージャ・スクリプトでJAVA_OPTIONS–Dohs.product.home=<MW_HOME>が設定されていることを確認してください。ノード・マネージャ・サービスを使用していない場合は、NodeManager.cmd|shコマンドを実行します。ノード・マネージャ・サービスを使用している場合は、installNodeMgrSvc.cmdコマンドを実行します。

使用するホストとポートは、アップグレードされた設定で使用するものと一致している必要があります。ファイルのホストまたはポートの値を編集して適切な詳細でノード・マネージャ・サービスをインストールする方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイドJavaノード・マネージャの構成を参照してください。

ノード・マネージャを起動するには:
  1. ディレクトリをDOMAIN_HOME/binに変更します
  2. (UNIX) nohup ./startNodeManager.sh > nm.out&
    ここでnohupおよびnm.outはサンプル出力ファイルです
    (Windows) startNodeManager.cmd

5.1.2 管理サーバーの起動

管理サーバーではWebLogic Serverドメインを一元的に管理できます。ドメイン内の他のすべてのWebLogic Serverインスタンスは、管理対象サーバーと呼ばれます。1つのWebLogic Serverインスタンスしか含まれないドメインでは、そのサーバーが管理サーバーおよび管理対象サーバーとして機能します。

管理サーバーを起動する手順は、次のとおりです。
  1. 次のディレクトリを変更します。
    (UNIX) DOMAIN_HOME/bin
    (Windows) DOMAIN_HOME\bin
  2. 次のコマンドを入力します。
    (UNIX) ./startWebLogic.sh
    (Windows) startWebLogic.cmd
ドメインが正しく再構成されたことを確認するには、次のURLを使用して管理コンソールにログインし、コンソールに表示されるバージョン番号が12.2.1であることを確認します。

http://administration_server_host:administration_server_port/console

5.1.3 Web層(Oracle HTTP Server)の起動

Oracle HTTP Serverは、Oracle Fusion MiddlewareのWebサーバー・コンポーネントです。これは、Oracle WebLogic Serverのリスナーと、Web上で静的ページ、動的ページ、およびアプリケーションをホストするためのフレームワークを提供します。

Oracle HTTP Serverを起動する手順は、次のとおりです。
  1. 次のディレクトリに変更します。
    (UNIX) DOMAIN_HOME/bin
    (Windows) DOMAIN_HOME\bin
  2. 次のコマンドを入力します。
    (UNIX) startComponent.sh ohs_name
    (Windows) startComponent.cmd ohs_name

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理』のシステム・コンポーネントの起動と停止に関する項を参照してください。

5.2 アップグレードの検証チェックリストの使用

アップグレード後には、基本的な管理タスク(ノード・マネージャ、管理サーバー、Web層、管理コンソールおよびEnterprise Manager Fusion Middleware Controlを起動できるかどうかの確認など)が正常に完了できることを確認してください。

注意:

次のサーバーを起動する順序は重要です。それらを正しい順序で起動(停止)しないと、デプロイメントに関する問題が発生する可能性があるからです。

詳細は、「サーバーの正しい順序での起動と停止」を参照してください。

  1. ノード・マネージャを起動できることを確認します。
  2. 管理サーバーおよび管理対象サーバー(ある場合)を、元のドメイン・ホームのbinディレクトリから起動できることを確認します。Windowsオペレーティング・システム・ユーザーの場合は、新しいコマンド・プロンプトで(12cのUpgrade Assistantを起動したコマンド・プロンプトではなく)サーバーを起動すると便利です。

    注意:

    OHS自身の構成には、管理対象サーバーは必要ありません。
  3. Web層(OHSサーバー)を起動できることを確認します。
  4. 次のURLを使用して、管理コンソールおよびEnterprise Managerに接続できることを確認します。
    管理コンソール: http://machinename.my_company_com:administration_port/console
    Enterprise Manager: http://machinename.my_company_com:administration_port/em

5.3 ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびFusion Middleware Controlにログインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.2になっていることを確認します。

管理コンソールにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/console

Fusion Middleware Controlにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/em

注意:

アップグレード後、管理ツールは、前のOracleホームではなく新しい12cのOracleホームから必ず実行してください。

アップグレード・プロセス時に、一部のOWSMドキュメント(ポリシー・セット、ポリシーおよびアサーション・テンプレートなどの事前定義ドキュメント)のアップグレードが必要な場合があります。ポリシー・セットまたは事前定義ドキュメントがアップグレードされると、バージョン番号が1増分されます。

5.4 カスタム構成設定のsetDomainEnvへの再適用

アプリケーション環境の12cへのアップグレードを完了するには、起動スクリプト(setDomainEnvなど)へのカスタム構成設定の再適用が必要な場合があります。これらのスクリプトは、アップグレード時に新しい12cバージョンで上書きされます。前のリリースで作成したカスタム構成設定は手動で再適用する必要があります。

詳細は、起動スクリプトへのカスタマイズの再適用を参照してください。

注意:

今後のアップグレードでカスタム構成設定が失われないようにするには、「カスタムsetDomainEnv設定のメンテナンス」を参照してください。

5.5 Oracle Fusion Middleware 12c監査データ・ストアの構成

11gデプロイメントでファイルベースの監査ストアを使用していた場合は、Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後に、データベースベースの監査データ・ストアへの監査データのロードを有効にする必要があります。

包括的なアップグレード処理の一環として、他のOracle Fusion Middlewareスキーマが存在するデータベースにIAUスキーマを作成しておく必要があります。監査データ・ストアの使用の詳細は、 Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド監査の構成および管理を参照してください。

5.6 古いJava EE Webサービス・アプリケーションのセキュリティ・ステータスのメンテナンス

12cにおいて、Java EE Webサービスおよびクライアントに対するグローバル・ポリシー・アタッチメントのサポートを導入すると、既存のJava EE Webサービスおよびクライアント(12.1.2およびそれ以前)の後方互換性に影響する場合があります。ポリシーの不在に依存しているJava EE Webサービスまたはクライアント・エンドポイントが、グローバル・ポリシー・アタッチメントのスコープに含まれる場合、グローバル・ポリシー・アタッチメントの存在によって、そのエンドポイントのセキュリティ動作が変更される場合があります。

注意:

Fusion Middleware 12.1.2およびそれ以前では、SOAP WebサービスおよびSOAP Webサービス・クライアントのサブジェクト・タイプのために定義されたグローバル・ポリシー・アタッチメントは、Oracle Infrastructure Webサービスおよびクライアントにのみ適用可能であり、Java EE Webサービスおよびクライアントからは無視されていました。12c (12.2.1)へのアップグレード後は、これらのサブジェクト・タイプのために定義されたグローバル・ポリシー・アタッチメントは、Java EE Webサービスおよびクライアントにも適用され、既存のJava EE Webサービスおよびクライアントのセキュリティ動作に影響を与える場合があります。

後方互換性を維持するには、特定のサービスまたはクライアントにOWSM動作無効ポリシー(no_authentication_service_policyno_authorization_service_policyまたはno_messageprotection_service_policyなど)をアタッチすることにより、それらのエンドポイントへのグローバル・ポリシー・アタッチメントを無効化できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』のグローバルにアタッチされたポリシーの無効化に関する項を参照してください。

注意:

WebLogic Wssp1.5-No-Op.xml動作無効ポリシーを使用できます。ただし、WebLogicセキュリティ・ポリシーは、プログラムでのみWebサービス・クライアントにアタッチできるため、コードの変更が必要です。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』のグローバルにアタッチされたポリシーの無効化に関する項を参照してください

5.7 Oracle Fusion Middleware 12cソフトウェアの管理のためのドキュメント・リソース

このトピックでは、Infrastructure 12cへのアップグレード後に実行することが多い一般的な管理タスクおよび関連するドキュメント・リソースのリストを示しています。

表5-1に、Infrastructure 12cへのアップグレード後に実行する可能性の高い一般的な管理タスクを示します。

表5-1 基本的な管理タスク

タスク 説明 参照先

Fusion Middleware管理ツールについての学習

環境の管理に使用できる各種ツールについて習熟します。

Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion Middleware管理ツールの概要。

製品およびサーバーの起動と停止

Oracle Fusion Middleware(管理サーバー、管理対象サーバー、コンポーネントを含む)起動と停止の方法について学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion Middlewareの起動と停止。

Secure Sockets Layer (SSL)の構成

Oracle Fusion Middlewareコンポーネント間で、SSLを使用したセキュアな通信を設定する方法について学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion MiddlewareでのSSLの構成。

Oracle Fusion Middlewareのモニタリング

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのステータスを追跡する方法を学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion Middlewareの監視。

バックアップとリカバリの手順の理解

Oracle Fusion Middlewareのバックアップとリカバリの推奨手順について学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理のバックアップとリカバリの概要。

5.8 Oracle Fusion Middleware 12cでの11gアプリケーション・デプロイメントの使用

Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後、Oracle Fusion Middleware 11gにデプロイしていたカスタムJavaおよびApplication Development Framework (ADF)は、Oracle Fusion Middleware 11gと同じように動作します。ただし、ADF 12cおよびJDeveloper 12cで利用可能ないくつかの新機能があります。

次の項では、アプリケーションをJDeveloper 12cに移行する方法についての追加情報を示します。

5.8.1 Oracle Application Development Framework (ADF) 12cについて

Oracle ADFは、エンドツーエンドJava EEフレームワークです。これによって、追加設定なしで使用できるインフラストラクチャ・サービスと、視覚的で宣言的な開発エクスペリエンスが提供され、アプリケーション開発が簡素化されます。

Oracle ADFの詳細は、次のOracle Fusion Middleware 12cのドキュメント・ライブラリを参照してください。

5.8.2 Oracle JDeveloper 12cについて

Oracle JDeveloperは、アプリケーション・ライフサイクルの各段階に対処するJavaベースのアプリケーションの開発を簡素化する統合開発環境です。JDeveloperは、Oracleのプラットフォームおよびアプリケーションに対する完全なエンド・ツー・エンドの開発を提供します。

5.8.2.1 Oracle JDeveloper 12cのインストール

Oracle JDeveloperは、アプリケーションをローカルでテストするために使用できる埋込みバージョンのOracle WebLogic Serverを提供します。

Oracle JDeveloper 12cをインストールする場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperのインストール』のOracle JDeveloperソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。

JDeveloperを使用したアプリケーションのテストの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperのインストール』のOracle JDeveloperで開発したアプリケーションのデプロイとテストに関する項を参照してください。

5.8.2.2 Oracle JDeveloper 12cを使用したアプリケーションの移行

Oracle JDeveloper 12cのインストール後、Oracle JDeveloper 12cでカスタム・アプリケーション・プロジェクトを開いて、Oracle JDeveloper 12cに自動的に移行できます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperのインストール』の以前のバージョンからのOracle JDeveloperの移行に関する項を参照してください。

5.8.2.3 Oracle JDeveloper 12cを使用した非同期Webサービスの移行について

アプリケーションにApplication Development Framework Business Components (ADF BC)非同期Webサービスが含まれている場合、Oracle JDeveloperまたはojdeployコマンド行ツールを使用してそれを再作成し、必要なデプロイメント・ディスクリプタをデプロイメント・アーカイブに生成します。

非同期Webサービスの開発の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Infrastructure Webサービスの開発』の非同期Webサービスの開発の概要に関する項を参照してください。

5.9 既存の環境がクラスタ構成の場合

既存の環境がクラスタ構成の場合、パック・ユーティリティおよびアンパック・ユーティリティを使用してそのドメイン内の他のクラスタ・メンバーに変更を適用する必要があります。

5.9.1 プライマリ・ノードのドメインのパック

プライマリ・ノードのドメインをパックする手順は、次のとおりです。
  1. プライマリ・ノードにログインします。
  2. 次の例に示すように、ドメインをパックします。
    ./pack.sh -managed=true -domain=$DOMAIN_HOME/user_projects/domains/base_domain -template=sampledomaintemplate.jar -template_name=sample_domain_template

5.9.2 セカンダリ・ノードのドメインのアンパック

セカンダリ・ノードのドメインをアンパックする手順は、次のとおりです。
  1. セカンダリ・ノードにログインします。
  2. 次の例に示すように、ドメインを含むsampledomaintemplate.jarファイルをアンパックします。
    ./unpack.sh -domain=$DOMAIN_HOME/user_projects/domains/base_domain -template=$ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/sampledomaintemplate.jar -app_dir=$DOMAIN_HOME/user_projects/applications -overwrite_domain=true