プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalのインストールと構成
12c (12.2.1.2)
E82809-01
目次へ移動
目次

前
次

1 Oracle WebCenter Portalのインストールについて

このガイドで説明するOracle WebCenter Portalの標準インストールでは、この製品の最初のトポロジのサンプルを表す標準トポロジを作成します。

1.1 Oracle WebCenter Portalについて

企業ではOracle WebCenter Portalを使用して、Oracle Fusion MiddlewareおよびOracle Fusion Applicationsに次世代のユーザー・エクスペリエンス(UX)の基盤を提供する、エンタープライズ規模のイントラネットおよびエクストラネット・ポータルを構築します。

通常、Oracle WebCenter Portalを使用して構築されたポータルでは、何千ものユーザーによる、複数のバックエンド・ソースからのコンテンツおよびデータの作成、更新およびアクセスがサポートされます。Oracle WebCenter Portalは、ポータルのコンテキスト内から直接、インスタント・メッセージ、ドキュメント、コンテンツ管理、ディスカッション・フォーラム、Wiki、ブログ、およびタグ付けなどのツールやサービスを直接に操作できる、オープンで拡張可能なソリューションを提供しています。Oracle WebCenter Portalは、主要ポータル製品と関連テクノロジーの豊富なポートフォリオから最高のUX機能を利用して、直観的なユーザー・エクスペリエンスを提供します。ユーザーの観点から見た場合、統合はシームレスです。

Oracle WebCenter Portalは、すぐに使用できるエンタープライズ対応のカスタマイズ可能なアプリケーションを提供し、構成可能な作業環境で個人およびグループがより効果的に協力して作業し、ポータルを開発、使用できるようになります。ビジネス・ユーザーは、Portal Composer、あるいは事前に作成された再利用可能なコンポーネントからなるライブラリを内蔵するページ・エディタを使用して、新しいポータルや複合アプリケーションを簡単に構築できます。コンポーネントのページへの統合、コンテンツのパーソナライズの構成、統合されたソーシャル・ツールの使用、データ視覚化コンポーネントの作成によってユーザー・エクスペリエンスを向上させることができます。また、JDeveloperを使用して、Oracle WebCenter Portalで構築されたポータルで使用できるカスタム・アセットを作成することもできます。

1.2 開始点としての標準インストール・トポロジの使用方法

標準インストール・トポロジは、本番環境で開始点として使用できる柔軟なトポロジです。

このガイドの情報は、Oracle WebCenterPortalの標準インストール・トポロジの作成に役立ちます。適切で必要な場合は、後で標準インストール・トポロジを拡張して、安全で可用性の高い本番環境を作成できます(「ドメイン構成後の次の手順」を参照)。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジを示しています。この製品がサポートする唯一のトポロジではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の標準インストール・トポロジに関する項を参照してください。

1.2.1 Oracle WebCenter Portalの標準インストール・トポロジについて

このトポロジは、1台以上の管理対象サーバーを含む1つ以上のクラスタと管理サーバー1が台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

次の図は、Oracle WebCenter Portalの標準インストール・トポロジを示しています。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

構成の詳細は、「Oracle WebCenter Portalドメインの構成」を参照してください。

1.2.2 標準インストール・トポロジ図の要素について

通常、標準インストール・トポロジには、共通の要素が含まれています。

次の表では、トポロジの図の要素をすべて説明しています。

表1-1 標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と関連ドキュメントへのリンク
APPHOST Oracleドキュメントでアプリケーション層をホストするマシンを示すために通常使用されている用語。
DBHOST Oracleドキュメントでデータベースをホストするマシンを示すために通常使用されている用語。
WebLogicドメイン Javaコンポーネント(この場合、管理サーバー、管理対象サーバーおよび他の関連ソフトウェア・コンポーネント)の論理的に関連したグループです。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle WebLogic Serverドメインの概要に関する項を参照してください。

管理サーバー WebLogicドメインの集中管理エンティティ。ドメインの構成オブジェクトを保持し、構成の変更を管理対象サーバーに分散します。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。

Enterprise Manager Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、ドメインの管理のために使用される主要ツールです。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

クラスタ 同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの概要に関する項を参照してください。

マシン 1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータの論理表現。マシンは、管理対象サーバーとノード・マネージャ間の論理グルーでもあります。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動または停止するには、管理対象サーバーをマシンと関連付けます。
管理対象サーバー アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよびそれらの関連リソースのホスト。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの概要に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ 次のものを含むサービスのコレクション。
  • メタデータ・リポジトリ(MDS)には、Oracle Application Developer FrameworkなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが含まれます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解のメタデータ・リポジトリの概要に関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager(OWSM)

1.2.3 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバーの理解

Oracle WebCenter Portalをインストールした後は、WebLogic Serverドメインを作成または拡張し、構成する必要があります。

基本的なドメイン・インフラストラクチャは、1つの管理サーバーと様々なオプションの管理対象サーバーで構成されます。Oracle WebCenter Portalのドメインを構成するときは、新規ドメインの場合、WebLogic管理サーバーが作成されます。インストールするOracle WebCenter Portalコンポーネントに応じて、様々なWebLogicサーバー・インスタンスが作成され、各コンポーネントが適切な管理対象サーバーにデプロイされます。管理対象サーバーは、Oracleシステム・ライブラリ(JRFライブラリ)およびOracle ADFライブラリでプロビジョニングされます。

表1-2 Oracle WebCenter Portalドメインの構成時に作成されるサーバー

WebLogic Serverインスタンス コンポーネント/ホストされるアプリケーション 説明
AdminServer

なし

これがWebLogic管理サーバーです。管理サーバーではWebLogic Serverドメインを一元的に管理できます。

管理サーバーは、管理コンソールとOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールをホストします。

WC_Portal

WebCenter Portal

Analyticsコレクタ

この管理対象サーバーは、Oracle WebCenter Portalドメインの作成時または拡張時に、デフォルトのポータル・アプリケーションであるWebCenter Portalのインストールを選択すると作成されます。

WC_Portlet

ポートレット・プロデューサ

ページレット・プロデューサ

この管理対象サーバーは、ドメインを作成または拡張するときに、Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサまたはOracle WebCenter Portalのポートレット・プロデューサのインストールを選択した場合に作成されます。

WC_Collaboration

ディスカッション・サーバー

この管理対象サーバーは、ドメインの作成時または拡張時に、Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーのインストールを選択すると作成されます。

「Oracle WebCenter Portalの標準インストール・トポロジについて」に、これらのサーバーおよびコンポーネントの図が示されています。

1.2.4 Oracle WebCenter Portalのコンポーネントの理解

Oracle WebCenter Portalのすべてのコンポーネントは、デフォルトでシステムにインストールされています。ポータルに必要な機能に応じて、ドメインに構成する必要のあるコンポーネントを選択できます。

Oracle WebCenter Portalのコンポーネントは次のとおりです。

  • ポータル・コンポーザ

    Oracle WebCenter Portalのポータル・コンポーザは、再利用可能な事前作成コンポーネントのライブラリを使用してポータルまたは複合アプリケーションを構築するための、Webベースの単一の統合環境を提供します。ビジネス・ユーザーは、コンポーネントのページへの書込み、コンテンツのパーソナライズ構成、統合されたソーシャル・ツールの使用、データ視覚化の作成が可能です。ブラウザベースのプラットフォームにより、エンタープライズ・ポータル、複数のサイトおよびコミュニティを作成できます。ポータル・コンポーザは、一般にWebCenter Portalとも呼ばれます。

  • ページレット・プロデューサ

    Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサでは、Webリソース(アプリケーション、コンポーネントおよびプログラム可能な機能)の様々なセットを作成および管理し、これらのリソースを既存のWebアプリケーションまたは新しい開発者によるマッシュアップと組み合せる機能を提供します。これによって、多種多様なWebテクノロジ(AJAX、REST、JavaScriptなど)使用してページレットを構築可能になります。

  • ポートレット・プロデューサ

    Oracle WebCenter Portalポートレット・プロデューサでは、標準ベースのポートレット(JSR 286、WSRP 1.0および2.0)と、従来のOracle PDK-Javaベースのポートレットの両方のデプロイメントと実行をサポートしています。OmniPortlet、Web ClippingおよびWSRP Parameter Form Portletという事前構成済のポートレット・プロデューサが含まれます。

  • ディスカッション・サーバー

    Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーは、ディスカッション・フォーラムとお知らせのポータルへの統合をサポートします。

  • Analyticsコレクタ

    Oracle WebCenter Portal Analyticsコレクタでは、ポータルおよびコンポジット・アプリケーション内のアクティビティとコンテンツの使用に関する包括的なレポートを作成できます。

1.3 このドキュメントを使用した既存ドメインの拡張

このガイドの手順では、新しいドメインの作成方法を説明しています。システムに他のOracle Fusion Middleware製品がインストールされていないことを想定しています。

システムに他のOracle Fusion Middleware製品がインストールおよび構成されている場合(例: Fusion Middleware Infrastructure、ドメインが稼働)、既存のドメインを拡張するために、同じ手順を使用できます。既存ドメインの拡張を選ぶ場合は、「同じドメインに複数の製品をインストールする方法」の詳しい説明を読んでください。