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Oracle® Fusion Middleware Oracle HTTP Serverのアップグレード
12c (12.2.1.2)
E82834-02
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5 スタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレード(以前の12cリリースから)

この章では、スタンドアロンOracle HTTP Serverを、以前のスタンドアロンOracle HTTP Server 12cリリースから最新の12cにアップグレードするプロセスについて説明します。

注意:

この章の情報は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』のOracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.2)のアップグレードのプランニングに関する項にリストされている必須のアップグレード前タスクについて理解して実行していることを前提としています。

この章の構成は、次のとおりです。

5.1 スタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレード・プロセス(以前の12cリリースから)について

Oracle HTTP Serverのアップグレード・プロセスの概要に関するフローチャートとロードマップを再確認します。

図5-1は、別の12cリリースを開始ポイントとするスタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレードに関する手順の概要を示しています。各手順で使用するツールのリストも示します。

図5-1 スタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレード・プロセス・フローチャート(以前の12cリリースから)

図5-1の説明が続きます
「図5-1 スタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレード・プロセス・フローチャート(以前の12cリリースから)」の説明

次の表は、スタンドアロンOracle HTTP Serverを以前の12cリリースから最新バージョンにアップグレードするために実行する必要があるタスクについて説明しています。

表5-1 スタンドアロンOracle HTTP Serverをアップグレードするためのタスク(以前の12cリリースから)

タスク 説明

必須

スタンドアロンOracle HTTP Serverをアップグレードしていることを確認します。

既存の環境にどの種類のOracle HTTP Serverが含まれるかを判断するには、Oracle HTTP Serverがスタンドアロンか管理対象(コロケート)かの判断を参照してください。

必須

アップグレード前のタスクを実行します。

アップグレード前タスクには、ご使用の本番環境のクローニング、システム要件および資格証明の確認、未使用データのパージおよび非SYSDBAユーザーの作成が含まれます。

アップグレード前タスクの完全なリストは、Oracle HTTP Serverのアップグレードの準備を参照してください。

必須

スタンドアロンOracle HTTP Serverをインストールします。

インストール・プログラムを実行してソフトウェアをインストールします。インストール・タイプスタンドアロンOracle HTTP Server (WebLogic Serverとは切り離して管理)を選択します。これによって、ソフトウェアをシステムに転送し、新しいOracleホーム・ディレクトリを作成します。

スタンドアロンOracle HTTP Serverのインストールを参照してください。

必須

12c環境を停止します。

「サーバーとプロセスの停止」を参照

必須

既存のドメインを再構成します。

再構成ウィザードを12c Oracle HTTP Serverインストールから実行して、既存のドメインを再構成します。

「ドメインの再構成」を参照してください。

必須

スタンドアロンのシステム・コンポーネント構成をアップグレードします。

「スタンドアロン・システム・コンポーネント構成のアップグレード」を参照してください。

必須

サーバーおよびプロセスを再起動します。

「サーバーとプロセスの起動」を参照してください。

必須

アップグレードを検証します。

Oracle HTTP Serverが予期したとおりの機能を続行しているはずです。アップグレード後の問題がある場合は、インストールのトラブルシューティングを実行してアップグレードを再試行する必要があります。

『Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Serverの管理』のOracle HTTP Serverのトラブルシューティングに関する項。

5.2 スタンドアロンOracle HTTP Serverのインストール

アップグレードの開始前に、Oracle HTTP Server 12c (12.2.1.2)ディストリビューションをターゲット・システムにダウンロードし、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。

スタンドアロンOracle HTTP Serverをインストールする手順は次のとおりです。
  1. 12c (12.2.1.2)製品のディストリビューションをインストールするターゲット・システムにログインします。
  2. Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudから、ターゲット・システムに次をダウンロードします。
    • Oracle HTTP Server (UNIX: fmw_12.2.1.2.0_ohs_linux64.bin)、(Windows: setup_fmw_12.2.1.2.0_ohs_win64.exe)
  3. 12c (12.2.1.2)製品のディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  4. 使用するマシンが次の要件を満たしていることを確認します。
    • システム、パッチ、カーネルおよびその他の要件が、「システム環境の検証ロードマップ」で指定されている要件を満たしていることを確認します。
    • Oracle HTTP Serverはデフォルトではポート7777にインストールされるので、ノード上のどのサービスでもポート7777を使用していないことを確認する必要があります。このポートが使用されているかどうかを確認するには、Oracle HTTP Serverをインストールする前に次のコマンドを実行します。このポートが使用されている場合は、解放する必要があります。

      netstat -an | grep 7777

  5. 次のコマンドを入力して、インストール・プログラムを開始します。
    (UNIX) ./fmw_12.2.1.2.0_ohs_linux64.bin
    (Windows) setup_fmw_12.2.1.2.0_ohs_win64.exe
  6. UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。
    中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名に中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    「インストール・インベントリの設定」画面は、Windowsオペレーティング・システムでは表示されません。
  7. 「ようこそ」画面で、情報をレビューしてすべての前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。
  8. 「自動更新」画面で、「自動更新をスキップ」を選択します。オプションは次のとおりです。
    • この時点でソフトウェアの更新をシステムで確認しないようにする場合は、「自動更新をスキップ」を選択します。

    • パッチ・ファイルをダウンロードした場合は、「ディレクトリからパッチを選択」を選択して、ローカル・ディレクトリに移動します。

    • My Oracle Supportアカウントを持っている場合にソフトウェアの更新を自動でダウンロードするには、「My Oracle Supportで更新を検索」を選択します。Oracle Supportの資格証明を入力して、「検索」をクリックします。インストーラがMy Oracle Supportにアクセスするようにプロキシ・サーバーを構成するには、「プロキシ設定」をクリックします。「接続のテスト」をクリックして接続をテストします。

    「次へ」をクリックします。
  9. 「インストールの場所」画面でOracleホーム・ディレクトリの場所を指定して、「次へ」をクリックします。
    ここでは、スタンドアロン・ドメインにOracle HTTP Serverの標準的なインストール・トポロジを使用してインストールを行っているため、Oracleホーム・ディレクトリを任意に指定できます。ただしこのソフトウェアを確実に、新規のOracleホームにインストールしてください。
    Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストールおよび構成のためのディレクトリの選択に関する項を参照してください。
  10. 「インストール・タイプ」画面で、「スタンドアロンHTTPサーバー(WebLogic Serverとは切り離して管理)」を選択し、「次へ」をクリックします。
  11. 「前提条件チェック」画面で、ホスト・コンピュータを分析して、特定のオペレーティング・システムの前提条件を満たしているか確認します。
    確認されたタスクのリストを表示するには、「正常なタスクの表示」を選択します。ログの詳細を表示するには、「ログの表示」を選択します。前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続けるには、「スキップ」をクリックします(非推奨)。
  12. Oracle Supportアカウントを持っている場合は、「セキュリティ更新」画面で、セキュリティ更新を受け取る方法を指定します。
    Oracle Supportアカウントを所持しておらずこの手順を省略してもかまわない場合は、チェック・ボックスの選択を解除して、後続のダイアログ・ボックスで選択内容を確認します。
  13. 「インストール・サマリー」画面で、選択したインストール・オプションを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集して格納され、後で(コマンドラインから)サイレント・インストールを実行するために使用できます。

    「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

  14. 「インストールの進行状況」画面で、プログレス・バーが100%完了になったら、「終了」をクリックしてインストーラを閉じるか、「次へ」をクリックしてサマリーを表示します。
  15. 「インストール完了」画面に、インストールの場所と、インストールされた機能セットが表示されます。情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを閉じます。
これで、Oracle HTTP Serverのスタンドアロン・モードでのインストールが完了しました。

5.3 サーバーとプロセスの停止

Upgrade Assistantを実行してスキーマおよび構成をアップグレードする前に、すべてのプロセスと管理サーバーや管理対象サーバーを含めたすべてのサーバーを停止する必要があります。

Oracle Fusion Middleware環境は、1つのOracle WebLogic Serverドメイン、1つの管理サーバー、複数の管理対象サーバー、Javaコンポーネント、システム・コンポーネント(Identity Managementのコンポーネントなど)およびメタデータのリポジトリとして使用する1つのデータベースで構成できます。コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で停止する必要があります。

注意:

この項の手順では、WLSTコマンドライン・ユーティリティまたはスクリプトを使用してサーバーとプロセスを停止する方法について説明します。また、Oracle Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動および停止に関する項を参照してください。

Fusion Middleware環境を停止するには、次に示す手順を実行します。

ステップ1: システム・コンポーネントを停止する

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを停止するには、stopComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name

システム・コンポーネントは任意の順序で停止できます。

ステップ2: 管理対象サーバーを停止する

WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

ステップ3: Oracle Identity Managementのコンポーネントを停止する

Oracle Internet Directoryなど、Oracle Identity Managementコンポーネントを停止します。
  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name

ステップ4: 管理サーバーを停止する

管理サーバーを停止するときに、管理サーバーで稼働しているプロセス(WebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなど)も停止します。

管理サーバーを停止するには、stopWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワード、およびURLを入力します。

ステップ5: ノード・マネージャを停止する

ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。

またはnodemanager.propertiesQuitEnabledの属性をtrueに設定した後(デフォルトはfalseです)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』のstopNodeManagerに関する項を参照してください。

5.4 ドメインの再構成

再構成ウィザードを実行して、ドメイン・コンポーネント構成を12c (12.2.1.2)にあわせて再構成します。

WebLogic Serverドメインを再構成すると、ドメイン内のアプリケーションに応じて、次の項目が自動的に更新されます。

  • WebLogic Serverコア・インフラストラクチャ

  • ドメイン・バージョン

注意:

ドメインの再構成を開始する前に、次の制限事項に注意してください。

  • 再構成ウィザードでは、ドメインに含まれる独自のアプリケーションは更新されません。

  • アップグレード・プロセス中に、非動的クラスタ・ドメインを動的クラスタ・ドメインに変換することはサポートされていません。

    動的クラスタ機能は、再構成ウィザードの実行中に使用できますが、サポートされているアップグレードは非動的クラスタのアップグレードのみで、その後で動的クラスタを追加することになります。アップグレード・プロセス中に動的クラスタを追加することはできません。

具体的には、ドメインを再構成する場合、次のことが発生します。
  • ドメインのconfig.xmlファイルのドメイン・バージョン番号は、管理サーバーのインストール済WebLogic Serverバージョンに更新されます。

  • すべてのインストール済Oracle製品の再構成テンプレートは、自動的に選択されてドメインに適用されます。これらのテンプレートは、WebLogicドメインが現在のWebLogic Serverバージョンと互換性を持つために必要な再構成タスクを定義します。

  • 起動スクリプトが更新されます。

    変更済の起動スクリプトを維持する場合は、そのスクリプトをバックアップしてから、再構成ウィザードを開始してください。

注意:

ドメインの再構成プロセスを開始すると、元に戻すことはできません。再構成ウィザードの実行前には、アップグレード前チェックリストで説明しているように、ドメインのバックアップが作成されていることを確認してください。再構成ウィザードの実行中にエラーまたは他の割込みが発生した場合、バックアップ場所から元のドメイン・ディレクトリにファイルとディレクトリをコピーすることによって、ドメインをリストアする必要があります。これは、再構成前の元の状態にドメインを復元するための唯一の方法です。

再構成ウィザードを使用して既存のドメインを再構成する手順に従います。ドメインの再構成の一般情報は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のWebLogicドメインの再構成に関する項を参照してください。

5.4.1 ドメインのバックアップ

再構成ウィザードの実行前に、ドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。

ドメイン・ディレクトリのバックアップを作成するには:

  1. コンテンツを保持するには、ソース・ドメインを別の場所にコピーします。
    たとえば、C:\domains\mydomainをC:\domains\mydomain_backupにコピーします。
  2. 各リモート管理対象サーバーのドメインを更新する前に、各リモート・マシンのドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。
  3. ドメインのバックアップしたバージョンが完全であることを確認します。
なんらかの理由でドメインの再構成が失敗した場合は、すべてのファイルおよびディレクトリをバックアップ・ディレクトリから元のドメイン・ディレクトリにコピーしてドメインを完全に再構成前の元の状態に戻す必要があります。

5.4.2 再構成ウィザードの起動

再構成ウィザードをグラフィカル・モードで起動する手順は次のとおりです。

  1. ドメインが存在するシステムにサインインします。
  2. コマンド・シェル(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはコマンド・プロンプト・ウィンドウ(Windowsオペレーティング・システムの場合)を開きます。
  3. エディション・ベースのデータベース・ユーザーのみ: スキーマがEBRデータベースを使用して構成されている場合、再構成ウィザードを実行する前に、手動でデフォルトのエディション名を設定する必要があります。
    次のSQLコマンドを実行して、デフォルト・エディションを設定します。

    ALTER DATABASE DEFAULT EDITION = edition_name;

    edition_nameは、子エディションの名前です。

  4. oracle_common/common/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\commom\bin
  5. 次に示すロギングオプションを指定して、再構成ウィザードを開始します。
    • (UNIX) ./reconfig.sh -log=log_file -log_priority=ALL
    • (Windows) reconfig.cmd -log=log_file -log_priority=ALL

    log_fileは、ドメイン再構成セッション用に作成するログ・ファイルの絶対パスです。これは、再構成処理をトラブルシューティングする必要がある場合に役立つことがあります。

    パラメータ-log_priority=ALLにより、ログは詳細モードで記録されるようになります。

    注意:

    このコマンドを実行すると、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが無効であることを示す次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

    *sys-package-mgr*: can't create package cache dir
    

    環境変数CONFIG_JVM_ARGSを設定することでキャッシュ・ディレクトリを変更できます。次に例を示します。

    CONFIG_JVM_ARGS=-Dpython.cachedir=valid_directory

5.4.3 再構成ウィザードを使用した既存のドメインの再構成

再構成ウィザードの各画面を通じて、既存のドメインを再構成します。

再構成ウィザードを使用してドメインを再構成するには:
  1. 「ドメインの選択」画面でアップグレードするドメインの場所を指定するか、「参照」をクリックして移動し、ドメイン・ディレクトリを選択します。「次へ」をクリックします。
  2. 「再構成セットアップの進行状況」画面で、セットアップ・プロセスの進行状況を確認します。完了したら、「次へ」をクリックします。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • Fusion Middleware製品を含む、インストール済製品の再構成テンプレートが自動的に適用されます。これにより、config.xmlconfig-groups.xmlsecurity.xmlなどの様々なドメイン構成ファイルが更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    • ドメイン・アップグレードが検証されます。

  3. 「ドメイン・モードおよびJDK」画面で、ドメインで使用するJDKを選択するか、「参照」をクリックして使用するJDKに移動します。12c (12.2.1.2)のサポート対象JDKバージョンは、1.8.0_101以降です。「次へ」をクリックします。

    注意:

    ここでは「ドメイン・モード」は変更できません。
    特定のプラットフォームでサポートされているJDKのリストは、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成を参照してください。
  4. 「JDBCデータ・ソース」画面で、ドメイン・ソースで定義したJDBCデータ・ソースを構成します。
    ドメインを作成する製品に関連付けられるJDBCデータ・ソースは、画面の下半分にリスト表示されます。JDBCデータ・ソースには、データ・ソース・インスタンスの作成時、デプロイ時もしくはターゲット指定時、またはサーバー起動時に作成されるデータベース接続のプールが含まれます。 アプリケーションはJNDIツリーでデータ・ソースをルックアップしてから、接続をリクエストします。アプリケーションに接続する必要がなくなった場合は、接続がデータ・ソースの接続プールに戻されます。
    「データソース名」ドロップダウン・リストから、設定を指定するデータ・ソースを選択します。指定した値は、選択されたデータ・ソースのデータ・ソース・リストの適切な列に表示されます。
    データ・ソースがOracle RAC構成の場合は、次の3つのオプションのいずれかを選択できます。
    • GridLinkへ変換
    • RACマルチ・データ・ソースへ変換
    • 変換しない

    各オプションの詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。

    詳細を指定したら、「次へ」をクリックします。
    「JDBCデータ・ソース」画面でデータ・ソースを選択しないと、次に示す警告が表示されます。
    ドライバがありません
    「OK」をクリックして検証せずに続行するか、「取消」をクリックして「JDBCデータ・ソース」ページに戻ります。
    この場合、「OK」をクリックしてもデータ・ソースは検証されません。
  5. 「JDBCデータ・ソース・テスト」画面で、「JDBCデータ・ソース」画面で構成したデータ・ソース接続のチェック・ボックスを選択し、「選択された接続のテスト」をクリックしてデータ・ソース接続をテストします。

    注意:

    データベース接続をテストするには、接続するデータベースが起動している必要があります。接続をテストしない場合は、データ・ソースを選択しません。「次へ」をクリックして続行します。
  6. 「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択して、サーバー表(_STB)スキーマに接続します。
    RCUサービス表(_STB)スキーマ資格証明を使用してデータベース接続の詳細を入力して、「RCU構成の取得」をクリックします。
    再構成ウィザードは、この接続を使用してドメイン内のコンポーネントに必要なデータ・ソースを自動的に構成します。

    注意: 既存の11gデータ・ソースの場合、再構成では既存の値が保存されます。RCUで12c用にスキーマが作成された新しいデータ・ソースの場合、デフォルトの接続データは_STBスキーマから取得されます。特定のスキーマの接続データが_STBスキーマにない場合は、デフォルトの接続データが使用されます。

    チェックに成功したら、「次へ」をクリックします。チェックが失敗した場合は、接続の詳細を正しく入力し直して再試行します。
  7. 「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面で、すべてのコンポーネント・スキーマを選択して「選択された接続のテスト」をクリックして、各スキーマの接続をテストします。テストの結果は、「ステータス」列に表示されます。
    チェックが終了したら、「次へ」をクリックします。
  8. 「ノード・マネージャ」画面は、再構成するドメインで、ホストごとのノード・マネージャが使用されている場合にのみ表示されます。
    「ノード・マネージャ」画面で、再構成したドメインで使用するノード・マネージャ構成を選択します。結果として生成される構成は、「ノード・マネージャ・タイプ」および「ノード・マネージャ構成」で選択したオプションの組合せに応じて異なります。

    表5-2 ノード・マネージャ画面のフィールドの説明

    オプション 説明
    ドメインごとのデフォルトの場所

    このオプションを選択すると、ノード・マネージャ・ホームはDOMAIN_NAME/nodemanagerに再定義され、ノード・マネージャ・ホームの編集ができなくなります。

    ドメインごとのカスタムの場所

    このオプションは、このドメインの特定の場所に、ドメインごとのノード・マネージャ構成ファイルを作成する場合に選択します。「ノード・マネージャ・ホーム」フィールドでディレクトリを指定するか、「参照」をクリックしてナビゲーション・ツリーを使用してその場所を選択します。指定するディレクトリは空である必要があります。このディレクトリに、nodemanager.propertiesおよびnodemanager.domainsファイルが作成されます。

    ノード・マネージャ・ホーム

    ドメインごとのカスタムの場所オプションを選択した場合は、「参照」をクリックして、ドメインごとのノード・マネージャ構成の格納に使用するディレクトリの場所に移動します。

    手動ノード・マネージャ・セットアップ

    このオプションを選択した場合は、ドメインのノード・マネージャ構成の作成がスキップされ、残りのフィールドはすべて変更できなくなるため、ドメインでノード・マネージャを使用する場合はノード・マネージャ構成の実行の説明に従って、ノード・マネージャを手動で構成する必要があります。再構成されたドメインでは、ホストごとのノード・マネージャ構成が引き続き使用されます。

    既存のドメインがノード・マネージャを使用するように構成されておらず、再構成されたドメインでノード・マネージャを使用しない場合も、このオプションを選択する必要があります。

    ノード・マネージャ構成の詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』を参照してください。

    ノード・マネージャ構成 次の2つのオプションから1つを選択します。「手動ノード・マネージャ・セットアップ」を選択した場合は、次のフィールドを使用できません。
    新規構成の作成 nodemanager.propertiesのデフォルトの設定を使用して、再構成されたドメインに、ドメインごとのノード・マネージャ構成が自動的に作成されます。ドメインが正常に再構成された後に、必要に応じて、nodemanager.propertiesを変更できます。
    既存の構成を移行 すでに存在するホストごとのノード・マネージャ構成が、再構成されたドメインのドメインごとの構成に移行されます。これには、ListenAddress、ListenPort、StartScriptName、JavaHomeおよびLogFileの環境固有の設定は含まれません。
    ノード・マネージャ・ホーム 「既存の構成を移行」オプションを選択した場合は、再構成したドメインの移行先にするノード・マネージャのホーム・ディレクトリを入力するか、参照してください。
    Oracle推奨デフォルトの適用

    このチェック・ボックスは、「既存の構成を移行」オプションを選択した場合に、nodemanager.propertiesファイルに指定されているOracle推奨のデフォルトを使用するときに選択します。移行されるnodemanager.propertiesファイルの設定を引き続き使用する場合は、このチェック・ボックスの選択を解除してください。

    推奨されるプロパティのデフォルト値は次のとおりです。

    LogLimit=0
    AuthenticationEnabled=true
    LogLevel=INFO
    DomainsFileEnabled=true
    NativeVersionEnabled=true
    LogToStderr=true
    SecureListener=true
    LogCount=1
    StopScriptEnabled=false
    QuitEnabled=false
    LogAppend=true
    StateCheckInterval=500
    CrashRecoveryEnabled=false
    StartScriptEnabled=true
    LogFormatter=weblogic.nodemanager.server.LogFormatter
    ListenBacklog=50
    ノード・マネージャ資格証明: ユーザー名、パスワード 再構成されたドメインで、ノード・マネージャの起動に使用するユーザー名とパスワードを指定します。
  9. 「拡張構成」画面で、拡張構成を実行するすべてのカテゴリを選択できます。選択したカテゴリごとに、詳細構成を行うことができる適切な構成画面が表示されます。

    注意:

    「拡張構成」画面に表示されるカテゴリは、ドメインで選択したテンプレートに定義されているリソースによって異なります。
    このアップグレードでは、オプションを選択せずに「次へ」をクリックします。
  10. 「構成のサマリー」画面で、ドメインの詳細な構成を確認してから続行します。
    「表示」ドロップダウン・リストからフィルタ・オプションを選択すると、右側のパネルに表示される項目を制限できます。
    構成を変更するには、「戻る」をクリックして適切な画面に戻ります。ドメインを再構成するには、「再構成」をクリックします。

    注意:

    ドメインの再構成時には、ドメインの場所は変更されません。
  11. 「再構成の進行状況」画面に、再構成プロセスの進行状況が表示されます。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • ドメイン情報が抽出、保存および更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    プログレス・バーに100%が表示されたら、「次へ」をクリックします。
  12. 「構成の終了」画面に、再構成プロセスが成功して完了したか、または失敗したかどうかが示されます。管理サーバーURL(リスニング・ポートを含む)とともに再構成されたドメインの場所も表示します。再構成が成功した場合は、「Oracle Weblogic Serverの再構成に成功しました」と表示されます。
    再構成プロセスが正常に完了しなかった場合は、その理由を示すエラー・メッセージが表示されます。問題を解決するための適切な措置を講じます。問題を解決できない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
    今後の操作での使用に備えて、ドメインの場所と管理サーバーのURLを記録しておきます。

5.5 スタンドアロン・システム・コンポーネント構成のアップグレード

エージェントがOPMNで管理されている場合は、Upgrade Assistantを使用して、スタンドアロン・エージェントのコンポーネント構成をアップグレードします。スタンドアロン・コンポーネント構成のアップグレードは、OPMNで管理されていないスタンドアロン・エージェントのアップグレードをサポートしていません。

5.5.1 Upgrade Assistantの起動

Upgrade Assistantを実行して、製品のスキーマ、ドメイン・コンポーネント構成、またはスタンドアロンのシステム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。Upgrade Assistantは非SYSDBAとして実行して、一度にアップグレードするドメインは1つにすることをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

コマンドラインに指定可能なその他のパラメータ(ロギングのパラメータなど)の詳細は、次を参照してください。

5.5.1.1 Upgrade Assistantパラメータ

コマンドラインからUpgrade Assistantを起動する際に、追加のパラメータを指定できます。

表5-3 Upgrade Assistantコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/省略可能 説明

-readiness

準備状況チェックの場合は必須

注意: スタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では準備状況チェックを実行できません。

アップグレードの準備状況チェックを実行します(実際のアップグレードは実行しません)。

スキーマと構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを指定しないでください。

-threads

省略可能

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を特定します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックの場合は必須

レスポンス・ファイルに保存した入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このレスポンス・ファイルは、GUIモードでUpgrade Assistantを実行したときの入力データから生成されます。このパラメータを使用すると、Upgrade Assistantがサイレント・モードで(Upgrade Assistant画面を表示せずに)実行されます。

-examine

省略可能

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

省略可能

次のいずれかの属性を指定して、ログイン・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定して、より多くのログが記録されるようにすることを検討してください。これは、アップグレードの失敗をトラブルシューティングする際に役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

省略可能

アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。Upgrade Assistantは、このディレクトリにログ・ファイルと一時ファイルを作成します。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIXの場合:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windowsの場合:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

省略可能

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。

5.5.2 Upgrade Assistantを使用したスタンドアロン・システム・コンポーネント構成のアップグレード

Upgrade Assistantの各画面を通じて、スタンドアロンのシステム・コンポーネント構成をアップグレードします。

Upgrade Assistantを使用して既存の12cドメインをアップグレードするには:
  1. 「ようこそ」画面には、Upgrade Assistantの概要と、アップグレード前のいくつかの重要なタスクについての情報が示されます。「次へ」をクリックします。

    注意:

    Upgrade Assistantの画面の詳細は、画面上の「ヘルプ」をクリックしてください。
  2. 「スタンドアロン・コンポーネント」画面で、「スタンドアロン・システム・コンポーネント構成」を選択します。
    「既存のドメインの更新」を選択し、既存の12cドメインの場所を「ドメイン・ディレクトリ」フィールドに入力します。「参照」ボタンをクリックして、ナビゲーション・ツリーを使用して既存のドメイン・ディレクトリを選択することもできます。「次へ」をクリックします。

    注意:

    • 「新規ドメインの作成」オプションは、バージョン11gからアップグレードする場合にのみ使用してください。

    • アップグレードした11gシステム・コンポーネント用に新しい12cスタンドアロン・ドメインをすでに作成している場合、「既存のドメインの更新」オプションを使用して、スタンドアロンOracle HTTP Serverを備えたスタンドアロン・ドメインを拡張できます。

    • 「既存のドメインの更新」オプションは、以前の12cリリース(12.1.2.0、12.1.3.0、12.2.1.0および12.2.1.1)から最新の12cリリース(12.2.1.2)にアップグレードする場合にのみ使用します。

  3. 「コンポーネント・リスト」画面で、構成をアップグレードするコンポーネントがリストにすべて含まれていることを確認し、「次」をクリックします。
    アップグレードするコンポーネントがリストに含まれていない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、別のドメインを指定します。
  4. 「前提条件」画面で、すべてのチェック・ボックスを選択して、前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。

    注意:

    Upgrade Assistantでは、前提条件が満たされているかどうかの確認は行われません。
  5. 「インスタンス・ディレクトリ」画面で、「12cソース」を選択して「次」をクリックします。
    以前の12cリリースから最新の12cリリースにアップグレードする場合は、Oracleインスタンス・ディレクトリの入力は必要ありません。
  6. 「調査」画面で、各スタンドアロン・コンポーネントを調査したUpgrade Assistantのステータスを確認して、スタンドアロン・コンポーネントのアップグレードの準備が整っていることを検証します。ステータスが「調査が終了しました。」になっている場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログの「いいえ」をクリックして、アップグレードをキャンセルすることをお薦めします。「ログの表示」をクリックしてエラーの原因を確認します。一般的なアップグレード・エラーの解決方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantによるアップグレードのアップグレード・ガイドのアップグレードのトラブルシューティングに関する項を参照してください。

    注意:

    • 確認フェーズ中に検出された問題を、アップグレードを進めずに解決した場合は、バックアップからリストアを再び行わずにUpgrade Assistantを開始できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックしてアップグレードを続行していた場合は、Upgrade Assistantを再開する前に、バックアップからアップグレード前の環境をリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消しても構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報の再収集が必要になります。

  7. 「アップグレード・サマリー」画面で、コンポーネント構成のアップグレードに選択したオプションのサマリーを確認します。
    レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集および格納されます。このファイルにより、その後のサイレント・アップグレードの実行が可能になります。サイレント・アップグレードは、Upgrade Assistantとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。

    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。

  8. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないコンポーネントがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。

    注意:

    この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  9. アップグレードが成功した場合: 「アップグレード成功」画面で、「閉じる」をクリックし、アップグレードを完了してウィザードを閉じます。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。このウィンドウは、コンポーネントにアップグレード後の手順がある場合にのみ表示されます。

    アップグレードが失敗した場合: 「アップグレード失敗」画面で、「ログの表示」をクリックし、エラーを表示してトラブルシューティングします。ログは、ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logsにあります。アップグレードが失敗した場合は、アップグレード前の環境をバックアップからリストアし、問題を修正してから、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。

5.5.3 ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびFusion Middleware Controlにログインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.2になっていることを確認します。

管理コンソールにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/console

Fusion Middleware Controlにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/em

注意:

アップグレード後、管理ツールは、前のOracleホームではなく新しい12cのOracleホームから必ず実行してください。

アップグレード・プロセス時に、一部のOWSMドキュメント(ポリシー・セット、ポリシーおよびアサーション・テンプレートなどの事前定義ドキュメント)のアップグレードが必要な場合があります。ポリシー・セットまたは事前定義ドキュメントがアップグレードされると、バージョン番号が1増分されます。

5.6 アップグレードの確認

ノード・マネージャおよびスタンドアロンOracle HTTP Serverを正しく起動できれば、アップグレードが成功したことを確認できます。

アップグレード後の問題が発生した場合は、インストールのトラブルシューティングを実行してアップグレードを再試行する必要があります。詳細は、Oracle HTTP Server管理者ガイドのOracle HTTP Serverのトラブルシューティングを参照してください。

新しくアップグレードした環境を起動できない場合は、OracleウォレットでMD5証明書を使用していることが原因になっている可能性があります。MD5署名を使用しているかどうかのチェックの手順およびSHA-2証明書に置き換える手順については、「SHA-2アルゴリズムを使用して署名された証明書でMD5アルゴリズムを使用して署名された証明書を置き換え」を参照してください。

5.6.1 ノード・マネージャの起動

WebLogic Serverの本番環境では、サーバー・インスタンスが複数のドメイン、マシン、および地理的な場所にまたがって分散することがよくあります。ノード・マネージャは、Oracle HTTP Serverインスタンスの管理(起動、停止および再起動)に使用できるWebLogic Serverユーティリティです。

Windowsオペレーティング・システムでは、ノード・マネージャをスタートアップ・サービスとして、ノード・マネージャを構成することをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の起動サービスとしてのノード・マネージャの実行に関する項を参照してください。

注意:

UNIXプラットフォームでは、ノード・マネージャをルート・ユーザーとして実行しないでください。

    5.6.2 スタンドアロンOracle HTTP Serverの起動

    アップグレード後に、スタンドアロンOracle HTTP Serverを起動します。

    スタンドアロンOracle HTTP Serverを起動する手順は次のとおりです。
    1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
      • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
      • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
    2. スタンドアロンのサーバーを起動するコマンドを入力します。
      UNIXオペレーティング・システムの場合: e
      ./startComponent.sh ohs_name
      Windowsオペレーティング・システムの場合:
      startComponent.cmd ohs_name
      詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理』のシステム・コンポーネントの起動と停止に関する項を参照してください。

    5.7 サーバーとプロセスの起動

    アップグレードが正常に完了したら、すべてのプロセスと管理サーバーや管理対象サーバーを含めたすべてのサーバーを再起動します。

    コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で起動する必要があります。

    注意:

    この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーとプロセスを起動する方法について説明します。また、Oracle Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止に関する項を参照してください。

    Fusion Middleware環境を起動するには、次に示す手順を実行します。

    ステップ1: 管理サーバーの起動

    管理サーバーを起動するときに、管理サーバーで稼働するプロセス(WebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなど)も起動します。

    管理サーバーを起動するには、startWebLogicスクリプトを使用します。

    • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh

    • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd

    プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワード、およびURLを入力します。

    ステップ2: ノード・マネージャを起動する

    ノード・マネージャを起動するには、startNodeManagerスクリプトを使用します。

    • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh

    • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd

    ステップ3: Oracle Identity Managementのコンポーネントを起動する

    目的の環境に含まれるOracle Identity Managementのコンポーネント(Oracle Internet Directoryなど)を起動します。
    • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

    • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

    ステップ4: 管理対象サーバーを起動する

    WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogicスクリプトを使用します。

    • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

    • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

    プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

    注意:

    通常、管理対象サーバーを起動すると、そのサーバーにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。

    ステップ5: システム・コンポーネントを起動する

    Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponentスクリプトを使用します。

    • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

    • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

    システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。