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Oracle® Fusion Middleware Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール
12c (12.2.1.2)
E82815-01
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1 Oracle Universal Installerの使用方法

Oracle Universal Installerを使用して、Oracle Fusion Middleware 12cをインストールおよびアンインストールできます。

Oracle Universal Installerの使用の詳細は、次の項を参照してください。

1.1 Oracle Universal Installerのシステム要件

使用するシステムでOracle Universal Installerを実行できるようにするために、システム要件を確認してください。インストーラを起動するには、これらの要件を満たす必要があります。

Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様の「Oracle Universal Installerの要件」を参照してください。

1.2 Oracle中央インベントリについて

製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、Oracle中央インベントリには、使用するシステム上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。

Oracle Universal Installerは実行されるたびに、システムでの中央インベントリの場所を確認します。中央インベントリの場所が見つからない場合(たとえば、今回初めてOracle製品をシステムにインストールしている場合)、中央インベントリを作成するように求められます(「UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の指定」)。

インベントリ情報は、Extensible Markup Language (XML)形式で格納されます。XML形式によって、問題の診断が容易になり、データを短時間でロードできます。保護情報は直接中央インベントリには格納されません。このため、一部の製品の削除時、検証用に必須の資格証明を入力するよう要求される場合があります。

中央インベントリは、そのシステム上のインストールで使用されるシステム固有のインベントリであるため、他のシステムと共有されないローカル・ファイルシステムに配置することをお薦めします。他のシステムのインストールによってインベントリが破損することがないよう、中央インベントリをローカル・ディスクに配置することを強くお薦めします。Oracleホーム、ドメイン・ホームまたはアプリケーション・ホームの場所には中央インベントリを配置しないでください。

同じOracleホームにインストールされたすべての製品は、同じOracle中央インベントリに関連付けられている必要があります。

1.2.1 UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の指定

UNIXオペレーティング・システムで、グラフィカル・インストーラまたはサイレント・インストールを使用してOracle中央インベントリの場所を設定できます。

1.2.1.1 グラフィカル・インストーラを使用したUNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の設定

Oracle Universal Installerグラフィカル・インタフェースを使用してOracle製品をインストールする際、UNIXオペレーティング・システム上で既存のOracle中央インベントリが検出されないと、インストール・インベントリの設定画面が表示されます。

「インストール・インベントリの設定」画面の手順に従って、Oracle中央インベントリを設定します。製品のインストールを続行するには、まず、これを完了する必要があります。

ここでは次を実行します。

  • Oracle中央インベントリ・ディレクトリ(デフォルトはUSER_HOME/oraInventory)を作成します。このディレクトリは、インストールを実行するユーザーによって所有されます。

  • Oracle中央インベントリの場所にcreateCentralInventory.shスクリプト(USER_HOME/oraInventory/createCentralInventory.shなど)を作成します。

    このスクリプトをrootとして実行し、Oracle中央インベントリの場所をシステムの標準ファイル(/etc/oraInst.locなど)に登録する必要があります。UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所を参照してください。

1.2.1.2 サイレント・インストールによるUNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所の設定

UNIXオペレーティング・システムでサイレント・インストールを行う場合は、システムにOracle中央インベントリを設定してから、インストールを実行する必要があります。これを行うには、/tmp/createCentralInventory.shスクリプトをrootとして実行し、中央インベントリを作成する必要があります。

サイレント・インストールを使用してOracle中央インベントリを作成するために/tmp/createCentralInventory.shスクリプトを実行する方法の詳細は、UNIXユーザー対象: 中央インベントリの作成を参照してください。

これを実行すると、スクリプトを実行してシステム上に作成されたすべてのディレクトリは、インストールを実行しているユーザーではなくrootによって所有されるので注意してください。

1.2.2 UNIXオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所

UNIXオペレーティング・システム上のOracle中央インベントリを見つけるには、中央インベントリの場所へのポインタを含むoraInst.locファイルを検索します。

oraInst.locファイルは、次のディレクトリ(デフォルトの場所)にあります。

  • Linuxの場合: /etc/oraInst.loc

  • HP-UX、IBM AIX、Mac OS XおよびSolarisの場合: /var/opt/oracle/oraInst.loc

1.2.3 Windowsオペレーティング・システムでのOracle中央インベントリの場所

Windowsオペレーティング・システムの場合、中央インベントリ・ディレクトリのデフォルトの場所は、C:\Program Files\Oracle\Inventoryです。

1.3 Oracleホームの内容の表示

Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、ORACLE_HOME/oui/binviewInventory.sh (UNIXオペレーティング・システム)またはviewInventory.cmd (Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、Oracleホーム・ディレクトリの内容を表示できます。

2つの種類のインベントリ(Oracle中央インベントリとOracleホーム・インベントリ)があることに注意してください。viewInventory.shまたはviewInventory.cmdスクリプトを使用して、Oracleホーム・ディレクトリを表示します。

次の情報が出力されます。

  • インストールされているディストリビューションの名前およびバージョン。

  • インストールされている機能セットの名前およびバージョン。

  • インストールされているコンポーネントの名前およびバージョン。

  • インストールされているパッチのパッチIDおよび一意のID。

注意:

ディストリビューションおよび機能セットの詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングの製品の配布に関する項を参照してください。

スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。

このスクリプトは、ORACLE_HOME/oui/binディレクトリにあります。

UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

viewInventory.sh
   [-jreLoc jre_location]
   [-oracle_home oracle_home_location]
   [-output_format [report|xml|csv]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

viewInventory.cmd
   [-jreLoc jre_location]
   [-oracle_home oracle_home_location]
   [-output_format [report|xml|csv]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

このコマンドのオプションはすべて省略可能であり、次の表にまとめられています。

表1-1 viewInventoryスクリプトのオプション

オプション 説明

-jreLoc

-jreLocオプションでは、使用するJavaホームを指定します。-jreLocが指定されていない場合、デフォルトの場所はviewInventoryスクリプトが格納されたOracleホームに関連付けられているJavaホームです。

-oracle_home

インベントリ情報を表示するOracleホーム。Oracleホームを指定しない場合、デフォルトはスクリプトが実行されるOracleホームです。

-output_format

出力の記録形式。有効な値は次のとおりです。

出力形式を指定しない場合、デフォルトは-output_fileの指定内容に基づいて検出されます。

-output_file

出力ファイルの名前と形式。このオプションは、出力をXMLまたはCSV形式に保存する場合にのみ必要です(出力ファイルを指定しない場合、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します)。

1.4 2つのOracleホームの内容の比較

Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、ORACLE_HOME/oui/bincompareInventory.sh (UNIXオペレーティング・システム)またはcompareInventory.cmd (Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、2つのOracleホームの場所の内容を比較できます。

相違点が見つかると、次の情報が出力されます。

  • Oracleホームの場所。

  • ディストリビューションの名前およびバージョン。

  • 機能セットの名前およびバージョン。

  • コンポーネントの名前およびバージョン。

  • パッチのパッチIDおよび一意のID。

注意:

ディストリビューションおよび機能セットの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングの製品の配布に関する項を参照してください。

スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。

このスクリプトは、ORACLE_HOME/oui/binディレクトリにあります。

UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

compareInventory.sh
   -oracle_home1 oracle_home1_location
   -oracle_home2 oracle_home2_location
   [-jreLoc jre_location]
   [-input_type1 [dir|xml]]
   [-input_type2 [dir|xml]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

compareInventory.cmd
   -oracle_home1 oracle_home1_location
   -oracle_home2 oracle_home2_location
   [-jreLoc jre_location]
   [-input_type1 [dir|xml]]
   [-input_type2 [dir|xml]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

-oracle_home1オプションと-oracle_home2オプションのみが必要です。このコマンドのオプションはすべて省略可能であり、次の表にまとめられています。

表1-2 compareInventoryスクリプトのオプション

オプション 説明

-oracle_home1

比較する2つのOracleホームの場所のいずれかへのフルパス。

-oracle_home2

比較する2つ目のOracleホームの場所へのフルパス。

-jreLoc

-jreLocオプションでは、使用するJavaホームを指定します。-jreLocが指定されていない場合、デフォルトの場所はcompareInventoryスクリプトが格納されたOracleホームに関連付けられているJavaホームです。

-input_type1

-oracle_home1からのデータがXMLファイルとして提供されるか、ディレクトリの場所として提供されるかを指定します。有効な値は次のとおりです。

  • dir (ディレクトリの場所の場合)

  • xml (XMLファイルの場合)

値を指定しない場合、スクリプトは自動的にソースの形式を検出します。

-input_type2

-oracle_home2からのデータがXMLファイルとして提供されるか、ディレクトリの場所として提供されるかを指定します。有効な値は次のとおりです。

  • dir (ディレクトリの場所の場合)

  • xml (XMLファイルの場合)

値を指定しない場合、スクリプトは自動的にソースの形式を検出します。

-output_file

出力ファイルの名前と形式。このオプションは、出力をXMLまたはCSV形式に保存する場合にのみ必要です(出力ファイルを指定しない場合、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します)。

1.5 可能なインストール・モードについて

Oracle Universal Installerはグラフィカル・モードまたはサイレント・モードのいずれかで実行できます。

  • グラフィカル・モード

    グラフィカル・モード・インストールは、GUIベースで対話的にソフトウェアをインストールする方法です。WindowsとUNIXのどちらのシステムでも実行できます。

    UNIXオペレーティング・システムでグラフィカル・モードでインストール・プログラムを実行するには、ソフトウェアのインストール先のマシンに接続されているコンソールで、JavaベースのGUIがサポートされている必要があります。WindowsシステムのすべてのコンソールではJavaベースのGUIがサポートされていますが、UNIXシステムのコンソールではサポートされていないものもあります。

    またUNIXオペレーティング・システムでは、DISPLAY環境変数を、インストーラGUIを表示するモニターに設定する必要があり、インストールを実行するユーザーはDISPLAYに設定されたマシンへのアクセス権を持つ必要があります。手順はオペレーティング・システムに応じて異なるため、これを行う具体的な手順については、使用するオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  • サイレント・モード

    サイレント・モード・インストールは、ソフトウェアを非対話的にインストールする方法です。インストール・オプションの指定にはプロパティ・ファイル(レスポンス・ファイルと呼ばれる)を使用します。サイレント・モード・インストールは、スクリプトまたはコマンド・ラインから実行できます。サイレント・モード・インストールを使用すると、インストール構成を1回だけ定義し、その構成を使用して複数のマシン上に同じ構成のインストールを複製できます。

    サイレント・モード・インストールの詳細、およびレスポンス・ファイルの作成方法については、「サイレント・モードでのOracle Universal Installerの使用」を参照してください。サンプル・レスポンス・ファイルの詳細は、「サイレント・インストールおよびサイレント・アンインストール用のレスポンス・ファイルの例」を参照してください。

1.6 Oracle Universal Installerの起動

Oracle Universal Installerは、製品ディストリビューションのパッケージ方法に応じて、様々な方法で起動できます。

1.6.1 汎用(.jar)ディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動

この手順に従い、.jarディストリビューションのOracle Universal Installerを起動します。

.jarディストリビューションでパッケージ化されているOracle Universal Installerを起動するには、動作保証されたJDKがすでにシステムにインストールされていることを確認してください。Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページの動作保証に関するドキュメントOracle Fusion Middleware 12cのシステム要件およびサポートされるプラットフォームを参照してください。

環境変数を設定せずにインストーラを起動するには、次の手順を実行します。

  1. 製品ディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。

  2. JDKホーム内にあるjava -jarコマンドを呼び出します。次に例を示します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    /home/Oracle/products/jdk1.8.0_101/bin/java -jar distribution_name.jar
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_101\bin\java -jar distribution_name.jar
    

JAVA_HOMEおよびPATH環境変数を設定してインストーラを実行することもできます。

  1. システムのJAVA_HOME環境変数に、JDKディレクトリを設定します。次に例を示します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    export JAVA_HOME=/home/Oracle/products/jdk1.8.0_101
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_101
    
  2. 適切なJDKのディレクトリを、ターゲット・システムのPATH変数の定義に追加します。次に例を示します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH; export PATH
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    set PATH=%JAVA_HOME%\bin:%PATH%
    
  3. インストール・プログラムがダウンロードされたディレクトリに移動します。
  4. 次のコマンドを入力して、インストール・プログラムを起動します。
    java -jar distribution_name.jar

1.6.2 プラットフォーム固有のディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動

この手順に従い、プラットフォーム固有のディストリビューションのOracle Universal Installerを起動します。

Oracle HTTP Serverなど、一部の製品では製品固有のディストリビューションを入手できます。そのディストリビューションは、UNIXオペレーティング・システムでは .binファイルとして、Windowsオペレーティング・システムでは .exeファイルとして入手できます。

.binディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには、次の手順を実行します。

  1. .binファイルの権限を変更します。
    chmod a+x distribution_name.bin
    
  2. .binファイルを実行します。
    ./distribution_name.bin
    

.exeディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには、Windows Explorerを使用してディストリビューションを含むディレクトリに移動し、setup_distribution_name.exeファイルをダブルクリックします。

1.7 Oracle Configuration Managerの構成

Oracle Fusion Middlewareのインストール時に、「セキュリティ更新」画面のセキュリティ更新を自動的にチェックするようにシステムを構成するかどうかをたずねられます。構成する場合、製品インストーラによりOracle Configuration Managerがシステムにインストールされ、構成されます。

Oracle Configuration Managerがインストーラで構成されていない場合(「セキュリティ更新」画面)、Oracle Fusion Middlewareのインストール後、Oracle Configuration Managerを手動で構成できます。ORACLE_HOME/oracle_common/ccr/binディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\oracle_common\ccr\binディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)から、次のコマンドを実行して、Oracle Configuration Managerを設定できます。

UNIXオペレーティング・システムの場合:

configCCR -a

Windowsオペレーティング・システムの場合:

setupCCR.exe -a

詳細は、Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイドOracle Configuration Managerのインストールを参照してください。