上位トピック: 「エンタープライズ・ドメインの構成」
この項では、Inbound Refineryソフトウェアを含めて既存のエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する手順を説明します。
トポロジのドメインを更新して構成するには、この項の手順に従います。
注意:
この項で説明する手順を使用して、既存のドメインを拡張することもできます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。
ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。
「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、作成した初期管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。
ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。
ヒント:
この画面に示されるその他のオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「構成タイプ」に関する項を参照してください。
「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。
Oracle Universal Content Management - Inbound Refinery - 12.2.1.2.0 [wccontent]
Infrastructureテンプレート、WebCenter PortalテンプレートおよびWebCenter Contentテンプレートは、初期ドメインの作成および更新に使用されたため、すでに選択されています。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「テンプレート」に関する項を参照してください。
「GridLink Oracle RACコンポーネント・スキーマ」画面で「次へ」をクリックします。
「次へ」をクリックして続行します。
トポロジのドメイン構成を完了するには、「拡張構成」画面で次のオプションを選択する必要があります。
トポロジ
「管理対象サーバー」画面で、サーバーのリストに新しい管理対象サーバーが表示されます。
次のタスクを実行して、デフォルトの管理対象サーバーを変更して2つ目の管理対象サーバーを作成します。
デフォルトの管理対象サーバーの名前をWLS_IBR1に変更します。
「追加」をクリックして新しい管理対象サーバーを作成し、そのサーバーにWLS_IBR2と名前を付けます。
ヒント:
ここで推奨するサーバー名がこのドキュメント全体で使用されます。別の名前を選択した場合は、必要に応じて置き換えてください。
次の表の情報を使用して、各管理対象サーバーの残りの列を入力します。
表13-1 各Oracle Inbound Refineryサーバーで必要な値
| サーバー名 | リスニング・アドレス | リスニング・ポート | SSLの有効化 | SSLリスニング・ポート | サーバー・グループ |
|---|---|---|---|---|---|
WLS_IBR1 |
WCCHOST1 |
16250 |
いいえ |
無効 |
IBR-MGD-SVR |
WLS_IBR2 |
WCCHOST2 |
16250 |
いいえ |
無効 |
IBR-MGD-SVR |
ヒント:
「管理対象サーバー」画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の管理対象サーバーに関する項を参照してください。
このタスクでは、Oracle Inbound Refineryソフトウェアのターゲットにすることができる管理対象サーバーのクラスタを作成します。
「クラスタ」画面を使用して、新しいクラスタを作成します。
「追加」ボタンをクリックします。
「クラスタ名」フィールドでIBR_Serversを指定します。
「動的サーバー・グループ」ドロップダウン・リストで、「未指定」を選択します。
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
注意:
デフォルトでは、クラスタ内のサーバー・インスタンスは、ユニキャストを使用して相互に通信します。マルチキャストを使用するようにクラスタの通信を変更する場合は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のユニキャストかマルチキャストかを選択する際の考慮事項に関する項を参照してください。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「クラスタ」に関する項を参照してください。
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
この画面の「動的クラスタ」、「計算済リスニング・ポート」および「計算済マシン名」チェック・ボックスの選択が解除されていることを確認します。
「サーバー・テンプレート」で「未指定」が選択されていることを確認します。
「次へ」をクリックします。
「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用して、WLS_IBR1およびWLS_IBR2を新規クラスタIBR_Serversに割り当てます。
「クラスタ」ペインで、サーバーを割り当てるクラスタ(ここではIBR_Servers)を選択します。
「サーバー」ペインで、次のいずれかの操作を実行して、WLS_IBR1をIBR_Serversに割り当てます。
WLS_IBR1管理対象サーバーを1回クリックして選択し、右矢印をクリックして「クラスタ」ペインで選択されているクラスタの下に移動します。
WLS_IBR1をダブルクリックして、クラスタ・ペインで選択されているクラスタの下に移動します。
同じ手順を繰り返して、WLS_IBR2をIBR_Serversに割り当てます。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのクラスタへの割当」に関する項を参照してください。
「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。ポート番号値は、初期インフラストラクチャ・メインの作成中に定義されているため、9991のままにします。
注意:
Coherenceライセンス情報については、Oracle Fusion Middlewareライセンス情報のOracle Coherenceに関する項を参照してください。
「Unixマシン」タブで、初期インフラストラクチャ・ドメインの作成時に作成したマシンの名前を確認します。
「次へ」をクリックします。
「サーバーのマシンへの割当」画面を使用して、作成したばかりのOracle Inbound Refinery管理対象サーバーを、ドメイン内の対応するマシンに割り当てます。
WLS_IBR1をWCCHOST1、WLS_IBR2をWCCHOST2に割り当てます。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのマシンへの割当」に関する項を参照してください。
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
「構成サマリー」画面には、ドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。
変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで任意の画面に戻れます。
「更新」をクリックして、ドメインの拡張を実行します。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。
「構成に成功しました」画面には、構成したばかりのドメインについて、次の項目が表示されます。
ドメインの場所
管理サーバーURL
どちらの項目も後で必要になるため、メモしておく必要があります。ドメインの場所は、ノード・マネージャと管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。また、URLは管理サーバーへのアクセスで必要になります。
「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。
管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。
Inbound Refineryソフトウェアを含めてドメインを拡張した後、次の構成後タスクと検証タスクを行うことを考慮してください。
nodemanager.propertiesファイルがASERVER_HOMEのnodemanager.propertiesファイルの一部の値で上書きされることがあります。具体的には、ListenAddressまたはCustomIdentityAlias (あるいはその両方)の値がリセットされる場合があります。ドメインの拡張時に、MSERVER_HOMEのnodemanager.propertiesファイルがASERVER_HOMEのnodemanager.propertiesファイルの一部の値で上書きされることがあります。具体的には、ListenAddressまたはCustomIdentityAlias (あるいはその両方)の値がリセットされる場合があります。
注意:
ListenAddressは通常、ASERVER_HOME nodemanagerと同じホストに常駐するMSERVER_HOME nodemanager上でリセットされます。このトポロジでは、WCCHOST1です。
SOAサーバーとハードウェア・ロード・バランサ間のSSL通信を有効にする前のドメイン拡張では、CustomIdentityAliasに関して手順2から4は当てはまらないことがあります。
MSERVER_HOME/nodemanager/nodemanager.propertiesファイルについて、次のことを実行します。ドメインを構成し、すべてのホスト上の管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリにそのドメインを解凍した後、新しいクラスタ内の管理対象サーバーのuploadディレクトリとstageディレクトリを検証および更新します。
この手順は、リモート・デプロイメントの実行時の潜在的な問題の回避とステージ・モードが必要なデプロイメントのために必要です。
管理対象サーバー・ドメイン・ホーム・ディレクトリ内のすべての管理対象サーバーについてこれらのディレクトリ・パスを更新する手順は次のとおりです。
Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
左側のナビゲーション・ツリーで、「ドメイン」→「環境」を開きます。
「ロックして編集」をクリックします。
使用するクラスタ・タイプに適したオブジェクトに移動して編集します。
静的クラスタの場合、「サーバー」に移動し、編集する管理対象サーバーの名前をクリックします。
「構成」タブをクリックし、「デプロイメント」タブをクリックします。
「ステージング・ディレクトリ名」が次のように設定されていることを確認します。
MSERVER_HOME/servers/server_or_template_name/stage
MSERVER_HOMEをMSERVER_HOMEディレクトリのディレクトリ・パスに置き換えます。静的クラスタを使用している場合、編集する管理対象サーバーの正しい名前で更新します。
「アップロード・ディレクトリ名」を次の値に更新します。
ASERVER_HOME/servers/AdminServer/upload
ASERVER_HOMEをASERVER_HOMEディレクトリのディレクトリ・パスに置き換えます。
「保存」をクリックします。
「サーバーのサマリー」または「サーバー・テンプレートのサマリー」画面(該当する方)に戻ります。
該当するすべてのオブジェクトを変更したら、「変更のアクティブ化」をクリックします。
これらの変更の影響を受けるすべての管理対象サーバーを再起動します。
Inbound Refinery管理対象サーバーの構成を初期化するには、その管理対象サーバーに一度だけHTTP経由でアクセスする必要があります。これは、管理対象サーバーのリスニング・アドレスで直接実行できます。Inbound RefineryインスタンスはHTTPサーバーの後方に配置する必要があります。
Inbound Refineryインスタンスへのすべての後続のアクセスは、ソケット・リスナーを介して行われます。このリスナーは、次の項で構成する着信ソケット接続アドレス・セキュリティ・フィルタによって保護されます。
すべてのInbound Refineryインスタンスを使用して各コンテンツ・サーバー・インスタンスを構成することをお薦めします。コンテンツ・サーバーの構成プロセスは、Inbound Refineryインスタンスをプロバイダとして追加することです。また、一部のインストール後の手順をInbound Refineryで実行する必要があります。
次の項では、各Inbound Refineryインスタンスのインストール後の構成手順について説明します。
Inbound Refinery管理対象サーバーを起動した後、インストール後の構成画面で各サーバーの設定を構成します。
資格証明マップを構成してWCPAdministrators LDAPグループにContent Server管理ロールを付与する必要があります。
WCPAdministrators LDAPグループは、以前に完了した「エンタープライズ・デプロイメント管理ユーザーおよび管理グループのプロビジョニング」の項で作成されました。資格証明マップのこの構成により、すべての構成、管理およびメンテナンス・タスクのLDAP管理ユーザーの一貫した利用が保証されます。
WCPAdministratorsグループに必要なロール権限を付与する手順は次のとおりです。Inbound Refineryが正常に機能するには、フォント・イメージを生成するために使用されるフォントへのパスを指定する必要があります。デフォルトでは、フォント・パスはInbound Refineryで使用されるJVM内のフォント・ディレクトリ(MW_HOME/jdk160_version/jre/lib/fonts)に設定されます。ただし、デフォルト・ディレクトリに含まれるフォントは限定されているため、レンディションが低下する可能性があります。また、非標準のJVMを使用した場合、デフォルトで指定されているJVMのフォント・パスと異なることがあります。この場合、エラー・メッセージがInbound Refineryとコンテンツ・サーバーの両方から表示されます。これが発生した場合は、変換を正しくレンダリングするために必要なフォントを含むディレクトリにフォント・パスが設定されていることを確認してください。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージメント』のフォント・パスの指定に関する項を参照してください。
Oracle WebCenter Content ServerからInbound Refineryにジョブを送信して変換を実施できるようにするには、次の項の説明に従って、Inbound Refinery管理対象サーバーごとに設定タスクを事前に実行する必要があります。
コンテンツ・サーバーからInbound Refineryにファイルを送信して変換を実施するには、「Inbound Refinery変換ジョブの処理」オプションを事前に選択して、コンテンツ・サーバーから各Inbound Refineryへの送信プロバイダを設定する必要があります。
作成したInbound Refinery管理対象サーバーが正しく構成されているかどうかを確認するには、コンテンツ・サーバーにログインし、変換に有効と認識された拡張子を持つファイルが正しく変換されることを確認して、構成を検証します。
たとえば、変換するフォーマットとしてdocxを選択した場合は、拡張子が.docxのMicrosoft Word文書をPDFフォーマットに変換できます。
チェックインとチェックアウトの手順の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの使用』のドキュメントのアップロードおよびファイルのチェックアウトとダウンロードに関する項を参照してください。
変換プロセスの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージング』のRefineryにジョブを送信するためのコンテンツ・サーバーの構成に関する項を参照してください。