この章では、オリジン・サーバーを作成および管理する方法を説明します。内容は次のとおりです。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、オリジン・サーバーをオリジン・サーバー・プールに追加できます。
注意:
オリジン・サーバーをプールに追加すると、実質的には構成が変更されます。更新された構成をOracle Traffic Directorインスタンスに反映するには、「構成の変更のアクティブ化」の説明に従って構成を再デプロイする必要があります。
始める前に
オリジン・サーバーを追加する前に、次の項目を決定します。
オリジン・サーバーを追加するオリジン・サーバー・プール。
オリジン・サーバーのホスト名またはIPアドレス。InfiniBandインタフェースIPアドレス(IPoIB)またはSocket Director Protocol (SDP)アドレスのIPアドレスを指定することをお薦めします。
注意:
SDPはネイティブのInfinibandプロトコルです。SDPを使用した場合のパフォーマンスは、ワークロードに大きく依存します。そのため、SDPとIPoIBを使用したときのパフォーマンスを比較評価し、要件に適したプロトコルを選択することが重要です。
オリジン・サーバーがリクエストをリスニングするポート番号。
このサーバーがバックアップ・オリジン・サーバーであるかどうか。
Oracle Traffic Directorは、ヘルス・チェックによりプライマリ・オリジン・サーバーのいずれも使用できないと検出された場合にのみバックアップ・オリジン・サーバーにリクエストを転送します。
Oracle Traffic Directorがオリジン・サーバーに分散する必要があるリクエスト・ロード合計の比率。この比率は、プール内のその他のオリジン・サーバーに割り当てられている重みに対して相対的な重みの数値として定義します。
Oracle Traffic Directorでは、重みを使用することにより、プール内のオリジン・サーバーの相対的な容量に基づきリクエスト・ロードが分散されるように設定できます。
3つのオリジン・サーバー(os1
、os2
、os3
)でプールが構成されており、それぞれ重みが1、2、2である場合を考えます。プール内のすべてのサーバーに割り当てられている重みの合計は1+2+2=5です。Oracle Traffic Directorでは、合計ロードの1/5がos1
、2/5がos2
とos3
にそれぞれ分散されます。
Fusion Middleware Controlを使用したオリジン・サーバーのプールへの追加
Fusion Middleware Controlを使用してオリジン・サーバーをプールに追加するには、次を実行します。
WLSTを使用したプールへのオリジン・サーバーの追加
プールにオリジン・サーバーを追加するには、otd_createOriginServer
コマンドを実行します。
たとえば、次のコマンドは、構成foo
のプールorigin-server-pool-1
のオリジン・サーバーとして、ホストwww.example.com
およびポート12345を追加します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1' props['host'] = 'www.example.com' props['port'] = '12345' otd_createOriginServer(props)
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、オリジン・サーバーのリストを表示できます。
Fusion Middleware Controlを使用したオリジン・サーバーのリストの表示
Fusion Middleware Controlを使用してオリジン・サーバーのリストを表示するには、次を実行します。
名前をクリックすると、オリジン・サーバーのプロパティを表示および編集できます。
WLSTを使用したオリジン・サーバー・リストの表示
プールに定義されているオリジン・サーバー・リストを表示するには、次の例に示すように、otd_listOriginServers
コマンドを実行します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1' otd_listOriginServers(props)
otd_getOriginServerProperties
コマンドを実行することで、オリジン・サーバーのプロパティの詳細を表示できます。
この項では、次の方法について説明します。
オリジン・サーバーの作成時に定義したプロパティ(ホスト、ポート、重みなど)の変更。プロパティの詳細は、始める前にの項を参照してください。
オリジン・サーバーの有効化または無効化。
オリジン・サーバーが同時に処理することができる、最大接続数の指定。
Oracle Traffic Directorがオリジン・サーバーへのリクエスト送信レートを上げていく時間(ランプアップ時間)の指定。このパラメータを使用して、オフライン後起動したばかりのオリジン・サーバーで、リクエスト・ロードをサーバーの容量まで徐々に上げることができます。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、オリジン・サーバーのプロパティを変更できます。
注意:
プール内のオリジン・サーバーのプロパティを変更すると、構成が変更されます。更新された構成をOracle Traffic Directorインスタンスで表示するには、「構成の変更のアクティブ化」の説明に従って構成を再デプロイする必要があります。Fusion Middleware Controlを使用したオリジン・サーバーのプロパティの変更
Fusion Middleware Controlを使用してオリジン・サーバーのプロパティを変更するには、次を実行します。
WLSTを使用したオリジン・サーバーのプロパティの変更
オリジン・サーバーのプロパティを変更するには、otd_setOriginServerProperties
コマンドを実行します。
たとえば、次のコマンドは、構成foo
のプールorigin-server-pool-1
内のオリジン・サーバーwww.example.com
のランプアップ時間を1200に変更します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1' props['host'] = 'www.example.com' props['port'] = '12345' props['ramp-up-time'] = '1200' otd_setOriginServerProperties(props)
otd_setOriginServerProperties
コマンドを使用して変更できるプロパティのリストは、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。
OTDおよびOracle WebLogic Server (WLS)のクライアントを含むトポロジでは、OTDは構成済HTTPリスナー・ポートで外部リクエストを受け取ります。次に、OTDは別の接続を開き、WLS/オリジン・サーバーに対してリクエストを送信し、プロキシします。
この接続の一部として、OTDはWLS/オリジン・サーバーがOTDにデータを送信して戻せるようにエフェメラル・ポートを活用します。エフェメラル・ポートは、IPソフトウェアの事前定義済範囲から自動的に割り当てられるインターネット・プロトコル(IP)通信の存続期間の短いトランスポート・プロトコル・ポートです。Linuxでは、エフェメラル・ポートを制限および規制することができます。
注意:
OTDは、十分なエフェメラル・ポートが使用可能であるかに依存するため、WLS/オリジン・サーバーと接続を確立したプールを十分に持つことができます。十分なエフェメラル・ポートがない場合、リクエストの処理で遅延が発生します。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、プールからオリジン・サーバーを削除できます。
注意:
動的検出が有効なとき(「Oracle WebLogic Serverクラスタのオリジン・サーバー・プールとしての構成」を参照)、クラスタ内のOracle WebLogic Serverインスタンスであるオリジン・サーバーを削除した場合、Oracle Traffic Directorインスタンスを再構成します。有効なオリジン・サーバーがプール内に残っていない場合に、インスタンスが起動しないことがあります。
Fusion Middleware Controlを使用したプールからのオリジン・サーバーの削除
Fusion Middleware Controlを使用してプールからオリジン・サーバーを削除するには、次を実行します。
WLSTを使用したプールからのオリジン・サーバーの削除
プールから特定のホストおよびポートのオリジン・サーバーを削除するには、次の例に示すように、otd_deleteOriginServerコマンドを実行します。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['origin-server-pool'] = 'origin-server-pool-1' props['host'] = 'www.example.com' props['port'] = '12345' otd_deleteOriginServer(props)