この項では、Fusion Middleware Controlの「Webサービスのテスト」ページを使用して、SOAP Webサービス(WSDL)またはRESTful (WADL)サービスから想定どおりの結果が得られるどうかを確認する方法について説明します。
Webサービスのテスト・ページを使用すると、次のことが可能です。
基本的な機能性のテストにより、Webサービスがデプロイされ、期待どおりに作動していることを確認。
Webサービス・アドレス、信頼性のあるメッセージング、MTOMおよびHTTPヘッダーなどの拡張機能をテストします。
拡張機能をテストします。
Webサービス・エンドポイントのストレス・テストを行います。
「Webサービスのテスト」ページを使用すると、WSDLまたはWADLドキュメントで公開されている任意の操作をテストできます。任意のアクセス可能なホストにデプロイされたWebサービスをテストできます。Webサービスをこのホストにデプロイする必要はありません。
注意:
「Webサービスのテスト」ページでは、ASCII文字のみを含むWSDLまたはWADL URLを解析できます。URLに非ASCII文字が含まれている場合、解析操作は失敗します。URLに非ASCII文字が含まれているWebサービスをテストするには、ブラウザでWSDLまたはWADL URLを変換できるようにし、エンコードされたWSDL URLを「Webサービスのテスト」ページで使用します。
ポリシーを使用するWebサービスをテストする場合、Fusion Middleware Controlを実行しているドメインと同じドメインにOWSMコンポーネントをインストールする必要があります。そうしないと、無効なポリシー例外が返されます。
詳細は、次の項を参照してください。
様々な方法で「Webサービスのテスト」ページに移動できます。次の項では、2種類の事例について説明します。
Oracle WebLogic Serverドメインのホーム・ページからWebサービスにアクセスします。
ナビゲーション・ペインで「WebLogicドメイン」を開き、Webサービスをテストするドメインを表示します。
ドメインを選択します。
「WebLogicドメイン」メニューから、「Webサービス」→「Webサービスのテスト」を選択します。「Webサービスのテスト」入力ページが表示されます。
テストするWebサービスのWSDLまたはWADL URLを入力します。WSDLまたはWADLがわからない場合、検索アイコンをクリックし、登録されているWebサービス(存在する場合)の中から選択します。
「WSDLまたはWADLの解析」をクリックします。
WSDLまたはWADLがHTTP Basic認証で保護されている場合は、「WSDLまたはWADLアクセスのためのHTTP Basic認証オプション」をクリックし、WSDL解析の前にユーザー名とパスワードを入力します。
図5-1 (WSDL)および図5-8 (WADL)に示すような完全な「Webサービスのテスト」ページが表示されます。
Webサービス・アプリケーションのホーム・ページからWebサービスにアクセスします。
「Webサービスのテスト」ページがSOAP WebサービスのWSDLの詳細によって更新されると、テストするサービス、ポートおよび操作タイプの選択とともに、様々な入力パラメータを指定できます。
「Webサービスのテスト」ページが非同期WebサービスのWSDLの詳細によって更新されると、SOAP Webサービスの「Webサービスのテスト」ページとほぼ同じになりますが、図5-5に示すように、次のテスト・レスポンス・オプションが「追加テスト・オプション」セクションに表示される点が異なります。
非同期レスポンス・テスト – テストの実行時に非同期レスポンスをリクエストするかどうかを指定します。
「レスポンス・キー」 – 非同期レスポンスと関連付ける値(例: myasynctest)を入力します。各レスポンス・キーは一意である必要があります。非同期レスポンスは、後で「非同期レスポンス・テスト」ページで、対応するレスポンス・キーを指定して追跡することもできます。
テストが成功すると、「テストのステータス」フィールドに「リクエストは正常に受信されました。」と表示され、レスポンス時間が表示されます。非同期レスポンスに一致するユーザー定義のレスポンス・キー値も表示されます。
図5-6に示されているように、「レスポンスの表示」をクリックすると、レスポンスが存在する場合、「レスポンス」フィールドにXMLフォーマットでテスト・レスポンスが表示されます。
注意:
非同期リクエストのレスポンスは、サーバーが再起動されていない場合のみ存在します。
レスポンスが利用できない場合、後で「非同期レスポンス・テスト」ページで、対応するレスポンス・キーを使用して追跡することもできます。
テスト後の非同期テスト・レスポンスへのアクセス
Web Application Description Language(WADL)は、RESTful Webサービス・アプリケーションを記述するXMLベースのファイル・フォーマットです。「Webサービスのテスト」ページがRESTful WebサービスのWADLの詳細によって更新されると、WSDLの「Webサービスのテスト」ページとほぼ同じになりますが、テストするリソース、メソッドおよびメディア・タイプを選択できる点が異なります。このリリースはWSDLページより制限があるため、様々なインプット・パラメータも設定できます。
トークン発行者の信頼構成の参照と管理には、Representational State Transfer (REST)リソースのセットを使用できます。次に、その概要を示します。
リソース | メソッド | リソース・パス |
---|---|---|
persons |
GET |
rest/persons |
headerGetPerson |
GET |
rest/headerGetPerson |
person{id} |
GET |
rest/person/{id} |
personMatrixAdd |
POST |
rest/personMatrixAdd |
personXXXAdd |
POST |
rest/personXXXAdd |
personPathAdd |
POST |
rest/personPathAdd/{id} |
headerAddPerson |
POST |
rest/headerAddPerson |
personQueryAdd |
POST |
rest/personQueryAdd |
personAddForm |
POST |
rest/personAddForm |
personQueryDefaultAdd |
POST |
rest/personQueryDefaultAdd |
persondelete |
DELETE |
rest/persondelete |
personUpdate |
PUT |
rest/personUpdate |
verifyPart1 |
POST |
rest/verifyPart1 |
GETメソッドを使用して、すべての作成されたユーザーを参照します。
RESTリクエスト
GET rest/persons
入力パラメータ
なし。
レスポンス
メディアのタイプ | 結果 |
---|---|
application/xml |
すべてのfirst_name、last_name、ph_noおよびID 作成され、使用可能な人(XML形式) |
application/json |
すべてのfirst_name、last_name、ph_noおよびID 作成され、使用可能な人(JSON形式) |
GETメソッドを使用して、指定された名のユーザーのヘッダー詳細を参照します。
RESTリクエスト
GET rest/headerGetPerson
入力パラメータ
"fname/<firstname>"の名前/値とともにHTTPヘッダーを作成します。
レスポンス
メディアのタイプ | 結果 |
---|---|
application/xml |
XML形式のヘッダーに入力されたfnameのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
application/json |
Json形式のヘッダーに入力されたfnameのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
GETメソッドを使用して、指定されたIDのユーザーを参照します。
RESTリクエスト
GET rest/person/{id}
入力パラメータ
検索するユーザーのIDを入力します。
レスポンス
メディアのタイプ | 結果 |
---|---|
application/xml |
XML形式の入力パラメータに入力されたIDのすべての詳細 |
application/json |
Json形式の入力パラメータに入力されたIDのすべての詳細 |
POSTメソッドを使用して、新しいユーザーおよび詳細を作成します。
RESTリクエスト
POST rest/personMatrixAdd
入力パラメータ
FirstNameおよびLastNameの文字列値、IDおよびPhone_noの整数値を入力します。
レスポンス
メディアのタイプ | 結果 |
---|---|
application/xml |
XML形式の作成されたユーザーのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
application/json |
Json形式の作成されたユーザーのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
POSTメソッドを使用して、ユーザーの詳細を作成します。
RESTリクエスト
POST rest/personXXXAdd
入力パラメータ
入力パラメータは、メディア・タイプに依存します。
リクエスト・メディア・タイプにapplication/vnd.xxx+xmlを選択する場合:
<person> <firstname>Firstname 12345/<firstname> <id>12345/id <lastname>Last 12345/lastname <phone_no>12345/phone_no/<person>
リクエスト・メディア・タイプにapplication/vnd.xxx+jsonを選択する場合: {"firstname":"cc","id":14,"lastname":"cc","phone_no":14} <person>
レスポンス
ユーザーが追加されたことを確認するテキスト・メッセージ。
POSTメソッドを使用して、詳細とともにユーザーを作成します。
RESTリクエスト
POST rest/personPathAdd/{id}/{fname}/{lname}/{phno}
入力パラメータ
FirstNameおよびLastNameの文字列値、IDおよびPhone_noの整数値を入力します。
レスポンス
ユーザーが追加されたことを確認するテキスト・メッセージ。
POSTメソッドを使用して、ユーザーの詳細とともにHTTPヘッダーを作成します。
RESTリクエスト
POST rest/headerAddPerson
入力パラメータ
次の名前/値とともにHTTPヘッダーを作成します。
“fname = <firstname>"
“lname = <lastname>"
“phone_no = <phone_no>"
“id = <id>"
レスポンス
メディアのタイプ | 結果 |
---|---|
application/xml |
XML形式の作成されたユーザーのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
application/json |
Json形式の作成されたユーザーのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
ユーザーが追加されたことを確認するテキスト・メッセージ。
POSTメソッドを使用して、詳細とともにユーザーを作成します。
RESTリクエスト
POST rest/personQueryAdd
入力パラメータ
FirstNameおよびLastNameの文字列値、IDおよびPhone_noの整数値を入力します。
レスポンス
ユーザーが追加されたことを確認するテキスト・メッセージ。
POSTメソッドを使用して、詳細とともにユーザーを作成します。
RESTリクエスト
POST rest/personAddForm
入力パラメータ
FirstNameおよびLastNameの文字列値、IDおよびPhone_noの整数値を入力します。
レスポンス
ユーザーが追加されたことを確認するテキスト・メッセージ。
POSTメソッドを使用して、新しいユーザーおよび詳細を作成します。
RESTリクエスト
POST rest/personQueryDefaultAdd
入力パラメータ
このメソッドは、入力パラメータに関係なく呼び出される可能性があります。
FirstNameおよびLastNameの文字列値、IDおよびPhone_noの整数値を入力します。
すべての値を空白のままにし、テストを呼び出します。デフォルト値が選択され、ユーザーが作成されます
レスポンス
メディアのタイプ | 結果 |
---|---|
application/xml |
XML形式の作成されたユーザーのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
application/json |
Json形式の作成されたユーザーのfirst_name、last_name、ph_noおよびID |
DELETEメソッドを使用して、指定されたユーザーを削除します。
RESTリクエスト
DELETE rest/persondelete
入力パラメータ
削除するユーザーのIDを入力します。
レスポンス
ユーザーが削除されたことを確認するテキスト・メッセージ。
応答文字列のマルチパート構成は、次に説明するように、一連のRepresentational State Transfer (REST)リソースを使用して参照および管理できます。
リソース | メソッド | リソース・パス |
---|---|---|
greetingsMultipart |
POST |
/hello/greetingsMultipart |
greetings |
GET |
/hello/{greetings} |
greetingsImagePOST |
POST |
/hello/greetingsImagePOST |
greetings_matrix_to |
GET |
/hello/greetings_matrix_to |
greetings_query_to |
GET |
/hello/greetings_query_to |
greetingsMsg |
GET |
/hello/greetingsMsg |
greetingsImagePOST1 |
POST |
/hello/greetingsImagePOST1 |
greetingsMsgQP |
POST |
/hello/greetingsMsgQP |
hello |
GET |
/hello |
POSTメソッドを使用して、部分としてコンテンツを送信します。
RESTリクエスト
POST /hello/greetingsMultipart
入力パラメータ
次に示すように、「制御」、「アクション」で部分を作成します。
部分名に"part1"、部分コンテンツに"part1_contents"を入力します。「OK」をクリックします。
入力モードからファイルを選択します。部分名に"part2"を入力し、任意のファイルを参照します。
「OK」をクリックします。
レスポンス
応答コンテンツのダウンロードをクリック・ボタンをクリックします。テキスト・ファイルにレスポンスが表示されます。
GETメソッドを使用して、応答文字列を参照します。
RESTリクエスト
GET /hello/{greetings}
入力パラメータ
応答用の文字列値を入力します。
レスポンス
応答コンテンツのダウンロードをクリック・ボタンをクリックします。テキスト・ファイルには、入力された入力コンテンツとともにレスポンスが表示されます。
POSTメソッドを使用して、イメージ・ファイルを追加します。
RESTリクエスト
POST /hello/greetingsImagePOST
入力パラメータ
.png
イメージ・ファイルを参照および追加します。
レスポンス
応答コンテンツのダウンロードをクリック・ボタンをクリックします。テキスト・ファイルには、イメージ・ファイル・コンテンツとともにレスポンスが表示されます。
GETメソッドを使用して、応答文字列を参照します。
RESTリクエスト
GET /hello/greetings_matrix_to
入力パラメータ
応答用の文字列値を入力します。
レスポンス
応答コンテンツのダウンロードをクリック・ボタンをクリックします。テキスト・ファイルには、入力された入力コンテンツとともにレスポンスが表示されます。
GETメソッドを使用して、応答文字列を参照します。
RESTリクエスト
GET /hello/greetings_query_to
入力パラメータ
応答用の文字列値を入力します。
レスポンス
応答コンテンツのダウンロードをクリック・ボタンをクリックします。テキスト・ファイルには、入力された入力コンテンツとともにレスポンスが表示されます。
GETメソッドを使用して、応答文字列を参照します。
RESTリクエスト
GET /hello/greetingsMsg
入力パラメータ
コンテンツ・テキスト領域に応答用の文字列値を入力します。
レスポンス
レスポンスには、入力した入力コンテンツが表示されます。
POSTメソッドを使用して、イメージ・ファイルを追加します。
RESTリクエスト
POST /hello/greetingsImagePOST1
入力パラメータ
フォルダを参照し、イメージ・ファイルを追加します。
レスポンス
添付されたファイル・サイズが返されることを確認します
「Webサービスのテスト」ページでは、OWSMセキュリティ・ポリシー、HTTP Basic認証または事前定義済ポリシーのコピーを含むカスタム・ポリシーを使用してWebサービスのセキュリティをテストできます。ページの「セキュリティ」セクション内のいずれかのオプションを選択することによって、テストのタイプを選択できます。
WSDLまたはWADLのポリシーではセキュリティ設定は決定されないため、テストするセキュリティのタイプを指定できます。デフォルトは「なし」です。
次のオプションを使用できます。次の各項で各オプションについて詳しく説明します。
「OWSMセキュリティ・ポリシー」: OWSMセキュリティ・ポリシーによる認証およびメッセージ保護に必要な資格証明やその他のセキュリティ・オプションを使用します。
この項で後述するように、「OWSMセキュリティ・ポリシー」を選択したときに使用できるオプションは、テスト対象がRESTful WebサービスかSOAP Webサービスかによって少し異なります。
HTTP Basic認証: ユーザー名およびパスワードの資格証明をHTTPトランスポート・ヘッダーに挿入します。ユーザー名およびパスワードの両方が必須です。
ユーザー名とパスワードを指定する場合は、存在していて有効なものを指定する必要があります。
拡張: カスタム・ポリシーを使用してユーザーを認証します。ユーザー定義またはデフォルト以外のすべてのOWSMポリシーと、デフォルト・ポリシーのコピーを、カスタム・ポリシーと呼びます。ポリシーのURIを指定する必要があります。構成のオーバーライドも指定できます。
注意:
このオプションは、RESTful Webサービスには使用できません。
なし - 資格証明は含まれません。
使用できるのはOWSM事前定義済ポリシーの一部のみであり、これらのポリシー用に表示される属性のみが構成可能です。他のポリシー属性には、すべてポリシーのデフォルト値が使用されます。たとえば、安全な会話の有効化やメッセージ・セキュリティ・アルゴリズム・スイートの変更などはできません。
注意:
テスト機能でサポートされているクライアント・ポリシーのリストは、5-36ページの「SOAPサービスのサポートされているクライアント・セキュリティ・ポリシー」と5-37ページの「RESTfulサービスのサポートされているクライアント・セキュリティ・ポリシー」を参照してください。
セキュリティ・ポリシーでないもの、およびテスト機能でサポートされていないポリシーは、読取り専用で表示され、選択できません。あるサービスのサービス・ポリシーで、対応するクライアント・ポリシーがサポートされていない場合(コピーを含む)、これらのポリシーは読取り専用として表示されます。したがって、事前定義済ポリシーから作成したコピーは直接には表示されず、「拡張」オプションによってのみ使用可能になります。
たとえば、Webサービスにoracle/wss11_message_protection_service_policyポリシーのコピーが添付されており、oracle/wss11_message_protection_client_policyのコピーを作成したとします。テスト・クライアントにはoracle/wss11_message_protection_client_policyとoracle/wss11_message_protection_client_policy_copyの両方のポリシーが表示されますが、oracle/wss11_message_protection_client_policy_copyポリシーの方は使用不可であり、グレイアウトされています。
次の2つの方法のいずれかを選択できます。
テスト用として事前定義済ポリシーoracle/wss11_message_protection_client_policyが要件を満たしている場合は、oracle/wss11_message_protection_client_policyを選択します。
「JKSキーストア・ロケーション」フィールドと「JKSキーストア・パスワード」フィールドは必須であり、ページ上に表示されています。ロケーションとパスワードを入力し、「キーのロード」をクリックします。
独自のポリシーoracle/wss11_message_protection_client_policy_copyを使用する場合は、次の手順に従います。
「詳細」を選択します。
ポリシーURI、この場合は「oracle/wss11_message_protection_client_policy_copy」を入力します。
メッセージ保護ポリシーとSSLポリシーには「JKSキーストア・ロケーション」フィールドと「JKSキーストア・パスワード」フィールドが必須です。
『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』の設計時にオーバーライド可能なクライアント・ポリシー構成プロパティに記載されている完全なプロパティ名を使用して、JKSキーストア・ロケーションとパスワードの値を入力します。
oracle.wsm.security.util.SecurityConstants.ClientConstants.WSS_KEYSTORE_LOCATION oracle.wsm.security.util.SecurityConstants.ClientConstants.WSS_KEYSTORE_PASSWORD
「OWSMセキュリティ・ポリシー」を選択したときに使用できるオプションは、テスト対象がSOAP WebサービスかRESTful Webサービスかによって少し異なります。
SOAP Webサービスのオプションを図5-11に示します。RESTful Webサービスのオプションを図5-12に示します。「拡張オプション」フィールドを選択して使用可能なフィールドをすべて表示した状態です。
OWSMセキュリティ・ポリシーを使用してWebサービスのセキュリティをテストする手順は、次のとおりです。
サービスのテストに使用するポリシーを選択します。使用できるポリシーは、テスト対象がSOAP WebサービスかRESTful Webサービスかによって異なります。
SOAP Webサービスのテスト用ポリシーの選択
WSDLで指定されている、互換性があるクライアント・ポリシーの一覧が表示される「互換性のあるクライアント・ポリシー」で、テストするクライアント・ポリシーを選択します。
または、エンドポイントでネガティブ・テストを実行するには、「その他のクライアント・ポリシー」リストから、互換性のないポリシーまたは「すべて」を選択します。
RESTful Webサービスのテスト用ポリシーの選択
「クライアント・ポリシー」リストからテストするクライアント・ポリシーを選択します。
選択したポリシーで必須の構成プロパティは、アスタリスク(*)付きで表示されます。次に例を示します。
username_tokenおよびhttp_tokenポリシーの場合、「ユーザー名」と「パスワード」フィールドは必須です。SAMLポリシーの場合、「ユーザー名」フィールドのみ必須です。
メッセージ保護ポリシーおよびSSLポリシーの場合、JKSキー・ストアの場所とJKSキーストア・パスワードのフィールドは必須です。(KSSキーストアはサポートされていません。)
ポリシーが必須と判断したフィールドに値を入力します。
「JKSキーストア・ロケーション」フィールドおよび「JKSキーストア・パスワード」フィールドがポリシーによって要求される場合、NFSがアクセス可能な、ユーザーが作成したキーストアの場所とパスワードを入力し、「キーのロード」をクリックします。「拡張オプション」の下にある関連するキーストア・フィールドに、キーストアで指定されている別名が移入されます。
キーストアの作成の詳細は、『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』の秘密鍵の生成とJavaキーストアの作成に関する項を参照してください。
「拡張オプション」をクリックします。追加のキーストア別名およびSAMLプロパティのフィールドが表示されます。選択したポリシーで必須のプロパティは、アスタリスク付きで表示されます。該当のフィールドに必要な値を入力するか、オーバーライド値を入力します。
このオプションでは、HTTPトランスポート・ヘッダーに挿入されたユーザー名およびパスワード資格証明が必要です。ユーザー名とパスワードは存在していて、WebLogic Serverで有効である必要があります。
注意:
「拡張」オプションは、RESTful Webサービスには使用できません。
「拡張」を選択すると表示されるオプションを、図5-13に示します。
「拡張」オプションを選択すると、事前定義済ポリシーのコピーなどのカスタム・ポリシーを使用してWebサービスのセキュリティをテストできるようになります。これを行うには、次の手順を実行します。
カスタム・ポリシーのURIは、「ポリシーURI」フィールドで指定します。たとえば、「oracle/wss11_message_protection_client_policy_copy」を指定します。このフィールドは必須です。
「名前」と「値」フィールドに、ポリシー構成のオーバーライドを指定します。
username_tokenポリシーとhttp_tokenポリシーの場合、「ユーザー名」プロパティと「パスワード」プロパティが必須です。SAMLポリシーの場合、「ユーザー名」プロパティのみが必須です。
メッセージ保護ポリシーとSSLポリシーの場合、「JKSキーストア・ロケーション」フィールドと「JKSキーストア・パスワード」フィールドが必須です。(KSSキーストアはサポートされていません。)
プロパティを追加するには、「追加」をクリックして、構成をオーバーライドする名前と値のペアを指定します。プロパティを削除するには、表内のプロパティを選択して、「削除」をクリックします。
注意:
プロパティの指定には、各プロパティの完全名を使用する必要があります。たとえば、oracle.wsm.security.util.SecurityConstants.ClientConstants.WSS_KEYSTORE_LOCATION
のように指定します。オーバーライド可能なプロパティのプロパティ名の完全な一覧は、『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』の設計時のクライアント・ポリシー構成プロパティのオーバーライドに関する項を参照してください。
他のポリシー属性には、すべてポリシーのデフォルト値が使用されます。たとえば、安全な会話を有効化した場合や、メッセージ・セキュリティ・アルゴリズム・スイートを変更した場合に、これらのポリシー値が使用されます。
次に示すSOAPサービスのOWSMクライアント・セキュリティ・ポリシーはテスト機能でサポートされています。これらの事前定義済ポリシーのコピーは直接には表示されず、「拡張」オプションによってのみ使用可能になります。
oracle/wss_http_token_client_policy
oracle/wss_http_token_over_ssl_client_policy
oracle/wss_saml_token_bearer_over_ssl_client_policy
oracle/wss_saml_token_over_ssl_client_policy
oracle/wss_saml20_token_bearer_over_ssl_client_policy
oracle/wss_saml20_token_over_ssl_client_policy
oracle/wss_username_token_client_policy
oracle/wss_username_token_over_ssl_client_policy
oracle/wss10_message_protection_client_policy
oracle/wss10_saml_token_with_message_integrity_client_policy
oracle/wss10_saml_token_with_message_protection_client_policy
oracle/wss10_saml_token_with_message_protection_ski_basic256_client_policy
oracle/wss10_saml20_token_with_message_protection_client_policy
oracle/wss10_username_id_propagation_with_msg_protection_client_policy
oracle/wss10_username_token_with_message_protection_client_policy
oracle/wss10_username_token_with_message_protection_ski_basic256_client_policy
oracle/wss10_x509_token_with_message_protection_client_policy
oracle/wss11_message_protection_client_policy
oracle/wss11_saml_token_identity_switch_with_message_protection_client_policy
oracle/wss11_saml_token_with_message_protection_client_policy
oracle/wss11_saml20_token_with_message_protection_client_policy
oracle/wss11_username_token_with_message_protection_client_policy
oracle/wss11_x509_token_with_message_protection_client_policy
次に示すRESTfulサービスのOWSMクライアント・セキュリティ・ポリシーはテスト機能でサポートされています。
oracle/http_basic_auth_over_ssl_client_policy
oracle/http_saml20_token_bearer_client_policy
oracle/http_saml20_token_bearer_over_ssl_client_policy
oracle/wss_http_token_client_policy
oracle/http_jwt_token_client_policy
oracle/http_jwt_token_over_ssl_client_policy
注意:
この項の内容は、RESTful Webサービスのテスト時には適用されません。
「Webサービスのテスト」ページの「サービスのクオリティ」セクション(図5-14)では、サービスのクオリティ(QoS)のWebサービスの信頼性のあるメッセージング(WS-RM)、WS-AddressingおよびMTOMという3つの特性をテストできます。サービスのクオリティの各タイプには、3つのオプションがあります。
WSDLデフォルト: WSDLのデフォルト動作を実行します。たとえば、「MTOM」に「WSDLデフォルト」が選択され、WSDLにMTOMポリシーへの参照が含まれている場合は、そのポリシーが実行されます。WSDLにMTOMポリシーへの参照が含まれない場合は、MTOMポリシーは実行されません。
なし - WSDLに含まれている場合でも、特定のQoSのポリシーは実行されません。たとえば、WS-RMに「なし」が選択されている場合、信頼できるメッセージング・ポリシーは実行されません。WSDLに信頼できるメッセージング・ポリシーへの参照が含まれている場合は、無視されます。
カスタム - カスタム・ポリシーが実行されます。たとえば、WS-AddressingポリシーがWSDL内で参照されている場合、このポリシーは無視され、かわりに「URI」フィールドで指定されたポリシーが使用されます。
URI: ポリシーが実行される場所を指定します。
「HTTPヘッダー」セクションでは、SOAPまたはRESTful Webサービスにリクエスト情報を渡すHTTPヘッダーを追加、変更または削除できます。サービス起動後、HTTPヘッダーはメッセージ・レスポンスの一部として表示されます。
入力引数は、ユーザーにわかりやすい形式で表示できます。また、XMLソース・コードを直接編集できます。XMLソースを直接編集する場合は、有効なXMLを入力する必要があります。
ツリー表示とXML表示を切り替えるには、ページの「引数を入力」セクションのドロップダウン・リストを使用します。
Webサービス操作の連続した呼出しを起動するには(図5-18)、ストレス・テストの有効化チェック・ボックスを選択します(図5-18)。次のオプションを使用できます。
同時スレッド: 起動を送信する同時スレッド数。デフォルトは5スレッドです。
スレッドごとのループ: 操作を起動する回数。デフォルトは10回です。
ミリ秒単位の遅延 - ある操作から次の操作を起動するまでに待機する時間(ミリ秒数)。デフォルトは1000ミリ秒(1秒)です。
テストを起動すると、進捗ボックスにテストのステータスが表示されます。ストレス・テストが完了すると、確認ページにテストの結果が表示されます。
「レスポンス」タブには、エラーが発生したテスト数、レスポンス時間の平均値、最小値および最大値など、ストレス・テストに関する追加情報が表示されます。各テストの詳細は、表形式で示されます。各テストについて、スレッド数、ループ数、テスト時間、テストの開示時刻と終了時刻、および呼出しステータスを表示できます。表に表示されたフィールドは、「表示」メニューを使用してフィルタリングできます。