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Oracle® Fusion Middleware WebCenter Portal Performance Packの使用
12c (12.2.1.2.0)
E82767-01
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1 WebCenter Portal Performance Packのスタート・ガイド

この項では、WebCenter Portal Performance Packツールの使用を開始する方法について説明します。

トピック

重要

WebCenter Portal Performance Packは、Management Pack for WebCenterのライセンスの一部として使用許諾されます。WebCenter Portal Performance Packは、Oracle WebCenter Portalに含まれるアドオンとして利用できます。

WebCenter Portal Performance Packについて

WebCenter Portal Performance Packは、詳細な分析が頻繁に必要になる開発フェーズにシームレスに統合できるパフォーマンス診断ツールです。

WebCenter Portal Performance Packを使用すると、アプリケーション内の重大なパフォーマンスのボトルネックを迅速に識別し対処できます。Oracle WebCenter Portalの主な懸案領域に対してインストゥルメントするようにWebCenter Portal Performance Packは事前構築済ですが、あらゆるJ2EE Webアプリケーションに適合するように、実行中のシステムを再起動することなく構成を簡単に変更できます。

WebCenter Portal Performance Packには次の特長があります:

  • 処理の遅いリクエストを簡単に識別できます

  • 特定のホット・パスおよびメソッドにドリルダウンできます。

  • 大量のデータでユーザーを煩わすことなく、最も重大な情報のみを提供します。

  • 様々な方法でデータが集計され、問題の領域を簡単に特定できます。

  • 最適化の条件のヒントを提供します

WebCenter Portal Performance Packの使用を開始する前に

WebCenter Portal Performance Packに前提条件はありません。ただし、Javaテクノロジ、HTTP (Hypertext Transfer Protocol)、WebLogic Server、およびターゲットJVMで実行するOracle WebCenter PortalなどのWebアプリケーションに関する知識が役に立ちます。

WebCenter Portal Performance Packの使用を開始する前に、次に示すテクノロジに関する知識があると役に立ちます。

  • Java: ほぼすべてのネットワーク対応アプリケーションの基盤であり、埋込みアプリケーションおよびモバイル・アプリケーション、ゲーム、Webベースのコンテンツ、およびエンタープライズ・ソフトウェアを開発および配備するためのグローバル・スタンダードです。

    www.java.com

  • HTTP: メッセージのフォーマットと転送の方式を定義するためにWorld Wide Webで使用されている基本的なプロトコルです。

    ja.wikipedia.org/wiki/Hypertext_Transfer_Protocol

  • Oracle WebLogic Server: データベース、メッセージング・サービス、外部エンタープライズ・システムへの接続など、多様なサービスにアクセス可能な分散Javaアプリケーションを作成できる標準のAPI群を提供します。エンドユーザー・クライアントは、Webブラウザ・クライアントまたはJavaクライアントを使用してこうしたアプリケーションにアクセスします。

    Oracle WebLogic Serverの理解

  • Oracle WebCenter Portal: イントラネット、エクストラネット、コンポジット・アプリケーション、およびセルフサービス・ポータルの作成が可能になるWebプラットフォームです。

    『Oracle WebCenter Portalの使用』のWebCenter Portalの概要に関する項

WebCenter Portal Performance Packのインストール方法

WebCenter Portal Performance Packは、WebCenterインストールの一部として使用可能になります。

WebCenter Portal Performance Packをインストールするには:

  1. <INSTALL_HOME>/wcportal/webcenter/archives/perfSense.zipに移動します
  2. WebCenter Portal Performance Packをインストールします:
    1. ターゲットJVMが配置されているサーバー上のディレクトリに、perfSense.zipを解凍します。
    2. ./deploy.sh <WLS_SERVER_NAME>を実行して、perfSenseエージェントとWebアプリケーションをインストールします。
      例: ./deploy.sh WC_PORTAL

      Webアプリケーションをインストールするために、管理サーバーの管理者ユーザー名パスワードの入力を求められます。

  3. WebCenter Portal Performance Packにアクセスします(URL: http://<host>:<port>/perfsenseを使用します)
  4. WebLogicサーバーで定義した管理者ロールに属するユーザー名パスワードを使用してサインインします。
    ランディング・ページに転送されます。このページでは、選択したOracle WebCenter Portalのインスタンスに関連するパフォーマンス問題の監視と診断に必要なリソースのすべてにアクセスできます。

注意:

  • deploy.shコマンドにより、次に示す2つのコンポーネントがインストールされます。

    • perfSenseエージェント: JVMをインストゥルメントします

    • perfSense Webアプリケーション: インストゥルメント対象のJVMのパフォーマンス・データを表示します

  • ターゲットJVMを再起動すると、perfSenseエージェントの再インストールが必要になります。

    ./deploy.sh —a <WLS_SERVER_NAME>を実行します

  • perfSense Webアプリケーションは、ターゲットJVMを再起動してもインストールされた状態が維持されます。Webアプリケーションの再インストールが必要になった場合は、次のようにします。

    ./deploy.sh —w <WLS_SERVER_NAME>を実行します

  • ./deploy.shを実行すると、スクリプトの使用状況を確認できます。

WebCenter Portal Performance Packのアンデプロイ方法

コマンドライン・ツールのundeployを使用すると、ターゲットJVMからWebCenter Portal Performance Packのフットプリントを消去できます。

WebCenter Portal Performance Packアプリケーションが初めてターゲットJVMにデプロイされると、WebCenter Portal Performance PackはターゲットJVMのJavaエージェントとしてアタッチされます。アタッチされると、ターゲットのクラス/メソッドのインストゥルメントが開始され、イベントとメソッドの分析を実行できるようになります。WebCenter Portal Performance Packをアンデプロイすると、ターゲットJVMへの変更は完全にロールバックされ、JVMは初期のクリーンな状態に戻ります。

アンデプロイするには、./undeploy.sh <WLS_SERVER_NAME>を実行します

これにより、次に示す処理が実行されます。

  • WebCenter Portal Performance Pack Webアプリケーションは、ターゲットJVMからアンデプロイされます

  • 現在インストゥルメントされているすべてのクラスは初期状態にロール・バックされます。

    クラスローダーは、インストゥルメントされていないクラスでリロードされます。

  • WebCenter Portal Performance Packに関連するすべてのスレッドは、ターゲットJVMから削除されます。

ターゲット・アプリケションは、通常どおりに機能し続けます(再起動を実行する必要はありません)。

ランディング・ページのクイック・ツアー

WebCenter Portal Performance Packを起動すると、ログイン資格証明を入力するよう求められます。WebLogicサーバーの管理者ロールに属するユーザー名およびパスワードを入力する必要があります。次に、ランディング・ページに移動します。このページから、選択したOracle WebCenter Portalインスタンスに関連するパフォーマンスの問題を監視および診断するために必要なすべてのリソースにアクセスできます。

WebCenter Portal Performance Packを起動すると、ターゲットはそのインストール対象となるJVM WebCenter Portal Performance Packに自動的に設定されます。また、ユーザー・メニューにも注目してください。このメニューには、言語プリファレンスの表示、ヘルプへのアクセス(スタート・ガイドのオーバーレイを含む)およびサインアウトのオプションが含まれます。

GUID-51E0834E-0487-4617-8378-45C529B23D37-default.pngの説明が続きます
図GUID-51E0834E-0487-4617-8378-45C529B23D37-default.pngの説明

ランディング・ページを開始点として使用して、処理の遅いリクエストを識別し、パフォーマンスのボトルネックの診断にドリルダウンします。タブ付きのページにより、使用可能な機能間を簡単に移動できます。「ヘルプ」ボタンからアクセスされる情報は、現在開いているページに基づきます。イベント・リストはデフォルト・ページです。

ランディング・ページの概要を理解したところで、使用する主な機能について詳しく見ていきましょう。

機能 説明 詳細情報

イベント・リスト

指定した時間範囲内でサーバーによって処理されたイベントのリストが表示されます。初期範囲は、現在から1時間前までに設定されます。

このページを起点として以下のことができます。

  • 指定した時間範囲の変更、または「最新データの取得」のクリックによる過去1時間のイベントの取得を行えます。

  • 各リクエストのHTTPリクエスト・タイプを表示できます

  • リクエストを継続時間別(ミリ秒単位)にソートし、処理の遅いリクエストを検索できます

  • イベントの上にマウスを置くと完全なイベント名が表示されます。これには、完全なURLおよび問合せ文字列が含まれます。

  • インストゥルメンテーションおよびメソッド・サンプリングに基づいて問題領域を診断できる、個別のイベント詳細にドリルダウンできます。

「イベントの使用」を参照

メソッド統計

現在から最後のリセット日付までのすべてのメソッドが表示されます。

このページを起点として以下のことができます。

  • メソッド、ヒットまたは継続時間別にソートできます

  • 各メソッドの継続時間およびヒット数に基づいて問題のメソッドを識別できます。

    システムのパフォーマンスおよびスケーラビリティに、より大きな影響を与える可能性のある、ヒット数が高いまたは継続時間が長い(あるいはその両方の)メソッドを最適化します。特によりレベルの低いメソッドを最適化します。

  • メソッドの上にマウスを置くと完全なメソッド名が表示されます。また、クリップボードに名前をコピーできます。

  • 「統計のリセット」をクリックして、履歴データをすべて消去し、最後のリセット日付を現在の日時に更新できます。この機能により、新規のテスト・シナリオでメソッド統計の収集を新たに開始できます。

「最適化するメソッドはどのように見つけるのですか」を参照

スレッド・ダンプ

JVMから返されたすべてのスレッドが、指定された順序で表示されます。各コール・スタックは、メソッド・コールを含む、折りたたみ可能なセクションです。

このページを起点として以下のことができます。

  • スレッド・ヘルスに基づいて、スレッドをフィルタできます。(ACTIVE、STANDBY、SUSPENDED、STUCK)

  • 現在の状態に基づいて、スレッドをフィルタできます。(WAITING、RUNNABLE、TIMED-WAITING、PENDING)

  • 特定のスレッドを展開して、スレッドに関連付けられているメソッドを表示できます。特定のメソッドのウォッチを選択できます。

    注意: WebCenter Portal Performance Packに関連付けられたメソッドは無効であるため、ウォッチできません。

「重大なパフォーマンスの問題の原因はどのように特定できますか」を参照

構成

現在の構成の設定、およびインストゥルメントするように構成されている主なメソッドが表示されます。

このページを起点として以下のことができます。

  • インストゥルメンテーションおよびサンプリングを有効化または無効化(あるいはその両方)できます

  • 構成設定の変更

  • 前回保存した構成に戻すように構成をリセットできます

  • 「更新」をクリックして、変更を構成ファイルに保存せずにコミットできます

  • 「保存」をクリックして構成の変更を保存できます

  • 追加のクラス/メソッドをインストゥルメント対象として追加できます

  • 事前構成済メソッドのウォッチまたはウォッチ解除を選択できます

「インストゥルメンテーションの構成」を参照