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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesの使用
12c (12.2.1.2.0)
E82733-01
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11 A/B Testingの使用

A/B Testing機能を使用すると、Webサイト・ページで設計とコンテンツのバリエーションを試験できます。これにより、Webサイトに対して永続的な変更を行う前に、どのバリエーションが最適な結果を生み出すかを確認できます。コンテキストに対応したこの機能の視覚的手法を使用して、Oracle WebCenter Sitesに用意されている任意のページでA/Bテストを作成します。

注意:

A/Bテスト機能は、Google Analyticsとの統合を介して提供されます。A/Bテスト機能を使用するには、まずGoogleにGoogle Analyticsアカウントを登録する必要があります。これにより、A/Bテストのパフォーマンスを測定できます。 また、A/Bテストの一環として、匿名のエンド・ユーザー情報(テストでWebサイトにアクセスするエンド・ユーザーの情報)がGoogleに提供され、その情報に適用されるGoogleの規約に基づいてGoogleによって使用される可能性があることに同意します。

たとえば、A/B Testingを使用して次のことを調査できます。

11.1 A/Bテストを作成および実行するための主要タスクの概要

A/Bテストを作成する場合、比較する内容、測定する内容、テストの開始と終了の方法や日時などを決定するといったタスクを実行します。これらのタスクが完了したら、テストを承認し、Googleで試験を確認してから、A/Bテスト・レポートでテスト結果を確認できます。

主要なタスクは次のとおりです。

  1. テストするバリアントを選択します。

    複数のバリアントを比較できます。バリアントAはコントロール(ベース)として機能し、他のバリアントB、CまたはDと比較されます。一度に複数のA/Bテストを実行できます。

  2. テストを測定するパラメータを選択します。

    目標を使用して、テストで取得する訪問者アクションを指定し、バリアントを比較し、A/Bテストの結果として表示します。目標とは、追跡用として識別する特定の訪問者アクションを示し、ユースケースと適合する目標のタイプを指定できます。デフォルトの目標は、宛先、期間、セッション別のページ数およびイベントです。たとえば、「宛先」を選択すると、surfing.htmlなどのページを指定できます。このページが訪問されるたびに変換が発生します。

  3. A/Bテストを作成して、バリアントをそれに追加します。

    管理システムでテストを作成し、WYSIWYG A/Bテスト・モードを使用して、選択したWebページまたはモバイル・ページに1つ以上のバリアントを追加できます。カラーコーディング別にバリアントを識別し、追跡した変換を簡単に保存または破棄できます。次の例では、最初のバリアント(B)がA/Bテスト・パネル(B)とページ上の各変更(1)の両方で緑色で表示されています。「A/Bテストの作成方法」を参照してください。

    図11-1 A/Bテスト・モード

    図11-1の説明が続きます
    「図11-1 A/Bテスト・モード」の説明
  4. テストを開始および終了するための基準を定義します。

    図11-2 A/Bテストの基準ペイン

    開始および終了、訪問者、確信度、変換およびターゲットの各コントロールが表示されたA/Bテストの基準ペイン
  5. テスト(およびその依存性)を承認し、実際の試験をGoogleで確認します。

    「A/Bテストの承認およびパブリッシュ方法」を参照してください。

  6. 「A/Bテスト・レポートでのテスト結果の表示」を参照してください。

    訪問者がバリアントを閲覧し、変換が発生すると、レポートで個々のA/Bテストの結果を確認できます。このとき、テスト・バリアントの作成中と同じバリアント・カラーコーディングが保持されます。このレポートを使用して、測定可能な訪問者アクションの差異がバリアント間にあるかどうかを確認できます。Cookieが残されるため、訪問者がサイトに戻ったときに同じバリアントが表示されます。「A/Bテスト結果の確認方法」を参照してください。

    図11-3 バリアントが表示されたA/Bテスト

    図11-3の説明が続きます
    「図11-3 バリアントが表示されたA/Bテスト」の説明
  7. 必要に応じて、最優秀バリアントを使用するためにサイトを更新します。

    最優秀バリアントをしばらく表示した後、A/Bテストをコピーまたは作成して新しいバリアントを組み込むことにより、テストを繰り返して精度を徐々に上げていくことができます。

11.2 A/Bテスト前に実行する必要がある作業

A/Bテストを作成する前に、多くの前提条件を満たしておく必要があります。たとえば、アセット・タイプWCS_ABTestを有効化し、A/Bコード・エレメントを含めて、配信インスタンスでプロパティabtest.delivery.enabledをtrueに設定します。

  • WCS_ABTestアセット・タイプを有効化する必要があります。

    WebCenter Sites管理者または開発者は、WCS_ABTestアセット・タイプを有効化できます。avisportsおよびFirstSite IIサンプル・サイトでのみ、デフォルトでこのタイプが有効化されています。

    『Oracle WebCenter Sitesの管理』のA/B Testingの管理に関する項を参照してください。

  • テスト前に、A/Bコード・エレメントをテンプレートに組み込む必要があります。デフォルトでは、コード・エレメントはテンプレートに組み込まれません。

    A/Bコード・エレメントはWebCenter Sites開発者がテンプレートに追加します。

    『Oracle WebCenter Sitesでの開発』のテンプレート・アセットに関する項を参照してください。

  • 配信インスタンスでabtest.delivery.enabledプロパティをtrueに設定する必要があります。これは、A/Bテスト・バリアントをサイト訪問者に配信するインスタンスです。A/Bテストの作成にのみ使用されるインスタンスでこのプロパティを設定すると、間違った結果が生成されるため、設定しないでください。abtest.delivery.enabledプロパティは、wcs_properties.jsonファイルのABTestカテゴリ内にあります。

    『Oracle WebCenter Sitesプロパティ・ファイル・リファレンス』のA/Bテストのプロパティに関する項を参照してください。

  • A/Bテストの最優秀バリアントをプロモーションできるユーザーには、MarketingAuthorロールを付与する必要があります。A/Bテスト・レポートを表示したりテストを停止できるユーザーには、MarketingEditorロールを付与する必要があります。

    『Oracle WebCenter Sitesの管理』のユーザー、プロファイルおよび属性の構成に関する項を参照してください。

11.3 A/Bテストの作成方法

テストするWebページのバリアントを設定することにより、A/Bテストを作成できます。また、関連する結果を取得するためのテスト基準を設定することもできます。

11.3.1 A/Bテスト・モードでの作業方法

ContributorインタフェースでのA/Bテストの作成は、Webモードでの編集と似ていることがわかります。WebモードとA/Bテスト・ページの違いは、サイト・ページではなくバリアントのテスト・レイヤに対してページ変更を行うことと、A/Bテスト・パネルが右側に表示されることです。

A/Bテスト・モードを有効化するには、ContributorのWebビューから、テストを追加するブラウザ・ページまたはモバイル・ページを開いて、メニュー・バーの右上にあるA/Bテスト・アイコンをクリックします。(このページに対して存在するテストの数を調べるには、アイコンの上にマウスを重ねます。)

ページのA/B Testingが有効になっていない場合でも、そのページのA/Bテストを作成できますが、警告メッセージが表示されます。

A/Bテストがページに追加されない場合、右側のパネルに「テストを作成します」というテキストの付いたコントロールが表示されます。

ページに対して1つ以上のA/Bテストがすでに存在する場合、右側のパネルには、A/Bテスト・コントロールと、基準コントロールを変更するためのオプションが表示されます。

  • 「A/Bテスト」コントロールを使用すると、ページに対するテストを作成および編集し、ページのバリアントに対する変更を追跡できます。

  • 「基準」コントロールを使用すると、選択したテストの基準(開始と終了の決定子、測定対象の変換、ターゲットと確信度に関する情報など)を設定できます。

A/Bテスト・モードの場合、ツールバーのコントロールも変化します。

  • ツールバー・ラベルはA/Bテストに変更されます。

  • テストがまだパブリッシュされていない場合、「保存」アイコンとページ・レイアウトの変更アイコンを使用できます。

  • 「承認」アイコンと「削除」アイコンは常に使用できます。

  • 「編集」「プレビュー」「チェックイン/チェックアウト」または「レポート」アイコンはありません。

11.3.2 A/Bテストの変更方法

A/Bテストを作成したり、これらをコピーしたり、既存のテストを選択できます。A/Bテスト・モードでこれらのタスクを実行する必要があります。

ページのA/Bテストの作成方法

  1. 「テストを作成します」というテキストまたは既存のテストのリストが含まれるリスト・ボックスで、「+」(プラス)ボタンをクリックします。

  2. 「新規テストの作成」ウィンドウで、テストの名前を入力し、「送信」をクリックします。

  3. A/Bテストのツールバーで、「保存」をクリックします。

A/Bテストのコピー方法

  1. 「+」(プラス)ボタンをクリックします。

  2. 「新規テストの作成」ウィンドウで、コピーするテストを選択します。上部のフィールドで、割り当てられているデフォルト名を変更できます。

  3. 割り当てられるデフォルト名を変更します。

  4. 「送信」をクリックします。

  5. A/Bテストのツールバーで、「保存」をクリックします。

A/Bテストの選択方法

  • 既存のテストのドロップダウン・リストを開き、必要なテストを選択します。

テストを作成、コピーまたは選択した後、そのバリアント(「A/Bテスト・バリアントの追加、選択および編集方法」を参照)を処理し、その基準を選択できます。選択した基準は、テストのすべてのバリアントに適用されます。

11.3.3 A/Bテスト・バリアントの設定方法

A/Bテスト・バリアントを設定するには、A/Bテスト・バリアントを追加、選択、削除または編集するか、そのページ・レイアウトを変更します。

A/Bテスト・バリアントを設定するには、次のトピックを参照してください。

11.3.3.1 A/Bテスト・バリアントの追加、選択および編集方法

A/Bテストを定義するには、バリアントを選択し、そのWebページを編集します。カラーコーディングおよびナンバリングを使用して、バリアントおよびその変更を識別します。

テスト・バリアントを追加、選択および編集するには:

  1. A/Bテスト・モード(「A/Bテスト・モードでの作業方法」を参照)を開始し、パネル上部の「テスト」フィールドで作業対象のテストを選択します。

    テストの説明フィールドの下に、現在のWebページのバリアントがリストされます。最初は、ベースWebページAとこのWebページの単一のバリアントBがあります。ベースWebページにバリアントを追加すると、これらがCDEなどになります。

    元のWebページであるAがコントロールです。

    バリアントを選択すると、その文字がカラーコーディングされた円に表示されます。「B」をクリックすると緑色の円が表示され、「C」をクリックすると黄色の円が表示されます。選択したバリアントのWebページを変更すると、変更を示す番号とともに、同じ色の円がWebページ上に表示されます。

    バリアントに対して行われた変更は、「トラッキングされている変更」セクションにリストされます。変更番号は、Webページ上でカラーコーディングされた番号に対応しています。

    参照専用名に加えて、各バリアントは次によって識別されます。

    • 文字Bバリアントはすでに作成および選択されており、いつでも変更を開始できます。

    • 名前。ベースWebページの名前は最初はBaseであり、バリアントの名前は最初はB、C、Dなどです。これらの名前はいつでも変更できます。

    • カラーコーディングされた円は、選択されているバリアントを示します。たとえば、「B」をクリックすると緑色の円が表示され、「C」をクリックすると黄色の円が表示されます。選択したバリアントのWebページを変更すると、同じ色の円が番号とともにWebページ上に表示されます。

    • 番号付けされた変更。これらは、「トラッキングされている変更」セクションに表示されます。変更は、Webページ上でカラーコーディングされた番号に対応する番号が割り当てられます。

  2. バリアントを選択または追加します。
    • バリアントを選択するには、その文字(Bなど)をクリックします。割り当てられた色の円が表示されます。

    • バリアントを追加するには、最後のバリアントの下にある「+」(プラス)ボタンをクリックします。新しいバリアントが追加および選択され、割り当てられた色の円が表示されます。バリアントの名前はいつでも入力できます。バリアントをこの時点で自動的に保存するようシステムが構成されている場合があります。そうでない場合は、別のバリアントに切り替える前に、ツールバーの「保存」アイコンをクリックして現在のバリアントを保存する必要があります。

  3. ページの編集領域で、ページをWebビューで変更する場合と同じように、選択したバリアントを変更します。たとえば、ヘッドラインを変更したり、イメージを置き換えることができます。

    検索機能を使用すると、バリアント・ページに含めるアセットを検索できます。検索結果パネルによってA/Bテスト・パネルが一時的に隠されます。検索結果パネルからアセットをドラッグ・アンド・ドロップしてバリアント・ページに移動します。検索パネルを閉じ、A/Bテスト・パネルを再表示します。

    A/Bテスト・バリアントを編集または削除することもできます。「A/Bテスト・バリアントのページ・レイアウトの変更方法」を参照してください。

    変更を行うと、これらの変更は追跡済変更セクションでリストされ、説明され、番号が付けられます。これらの番号は、Webページ上でカラーコーディングされた円内に表示される番号に対応しています。実行したがまだ保存していない変更は、「未保存の変更」セクションにリストされます。追跡済変更セクション内の各アイテムの上にカーソルを置くと、そのアイテムがWebページ上で強調表示されます。

    「(非表示)/(表示)」コントロールをクリックすると、Webページ上の番号付きの円の表示と非表示を切り替えることができます。また、番号付きの円がWebページの表示を遮っている場合は、これらをドラッグ・アンド・ドロップして位置を変更することもできます。

  4. 追跡済変更を保存または破棄します。
  5. テストを保存します。
必要に応じて、バリアントを削除することもできます。

11.3.3.2 A/Bテスト・バリアントのページ・レイアウトの変更方法

必要に応じて、A/Bテスト・バリアントのページ・レイアウトを、コントロールまたは他のバリアントに使用するページ・レイアウトとは異なるレイアウトに変更できます。

A/Bテスト・バリアントのページ・レイアウトを変更するには:

  1. 「A/Bテスト」パネルでテストおよびバリアントを選択した後、ツールバーの「ページ・レイアウトの変更」をクリックします。
  2. 別のページ・レイアウトを選択します。
    示されているように、コントロール(A)および他のバリアント用として選択したレイアウトが識別されます。

    図11-4 ページ・レイアウトの変更ウィンドウ

    図11-4の説明が続きます
    「図11-4 ページ・レイアウトの変更ウィンドウ」の説明

    テスト・バリアントのページ・レイアウトを選択した後、ダイアログが再ロードされ、「取消」および「適用」ボタンが表示されます。

  3. 「適用」をクリックすると、選択したページ・レイアウトで現在のバリアントが適用されます。
    変更内容が「トラッキングされている変更」表に表示されますが、番号はありません。

11.3.4 A/Bテスト基準の設定方法

A/Bテスト基準を設定する場合、テストの開始日と終了日、確信度レベル、追跡する目標の指定や、ターゲットとする訪問者またはセグメントの指定など、多数のタスクを実行します。

11.3.4.1 A/Bテストの開始日と終了日の指定方法

テストを作成する場合、その開始日と終了日を指定できます。開始日を指定しない場合、パブリッシュされると同時にテストが開始されます。テストの実行が開始されたら、現在のテスト結果を確認し、早期停止し、最優秀バリアントをプロモーションできます。

「A/Bテスト結果の確認方法」および「テスト・バリアントをコントロール(ベース) Webページにプロモーションする方法」を参照してください。パブリッシュされた後のテストは編集できません。

A/Bテストの開始日と終了日を指定するには:

  1. A/Bテスト・ビューで、「A/Bテスト」パネル内の「基準」をクリックします(「A/Bテスト・モードでの作業方法」を参照)。
  2. 次のいずれかの方法でテストの開始日時を指定します。
    • A/Bテスト・アセットの承認時にテストを開始するには、開始フィールドを空白のままにします。テストは、パブリッシュ後に開始されます(「A/Bテストの承認およびパブリッシュ方法」を参照)。

    • テストを特定の日付に開始するには、「開始」フィールドの横にあるカレンダをクリックし、カレンダ・ピッカーから日付を選択します。デフォルトでは、開始時間は現在時間に設定されています。(現在の日時を選択する場合、テストはパブリッシュ時に開始します。)「hh」「mm」および「ss」フィールドを使用して、別の開始時間を指定できます。この場合、日付を再度選択して新しい時間を適用します。また、現在表示されている時間を上書きすることによって時間に新しい値を入力することもできます。開始時間に12時間と24時間のどちらの形式が使用されているかは、サーバーの設定によって異なります。12時間の形式に設定されている場合は、AMまたはPMを入力します。

  3. テストを特定の日時に終了するには、「終了」フィールドで日付を選択し、その下にあるカレンダをクリックし、カレンダ・ピッカーから日時を選択します。開始時間を指定したときと同じ方法で終了時間を指定します。
    確信度レベルも設定したが、テストの終了時点までに達成されない場合、指定した終了日を超えてテストは続行されます。「A/Bテストの確信度レベルの選択方法」を参照してください。
  4. 保存」をクリックします。

11.3.4.2 A/Bテストの確信度レベルの選択方法

テストを作成する場合、その結果の確信度レベルを選択できます。この数値により、テスト結果の重要度に関する確信度が決まります。これは特に、その変換の差異が、ランダムな訪問者のバリエーションにではなくバリアントの差異自体に原因がある場合です。A/Bテストの訪問者の数が大きくなるほど、バリアントの差異における統計的な重要度を確認しやすくなります。

確信度レベルを設定した場合、テストに指定した終了時点を超えても、確信度レベルに達するまでA/Bテストは続行されます。

「A/Bテストの確信度レベルの計算方法」を参照してください。

テストの確信度レベルをを選択するには:

  1. A/Bテスト・ビューで、「A/Bテスト」パネル内の「基準」をクリックします(「A/Bテスト・モードでの作業方法」を参照)。
  2. 「確信度」フィールドで、確信度レベルの割合を選択または入力します。85%から99.9%までのパーセンテージを選択できます
  3. 保存」をクリックします。

11.3.4.3 A/Bテストの確信度レベルの計算方法

確信度レベルは、二項分布のWald検定を使用して計算されます。この方法では、2つの異なる計算が行われます。最初の計算では、確信度の間隔が決定されます。2つ目の計算では、結果の精度を測定するZスコアが決定されます。A/B Testingでは、各バリアントの確信度の間隔は、(特定のアクションを実行した)訪問者の数をページ・バリアントへの訪問者の数で割って計算されます。

Wald検定では、変換率はpで表されています。

図11-5 二項分布の確信度の間隔を決定するためのWald検定

図11-5の説明が続きます
「図11-5 二項分布の確信度の間隔を決定するためのWald検定」の説明

これにより、各バリアントの結果を使用してZスコアが計算されます。Zスコアにより、結果の正確度を測定します。A/B Testingで使用される一般的なZスコア(確信度範囲)は、最終スコアから3%の範囲です。ただし、これは単なる一般的な使用例であり、任意の範囲の使用が可能です。この場合、標準の正規分布の百分位数範囲の標準誤差を掛けることにより、変換率(p)に対する範囲が決まります。

この時点で、結果が重要である、つまり、ランダムなバリエーションに基づいて変換率に差異がないことを確認する必要があります。Zスコアは次の方法で計算されます。

Zスコアは、コントロールとテストの平均値の間における正の標準偏差値の数です。前述の標準的な確信度間隔を使用すると、ビュー・イベントの数が1000を超えており、Zスコアの確度が95%を超えているか5%を下回る場合、統計的重要度は95%であると判断できます。

11.3.4.4 A/Bテストで追跡する目標の指定方法

マーケティング担当者は、GoogleアナリティクスでA/Bテストのカスタム目標を作成して使用する必要があります。これらの目標は、A/Bテストを設定する前に作成する必要があります。独自の目標を作成することも、他のユーザーによって作成された目標を使用することもできます。

追跡する目標を指定するには:

  1. A/Bテスト・ビューで、A/Bテスト・パネル内の「基準」をクリックします。
  2. 目標の選択をクリックします。
  3. 目標を選択し、「選択」をクリックします。

    目標は名前およびタイプ別に表示されます。必要に応じて、「ソート」をクリックしてソート順を変更します。

  4. 保存」をクリックします。

11.3.4.5 A/Bテストでターゲットとする訪問者またはセグメントの指定方法

セグメント内のすべての訪問者の特定のパーセンテージのみ、またはセグメント内の訪問者のパーセンテージをターゲットとするように、A/Bテストを定義できます。たとえば、テストのターゲットを、すべての訪問者の50%、または65才以上の訪問者セグメント内の訪問者の50%に設定できます。

「セグメントの作成」を参照してください。

指定した率内で、テスト・バリアントがターゲット訪問者と等比率で表示されます。たとえば、訪問者の30%をターゲットとするテストに、コントロール(A)に加えて2つのバリアント(BおよびC)が含まれる場合、訪問者の10%がコントロールA、10%がバリアントB、および10%がバリアントCとして表示されます。

ターゲットとする訪問者またはセグメントを指定するには:
  1. A/Bテスト・ビューで、A/Bテスト・パネル内の「基準」をクリックします。
  2. 「ターゲット」フィールドで、任意の訪問者をターゲットとする場合は「ビジター」、または選択したセグメントの一部である訪問者をターゲットとする場合は「セグメント」を選択します。
    • 訪問者: 表示される「訪問者の%」フィールドに、テストに含める訪問者のパーセンテージを入力します。
    • セグメント: 1つ以上のセグメントを選択します。
      • 表示される「セグメントの選択」をクリックします。

      • 「セグメント」ウィンドウの「ターゲット」フィールドで、選択したセグメント内の訪問者のうちテストに含める訪問者の割合を入力します。

      • 「セグメント名」列から、1つ以上のセグメントを選択します。名前または変更日別にセグメント・リストをソートするには、「ソート」をクリックします。セグメントの選択を解除するには、選択済セグメント列内の「x」をクリックします。

      • 「選択」をクリックします。選択したセグメントの名前が「セグメントの選択」ボタンの下に表示されます。

  3. 保存」をクリックします。

11.4 A/Bテスト結果の使用方法

A/Bテスト・レポートでA/Bテスト結果を確認できます。テストしたバリアント・ページの1つをアクティブなWebサイトにプロモーションするかどうかを決定できます。

11.4.1 A/Bテスト結果の確認方法

テストが開始されたら、訪問者がWebページのコントロール(A),またはバリアント・バージョンを閲覧するたびに、サイトの訪問情報が取得され、これらの統計がA/Bテスト・レポートで使用可能になります。つまり、完了したテストについて、ベースのWebページ設計とバリアントのWebページ設計の相対的なパフォーマンスを比較できます。この情報を使用して、バリアントの1つを、訪問者が閲覧するWebページにプロモーションするかどうかを決定できます。

ContributorインタフェースでA/Bテスト・レポートを表示するには:

  1. A/Bテストを検索します。
    これを行うには、「検索」ボックスのドロップダウン・リストから「A/Bテスト」が事前設定された検索を選択し、「検索」をクリックします。

    進行中のテストごとに、チャートと追加情報が含まれる検索結果ボックスが表示されます。これにはテストの最新の結果が表示されますが、完全なレポートではありません。

  2. 小さい本アイコンをクリックして、すべての使用可能なデータが表示されるA/Bテスト・レポートを開きます。
    「アクション」ボタンをクリックして、次のいずれかのアクションを実行します。
    アクション 状態 コメント
    停止(赤) 進行中 テストを停止する場合にクリックします。停止した後のテストは再開できません。
    編集(緑) 完了しているがパブリッシュされていない テスト・バリアントを編集する場合にクリックします。パブリッシュされた後のテストは編集できません。
    プロモート(緑) パブリッシュ済 レポートにテスト結果を表示し、訪問者に表示されるページにバリアントをプロモーションするかどうかを決定する場合にクリックします。「テスト・バリアントをコントロール(ベース) Webページにプロモーションする方法」を参照してください。

11.4.2 A/Bテストの承認およびパブリッシュ方法

テストのバリアントを作成および編集し、その基準を指定した後は、配信システムへのテストのパブリッシュを承認できるようになります。承認中に、Google Analyticsでテストが作成されます。承認プロセスの完了後、Googleにログインして、試験およびすべての設定を確認できます。

次の点を考慮してください。

  • テストを承認すると、テストとそのバリアントの両方が承認されます。すべてのWebページの承認の場合と同じように、アセットとそのすべての依存性を承認する必要があります。

  • テストを承認するには、テストに目標が含まれる必要があります。

  • A/Bテストは、選択する宛先にパブリッシュされます。宛先を選択できるようにするには、宛先をパブリッシュする必要もあります。使用可能なパブリッシュ済宛先がない場合は、管理者に問い合せてください。

  • パブリッシュ時に、テストの基準に指定した日時でテストが開始されます。その日時がすでに経過している場合、テストは即時に開始されます。

テストのアセットのパブリッシュを承認し、テストを開始するには:

  1. A/Bテスト・モードで、承認するテストを選択します。
  2. ツールバーの「承認」アイコンをクリックし、宛先を選択します。
    「承認」画面にアセットと依存性がすべてリストされます。
  3. 「すべて選択」→「依存性による承認」をクリックして、すべてのアセットおよび依存性を承認します。

11.4.3 A/Bテスト・レポート・データの分析方法

A/Bテスト・レポートは、Contributorインタフェースで表示できます。このレポートには、テスト・バリアントWebページ設計とコントロール(ベースWebページ)の相対的なパフォーマンスを比較するためのデータが示されます。次に、この情報を使用して、最優秀テスト・バリアントの1つを、訪問者が閲覧するWebページにプロモーションするかどうかを決定できます。

A/Bテスト・レポートには、マーケティングの重要な決定を行う際に役立つデータが様々な方法で要約されます。

  • サマリー

  • メトリック

  • 変換

  • 確信度

レポートのステータスおよびアクション・ボタンがヘッダーに表示されます。次の例は、現在進行中であり、「停止」のアクション・オプションを備えたレポートを示しています。

A/Bテスト・レポートのヘッダー・セクション

サマリー・セクション

図11-7 サマリー

A/Bテスト・レポートのサマリー・セクション
機能 説明

情報領域

A/Bテストの基本情報(Webページ、名前、所有者、説明など)が表示されます。

変換

テストが監視している変換のタイプが表示されます。

セグメント

テストにセグメント化されたユーザー・ベースが含まれる場合、セグメンテーションの説明が示されます。「すべて」は、ユーザー・ベースがセグメント化されていないことを意味します。

停止

設定されているテストの停止の日時と方法が表示されます。

チャート

各バリアントの変換率が表示されます。

メトリック・バー・セクション

図11-8 メトリック・バー

A/Bテスト・レポートのメトリック・バー
機能 説明

ターゲット

このテストのすべての訪問者のターゲットの割合、終了日および確信度の割合が表示されます。

今日までのサマリー

すべてのバリアントを合算した、サービスを提供した訪問者の数、変換の数、およびこれまでに達成した確信度の割合が表示されます。1つのバリアントが他のバリアントより優れていることをこのテストで識別できた場合、テストの完了時にこれが最優秀バリアントとして表示されます。

変換セクション

図11-9 変換

A/Bテスト・レポートの変換セクション
機能 説明

選択基準

通常は「デバイス」に設定されています。

表示

各バリアントに関する変換情報。

確信度セクション

図11-10 確信度

A/Bテスト・レポートのコンバージョン・セクション

このチャートには、訪問者の数、変換の数、変換の割合、Zスコア(「A/Bテストの確信度レベルの計算方法」を参照)、および確信度の割合が表示されます。

11.4.4 テスト・バリアントをコントロール(ベース) Webページにプロモーションする方法

A/Bテスト結果の確認が終わったら、特定のテスト・バリアントをプロモーションするように決定できます。このアクションによって、コントロール(ベースWebページ)が最優秀バリアントに永続的に置換され、すべての訪問者にこれが表示されます。

最優秀テスト・バリアントをプロモーションするには:

  1. 「A/Bテスト結果の確認方法」の説明に従ってA/Bテストのレポートを表示し、「プロモート」をクリックします。
  2. 使用可能なテスト・バリアントのリストから最優秀テスト・バリアントを選択し、「プロモート」をクリックします。
    ベースWebページAは選択できません。
  3. パブリッシュするページ情報が表示されたフォームで、「プロモート」をクリックします。

    注意:

    最優秀テスト・バリアントは、プロモーションした後も、パブリッシュするまでWebサイトに表示されません。「A/Bテストの承認およびパブリッシュ方法」を参照してください。

11.5 A/Bテストの削除方法

A/Bテストを削除すると、そのテストに生成されたレポートも削除されますが、データは削除されません。このデータを再使用する場合は、Oracle Endeca Information Discovery (EID)システムを使用して独自のレポートを作成できます。現在実行中のA/Bテストを削除しようとすると、警告メッセージが表示されます。

注意:

A/Bテストを削除した後も、Googleで作成された試験は残ります。この試験を削除する場合は、Google Analyticsインタフェースに移動して削除する必要があります。

A/Bテストを削除するには、A/Bテスト・ツールバーで「削除」オプションをクリックし、削除するアセットを選択して「削除」をクリックします。A/Bテストのパブリッシュが完了すると、警告メッセージが表示されます。