Oracle R Enterpriseのデータストアを使用すると、Rオブジェクトをデータベースに保存できます。
Oracle R Enterpriseプロキシ・オブジェクトを含むRオブジェクトは、明示的に保存しないかぎり現行のRセッションの間存在します。Rオブジェクトの保存およびリストア用の標準のR関数(saveおよびload)は、ファイルに格納するためにRメモリー内のオブジェクトをシリアライズし、メモリーにリストアするためにデシリアライズします。ただし、Oracle R Enterpriseプロキシ・オブジェクトに対しては、それらの関数はプロキシ・オブジェクトに関連付けられているデータベース・オブジェクトをOracle Databaseに保存しないため、保存されたプロキシ・オブジェクトは別のRセッションでは正しく動作しません。
Oracle R Enterpriseプロキシ・オブジェクト、および任意のRオブジェクトは、ore.save関数を使用して保存できます。ore.save関数はOracle R Enterpriseデータストアを指定します。データストアは、Rセッションの終了時にデータベースに保持されます。データストアは、自身が含まれているオブジェクトの参照整合性を保持します。ore.load関数を使用して、データストア内のオブジェクトを別のRセッションにリストアできます。
データストアを使用して、次のことを実行できます。
Oracle R Enterpriseおよび作成したその他のRオブジェクトを1つのRセッションに保存し、別のRセッションにリストアします。
埋込みRの実行で使用するためにR関数に引数を渡します。
埋込みRの実行で使用するためにオブジェクトを渡します。たとえば、OREdmパッケージ内の関数を使用してOracle Data Miningモデルを構築し、それをデータストアに保存することもできます。その後、埋込みRの実行を介してそのモデルを使用してデータベースにデータをスコアリングできます。埋込みRの実行関数でのデータストアの使用例は、例6-10を参照してください。
表2-1にデータストアを操作する関数をリストし、その簡単な説明を示します。
表2-1 データストアを操作する関数
関連項目:
埋込みRの実行に対するRインタフェースおよびSQLインタフェースの使用の詳細は、「Oracle R Enterpriseの埋込みRの実行の使用方法」を参照してください。