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Oracle® Database Appliance X6-2-HAデプロイメントおよびユーザーズ・ガイド
リリース12.1.2.9.0 for Linux x86-64
E85928-01
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B Oracle Database Applianceのストレージ

この項を確認して、Oracle Database Applianceのストレージのアーキテクチャとオプション、および使用可能なストレージを判別する方法を理解します。

内容は次のとおりです。

Oracle Database Applianceのストレージについて

データベース・ファイルのストレージには、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)またはOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用します。

データベース・ファイル・システムはデータベース・ファイルの格納のみに使用され、データベース・データ・ファイル用のDATAファイル・システム、およびアーカイブ・ファイルとバックアップを格納するRECOファイル・システムが含まれます。Oracle Database Applianceでは、Oracle ACFSおよびOracle ASMのデータ・ファイル・ストレージをサポートしています。データベースを作成するときに、データベース・ストレージのタイプを決定します。

Oracle ASMデータベース・ストレージについて

Oracle ASMとOracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)を使用します。

Oracle ASMでは、データベース・データファイルはDATAディスクグループに格納されます。Redoおよびアーカイブ・ファイルはRECOディスクグループに属します。

Oracle ACFSデータベース・ストレージについて

Oracle ACFSと、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)またはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)を使用します。

Oracle ACFSでは、データファイルを格納するためのOracle ACFSファイル・システムは、各データベースのDATAディスクグループから作成され、すべてのデータベースに対するRedoおよび高速リカバリ領域用のOracle ACFSファイル・システムは、RECOディスクグループから作成されます。

Oracle ACFSマウント・ポイントおよび記憶領域

Oracle Database ApplianceのOracle ASM Cluster File System (ACFS)のマウント・ポイントについて示します。

データベース作成時にデータベース・ストレージとしてOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)を選択した場合、Oracle ASM Cluster File System (ACFS)は作成されません。すべてのファイルはOracle ASMディスクグループに属します。

データベース・ストレージにOracle ACFSを選択すると、各データベースには個別のOracle ACFSマウント・ポイントが確保されます。

  • DATAディスクグループ: /u02/app/oracleuser/oradata/db_name

  • RECOディスクグループ: /u03/app/oracleuser.

Oracle ACFSでは、次のファイル・システムが作成されます。

  • 各データベースに+DATAディスクグループから100G ACFSが作成されます。このOracle ACFSは必要に応じて領域を自動的に拡張します。

  • +RECOディスクグループの25%で共通のOracle ACFSが自動拡張付きで作成されます。このファイル・システムは、すべてのデータベースに対する高速リカバリ領域およびRedoログに使用されます。

表B-1 Oracle ACFSマウント・ポイントと、関連のOracle ASMディスク・グループおよびボリューム情報

ファイル・システム Oracle ASMディスク・グループ Oracle ASM動的ボリューム マウント・ポイント

DATA

+DATA

/dev/asm/datdbname-nnn

例: /dev/asm/datodacn-123

/u02/app/oracleuser/oradata/dbname

例: /u02/app/example/oradata/odacn

RECO

+RECO

/dev/asm/reco-nn

/u03/app/oracleuser

fast_recovery_areaおよびredoログに対するこのマウント・ポイントは、すべてのデータベースによって共有されます。

fast_recovery_areaの場合のパス: /u03/app/oracleuser/fast_recovery_area/db_name

Redoログの場合のパス: /u03/app/oracleuser/redo/db_name

例B-1 Oracle ACFSの記憶領域

Oracle ACFSファイル・システムが作成されると、当初はアプライアンス内のすべての記憶域が消費されるわけではありません。追加のリポジトリのために、または場合によってはOracle ASMに直接格納されるデータベース・ファイルのために領域を残しています。次の例に示すように、オペレーティング・システム・コマンドdf -kを実行して、ファイル・システム内の使用可能な記憶領域を確認できます。

# df -k 
Filesystem                            1K-blocks   Used         Available  Use%   Mounted on 
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolRoot    30963708    14203568     15187276   49%     / 
tmpfs                                 65952292      647800     65304492    1%     /dev/shm 
/dev/sda1                               495844       43872       426372   10%     /boot 
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolOpt     61927420    18594420     40187272   32%     /opt 
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolU01    103212320    49621560     48347880   51%     /u01 
/dev/asm/reco-62                      76546048     1469676     75076372    2%     /u03/app/oracle
/dev/asm/datrdb2-268                 104857600     3872368    100985232    4%     /u02/app/oracle/oradata/rdb2
/dev/asm/datndb11-268                104857600      247160    104610440    1%     /u02/app/oracle/oradata/ndb11
/dev/asm/datndb12-268                104857600      247160    104610440    1%     /u02/app/oracle/oradata/ndb12

マウント済ディスクの詳細の表示

Oracle Database Applianceのマウント済ディスク・グループおよびその情報を表示するには、Oracle Automatic Storage Managementのlsdgコマンドを使用します。

特定のディスク・グループに関する情報を表示するには、コマンドでそのディスク・グループを指定します。
  1. gridユーザーとしてログインします。
  2. Oracle Automatic Storage Managementのlsdgコマンドを実行します。

例B-2 DATAディスク・グループのストレージの判別

ASMCMD [+] > lsdg data

State    Type    Rebal  Sector  Block       AU  Total_MB  Free_MB  Req_mir_free_MB  Usable_file_MB
MOUNTED  NORMAL  N         512   4096  4194304     12288     8835             1117            3859

(continued)
Offline_disks  Voting_files  Name
            0             N  DATA

Oracle Database Appliance X6-2-HAの使用可能なストレージの判別

Oracle Database Appliance X6-2-HAで使用可能なディスク容量と、容量の導出方法を確認します。

Oracle Database Appliance X6-2-HAは、パフォーマンスのために1.2TBにフォーマットされた、1.6TBのrawソリッドステート・ドライブを使用します。使用可能なデータ容量は、ディスク・ハードウェアのTB数(1KB=1,000バイト)をソフトウェア・ストレージのTB数(1KB=1,024バイト)に換算し、使用可能な容量をASMディスク・グループに分割することによって計算されているため、変動します。

使用可能な各SSDのストレージは約1.1TBです。これは、ドライブの使用可能ストレージ容量をTBに変換することにより算出されます(1.2TBを1.0244で除算 = 1.1TB)。

次の表に、Oracle Database Appliance X6-2-HAの、DATAおよびRECOディスク・グループ用に使用可能な領域のだいたいの容量を示します。

Oracle Database Appliance X6-2-HAの使用可能ディスク容量

次の表に、Oracle Database Appliance X6-2-HAの使用可能な領域のだいたいの容量を示します。

表B-2 Oracle Database Appliance X6-2-HAの使用可能ディスク容量

説明 X6-2-HAのサイズ設定(SSDドライブ数10) X6-2-HAのサイズ設定(SSDドライブ数20) X6-2-HAのサイズ設定(SSDドライブ数40)
SSDドライブの数

10

20

40

合計使用可能容量

10.9TB

22TB

44TB

予約済容量(標準冗長性)

1.1TB

1.1TB

1.1TB

合計使用可能(標準(双方向ミラー化) Oracle ASM冗長性)

4.9TB

10.5TB

21.5TB

DATAディスク・グループ(標準冗長性)、外部バックアップ(80%使用可能)

3.9TB

8.4TB

17.2TB

RECOディスク・グループ(標準冗長性)、外部バックアップ(20%使用可能)

1.0TB

2.1TB

4.3TB

DATAディスク・グループ(標準冗長性)、内部バックアップ(40%使用可能)

2.0TB

4.2TB

8.6TB

RECOディスク・グループ(標準冗長性)、内部バックアップ(60%使用可能)

2.9TB

6.3TB

12.9TB

予約済容量(高冗長性)

2.2TB

2.2TB

2.2TB

合計使用可能(高(3方向ミラー化) Oracle ASM冗長性)

2.9TB

6.6TB

13.9TB

DATAディスク・グループ(高冗長性)、外部バックアップ(80%使用可能)

2.3TB

5.3TB

11.1TB

RECOディスク・グループ(高冗長性)、外部バックアップ(20%使用可能)

0.6TB

1.3TB

2.8TB

DATAディスク・グループ(高冗長性)、内部バックアップ(40%使用可能)

1.2TB

2.6TB

5.6TB

RECOディスク・グループ(10%使用可能)

1.7TB

4.0TB

8.3TB

予約済容量の値は、ディスク障害が生じた場合に完全冗長性を維持するのに必要なストレージ容量です。

REDOディスク・グループは、800GBのrawソリッドステート・ドライブつまり0.8TBの合計使用可能容量を使用します。REDOディスク・グループは、データベースredoログのために約0.3TBの使用可能領域が確保される高冗長性を使用します。

注意:

非CDBデータベースの場合、REDOディスク・グループには、50%の空きディスク容量があります。

CDBデータベースの場合、Oracle ACFSマウント・ポイントは、テンプレート・ログ・ファイル・サイズに基づいてCDBデータベースごとに作成されます。これが単一インスタンス(SI)データベースの場合は、3倍します。Oracle RACデータベースの場合は、4倍します。

Oracle ASM計算

Oracle ASMが使用可能空き領域を計算する際に、ディスク障害に備えて予約する領域の量が決定されます。Oracle ASMまたはOracle Database Applianceコマンドによる問合せを実行して使用可能なストレージ容量を表示すると、usable_File_MB値に負の数が返されることがあります。

表B-3 Oracle ASM計算

ドライブの数 冗長性 Total_MB Free_MB Req_mir_free_MB Usable_file_MB 名前

2

NORMAL

4894016

4893372

2441888

1220644

DATA/

4

NORMAL

1231176

1230996

610468

305150

RECO/

注意:

注意: 1TB = MB/10242

次の表は、Oracle ASMおよびOracle Database Applianceの容量に関する用語がどのように定義されるかを示しています。

表B-4 用語の定義

用語 Oracle ASMの定義 Oracle Database Applianceの定義
Total_MB

ディスク・グループのサイズ(MB)

合計使用可能ストレージ。たとえば、2つのNVMeドライブの場合、合計使用可能ストレージは5.8TBです。

Free_MB

冗長性考慮なしの、ディスク・グループの空き容量(MB)。

Oracle ASMディスク・グループにフォーマット後の合計使用可能ストレージ。たとえば、2つのNVMeドライブの場合、合計使用可能ストレージは5.8TBです。

Req_mir_free_MB

ディスク・グループにおいて許容される最悪の障害の後に完全冗長性を復元するためにディスク・グループで必要となる容量。

完全冗長性を復元するために必要な使用可能容量。usable_file_MB値より多くのストレージが消費されている場合、この数は負の値となります。

Usable_file_MB

新しいファイルのために使用可能な、ミラーリング用に調整された空き容量。

ミラーリング・レベルを考慮に入れた合計使用可能容量。Oracle ASMも必要な容量を計算します。

Oracle ACFS領域管理

Oracle ACFSファイル・システムは、Oracle Database Applianceでのデータベースの作成時に自動的に作成されます。

データベース・ストレージにOracle ACFSを使用すると、次のものが作成されます。

  • 各データベースに+DATAディスクグループから100G ACFSが作成されます。このOracle ACFSは必要に応じて領域を自動的に拡張します。

  • +RECOディスクグループの25%で共通のOracle ACFSが自動拡張付きで作成されます。このファイル・システムは、すべてのデータベースに対する高速リカバリ領域およびRedoログに使用されます。

Oracle ACFSファイル・システムが作成されると、当初はアプライアンス内のすべての記憶域が消費されるわけではありません。追加のリポジトリのために、または場合によってはOracle ASMに直接格納されるデータベース・ファイルのために領域を残しています。次の例に示すように、オペレーティング・システム・コマンドdf -kを実行して、ファイル・システム内の使用可能な記憶領域を確認できます。

# df -k 
Filesystem                            1K-blocks   Used         Available  Use%   Mounted on 
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolRoot    30963708    14203568     15187276   49%     / 
tmpfs                                 65952292      647800     65304492    1%     /dev/shm 
/dev/sda1                               495844       43872       426372   10%     /boot 
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolOpt     61927420    18594420     40187272   32%     /opt 
/dev/mapper/VolGroupSys-LogVolU01    103212320    49621560     48347880   51%     /u01 
/dev/asm/reco-62                      76546048     1469676     75076372    2%     /u03/app/oracle
/dev/asm/datrdb2-268                 104857600     3872368    100985232    4%     /u02/app/oracle/oradata/rdb2
/dev/asm/datndb11-268                104857600      247160    104610440    1%     /u02/app/oracle/oradata/ndb11
/dev/asm/datndb12-268                104857600      247160    104610440    1%     /u02/app/oracle/oradata/ndb12