Oracle® Database Appliance X6-2-HAデプロイメントおよびユーザーズ・ガイド リリース12.1.2.9.0 for Linux x86-64 E85928-01 |
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Oracle Database Applianceで最新ソフトウェアの動作を継続するには、Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを確認し、リリースされている場合は適用します。
内容は次のとおりです。
Oracle Database Applianceのすべてのパッチ適用は、四半期ごとのOracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用して行われます。
パッチ・バンドルは、次に示すシステム全体に関連するすべてのパッチを提供します。
BIOS
ハードウェア・ドライバ、ハードウェア管理パック(HWM)、および様々なコンポーネントのファームウェア・ドライバ
Oracle Appliance Manager
Oracle Linux
Oracle VM
Java Development Kit (JDK)
Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)
Oracle Databaseパッチセット更新(PSU)
Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)
Oracle Grid Infrastructure
Intelligent Platform Management Interface (IPMI)
パッチ・バンドルは、次の3つのパッチの論理グループから構成されます。
表6-1 パッチ・コンポーネントと目的
パッチ・コンポーネント | パッチが適用されるオブジェクト |
---|---|
SERVER ( |
サーバー・コンポーネント: Linuxオペレーティング・システム、Oracle ILOM、BIOS、ハードウェア管理パック、IPMI、OAKCLI、Oracle ASR。仮想化されたプラットフォームでは、このコンポーネントには |
STORAGE ( |
共有ストレージ: ディスク・ファームウェア、コントローラ・ファームウェア。 |
DB ( |
OracleデータベースRDBMSスタック。 |
注意:
パッチ・バンドル・コンポーネントは、次の順序で適用する必要があります。
SERVER (server
)
STORAGE (storage
)
DB (database
)
既存のOracle Database Applianceにパッチを適用して最新バージョンにする方法を理解します。
Oracle Database Applianceで最新ソフトウェアの動作を継続するには、Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを確認し、リリースされている場合は適用します。新機能を提供するだけでなく、パッチは、既存の機能の機能性を向上させます。
Oracle Database Applianceのパッチ・バンドルは、四半期ごとにリリースされます。My Oracle Supportのノート888888.1には、最新のOracle Database Applianceパッチ・バンドルに関する情報が記載されています。
注意:
Oracle Grid Infrastructure、Oracle DatabaseまたはOracle Linuxの個別パッチを使用して、Oracle Database Applianceにパッチを適用しないでください。また、ファームウェアのパッチなど、各インフラストラクチャのパッチも使用しないでください。Oracle Database Applianceのパッチのみを使用してください。
Oracle Database Applianceを対象としていないパッチを使用した場合、あるいはOpatchまたは同等のパッチ適用ツールを使用した場合は、Oracle Database Applianceインベントリが更新されず、その後のパッチ更新を実行できません。
パッチ・アップグレードを適用する手順の概要
ステップ1: My Oracle SupportからのOracle Database Applianceパッチ・バンドルのダウンロード
Oracle Database Applianceパッチ・セット・バンドルをダウンロードします。
ステップ2: パッチ・バンドルのコピーおよび解凍
サーバーにパッチをコピーして、oakcli unpack -package
コマンドを使用してパッチ・バンドルを解凍します。
ステップ3: パッチの適用が必要なコンポーネントの検証
validate
コマンドを使用してシステムを検証します。oakcli validate -c ospatch -ver patch version
ステップ4: サーバーへのパッチの適用
oakcli update
コマンドを使用してサーバーを最新バージョンにアップグレードします。
oakcli update -patch patch version --server --local
手順 5: 共有ストレージにパッチを適用する(オプション)
共有ストレージへの即時のパッチ適用や、保守作業期間中の共有ストレージへのパッチ適用をします。
ステップ6: Oracle Databaseへのパッチの適用
Oracle Database Appliance パッチ・セットを適用して、ノード0とノード1のOracle Databaseを更新します。
手順 7: パッチ更新の検証
oakcli show version -detail
コマンドを実行して、Oracle Database Applianceパッチ・インストールのすべてのコンポーネントが更新されたことを確認します。
これらのトピックを確認して、のパッチ・セット・バンドルのインストールを準備し実行します。
内容は次のとおりです。
oakcli unpack -package
を使用してパッチ・バンドルを解凍します。oakcli
を使用して、パッチのアップグレードを開始する前に問題がないか確認します。 oakcli
)を使用して、サーバーにパッチを適用します。自動的なパッチ適用、または手動でのパッチ適用を使用できます。 oakcli show version -detail
を実行して、Oracle Database Applianceパッチ・インストールのすべてのコンポーネントが更新されていることを確認します。 Oracle Database Applianceにパッチを適用する方法を決定します。パッチ・セット・バンドル12.1.2.9.0では、2つのオプションを選択できます。
Oracle Database Applianceに対するパッチ適用では、自動的なローリングのパッチ適用、または手動でのローリングのパッチ適用のいずれかを使用できます。各手順を確認し、使用するオプションを決定します。各オプションで、serverパッチ(手順4)を除いて手順は同じです。
両方のオプションで、storageパッチ更新の実行後、storageパッチはOracle Database Applianceシステムの再起動を必要とします。ただし、更新を保守作業期間まで遅延できます。
注意:
ストレージにパッチを適用する前に、サーバーにパッチを適用する必要があります。最新のOracle Database Applianceパッチ・バンドルに関する情報は、My Oracle Supportのノート888888.1を参照してください。
自動的なローリングのパッチ適用のオプション
自動的なローリングのパッチ適用のメリットは、実行が簡単であり、パッチを開始するとパッチ・プロセスが自動的に実行される点です。ただし、ノードの再起動中、サービスやクライアントで遅延が発生することがあります。
自動的なローリングのパッチ適用は、次の手順で構成されます。
My Oracle SupportからOracle Database Applianceパッチ・バンドルをダウンロードします。
パッチ・バンドルをOracle Database Applianceにコピーして解凍します。
パッチの適用が必要なコンポーネントを検証します。
サーバーにパッチを適用します。
(オプション)共有ストレージ・コンポーネントにパッチを適用します。このパッチはシステムの再起動が必要ですが、通常は再起動を遅延できます。
Oracle Databaseにパッチを適用します。再起動は必要ありません。
Oracle DatabaseとOracle Grid Infrastructureのパッチのインストールを検証します。
手動でのローリングのパッチ適用のオプション
手動でのローリングのパッチ適用のメリットは、まずサービスとクライアントをあるノードから別のノードに移行してからノードを再起動し、その後2番目のノードに手動でパッチを提供できるという点です。この移行は、フェイルオーバーよりも他への影響が少なく、継続的なトランザクションの中断を最小限に抑えることができます。
手動でのローリングのパッチ適用は、次の手順で構成されます。
My Oracle SupportからOracle Database Applianceパッチ・バンドルをダウンロードします。
パッチ・バンドルを両方のOracle Database Applianceノードにコピーして解凍します。
パッチの適用が必要なコンポーネントを検証します。
サーバーにパッチを適用します。2つの手順のプロセスで、パッチを手動で実行します。
ノード0にログインし、oakcli
パッチ・コマンドに--local
オプションを使用して実行し、ノード0のサーバーにパッチを適用します。
パッチ操作が完了するまで待つと、ノード0が利用できるようになります。
ノード1にログインし、oakcli
パッチ・コマンドに--local
オプションを使用して実行し、ノード1のサーバーにパッチを適用します。
(オプション)共有ストレージにパッチを適用します。このパッチはシステムの再起動が必要ですが、通常は再起動を遅延できます。
Oracle Databaseにパッチを適用します。再起動は必要ありません。
Oracle DatabaseとOracle Grid Infrastructureのパッチのインストールを検証します。
次の手順を使用して、Oracle Database Applianceパッチ・セット・バンドルをダウンロードします。
注意:
Oracle Database Applianceパッチ・バンドルのみ、またはSAPのお客様の場合はSAPサービス・マーケットプレイスからダウンロードしたSAPパッチ・バンドルのみを使用します。Oracle Grid Infrastructure、Oracle DatabaseまたはOracle Linuxの個別パッチを使用して、Oracle Database Applianceにパッチを適用しないでください。また、ファームウェアのパッチなど、各インフラストラクチャのパッチも使用しないでください。Oracle Database Applianceのパッチのみを使用してください。
Oracle Database Applianceを対象としていないパッチを使用した場合、あるいはOpatchまたは同等のパッチ適用ツールを使用した場合は、Oracle Database Applianceインベントリが更新されず、その後のパッチ更新を実行できません。
サーバーにパッチをコピーして、oakcli unpack -package
を使用してパッチ・バンドルを解凍します。
Oracle Database Applianceシステムで、root
としてログインし、パッチ・バンドルをパス/tmp
にコピーします。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで、root
としてログインし、パッチ・バンドルをODA_BASE (Dom1
)にコピーします。
パッチを必要な場所にコピーしてから、oakcli unpack -package
コマンドを実行します。このコマンドにより、パッチ・バンドルが抽出(unzip)され、パッチ・リポジトリにパッチ・バンドルの内容がコピーされます。パッチ・バンドル・ファイルの完全なパスを指定するには、次の構文を使用します(path
は、パッチ・ファイルの絶対パスです)。
# oakcli unpack -package absolute_package_name
注意:
このタスクを実行するには、Oracle Database Applianceへのroot
アクセスが必要です。
oakcli
を使用して、パッチのアップグレードを開始する前に問題がないか確認します。
パッチをインストールする前に、ノード0でoakcli validate
コマンドを使用して、依存関係の欠落やパッチのインストールで問題が発生する可能性のある競合など、使用環境で発生する可能性のある問題がないか確認します。競合は、標準の構成をカスタマイズする場合に発生する可能性があります。oakcli validate
コマンドは、パッチ適用を必要とするコンポーネントをリストするレポートを表示します。-ver
フラグを使用して示すサポートされるバージョンに対して、コンポーネントがUp-to-dateとして一覧に表示される場合、そのコンポーネントはパッチを適用する必要がありません。
次の構文を使用してoakcli validate
コマンドを実行し、システムを検証します。ここで、patch_version
はシステムを検証するパッチのバージョンです。
oakcli validate -c ospatch -ver patch_version
例6-1 Oracle Database Applianceパッチ・セットの準備状況の検証
パッチ・バンドルをインストールする前に、次のコマンドを使用して、システムに問題がないか確認します。
パッチ・セットに対してパッチの検証チェックを実行します。
# oakcli validate -c ospatch -ver patch version
これらのコマンドの出力により、パッチを環境にインストールできるかどうかが通知されます。コマンドからの出力に(サーバーに欠落したRPM依存があるなどの)問題があることが示されている場合は、問題を解決して、oakcli validate
をもう一度実行します。
注意:
これらのコマンドは、ローカル・ノードでのみ実行されます。Oracle Database Applianceの両方のノードを確認するには、両方のノードでコマンドを実行します。
Oracle Appliance Manager (oakcli
)を使用して、サーバーにパッチを適用します。自動的なパッチ適用、または手動でのパッチ適用を使用できます。
サーバーにパッチを適用するには、自動的なパッチ適用の手順を選択するか、手動でのパッチ適用の手順を選択します。
My Oracle SupportからOracle Database Applianceパッチ・バンドルをダウンロードする必要があります。直接ダウンロードするか、USBメモリーにダウンロードし、それを使用してサーバー・ノードにファイルをコピーします。
自動的なサーバー・パッチ手順
サーバーの自動的なパッチ適用プロセスは、ノード1にパッチを適用したら自動的にノード0にパッチを適用するローリング・アップグレードです。この自動的な手順により、パッチ適用中もOracle Grid Infrastructureがノードのいずれかで動作し続けることができます。
My Oracle Supportからノード0にOracle Database Applianceパッチ・バンドルをダウンロードします。
rootユーザーとしてノード0にログインします。
コマンドoakcli update -patch version --server
を実行します。ここで、version
はパッチ・セット・バンドルのバージョンです。
次に例を示します。
#/opt/oracle/oak/bin/oakcli update -patch 12.1.2.9.0 --server
このコマンドは、ノード1のサーバーにパッチを適用します。このパッチ更新が完了したら、自動的にノード0にパッチを適用します。
パッチ・ステータス・レポートを確認します。
パッチの実行に合わせて、インストールの進捗状況を示す出力が表示されます。サーバーのパッチ更新の一部として、ノード1を再起動し、その後ノード0を再起動する必要があります。ノード0が停止して再起動を完了するまで待ってから、次の手順に進みます。
手動でのサーバー・パッチ手順
手動でのサーバー・パッチ手順では、ノードにログインし、ローカル・ノードのサーバー・パッチ更新を使用してOracle Appliance Manager (oakcli)を実行する必要があります。最初のノードでパッチ手順を実行した後で、2番目のノードにログインしてパッチを適用します。
My Oracle Supportからノード0にOracle Database Applianceパッチ・バンドルをダウンロードします。
rootユーザーとしてノード0にログインします。
Oracle Appliance Managerのコマンドoakcli update -patch version --server --local
を実行します。ここで、version
はパッチ・セット・バンドルのバージョンです。
次に例を示します。
#/opt/oracle/oak/bin/oakcli update -patch 12.1.2.9.0 --server --local
Oracle Appliance Managerコマンドは、ノード0でパッチを実行します。パッチの実行に合わせて、インストールの進捗状況を示す出力が表示されます。
Oracle Appliance Managerにより、ノードの再起動を求めるプロンプトが表示されます。ノードを再起動し、ノード0が停止して再起動を完了するまで待ってから、次の手順に進みます。
ノード0からログアウトし、rootユーザーとしてノード1にログインします。
--local
フラグを使用して、Oracle Appliance Managerをノード1で実行し、サーバーにパッチを適用します。
次に例を示します。
#/opt/oracle/oak/bin/oakcli update -patch 12.1.2.9.0 --server --local
Oracle Appliance Managerにより、ノードの再起動を求めるプロンプトが表示されます。ノードを再起動し、ノード0が停止して再起動を完了するまで待ちます。
両方のサーバーにパッチが適用されて再起動したら、次の手順に進みます。
この手順を使用して、共有ストレージへの即時のパッチ適用や、保守作業期間中の共有ストレージへのパッチ適用をします。
ストレージのパッチ適用は、共有コンポーネントへのパッチの適用時に、停止時間が必要になります。障害が発生する場合、同じコマンドを再発行してパッチ適用プロセスを再起動できます。
ストレージのパッチ適用コマンドは、1つのノード(ノード0)でのみ起動します。このコマンドは、同時に両方のノードのストレージにパッチを適用します。
ストレージのパッチが実行され、両方のノードに自動的にインストールされます。インストールの進捗状況は、パッチ・プロセスによって表示された出力を見るとわかります。この手順を順番で実行している場合は、パッチが完了するまで待ってから、次の手順に進みます。
Oracle Database Applianceには、工場出荷時にデフォルトのISOイメージがプリインストールされています。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを使用するには、Oracle Database Applianceを再イメージ化する必要があります。
My Oracle Supportノート888888.1に移動します。
https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1
必要なISOイメージをダウンロードします。
インストールの詳細は、readme
ファイルを参照してください。