Oracle® Database Appliance X6-2S/X6-2M/X6-2Lデプロイメントおよびユーザーズ・ガイド リリース12.1.2.9.0 for Linux x86-64 E85929-01 |
|
![]() 前 |
![]() 次 |
Oracle Database ApplianceでOracle Databaseを管理します。
内容は次のとおりです。
Oracle Database Appliance Webコンソールのデプロイメントによって、オペレーティング・システム・グループおよびユーザーが作成され、そのメンバーにアプライアンスでのシステム管理権限が付与されます。
構成時に、2つの管理アカウントがOracle Database Applianceのために作成されます。それらは、ユーザーID (UID)が1001のgrid
ユーザー、およびUIDが1000のoracle
ユーザーです。ユーザーgrid
は、Oracle Grid Infrastructureのインストール所有者です。ユーザーoracle
はOracle Databaseのインストール所有者であり、すべてのOracle Databaseホーム(Oracleホーム)の所有者です。デフォルトで、これらのユーザーは、そのメンバーにOracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Managementを起動および管理する権限が付与されるオペレーティング・システム・グループのメンバーです。
次の表に、Oracleシステムの権限グループ、およびオペレーティング・システムの認証グループに関する情報を示します。
表7-1 Oracle Database Appliance上のオペレーティング・システムのグループおよびユーザー
Oracleシステムの権限 | グループ名 | グループID (GID) | gridはメンバーである | oracleはメンバーである |
---|---|---|---|---|
Oracleインベントリ・グループ(OINSTALL) |
|
1001 |
はい(主グループ) |
はい(主グループ) |
dbaoperグループ用のOSOPER |
|
1002 |
はい |
はい |
OSDBAグループ |
|
1003 |
いいえ |
はい |
Oracle ASMのOSASMグループ |
|
1004 |
はい |
いいえ |
ASMグループのOSOPER |
|
1005 |
はい |
いいえ |
ASMグループのOSDBA |
|
1006 |
はい |
はい |
デプロイメント中に初期データベースを作成する場合、SYS
およびSYSTEM
ユーザーのパスワードは、Webコンソールで設定したマスター・パスワードです。構成後に両方のユーザーのこのパスワードを速やかに変更し、これらの特権アカウントを使用したデータベースへの不正アクセスを防止します。
関連項目:
『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』Oracle Database Applianceは、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールの使用をサポートします。
既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたはデータを移行する場合は、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールを使用できます。このようなツールには、次のものがあります。
Oracle GoldenGate
SQL*Loader
Oracle Data Pump
トランスポータブル表領域
RMAN
また、RMANユーティリティはOracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリする場合にも使用できます。
関連項目:
Oracle Databaseユーティリティ
『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』
Webコンソールを使用してデータベースのリストとデータベースの詳細を表示したり、データベースを作成および削除します。
内容は次のとおりです。
Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Databaseやデータベースの詳細を表示し、Oracle Database Applianceでデータベースを削除します。
Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Database Applianceにデータベースを作成します。
注意:
同じアプライアンスにOracle Database Standard EditionとEnterprise Editionのデータベースは混在できません。Oracle Database Applianceのデプロイ中に選択したデータベース・エディションによって、アプライアンスで作成するデータベース・エディションが決まります。エディションを変更するには、Oracle Database Applianceを再デプロイする必要があります。Oracle Database 12.1は、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)およびOracle ASM Cluster File System (ACFS)の両方でサポートされています。Oracle Database 11.2はOracle ACFSでのみサポートされています。Oracle ACFSで複数のデータベースが作成される場合、各データベースは、データファイルごとに独自のOracle ACFSファイル・システムで構成され、/u02/app/db user/oradata/db unique name
のネーミング規則が使用されます。このマウント・ポイントのデフォルト・サイズは100 GBです。
Webコンソールを使用してデータベース・ホームのリストと詳細を表示したり、データベース・ホームを作成および削除します。
内容は次のとおりです。
Oracle Database Applianceで1つ以上のOracleホーム・ディレクトリとOracleデータベースを作成および管理します。
Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。Oracle Database Applianceは、Oracle Databaseホームの様々なリリースを含む、複数のOracleホームをサポートします。特定のOracleホームに複数のOracleデータベースを作成できます。Oracle Appliance ManagerのODACLIコマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のOracleホームおよびデータベースを作成および管理します。Oracle Database Appliance Managerでは、OracleのOptimal Flexible Architecture (OFA)標準に準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。
Oracle Database Applianceプラットフォームに対してサポートされている特定のOracleソフトウェア・リリースに関する情報を取得するには、関連するReadmeファイルまたはリリース・ノートを確認してください。サポートされているリリースの情報は、My Oracle Supportノート888888.1を参照してください。
ODACLIコマンドを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracleホーム・クローニング・プロセスが開始されます。Oracle Database Applianceデプロイメントにおいて、ユーザーoracle
はデフォルトのソフトウェア・インストール所有者です。
注意:
前のリリースからアップグレードしない場合は、インストール対象のOracle Databaseバージョンに対するOracle Database Applianceエンドユーザー・バンドルをダウンロードしてください。詳細は、My Oracle Supportノート888888.1と2144642.1を参照してください。
Webコンソールまたはコマンドライン・インタフェースを使用してデータベースを作成および管理できます。
Oracle Database Applianceでデータベースを作成、リスト、詳細表示および削除するには、ODACLIコマンドを使用します。odacli create-database
コマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを実行すると、新規のデータベース・ホーム(ORACLE_HOME)が作成されます。--dbhomeid
オプションを使用して、既存のホームにデータベースを作成できます。dbhomeidを検索するには、odacli list-dbhomes
コマンドを使用します。
または、Webコンソールを使用してデータベースとデータベース・ホームのリストを作成し、それらを記述および削除することもできます。データベース・ホームの名前、ID、バージョン、データベース・ホームが作成された日時および場所を含むすべてのデータベース・ホームのリストを同じページに表示できます。「Delete」をクリックしてデータベース名を削除します。「Create Database Home」をクリックして、新しいデータベース・ホームを作成します。
注意:
Oracle DatabaseパッチをOracle Database Appliance上のOracle Databasesに直接適用しないでください。ソフトウェア・スタック全体での動作がテストされたOracle Database Applianceパッチ・バンドルのみを使用してください。1回かぎりのデータベース・パッチが必要な場合は、Oracleホームに適用できます。Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを適用すると、将来のパッチ適用イベント時の競合の原因となり、ロールバックして再適用する必要がある場合があります。
Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用してデータベース・ホームとデータベース・ホームの詳細を表示したり、Oracle Database Applianceでデータベース・ホームを削除します。
Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Database Applianceにデータベース・ホームを作成します。
次のトピックを参照して、データベースを準備してデータベース全体をOracle Database Applianceに移行する方法について学習します。
内容は次のとおりです。
RMAN Duplicate
コマンドを使用して、データベース全体をアプライアンスに移行します。 odacli register-database
コマンドを使用して、移行したデータベースをアプライアンスに登録します。RMAN duplicateコマンドを使用して、アクティブなコンテナ・データベース(CDB)または非CDBデータベース全体をOracle Database Appliance X6-2S、X6-2MまたはX6-2Lマシンに移行できます。
RMAN Duplicateを使用する場合は、ソース・ターゲットとターゲット・データベースからのネットワーク接続があることを確認してください。
ソース・データ: 移行する既存のデータベース。
ターゲット・データベース: X6-2S、X6-2MまたはX6-2Lで作成された新規データベース。
ソース環境とターゲット環境の間にネットワーク接続がない場合、オフラインの移行方法を使用できます。オフラインの移行では複製にRMANバックアップ・セットを使用している場合があります。この方法ではプライマリ・データベースへの接続は不要です。
この手順ではおおまかに次のステップが含まれます。
Oracle Database Appliance X6-2S、X6-MまたはX6-2Lをバージョン12.1.2.9.0にデプロイまたは更新します。
プロビジョニングが正常に完了したことを確認します。odacli list-jobs
およびodacli describe-job
コマンドを使用して、ステータスを確認します。
コマンドライン・インタフェースからインスタンスのみのデータベースを作成します。
Oracle Database Appliance X6-2S、X6-MまたはX6-2Lマシンでinstanceonly
を指定したodacli create-database
コマンドを使用します。新しいデータベースはターゲット・データベースです。
インスタンスのみのデータベースを作成すると、以下も作成されます。
データベース・ファイルの格納に使用されるACFSファイルシステム
データベース・インスタンス/rman duplicateコマンドに必要なディレクトリ構造
SYSユーザー用のパスワード・ファイル
静的リスナーを構成します。
バックアップと復元操作を使用して既存のデータベースをターゲット・データベースに移行します。
移行したデータベースをアプライアンスに登録します。
コマンドライン・インタフェースからインスタンスのみのデータベースを作成します。
注意:
初期データベースを作成せずにアプライアンスをプロビジョニングした場合は、新しいOracleホームを作成する必要があります。データベース・ホームのバージョンが移行したデータベースと異なる場合は、移行したデータベース用の新しいデータベース・ホームを作成します。移行したデータベース専用のデータベース・ホームを作成する場合があります。この例では、データベース・バージョンが12.1.0.2.160719で、新しいデータベース・ホームを使用するPRODDB
という名前のインスタンスのみのデータベースを作成します。
データベースを複製する前に静的リスナーを構成します。
静的リスナーは、RMAN Duplicateコマンドを使用する場合にのみ必要です。
次の手順を実行してlistener.ora
ファイルを手動で構成します。
RMAN Duplicate
コマンドを使用して、データベース全体をアプライアンスに移行します。
最新バージョン12.1.2.9.0を使用するOracle Database Appliance X6-2S、X6-2MまたはX6-2L。
odacli list-jobs
およびodacli describe-job
コマンドを使用して、ステータスを確認します。
ソース・データベースと宛先データベース間にネットワーク接続が存在するか確認する。
odacli register-database
コマンドを使用して、移行したデータベースをアプライアンスに登録します。
dbclass
、dbshape
、servicename
およびパスワードは、データベースを登録する際に必須です。dbclass
およびdbshape
で、sga_target
およびpga_target
の設定が決まります。データベースinit.ora
パラメータは、odacli register-database
コマンドの一部としてリセットされます。登録後にinit.ora
パラメータで、パラメータが正しく設定されているか確認します。
注意:
スタンバイ・データベースの場合は、odacli register-database
コマンドを実行する前に、スタンバイ・データベースをREAD ONLY
モードで開きます。
インスタンス・ケージングを使用してOracle Database Appliance上でシステム・リソースを管理します。
Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。
インスタンス・ケージングとOracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。
Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。特定のコア数で動作するよう設計されています。インスタンス・ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きいデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。
注意:
Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。
Oracle Database Appliance Managerインタフェースは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照してください。
デフォルトでは、Oracle Database Applianceインスタンス・ケージングは有効ではありません。インスタンス・ケージングを有効にするには、Oracle Database Appliance上の各データベースに初期パラメータRESOURCE_MANAGER_PLAN
を設定します。このパラメータでは、リソース・マネージャが現行のインスタンスに対して使用するプランを指定します。このパラメータを設定すると、リソース・マネージャがデータベース間のコア・リソースを割り当てるようになります。このパラメータでプランが指定されていない場合、リソース・マネージャとインスタンス・ケージングは有効になりません。
各データベースに対して選択したOracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズに従って、コア・リソースのインスタンス・ケージング割当てが有効になります。CPU_COUNT
初期化パラメータは、テンプレートに設定されます。統合する各データベースのサイズと一致するCPU_COUNT
設定を使用して、インスタンス・ケージングを構成するための標準の指示に従います。
関連項目:
『Oracle Database管理者ガイド』
Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)を使用してデータベースを管理できます。
Oracle Enterprise Manager Database Expressは、Oracle Database 12cのWebベースの管理ツールです。Oracle Enterprise Manager Database Expressは、Oracle Database ApplianceにOracle Databaseとともにインストールされます。
Oracle Enterprise Manager Database Expressは、次の機能を提供します。
保管やユーザー管理などの基本管理タスクのサポート
パフォーマンスの診断と調整のための包括的なソリューション
グラフィカル・ユーザー・インタフェースでのパフォーマンス・アドバイザ
SQL*Loader、Oracle Recovery Manager (RMAN)などのグラフィカル・ユーザー・インタフェース用のOracle Databaseユーティリティ