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Oracle® Database Appliance X6-2S/X6-2M/X6-2Lデプロイメントおよびユーザーズ・ガイド
リリース12.1.2.9.0 for Linux x86-64
E85929-01
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7 Oracle Databaseの管理

Oracle Database ApplianceでOracle Databaseを管理します。

内容は次のとおりです。

Oracle Database Applianceの管理グループおよびユーザー

Oracle Database Appliance Webコンソールのデプロイメントによって、オペレーティング・システム・グループおよびユーザーが作成され、そのメンバーにアプライアンスでのシステム管理権限が付与されます。

構成時に、2つの管理アカウントがOracle Database Applianceのために作成されます。それらは、ユーザーID (UID)が1001のgridユーザー、およびUIDが1000のoracleユーザーです。ユーザーgridは、Oracle Grid Infrastructureのインストール所有者です。ユーザーoracleはOracle Databaseのインストール所有者であり、すべてのOracle Databaseホーム(Oracleホーム)の所有者です。デフォルトで、これらのユーザーは、そのメンバーにOracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Managementを起動および管理する権限が付与されるオペレーティング・システム・グループのメンバーです。

次の表に、Oracleシステムの権限グループ、およびオペレーティング・システムの認証グループに関する情報を示します。

表7-1 Oracle Database Appliance上のオペレーティング・システムのグループおよびユーザー

Oracleシステムの権限 グループ名 グループID (GID) gridはメンバーである oracleはメンバーである

Oracleインベントリ・グループ(OINSTALL)

oinstall

1001

はい(主グループ)

はい(主グループ)

dbaoperグループ用のOSOPER

dbaoper

1002

はい

はい

OSDBAグループ

dba

1003

いいえ

はい

Oracle ASMのOSASMグループ

asmadmin

1004

はい

いいえ

ASMグループのOSOPER

asmoper

1005

はい

いいえ

ASMグループのOSDBA

asmdba

1006

はい

はい

デプロイメント中に初期データベースを作成する場合、SYSおよびSYSTEMユーザーのパスワードは、Webコンソールで設定したマスター・パスワードです。構成後に両方のユーザーのこのパスワードを速やかに変更し、これらの特権アカウントを使用したデータベースへの不正アクセスを防止します。

関連項目:

『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

データ移行および管理とOracle Database Appliance

Oracle Database Applianceは、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールの使用をサポートします。

既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたはデータを移行する場合は、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールを使用できます。このようなツールには、次のものがあります。

  • Oracle GoldenGate

  • SQL*Loader

  • Oracle Data Pump

  • トランスポータブル表領域

  • RMAN

また、RMANユーティリティはOracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリする場合にも使用できます。

関連項目:

  • Oracle Databaseユーティリティ

  • 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

データベースの操作

Webコンソールを使用してデータベースのリストとデータベースの詳細を表示したり、データベースを作成および削除します。

内容は次のとおりです。

Webコンソールでのデータベースの表示

Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Databaseやデータベースの詳細を表示し、Oracle Database Applianceでデータベースを削除します。

  1. ブラウザを開いて、次のURLを入力してWebコンソールを起動します。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 次の資格証明を入力します。
    • ユーザー名: oda-admin
    • パスワード: welcome1
  3. 「Database」タブをクリックします。

    図7-1 「Database」ページ

    図7-1の説明が続きます
    「図7-1 「Database」ページ」の説明
  4. データベース・エントリの隣にある「Delete」をクリックしてデータベースを削除します。

Webコンソールを使用したデータベースの作成

Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Database Applianceにデータベースを作成します。

Webコンソールでは、新しいデータベースをすばやく簡単な方法で作成できます。Webコンソールの「Create New Database」ページには、ほとんどの構成オプションのデフォルト・オプションが設定されます。ドロップダウン・リストで使用可能なオプションのリストを迅速に表示し、オプションを選択できます。ドロップダウン・リストを使用して、新しいデータベースのOracle Databaseホーム(ORACLE_HOME)を作成するか、以前に作成した既存のORACLE_HOMEを選択できます。

注意:

同じアプライアンスにOracle Database Standard EditionとEnterprise Editionのデータベースは混在できません。Oracle Database Applianceのデプロイ中に選択したデータベース・エディションによって、アプライアンスで作成するデータベース・エディションが決まります。エディションを変更するには、Oracle Database Applianceを再デプロイする必要があります。

Oracle Database 12.1は、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)およびOracle ASM Cluster File System (ACFS)の両方でサポートされています。Oracle Database 11.2はOracle ACFSでのみサポートされています。Oracle ACFSで複数のデータベースが作成される場合、各データベースは、データファイルごとに独自のOracle ACFSファイル・システムで構成され、/u02/app/db user/oradata/db unique nameのネーミング規則が使用されます。このマウント・ポイントのデフォルト・サイズは100 GBです。

Webコンソールのフィールドは、選択したデータベース・バージョンに応じて調整されます。たとえば、データベース・バージョン11.2.0.4.161018を選択した場合、Oracle ACFSが唯一使用可能なオプションになるため、ストレージ・フィールドはWebコンソールに表示されません。
  1. ブラウザを開いて、次のURLを入力してWebコンソールを起動します。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 次の資格証明を入力します。
    • ユーザー名: oda-admin
    • パスワード: welcome1
  3. 「Database」タブをクリックします。
  4. 「Create Database」をクリックして「Create New Database」ページを表示します。

    この図は、データベース・バージョンが12.1.0.2.161018で、新しいデータベース・ホームを含むhrdbという名前の新しいデータベースを作成するために入力されたフィールドを示しています。データベースはコンテナ・データベースです。プラガブル・データベース(PDB)の名前はpdb1です。「Characterset」、「National Characterset」、「Language」、「Territory」、および「Class」はすべてデフォルト・オプションです。「Shape」は、2つのコアと16 GBのメモリーを持つodb2です。データベースでデフォルトのACFSストレージを使用し、EM Express用には構成されていません。

  5. 「Create New Database」ページに次の情報を入力してデータベースを構成します。
    1. 「DB Name」フィールドにデータベースの名前を入力します。
      名前には英文字を含める必要があり、8文字以内にする必要があります。Oracle Database Appliance X6-2では、Oracleシステム識別子(SID)は常にデータベース名に設定されます。
    2. 「DB Version」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース・バンドルのパッチ番号を選択します。
      使用可能なクローンがある使用可能なデータベース・バージョンがリストに降順に表示されます。リポジトリで使用できないサポートされるバージョンは、リストの下部にライト・グレーで表示されます。リストの検索を実行できます。サポートされるバージョンをリポジトリに追加するには、クローン・ファイルをダウンロードします。
    3. 「DB Home」フィールドで、「Create a new DB Home」を選択するか、ドロップダウン・リストからバージョンを選択します。リストには、以前作成したデータベース・ホームが移入されます。
    4. Oracle Databaseバージョン12の「CDB」オプションで、データベースをコンテナ・データベース(CDB)にするかどうかによって、「Yes」または「No」を選択します。デフォルトは「Yes」です。このオプションはOracle Databaseバージョン11では使用できません。
    5. 「PDB Name」フィールドに、プラガブル・データベース(PDB)の名前を入力します。このフィールドは、Oracle Databaseバージョン11では使用できません。
      英数字とアンダースコア(_)は有効です。名前は英数字で始まり、30文字以内にする必要があります。
    6. 「Characterset」フィールドで、ドロップダウン・リストからオプションを選択します。デフォルト値はAL32UTF8です。
    7. 「National Characterset」フィールドで、ドロップダウン・リストからオプションを選択します。デフォルト値はAL16UTF16です。
    8. 「Language」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース言語を選択します。デフォルト値は「American」です。
    9. 「Territory」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベースの地域または場所を選択します。デフォルト値は「America」です。
    10. 「Class」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース・クラスを選択します。オプションがリストで選択できない場合は、そのオプションはOracle Database Applianceのデータベース・エディションまたは選択したバージョンでサポートされていません。デフォルトはOLTPです。
    11. 「Shape」フィールドで、ドロップダウン・リストからデータベース・シェイプを選択します。シェイプにより、コアの数とデータベースに割り当てられるメモリー量が決まります。デフォルトはodb1 (1コア、8 GBメモリー)です。
    12. 「Storage」フィールドで、ドロップダウン・リストからACFSまたはASMを選択します。デフォルトはOracle ACFSです。Oracle Databaseバージョン11では、Oracle ACFSが唯一のオプションであるため、フィールドはWebコンソールに表示されません。
    13. 「Password」フィールドに、SYSSYSTEMおよびPDB Adminのパスワードを入力します。
      パスワードは英文字で始まり、30文字以内にする必要があります。引用符は使用できません。
    14. 「Confirm Password」フィールドに、確認のためにパスワードをもう一度入力します。
    15. 「Configure EM Express」または「Configure EM Console」オプションで「Yes」または「No」」を選択します。デフォルト値は「No」です。
      「Yes」を選択して、Oracle Database 12.1.0.2用のOracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)コンソール、またはOracle Database 11.2.0.4用のDatabase Controlコンソールを構成します。「Yes」を選択すると、コンソールを使用してデータベースを管理できます。
  6. 「Create」をクリックします。プロンプトが表示された場合は、「Yes」をクリックして、データベースを作成するジョブを開始することを確認します。
ジョブが発行され、ジョブへのリンクを含む確認ページが表示されます。リンクをクリックすると、ジョブの進捗、タスクおよびステータスが表示されます。ジョブ番号をクリックするとタスクが表示されます。
ジョブ確認ページを閉じた後、「Activity」タブをクリックしてジョブの進捗を監視できます。ジョブ番号をクリックすると、タスクおよびステータスの詳細が表示されます。

データベース・ホームの操作

Webコンソールを使用してデータベース・ホームのリストと詳細を表示したり、データベース・ホームを作成および削除します。

内容は次のとおりです。

Oracle Database Applianceでの複数のOracleホームの管理について

Oracle Database Applianceで1つ以上のOracleホーム・ディレクトリとOracleデータベースを作成および管理します。

Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。Oracle Database Applianceは、Oracle Databaseホームの様々なリリースを含む、複数のOracleホームをサポートします。特定のOracleホームに複数のOracleデータベースを作成できます。Oracle Appliance ManagerのODACLIコマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のOracleホームおよびデータベースを作成および管理します。Oracle Database Appliance Managerでは、OracleのOptimal Flexible Architecture (OFA)標準に準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。

Oracle Database Applianceプラットフォームに対してサポートされている特定のOracleソフトウェア・リリースに関する情報を取得するには、関連するReadmeファイルまたはリリース・ノートを確認してください。サポートされているリリースの情報は、My Oracle Supportノート888888.1を参照してください。

ODACLIコマンドを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracleホーム・クローニング・プロセスが開始されます。Oracle Database Applianceデプロイメントにおいて、ユーザーoracleはデフォルトのソフトウェア・インストール所有者です。

注意:

前のリリースからアップグレードしない場合は、インストール対象のOracle Databaseバージョンに対するOracle Database Applianceエンドユーザー・バンドルをダウンロードしてください。詳細は、My Oracle Supportノート888888.1と2144642.1を参照してください。

Webコンソールまたはコマンドライン・インタフェースを使用してデータベースを作成および管理できます。

Oracle Database Applianceでデータベースを作成、リスト、詳細表示および削除するには、ODACLIコマンドを使用します。odacli create-databaseコマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを実行すると、新規のデータベース・ホーム(ORACLE_HOME)が作成されます。--dbhomeidオプションを使用して、既存のホームにデータベースを作成できます。dbhomeidを検索するには、odacli list-dbhomesコマンドを使用します。

または、Webコンソールを使用してデータベースとデータベース・ホームのリストを作成し、それらを記述および削除することもできます。データベース・ホームの名前、ID、バージョン、データベース・ホームが作成された日時および場所を含むすべてのデータベース・ホームのリストを同じページに表示できます。「Delete」をクリックしてデータベース名を削除します。「Create Database Home」をクリックして、新しいデータベース・ホームを作成します。

図7-2 Webコンソールの「Database Home」ページ

図7-2の説明が続きます。
「図7-2 「Database Home」ページ」の説明

注意:

Oracle DatabaseパッチをOracle Database Appliance上のOracle Databasesに直接適用しないでください。ソフトウェア・スタック全体での動作がテストされたOracle Database Applianceパッチ・バンドルのみを使用してください。1回かぎりのデータベース・パッチが必要な場合は、Oracleホームに適用できます。Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを適用すると、将来のパッチ適用イベント時の競合の原因となり、ロールバックして再適用する必要がある場合があります。

Webコンソールのデータベース・ホームの表示

Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用してデータベース・ホームとデータベース・ホームの詳細を表示したり、Oracle Database Applianceでデータベース・ホームを削除します。

  1. ブラウザを開いて、次のURLを入力してWebコンソールを起動します。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 次の資格証明を入力します。
    • ユーザー名: oda-admin
    • パスワード: welcome1
  3. 「Database」タブをクリックします。
  4. 左側のメニューで「Database Home」をクリックします。
  5. 「Create Database Home」をクリックします。
  6. データベース・ホーム・エントリの隣にある「Delete」をクリックしてデータベース・ホームを削除します。

Webコンソールを使用したデータベース・ホームの作成

Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Database Applianceにデータベース・ホームを作成します。

Webコンソールの「Create New Database」ページには、ほとんどの構成オプションのデフォルト・オプションが設定されます。ドロップダウン・リストで使用可能なオプションのリストを迅速に表示し、オプションを選択できます。ドロップダウン・リストを使用して、新しいデータベースのOracle Databaseホーム(ORACLE_HOME)を作成するか、以前に作成した既存のORACLE_HOMEを選択できます。
  1. ブラウザを開いて、次のURLを入力してWebコンソールを起動します。
    https://ip-address:7093/mgmt/index.html
  2. 次の資格証明を入力します。
    • ユーザー名: oda-admin
    • パスワード: welcome1
  3. 「Database」タブをクリックします。
  4. 左側のメニューで「Database Home」をクリックします。
  5. 「Create Database Home」をクリックします。

    図7-4 データベース・ホーム

    図7-4の説明が続きます。
    「図7-4 Database Home」の説明
  6. 使用可能なバージョンからデータベース・バージョンを選択します。

    図7-5 Create New Database Home

    図7-5の説明が続きます。
    「図7-5 Create New Database Home」の説明
  7. 「Create」をクリックします。プロンプトが表示された場合は、「Yes」をクリックして、ジョブを開始することを確認します。

データベースの移行

次のトピックを参照して、データベースを準備してデータベース全体をOracle Database Applianceに移行する方法について学習します。

内容は次のとおりです。

データベースの移行について

RMAN duplicateコマンドを使用して、アクティブなコンテナ・データベース(CDB)または非CDBデータベース全体をOracle Database Appliance X6-2S、X6-2MまたはX6-2Lマシンに移行できます。

RMAN Duplicateを使用する場合は、ソース・ターゲットとターゲット・データベースからのネットワーク接続があることを確認してください。

  • ソース・データ: 移行する既存のデータベース。

  • ターゲット・データベース: X6-2S、X6-2MまたはX6-2Lで作成された新規データベース。

ソース環境とターゲット環境の間にネットワーク接続がない場合、オフラインの移行方法を使用できます。オフラインの移行では複製にRMANバックアップ・セットを使用している場合があります。この方法ではプライマリ・データベースへの接続は不要です。

この手順ではおおまかに次のステップが含まれます。

  1. Oracle Database Appliance X6-2S、X6-MまたはX6-2Lをバージョン12.1.2.9.0にデプロイまたは更新します。

    プロビジョニングが正常に完了したことを確認します。odacli list-jobsおよびodacli describe-jobコマンドを使用して、ステータスを確認します。

  2. コマンドライン・インタフェースからインスタンスのみのデータベースを作成します。

    Oracle Database Appliance X6-2S、X6-MまたはX6-2Lマシンでinstanceonlyを指定したodacli create-databaseコマンドを使用します。新しいデータベースはターゲット・データベースです。

    インスタンスのみのデータベースを作成すると、以下も作成されます。

    • データベース・ファイルの格納に使用されるACFSファイルシステム

    • データベース・インスタンス/rman duplicateコマンドに必要なディレクトリ構造

    • SYSユーザー用のパスワード・ファイル

  3. 静的リスナーを構成します。

  4. バックアップと復元操作を使用して既存のデータベースをターゲット・データベースに移行します。

  5. 移行したデータベースをアプライアンスに登録します。

インスタンスのみのデータベースの作成

コマンドライン・インタフェースからインスタンスのみのデータベースを作成します。

注意:

初期データベースを作成せずにアプライアンスをプロビジョニングした場合は、新しいOracleホームを作成する必要があります。データベース・ホームのバージョンが移行したデータベースと異なる場合は、移行したデータベース用の新しいデータベース・ホームを作成します。移行したデータベース専用のデータベース・ホームを作成する場合があります。

この例では、データベース・バージョンが12.1.0.2.160719で、新しいデータベース・ホームを使用するPRODDBという名前のインスタンスのみのデータベースを作成します。

  1. データベース・ホームのリストを表示して、データベース・バージョンに対応するデータベース・ホームが存在するか確認します。
    既存のデータベース・ホームを使用する場合、または詳細が必要な場合はIDを確認します。describe-dbhomesコマンドを使用して、特定のデータベース・ホームの詳細を確認します。
    # odacli list-dbhomes
    ID                                   Name               DB Version  
    ------------------------------------ -----------------  ----------  
    b727bf80-c99e-4846-ac1f-28a81a725df6 OraDB12102_home1  12.1.0.2 
        
    (continued)
    Home Location
    -----------------------------------------
    /u01/app/orauser/product/12.1.0.2/dbhome_1
  2. データベース・バージョンに対応するデータベース・ホームが存在しない場合は、データベース・ホームを作成します。
    移行したデータベース専用のデータベース・ホームを作成する場合は、create-dbhomeコマンドを使用するか、データベースを作成するときにデータベース・ホームを作成できます。この例では、データベース・バージョン12.1.0.2のデータベース・ホームを作成します。
    # odacli  create-dbhome -v 12.1.0.2
  3. インスタンスのみのデータベースを作成します。既存のデータベース・ホームIDを使用するか、データベースの作成時にデータベース・ホームを作成できます。

    既存のデータベース・ホームを使用する、IDがb727bf80-c99e-4846-ac1f-28a81a725df6で、データベース・バージョンが12.1.0.2PRODDBという名前のインスタンスのみのデータベースを作成するには、次の手順を実行します。

    #odacli create-database -n PRODDB -v 12.1.0.2 -io -m -dh b727bf80-c99e-4846-ac1f-28a81a725df6

    データベース・バージョンが12.1.0.2でデータベース・ホームがあるPRODDBという名前のインスタンスのみのデータベースを作成するには、次の手順を実行します。

    #odacli create-database -n PRODDB -v 12.1.0.2 -io -m

静的リスナーの構成

データベースを複製する前に静的リスナーを構成します。

静的リスナーは、RMAN Duplicateコマンドを使用する場合にのみ必要です。

次の手順を実行してlistener.oraファイルを手動で構成します。

  1. gridユーザーとしてログインします。
  2. /u01/app/12.1.0.2/grid/network/admin/ディレクトリに移動します。
  3. デフォルトのlistener.oraファイルを編集し、静的データベース・エントリを追加します。
    SID_LIST_LISTENER=
       (SID_LIST=
          (SID_DESC=
             (GLOBAL_DBNAME=db_unique_name with domain)
             (ORACLE_HOME=db home)
             (SID_NAME=db unique name)
              (ENVS="TNS_ADMIN=database home/network/admin"))
     )

    たとえば、次のファイルはexample.comドメインのPRODDBという名前の12.1.0.2データベース用に編集されています。

    SID_LIST_LISTENER=
     (SID_LIST=
        (SID_DESC=
          (GLOBAL_DBNAME=PRODDB.example.com)
           (ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_2)
           (SID_NAME=PRODDB)
                (ENVS="TNS_ADMIN=/u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_2/network/admin"))
     )
  4. ファイルを保存します。
  5. リスナーを再起動します。
    srvctl stop listener -l listener
    srvctl start listener -l listener

データベースの移行

RMAN Duplicateコマンドを使用して、データベース全体をアプライアンスに移行します。

データベースを移行する前に、次の前提条件が満たされているか確認します。
  • 最新バージョン12.1.2.9.0を使用するOracle Database Appliance X6-2S、X6-2MまたはX6-2L。

    odacli list-jobsおよびodacli describe-jobコマンドを使用して、ステータスを確認します。

  • ソース・データベースと宛先データベース間にネットワーク接続が存在するか確認する。

  1. 補助データベースへのsysdba接続は稼働しているか確認します。データベースを作成したときに--instanceonlyフラグで定義したパスワードを使用します。
    sqlplus sys/password@hostname:PORT/GLOBAL_DBNAME as sysdba << EOF
    select 1 from dual;
    exit;
    EOF

    次の例では、PRODDB.example.comのポート1521上のmyhostに対してWelcome_12パスワードを使用しています。

    sqlplus sys/Welcome_12@myhost:1521/PRODDB.example.com as sysdba << EOF
    select 1 from dual;
    exit;
    EOF
  2. Oracleユーザーとして、ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数を設定します。
    ORACLE_HOME=path of Oracle Home against which the AUX DB is created 
    ORACLE_SID=database unique name
  3. アプライアンスに構成されたデータベースとデータベース・ストレージ識別子(ID)のリストを表示します。

    odacli list-dbstoragesを使用して構成されたすべてのファイルシステムのストレージIDを表示します。

    # odacli list-dbstorages  
    ID Type                               DBUnique  Name         Status 
    ------------------------------------  --------  ----------- ---------- 
    68d13446-f26c-49ee-ab75-a393732aa88a   Asm       rdb1       Configured 
    ff2023d9-338d-4cff-8bb4-e73a89e32ce4   Acfs      PRODDB     Configured
  4. データベース・ストレージIDごとに、DATA、RECOおよびREDOの場所を含むデータベース・ストレージの詳細を表示します。

    たとえば、odacli describe-dbstorageコマンドを使用して、IDが9fe39332-cc1a-4b4b-8393-165524a6ef6bのACFSストレージに関する情報を表示します。

    # odacli describe-dbstorage -i ff2023d9-338d-4cff-8bb4-e73a89e32ce4
    DBStorage details 
    ---------------------------------------------------------------- 
    ID: ff2023d9-338d-4cff-8bb4-e73a89e32ce4
    DB Name: PRODDB 
    DBUnique Name: PRODDB 
    DB Resource ID: c5b77384-634e-4dc8-b10b-fa2831d2c59b 
    Storage Type: Acfs 
    DATA Location: /u02/app/oracle/oradata/PRODDB 
    RECO Location: /u03/app/oracle/fast_recovery_area/ 
    REDO Location: /u03/app/oracle/redo/ 
    State: ResourceState(status=Configured) 
    Created: November 22, 2016 12:07:12 PM SGT 
    UpdatedTime: November 22, 2016 12:26:39 PM SGT
    
  5. データベースを複製します。
    RMAN duplicateデータベース・コマンドを使用してデータベースを複製します。
    rman target sys/Welcome__12@source database hostname:PORT
    (Continued)
    /Service Name auxiliary sys/Welcome_12@Hostname of the target database:1521/service name 
    RUN { 
    SET NEWNAME FOR DATABASE TO NEW; 
    duplicate target database to PRODDB from active database 
    SPFILE 
    SET cluster_database 'false' 
    SET audit_file_dest '/u01/app/oracle/admin/PRODDB/adump' 
    SET db_create_file_dest '/u02/app/oracle/oradata/PRODDB' 
    SET db_create_online_log_dest_1 '/u03/app/oracle/redo' 
    SET db_recovery_file_dest '/u03/app/oracle/fast_recovery_area' 
    SET control_files '/tmp/control_PRODDB.ctl' nofilenamecheck; 
    }

データベースの登録

odacli register-databaseコマンドを使用して、移行したデータベースをアプライアンスに登録します。

dbclassdbshapeservicenameおよびパスワードは、データベースを登録する際に必須です。dbclassおよびdbshapeで、sga_targetおよびpga_targetの設定が決まります。データベースinit.oraパラメータは、odacli register-databaseコマンドの一部としてリセットされます。登録後にinit.oraパラメータで、パラメータが正しく設定されているか確認します。

注意:

スタンバイ・データベースの場合は、odacli register-databaseコマンドを実行する前に、スタンバイ・データベースをREAD ONLYモードで開きます。

  1. SQLパッチが適用されたOracle Databaseバージョン12.1を使用している場合は、sqlpatchesがOracle Database Appliance環境内にあることを確認します。パッチが環境内にない場合は、odacli register-databaseコマンドを実行する前に、$OH/sqlpatchディレクトリをソースのデータベース・ホームからOracle Database Applianceの$OHにコピーします。
    odacli register-databaseコマンドは、ポスト・パッチSQLを適用するdatapatchユーティリティを呼び出します。ソース・データベースにOracle Database Appliance環境内に存在しないsqlpatchesが適用されている場合、datapatchは失敗します。
  2. SQLパッチが適用されたOracle Databaseバージョン11.2がある場合は、インストールしたPSUの一部ではない、ソース・データベースに適用されているパッチをロール・バックする必要があります。
  3. データベースをOracle Database Applianceに登録します。
    odacli register-database -c OLTP -s odb1 -sn proddb.example.com -p
    Password for SYS:
    {
      "jobId" : "317b430f-ad5f-42ae-bb07-13f053d266e2",
      "status" : "Created",
      "message" : null,
      "reports" : [ ],
      "createTimestamp" : "August 08, 2016 05:55:49 AM EDT",
      "description" : "Database service registration with 
                       db service name: proddb.example.com",
      "updatedTime" : "August 08, 2016 05:55:49 AM EDT"
    }
    rpandrap: ]# odacli describe-job -i "317b430f-ad5f-42ae-bb07-13f053d266e2"
    
    Job details
    ----------------------------------------------------------------
                ID: 317b430f-ad5f-42ae-bb07-13f053d266e2
       Description: Database service registration with
                 db service name: proddb.example.com
            Status: Success
           Created: November 23, 2016 5:55:49 AM EDT
           Message:
    
    Task Name                       Start Time                  
    ----------------------------- ------------------------------ 
    restore control file           November 23, 2016 5:55:49 AM EDT 
    move spfile to right location  November 23, 2016 5:56:08 AM EDT  
    register DB with clusterware   November 23, 2016 5:56:13 AM EDT  
    reset db parameters            November 23, 2016 5:57:05 AM EDT  
    Running DataPatch              November 23, 2016 5:57:36 AM EDT  
    
    (Continued)
      End Time                     Status
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    November 23, 2016 5:56:08 AM EDT   Success
    November 23, 2016 5:56:13 AM EDT   Success
    November 23, 2016 5:57:05 AM EDT   Success
    November 23, 2016 5:57:36 AM EDT   Success
    November 23, 2016 5:57:49 AM EDT   Success
    
  4. odacli list-databasesコマンドを使用して登録済のデータベースを表示します。

インスタンス・ケージングを使用した複数データベース・インスタンスの管理について

インスタンス・ケージングを使用してOracle Database Appliance上でシステム・リソースを管理します。

Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。

インスタンス・ケージングとOracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。

Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。特定のコア数で動作するよう設計されています。インスタンス・ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きいデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。

注意:

Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。

Oracle Database Appliance Managerインタフェースは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照してください。

デフォルトでは、Oracle Database Applianceインスタンス・ケージングは有効ではありません。インスタンス・ケージングを有効にするには、Oracle Database Appliance上の各データベースに初期パラメータRESOURCE_MANAGER_PLANを設定します。このパラメータでは、リソース・マネージャが現行のインスタンスに対して使用するプランを指定します。このパラメータを設定すると、リソース・マネージャがデータベース間のコア・リソースを割り当てるようになります。このパラメータでプランが指定されていない場合、リソース・マネージャとインスタンス・ケージングは有効になりません。

各データベースに対して選択したOracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズに従って、コア・リソースのインスタンス・ケージング割当てが有効になります。CPU_COUNT初期化パラメータは、テンプレートに設定されます。統合する各データベースのサイズと一致するCPU_COUNT設定を使用して、インスタンス・ケージングを構成するための標準の指示に従います。

関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』

Oracle Enterprise Manager Database ExpressとOracle Database Appliance

Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)を使用してデータベースを管理できます。

Oracle Enterprise Manager Database Expressは、Oracle Database 12cのWebベースの管理ツールです。Oracle Enterprise Manager Database Expressは、Oracle Database ApplianceにOracle Databaseとともにインストールされます。

Oracle Enterprise Manager Database Expressは、次の機能を提供します。

  • 保管やユーザー管理などの基本管理タスクのサポート

  • パフォーマンスの診断と調整のための包括的なソリューション

  • グラフィカル・ユーザー・インタフェースでのパフォーマンス・アドバイザ

  • SQL*Loader、Oracle Recovery Manager (RMAN)などのグラフィカル・ユーザー・インタフェース用のOracle Databaseユーティリティ