ここでは、『Oracle R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド』のリリース1.5.1およびOracle R Enterpriseリリース1.4.以前のリリースでの変更内容について説明します。
このマニュアルには、Oracle R Enterprise リリース1.5.1でのインストレーションの変更に関する情報が含まれています。
その他のOracle R Enterpriseリリース1.5.1の新しい機能の詳細は、『Oracle R Enterpriseユーザーズ・ガイド』を参照してください。
新しいデータ操作パッケージ
新パッケージOREdplyr
には、データ操作のためのOracle R Enterprise関数が含まれています。これには、行のフィルタリング、特定の列の選択、行の順番の変更、新しい列の追加およびデータのサマライズなどが含まれます。
新しいグラフ分析パッケージ
Oracle Database 12c, リリース2 (12.2)以降では、OAAgraph
パッケージでRインタフェースが提供されます。これにより、Oracle Spatial and Graph Parallel Graph Engine (PGX)をOracle R Enterpriseおよびデータベース表で使用できます。OAAgraph
パッケージおよびサポートされるパッケージは、サーバーおよびクライアントのシステムに個別にダウンロードおよびインストールする必要があります。
更新されたSupporting Packages
更新されたSupporting Packagesは、DBI
and ROracle
です。
Oracle R Enterprise のSupporting Packagesは次のとおりです。
arules 1.1-9 Cairo 1.5-8 DBI 0.5 png 0.1-7 randomForest 4.6-10 ROracle 1.3-1 statmod 1.4-21
関連項目:
Supporting Packagesの詳細は、Oracle R Enterprise Clientのインストールを参照してくださいR 3.3.0の要件
Oracle R Enterprise 1.5.1にはR 3.3.0が必要です。Oracle R Enterpriseの以前のリリースと同様に、Oracle R Distributionを使用することをお薦めします。
Oracle R Distributionのインストール
Oracle R Distribution 3.3.0以降では、Linux RPMを、デフォルトのLinux R_HOME
ではないディレクトリにもインストールできます。
Oracle R Distributionの新しいRPM
このリリースには、新しいRPM R-core-extra-3.3.0-1.el6.x86_64.rpmがあります。
Rは、様々なサード・パーティのライブラリ、zlib
、bzip2
、xz
、pcre
およびcurl
に常に依存します。R-3.3.0より前では、Rはより古いバージョンのライブラリに依存し、これらがシステムにない場合でも、同梱されたコピーがオンザフライで構築されて含まれていました。
R-3.3.0は、より新しいバージョンのこれらのライブラリに依存し、同梱されたコピーは含まれていません。つまり、R-3.3.0で必要なものより、これらのライブラリのネイティブ・バージョンが古いため、R 3.3.0はLinux 6では構築されません。
R-core-extraのRPMには、これらのライブラリの必要なバージョンが含まれ、便宜上、Oracle Linux 6のユーザーのために提供されます。R-core-extraのライブラリの場所をLD_LIBRARY_PATH
に追加すると、これらのライブラリを個別に構築する必要がありません。Oracle Linux 7では、これらのライブラリの必要なバージョンが提供されますが、便宜上、必要に応じR-core-extraのRPMが提供されます。
関連項目:
RおよびOracle R Distributionのインストールの詳細は、「Oracle R Enterprise向けのRのインストール」を参照してくださいOracle R Enterprise 1.5には、新しいSupporting Packages (randomForest
)が含まれています。また、他の一部のより新しいバージョンのSupporting Packagesも含まれています。Oracle R Enterprise 1.5のSupporting Packagesは次のとおりです。
arules 1.1-9 Cairo 1.5-8 DBI 0.3-1 png 0.1-7 randomForest 4.6-10 ROracle 1.2-1 statmod 1.4.21
R 3.2の要件
Oracle R Enterprise 1.5にはR-3.2.0が必要です。Oracle R Enterpriseの以前のリリースと同様に、Oracle R Distributionを使用することをお薦めします。
関連項目:
Supporting Packagesの詳細は、Oracle R Enterprise Clientのインストールを参照してください
Oracle R Enterprise Serverのインストールおよび管理の機能が大幅に拡張されました。
Oracle R Enterprise Serverに影響を与えるすべての管理操作は、1つのスクリプトserver.sh
またはserver.bat
によって実行されます。このスクリプトを実行して、サーバーのインストール、アップグレードまたはアンインストールや、Oracle R Enterpriseユーザーの構成を実行できます。スクリプトは対話的に実行することも、バッチ・モードまたはハイブリッド・モードで実行することもできます。
関連項目:
詳細は、Oracle R Enterprise Serverのインストールを参照してください
Oracle Database 12cのマルチテナントのコンテナ・データベース(CDB)機能がサポートされています。
Oracle R Enterprise Serverのサポートはマルチテナント環境にインストールできます。Oracle R Enterprise Serverは、ルート・データベースではなくプラガブル・データベースにインストールする必要があります。
関連項目:
マルチテナント・アーキテクチャの概要については、『Oracle Database概要』を参照してください
マルチテナント環境の管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください
Oracle R Enterprise 1.4.1には、arules
およびstatmod
という新しい2つのSupporting Packagesが追加されました。Oracle R Enterprise 1.4.1のSupporting Packagesは次のとおりです。
arules 1.1-3 cairo 1.5-5 DBI 0.2-7 png 0.1-7 ROracle 1.1-12 statmod 1.4.20
関連項目:
Supporting Packagesの詳細は、Oracle R Enterprise Clientのインストールを参照してください
Oracle R Enterpriseでは、R 3.0.1とR 3.1.1の両方がサポートされています。
以前はR 3.0.1のみがサポートされていました。
R 3.0.1の要件
Oracle R Enterprise 1.4にはR 3.0.1が必要です。Oracle R Enterpriseの以前のリリースと同様に、Oracle R Distributionを使用することをお薦めします。
Oracle R Enterprise向けのRのインストールを参照してください。
Microsoft WindowsでのOracle R Distributionのサポート
以前のリリースでサポートされていた64ビット版LinuxおよびUNIXプラットフォームに加え、Oracle R Distribution 3.0.1は64ビット版Windowsでサポートされています。
サーバー上に表示されるグラフィックで使用されるCairoパッケージ
Oracle R Enterprise 1.4では、Cairoを使用してOracle R Enterpriseサーバー上にグラフィックスを表示します。Cairoはオープン・ソースRパッケージで、高品質なビットマップ、ベクターおよび表示出力を作成します。
CairoはOracle R Enterprise Supporting Packagesで提供されます。Cairoを使用することによって、Oracle SolarisサーバーおよびAIXサーバー上にX11サーバーを構成する必要がなくなります。
表6-2を参照してください
新しいClient Packages
Oracle R Enterprise 1.4には、次の2つの新しいClient Packagesが含まれています。
OREcommon
— Oracle R Enterprise用の共通の低レベル機能
OREembed
— Oracle R Enterprise用の埋込みR機能
表6-1を参照してください。
Oracle R Enterprise Serverのインストール・スクリプトの機能拡張
Oracle R Enterprise Server 1.4のインストール・スクリプトには、次の拡張機能が含まれています。
構成モード
configonly
フラグが設定されている場合、インストーラはOracle R Enterpriseのデータベース構成を実行しますが、Oracle R Enterpriseライブラリを$ORACLE_HOME/lib
にコピーせず、Oracle R Enterprise Client Packagesをインストールしません。
RQSYSパスワードの入力を求め、デフォルト・パスワードを表示
デフォルトのパスワードが受け入れられるか別のパスワードを指定するかをユーザーが確認できるように、デフォルトのパスワードが表示されます。
demo_userスクリプトの機能拡張
Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーを作成するdemo_user
スクリプトは、新しいユーザーを作成することに加え、既存のOracle R Enterpriseユーザーを有効化できるようになりました。
Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーの作成を参照してください。
スクリプトの移行
Oracle R Enterprise 1.4には、Oracle R Enterpriseのデータおよびスキーマ・オブジェクトをソース環境からターゲット環境にインポートおよびエクスポートするためのスクリプトが含まれています。ソースおよびターゲットでは、同じバージョンのOracle DatabaseおよびOracle R Enterpriseが必要です。