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Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド
リリース1.5.1
E88294-01
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3.6 クライアントでMKLを使用するためのOracle R Distributionの構成

この項の手順では、LinuxまたはWindowsクライアントでMKLを使用するためのOracle R Distributionの構成方法を説明します。この簡単な構成手順を使用すると、Oracle R Distributionは、システムにMKLがインストールされている場合は動的にMKLを使用します。

3.6.1 Linuxクライアント上のOracle R DistributionでのMKLサポートの有効化

Linuxクライアント上のOracle R DistributionでMKLを有効にするには、次の手順に従います。

  1. MKLをインストールします。MKLは、次のWebサイトからダウンロードできます。

    http://software.intel.com/en-us/intel-mkl

    注意: コンピュータにMKLをインストールするには、MKLのライセンスが必要です。

  2. LD_LIBRARY_PATHシステム環境変数に、libmkl_rt.so$RHOME/libおよび$ORACLE_HOME/libを追加します。たとえば、Bashシェルでは次のように指定します。

    export LD_LIBRARY_PATH=${LD_LIBRARY_PATH}:
                             /path_to/libmkl_rt.so:
                             ${RHOME}/lib:
                             ${ORACLE_HOME}/lib
    
  3. Rを起動し、次のようにSys.BlasLapack関数を実行します。

    Sys.BlasLapack()
         $vendor
         [1] "Intel Math Kernel Library (Intel MKL)"
         $nthreads
         [1] -1
    

$vendorから返された値は、MKLがRに固有のBLASおよびLAPACKを置き換えたことを示します。

nthreadsから返された値は、MKLが使用するスレッドの数を示します。デフォルトでは、使用可能なすべてのスレッドが使用されます($nthreads= -1)。

3.6.1.1 Linux上のMKLのスレッド数の変更

システム変数MKL_NUM_THREADSを編集することによって、MKLが使用するスレッドの数を変更できます。たとえば、次のBashシェルの文では、MKLは3スレッドを使用します。

export MKL_NUM_THREADS=3

MKL_NUM_THREADSを3に設定後のSys.BlasLapackの出力では、$nthreadsに3の値が示されます。

R> Sys.BlasLapack()
     $vendor
     [1] "Intel Math Kernel Library (Intel MKL)"
     $nthreads
     [1] 3

3.6.2 Windowsクライアント上のOracle R DistributionでのMKLサポートの有効化

Windowsクライアント(64ビット)上のOracle R DistributionでMKLを有効にするには、次の手順に従います。

  1. MKLをインストールします。MKLは、次のWebサイトからダウンロードできます。

    http://software.intel.com/en-us/intel-mkl

    注意: コンピュータにMKLをインストールするには、MKLのライセンスが必要です。

  2. libOrdBlasLoader.dllおよびmkl_rt.dllの場所をPATHシステム環境に追加します。手順は、次の資料を参照してください。

    注意:

    Oracle R Distributionの標準インストールでは、libOrdBlasLoader.dllはRのホーム・ディレクトリにあります。

    C:\Program Files\R\R-version\bin\x64
    

    MKL 11.1の完全インストールでは、mkl_rt.dllは、次の場所にあるIntel MKL Composer XEディレクトリにあります。

    C:\Program Files (x86)\Intel\Composer XE 2013 SP
  3. Rを起動し、次のようにSys.BlasLapack関数を実行します。

    R> Sys.BlasLapack()
         $vendor
         [1] "Intel Math Kernel Library (Intel MKL)"
         $nthreads
         [1] -1
    

$vendorから返された値は、MKLがRに固有のBLASおよびLAPACKを置き換えたことを示します。

nthreadsから返された値は、MKLが使用するスレッドの数を示します。デフォルトでは、使用可能なすべてのスレッドが使用されます($nthreads= -1)。

3.6.2.1 Windows上のMKLのスレッド数の変更

システム変数MKL_NUM_THREADSを編集することによって、MKLが使用するスレッドの数を変更できます。MKL_NUM_THREADSが存在しない場合は、作成する必要があります。

MKL_NUM_THREADSを3に設定後のSys.BlasLapackの出力では、$nthreadsに3の値が示されます。

R> Sys.BlasLapack()
     $vendor
     [1] "Intel Math Kernel Library (Intel MKL)"
     $nthreads
     [1] 3