4 保護されたデータベースのバックアップ

この章では、保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスにバックアップする方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

保護されたデータベースのバックアップの概要

保護されたデータベースを構成した後、保護されたデータベースのバックアップを作成し、スケジュールできます。リカバリ・アプライアンスでは、保護されたデータベースのバックアップに永久的増分バックアップ計画を使用します。この計画では、レベル0の初期増分バックアップの後でレベル1の継続的な増分バックアップが続きます。

保護されたデータベースの完全リカバリを実行できるようにするには、リアルタイムREDOトランスポートを使用している場合を除いて、すべてのバックアップにアーカイブREDOログ・ファイルを含めます。リアルタイムREDOトランスポートはアーカイブ・ログをリカバリ・アプライアンスに送信しますが、バックアップされていないファイルのアーカイブ・ログ・バックアップ操作をお薦めします。

Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)は、バックアップ・ジョブの作成とスケジュールを行うためのGUIを備えています。コマンドラインを使用する場合は、バックアップ計画の実装に必要なRMANバックアップ・コマンドが含まれるスクリプトを作成してから、任意のスケジューリング・ユーティリティを使用してこのスクリプトをスケジュールします。

注意:

リリース12.2.1.1.2-201910以降、TDE暗号化データベースをリカバリ・アプライアンスにバックアップできます。通常のDBMS操作を使用して、TDE表領域暗号化に変換する表領域を選択できます。その後、リカバリ・アプライアンスは、暗号化されていないリカバリ・ウィンドウと暗号化されたリカバリ・ウィンドウの両方を対象とする永久的増分計画を提供できます。ただし、表領域が暗号化された後にデータベースのバックアップを明示的に増分レベル0で実行するには、Oracle Database Advanced Securityガイドに従う必要があります。暗号化されたブロックは圧縮できないため、この戦略では必要な記憶域領域が増加します。

注意:

保護されたデータベースがNOARCHIVELOGモードで実行されている場合、一貫性バックアップを実行する必要があり、保護されたデータベースの停止が必要となります。

Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのバックアップ

Cloud Controlでは、保護されたデータベースに永久的増分バックアップ計画を実装する、事前構成済のリカバリ・アプライアンスへの推奨バックアップを提供します。また、全体バックアップ、増分バックアップ、選択した表領域/データ・ファイルのバックアップ、またはアーカイブREDOログ・ファイルと制御ファイルのバックアップの作成とスケジュールも可能です。

この項の内容は次のとおりです。

保護されたデータベースの推奨バックアップ計画の使用方法

リカバリ・アプライアンスへの推奨バックアップ計画とは、保護されたデータベースをバックアップ対象とする、定期的にスケジュールされた永久的増分バックアップ計画のことです。

リカバリ・アプライアンスへの推奨バックアップ計画を実装する手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録(Cloud Control)」および「保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(Cloud Control)」で説明している構成手順が完了していることを確認します。
  3. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップのスケジュール」を選択します。

    「バックアップのスケジュール」ページが表示されます(図4-1を参照)。

    図4-1 保護されたデータベースのバックアップのスケジュール

    図4-1の説明は図の下のリンクをクリックしてください。
    「図4-1 保護されたデータベースのバックアップのスケジュール」の説明
  4. 「リカバリ・アプライアンスへの推奨バックアップ」セクションで「推奨バックアップのスケジュール」を選択します。

    リカバリ・アプライアンスへの推奨バックアップのスケジュール: オプションページが表示されます。

  5. REDOデータのバックアップに使用する方法を指定します。
    • 保護されたデータベースにリアルタイムREDOトランスポートが構成されていない場合は、「また、すべてのアーカイブ・ログもディスクにバックアップします」を選択します。

    • 必要に応じて、「正常にバックアップされた後、すべてのアーカイブ・ログをディスクから削除」を選択します。

  6. 「次へ」をクリックして、リカバリ・アプライアンスへの推奨バックアップのスケジュール: スケジュールページを表示します。
  7. (オプション)「ジョブ名」および「ジョブの説明」フィールドに入力されているデフォルト値を変更します。
  8. バックアップ・ジョブをスケジュールします。

    「スケジュール」セクションで「繰返し」を選択し、繰返しの頻度を毎日に設定して、「無期限」を選択します。

  9. 「次へ」をクリックして、リカバリ・アプライアンスへの推奨バックアップのスケジュール: 確認ページを表示します。

    「設定」セクションに、このバックアップの作成で使用する設定が表示されます。Cloud Controlによって、このバックアップの作成とスケジュールに必要なRMANスクリプトが生成されます。このスクリプトは、「RMANスクリプト」セクションで参照できます。

  10. 「ジョブの発行」をクリックします。

    「スケジュール」セクションの設定に基づいてバックアップ・ジョブが作成されます。「ジョブは正常に発行されました。」というメッセージが表示されます。

  11. 「ジョブの表示」をクリックして、バックアップ・ジョブのステータスを表示します。

    「サマリー」セクションにジョブ・サマリー(ステータス、バックアップのタイプ、データベース名、リカバリ・アプライアンス・カタログのユーザー名などの詳細情報)が表示されます。

    「ジョブ・レポート」をクリックして、実行されたバックアップの詳細レポートを表示します。

Cloud Controlを使用した保護されたデータベース全体のバックアップ

Cloud Controlを使用すると、即時にまたは後で実行可能なバックアップ・ジョブを作成してスケジュールすることができます。アーカイブREDOログをすべての全体バックアップおよび増分バックアップに含めることをお薦めします。REDOデータをバックアップすることで、リカバリ時間を短縮できます。

この項では、アーカイブREDOログ・ファイルを含む保護されたデータベースの全体バックアップを作成するバックアップ・ジョブのスケジュール方法について説明します。バックアップ・ジョブは毎日、無期限に繰り返し実行します。

保護されたデータベース全体とアーカイブREDOログをバックアップする手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録(Cloud Control)」および「保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(Cloud Control)」で説明している構成手順が完了していることを確認します。
  3. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップのスケジュール」を選択します。

    「バックアップのスケジュール」ページが表示されます(図4-1を参照)。

  4. 「カスタマイズ・バックアップ」セクションで「カスタマイズ・バックアップのスケジュール」を選択します。

    「カスタマイズ・バックアップのスケジュール: オプション」ページが表示されます。

  5. 「バックアップ・タイプ」セクションで「全体バックアップ」を選択します。

    このバックアップを増分バックアップ計画の基礎として使用する場合は、「増分バックアップ計画の基礎として使用」を選択します。

  6. 「バックアップ・モード」セクションで「オンライン・バックアップ」を選択します。
  7. 「詳細」セクションで「また、すべてのアーカイブ・ログもディスクにバックアップします」を選択して、保護されたデータベースとともにREDOログもバックアップします。
  8. 「次へ」をクリックして、「カスタマイズ・バックアップのスケジュール: 設定」ページを表示します。
  9. 「リカバリ・アプライアンス」を選択して、保護されたデータベースが登録されているリカバリ・アプライアンス上に保護されたデータベースのバックアップを格納します。
  10. 「次へ」をクリックして、「カスタマイズ・バックアップのスケジュール: スケジュール」ページを表示します。
  11. (オプション)ユーザー定義の名前を指定するには、ジョブ名と説明を編集します。
  12. 「スケジュール」セクションで「繰返し」をクリックして、次の情報を入力します。
    • 頻度タイプ: 週単位

    • 繰返し間隔: 1

    • 開始時間: 1:00 am

    • 繰返し期限: 無期限

  13. 「次へ」をクリックして、「カスタマイズ・バックアップのスケジュール: 確認」ページを表示します。

    「設定」セクションに、このバックアップの作成で使用する設定が表示されます。Cloud Controlによって、このバックアップ・ジョブの実行に必要なRMANスクリプトが生成されます。「RMANスクリプト」セクションに、生成されたスクリプトが表示されます。

  14. 「ジョブの発行」をクリックすると、「スケジュール」セクションで入力した設定に基づいてバックアップ・ジョブが作成されます。

    「ジョブは正常に発行されました。」というメッセージが表示されます。

  15. 「ジョブの表示」をクリックして、バックアップ・ジョブのステータスを表示します。

    「サマリー」セクションにジョブ・サマリー(ステータス、バックアップのタイプ、保護されたデータベース名、リカバリ・アプライアンス・カタログのユーザー名など)が表示されます。

    「ジョブ・レポート」をクリックして、実行されたバックアップの詳細レポートを表示します。

コマンドラインを使用した保護されたデータベースのバックアップ

通常のRMANコマンドを使用して、保護されたデータベースのバックアップを作成します。保護されたデータベースのバックアップをスケジュールするには、必要なバックアップ・コマンドが含まれるスクリプトを作成し、任意のスケジューリング・ユーティリティを使用してバックアップをスケジュールします。全体バックアップ、増分バックアップ、アーカイブREDOログのバックアップ、制御ファイルのバックアップ、特定のデータ・ファイルと表領域のバックアップを作成できます。永久的増分バックアップ計画を実装するには、レベル0の増分データベース・バックアップを1回、続いてレベル1の増分バックアップを定期的に作成する必要があります。

同じリカバリ・アプライアンスに複数の保護されたデータベースがバックアップされるので、バックアップ・ピース名はすべての保護されたデータベース間で一意であることが必要です。バックアップ・ピース名の一意性を確保するには、BACKUPコマンドのFORMAT文字列で置換変数%d_%Uを使用します。

関連項目:

置換変数の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

コマンドラインを使用して永久的増分バックアップ計画を実装する手順:

  1. 「保護されたデータベースの初期全体バックアップの作成」の説明に従って、保護されたデータベースの全体バックアップを作成し、これを永久的増分バックアップ計画の基礎とします。
  2. 「保護されたデータベースの増分バックアップの作成」の説明に従って、アーカイブREDOログを含むレベル1の増分バックアップを定期的に作成およびスケジュールします。

保護されたデータベースの初期全体バックアップの作成

この項では、アーカイブREDOログを含む保護されたデータベース全体の1回かぎりの全体バックアップを作成する方法について説明します。保護されたデータベースがARCHIVELOGモードの状態にあり、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルが自動的にバックアップされる構成になっていると仮定します。

保護されたデータベース全体の全体バックアップを作成する手順:

  1. 保護されたデータベースにはTARGETとして、リカバリ・アプライアンス・カタログにはCATALOGとしてRMANを接続します。
  2. 「保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録(コマンドライン)」および「保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(コマンドライン)」で説明している構成手順が完了していることを確認します。
  3. 次のコマンドを実行して、リカバリ・アプライアンスで使用する3つのSBTチャネルを割り当ててから、アーカイブREDOログ・ファイルを含む保護されたデータベースの全体バックアップを作成します。
    RUN
    {
     ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt_tape 
       PARMS='SBT_LIBRARY=/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/lib/libra.so,
       ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/dbs/ra 
       credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)'
       FORMAT'%U_%d';
     ALLOCATE CHANNEL c2 DEVICE TYPE sbt_tape 
       PARMS='SBT_LIBRARY=/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/lib/libra.so,
       ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/dbs/ra
       credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)'
       FORMAT'%U_%d';
     ALLOCATE CHANNEL c3 DEVICE TYPE sbt_tape 
       PARMS='SBT_LIBRARY=/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/lib/libra.so,
       ENV=(RA_WALLET=location=file:/u01/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1/dbs/ra
       credential_alias=ra-scan:1521/zdlra5:dedicated)' 
       FORMAT'%U_%d';
     BACKUP DEVICE TYPE sbt
      TAG 'db_full_incr'
      CUMULATIVE INCREMENTAL LEVEL 1
      DATABASE FORMAT '%d_%U'
      PLUS ARCHIVELOG FORMAT '%d_%U' NOT BACKED UP;
    }
    

    レベル0のバックアップが存在しない場合、BACKUP ... INCREMENTAL LEVEL 1コマンドは自動的にレベル0のバックアップを作成します。

保護されたデータベースの増分バックアップの作成

この項では、保護されたデータベース全体のレベル1の増分バックアップを実行するスクリプトを作成して、このスクリプトを毎日午前1時に実行するスケジュールを設定する方法について説明します。バックアップにはアーカイブREDOログ・ファイルを含めます。任意のジョブ・スケジューラを使用して(たとえば、Cloud Controlで、カスタマイズしたRMANスクリプトをRMANジョブに追加するなど)、毎日指定の時間にRMANスクリプトが実行されるようにスケジュールします。

アーカイブREDOログ・ファイルを含むレベル1の増分バックアップを作成およびスケジュールする手順:

  1. 「保護されたデータベースのリカバリ・アプライアンスへの登録(コマンドライン)」および「保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(コマンドライン)」で説明している構成手順が完了していることを確認します。
  2. リカバリ・アプライアンスに対応するRMAN SBTチャネルが1つ以上構成されていることを確認します(「リカバリ・アプライアンスのバックアップおよびリカバリ操作でのRMANチャネルの使用方法」の説明を参照)。
  3. 注意:

    この項のバックアップ・コマンドは、ZDLRAが唯一のバックアップ先である場合に適用されます。ただし、デュアル・バックアップ計画を実装する場合は、次のいずれかを実行します。

    テキスト・エディタを開き、次の内容のファイルを作成して保存します。

    ファイルは、Oracle Databaseソフトウェアにアクセス可能で、Oracleソフトウェアの所有者が読取り権限を持つディレクトリに保存します。このスクリプト・ファイルは/u01/app/oracle/product/11.2.0.4/db_home1/db_incr_daily.shとして保存されます。次のCONNECT CATALOG行には、myPasswordではなく適切なパスワードが必要です。

    export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.2.0.4/dbhome_1
    export ORACLE_SID=db1124sm
    export PATH=$PATH:$HOME/bin:$ORACLE_HOME/bin:$ORACLE_HOME/Opatch
    export LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib:$ORACLE_HOME/rdbms/lib:/lib:/usr/lib;
    export LD_LIBRARY_PATH
    export LOG_TRACE_DIR=$HOME/RA_TEST/RMAN_SCRIPTS/LOG
    dt=`date +%y%m%d%H%M%S`
    $ORACLE_HOME/bin/rman log=$LOG_TRACE_DIR/rman_bkincr_log_db1124sm_$dt.log <<EOF
    CONNECT TARGET /
    CONNECT CATALOG rauser/myPassword@ra-scan:1521/zdlra5:dedicated
    
    BACKUP DEVICE TYPE SBT
       TAG 'db_full_incr'
       CUMULATIVE INCREMENTAL LEVEL 1 
       DATABASE FORMAT %d_%U'
       PLUS ARCHIVELOG FORMAT '%d_%U' NOT BACKED UP;
    EOF
    
  4. OSBACKUPDBAオペレーティング・システム・グループのメンバーであるユーザーとして、保護されたデータベースのホストにログインします。

    関連項目:

    OSBACKUPDBAグループの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。
  5. テキスト・エディタを開き、次の内容のファイルを作成して、そのファイルを.crontabという名前でホーム・ディレクトリに保存します。この例では、crontabユーティリティを使用してRMANスクリプトをスケジュールします。
    MAILTO=first.last@example.com
    # MI HH DD MM DAY CMD
      00  1  *  *  *  /u01/app/oracle/product/11.2.0.4/db_home1/db_incr_daily.sh
    
  6. コマンド・ウィンドウでディレクトリをホーム・ディレクトリに変更し、次のコマンドを入力して、.crontabの内容からこのユーザー用のcrontabファイルを作成します。
    # crontab .crontab
    

Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのバックアップのモニタリング

Cloud Controlはレポート機能を備え、保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ・ジョブのステータスをモニターおよび変更することもできます。

保護されたデータベースのバックアップ・レポートの表示

Cloud Controlのバックアップ・レポートには、特定の保護されたデータベースに対して実行されたすべてのバックアップおよびリカバリ・ジョブに関する詳細が表示されます。目的のレポート期間に基づいて、このレポートに表示されるデータをフィルタ処理できます。

保護されたデータベースのバックアップ・レポートを表示する手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップ・レポート」を選択します。

    「バックアップ・レポートの表示」ページが表示されます。

  3. 「検索」セクションのフィールドを使用して、バックアップ・レポートに表示されるデータをフィルタ処理します。ジョブ・ステータス、バックアップ・ジョブのタイプまたは開始時間でフィルタ処理できます。
  4. 「実行」をクリックすると、バックアップ・レポートが表示されます。

    図4-2に、過去1週間に警告付きで完了した増分バックアップ・ジョブのバックアップ・レポートを示します。「バックアップ名」列のバックアップ名をクリックすると、特定のジョブに関する追加詳細を表示できます。

    図4-2 保護されたデータベースのバックアップ・レポート

    図4-2の説明は図の下のリンクをクリックしてください。
    「図4-2 保護されたデータベースのバックアップ・レポート」の説明

保護されたデータベースのバックアップ・ジョブのステータスの表示

ジョブ・アクティビティ・レポートには、保護されたデータベースのアクティブなジョブ、完了したジョブ、失敗したジョブの詳細が表示されます。

このレポートでは次のタスクを実行できます。

  • ジョブ別の追加詳細の表示

  • 現在アクティブなジョブの一時停止、再開または中止

  • スケジュール済ジョブのステータスの変更

保護されたデータベースのジョブのステータスを表示する手順:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「Oracleデータベース」メニューから「ジョブ・アクティビティ」を選択します。

    「ジョブ・アクティビティ」ページが表示されます。

  3. 「拡張検索」セクションを使用して、レポートに表示されるジョブのフィルタ条件を指定します。

    次の各フィールドで、レポートに表示されるジョブのフィルタ条件を指定します。

    • 所有者: ジョブの所有者を選択します。

    • 開始: 開始時間を選択します。選択した期間中またはそれより後に開始するようスケジュールされたバックアップ・ジョブが表示されます。たとえば、「過去7日間」を選択すると、過去7日間に開始するようスケジュールされていたジョブが表示されます。

    • ジョブ・タイプ: ジョブのタイプを選択します。たとえば、バックアップ・ジョブを表示するには、「データベースのバックアップ」を選択します。

    • ステータス: ジョブのステータスを選択します。たとえば、現在実行中のジョブを表示するには、「実行中」を選択します。

  4. 「実行」をクリックすると、指定した条件に基づいてレポートが生成されます。図4-3に、データベース・バックアップ・ジョブのジョブ・アクティビティ・レポートを示します。

    図4-3 保護されたデータベースのバックアップ・ジョブのジョブ・アクティビティ・レポート

    図4-3の説明は図の下のリンクをクリックしてください。
    「図4-3 保護されたデータベースのバックアップ・ジョブのジョブ・アクティビティ・レポート」の説明
  5. 特定のジョブ実行の詳細を表示するには、ジョブを選択して「結果の表示」をクリックします。

    特定のジョブの実行を停止するには、ジョブを選択して「停止」をクリックします。同様に、ジョブの一時停止、再開または削除オプションも使用できます。

データベースの保護解除とクリーン・アップ

このタスクでは、データベースのリカバリ保護が不要になった場合に、データベースの登録解除およびリカバリ・アプライアンスからのバックアップ・ファイルの削除のプロセスを完了する方法を示します。リカバリ・アプライアンスはデルタ・バックアップ・ピースを使用してほとんどのリカバリ作業を実行しますが、リアルタイムREDOログのターゲットとして登録することでデータ損失ゼロを実現します。

データベースのリカバリ保護が不要になった場合、データベースおよびリカバリ・アプライアンスに適切な構成の変更が必要です。これらの変更は、次のとおりです。

  • データベースがREDOログをリカバリ・アプライアンスに送信しないようにします。
  • データベースがバックアップを生成しないようにします。
  • リカバリ・アプライアンスからデータベースの古いバックアップ・ファイルを削除します(数日のプロセス)。
  • 今後データベースのバックアップを保存しないようにリカバリ・アプライアンスに通知します。

RMANでは、アーカイブ・ログを複数の宛先に送信することがサポートされています。log_archive_dest_1はローカル・ディスク・ドライブへのバックアップで、log_archive_dest_2からlog_archive_dest_30は物理スタンバイ・サーバーやリカバリ・アプライアンスなどの他の宛先に対して構成できます。RMANは、別のテープ・バックアップ・デバイスとしてリカバリ・アプライアンスを表示します。

リアルタイムREDOトランスポートの無効化

このタスクでは、リカバリ・アプライアンスへのREDOログの転送を停止するようにデータベースを構成します。

リカバリ・アプライアンスはデルタ・バックアップ・ピースを使用してほとんどのリカバリ作業を実行しますが、リアルタイムREDOログのターゲットとして登録することでデータ損失ゼロを実現します。したがって、データベースでリカバリ保護が不要になった場合は、REDOトランスポートをオフにする必要があります。
  1. Enterprise Managersysmanまたは同等のターゲット・レベル・アクセスとしてログインします。
  2. 保護が必要なくなったデータベースに移動します。この例では、名前は"cont001_"で始まります。
  3. 「バックアップ設定」領域および「デバイス」タブで、データベースに関連付けられているリカバリ・アプライアンスを選択します。
  4. 「リアルタイムREDOトランスポートの有効化」のチェック・ボックスの選択を解除します。

図4-4 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化

図4-4の説明が続きます
「図4-4 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化」の説明

バックアップの無効化

このタスクでは、データベースのリカバリ保護が不要になった場合に、デルタ・バックアップ・ピースをリカバリ・アプライアンスに送信しないようにデータベースを構成します。

この手順では、RMANとEnterprise Managerを切り換えながら、構成の内容をハイライト表示します。

  1. (オプション)RMANにログインして、次のコマンドを発行します。
    RMAN> show all;

    出力には、次のエントリのようないくつかの構成済オプションがリストされます。

    CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' FORMAT '%d_%u' PARMS
    "SBT_LIBRARY=/u01/app/oracle/product/18.0.0.0/dbhome_1/lib/librs.so,
    SBT_PARMS=[RA_WALLET='location-file:/u01/app/oracle/product/18.0.0.0/dbhome_1/dbs/zdlra
    credential_alias=<yourRA_01>:1521/zdlrax5:dedicate;)";
  2. 同じデータベースを参照しているEnterprise Managerセッションから、「構成のクリア」ボタンをクリックします。この例では、データベース名は"cont001_"で始まります。

    図4-5 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化

    図4-5の説明は図の下のリンクをクリックしてください。
    「図4-5 Enterprise Managerおよびリカバリ保護の無効化」の説明

    これによりSBT_TAPE (テープ・ライブラリ)チャネル構成が削除されます。

RMANに戻って同じコマンドを発行した場合。

RMAN> show all;

出力には、リカバリ・アプライアンスに使用されたSBT_TAPEチャネル・デバイスのエントリが含まれなくなりました。

リカバリ・アプライアンスからのデータベースの登録解除

データベースのリカバリ保護が不要になった場合、リカバリ・アプライアンスからデータベースを登録解除するコマンドを発行すると、その古いバックアップ・ファイルも削除されます。バックアップ・ファイルの削除が完了するまで長時間を要するため、バックグラウンドで実行する必要があります(wait = false)。

  1. rasysとしてsqlplusにログインします。
    [yourRA_01 ~]$ sqlplus rasys
  2. 次のAPIコールをyourDBnameデータベースの名前で発行します。
    SQL> exec dbms_ra.delete_db( 
    db_unique_name =>'yourDBname', 
    wait=> FALSE); 
    
    PL/SQL procedure successfully completed. 

バックグラウンドでリカバリ・アプライアンスからバックアップ・データを削除するには、数日かかる可能性があります。

一方、yourDBnameデータベースはリカバリ・アプライアンスへのバックアップを許可されなくなりました。