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Oracle® Fusion Middleware Oracle GoldenGateのインストール
12c (12.3.0.1)
E89928-04
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6 DB2 LUWデータベースへのインストール

この章では、DB2 LUWデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための要件と方法について説明します。

トピック:

6.1 DB2 LUWのディスク要件

次のように空きディスク領域を割り当てます。

  • Oracle GoldenGateダウンロード・ファイルのサイズを確認するには、Oracle Software Delivery Cloudから選択したビルドをダウンロードする前に、「サイズ」列を表示します。表示される値は、圧縮形式でのファイルのサイズです。ディスクで解凍した後のOracle GoldenGateインストール・ディレクトリのサイズは、それより大幅に大きくなります。

  • Oracle GoldenGateの証跡(作業データが含まれているファイル)をホストするシステムに追加の1GB以上のディスク容量を割り当てます。証跡によって消費される領域は処理されるデータ量に応じて異なるため、これとは多少異なる容量が必要となる場合があります。『Oracle GoldenGateの管理』で証跡のサイズ設定のガイドラインを参照してください。

  • デフォルトでは、Oracle GoldenGateによってOracle GoldenGateインストール・ディレクトリのdirtmpサブディレクトリにディスクにスワップされるデータが保持されます。キャッシュ・マネージャは、ファイル・システムのすべての空き容量を使用可能とみなします。このディレクトリは、トランザクションのサイズの増加に伴ってトランザクションの量が増加すると、すぐに一杯になります。I/O競合とディスク関連のExtractの失敗を防ぐには、ディスクをこのディレクトリ専用にします。CACHEMGRパラメータのCACHEDIRECTORYオプションを使用して、このディレクトリに名前とサイズを割り当てることができます。CACHEMGRCACHESIZEオプションにより、トランザクション・データのキャッシュに使用できる仮想メモリー量(キャッシュ・サイズ)の弱い制限が設定されます。これらのオプションのデフォルト値およびシステム調整が必要な場合の詳しい説明については、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

6.2 DB2 LUWのデータベース構成

  • Oracle GoldenGate Extractプロセスは、DB2 LUWソース・データベースのトランザクション・ログ・ファイルを読み取るため、管理APIのDB2READLOG関数を呼び出します。DB2READLOGの他に、Extractは他の少数のAPIルーチンを使用して、起動時にソース・データベースの構成をチェックします。

  • Oracle GoldenGate Replicatプロセスは、DB2 LUWターゲット・データベースでDB2CLIインタフェースを使用します。このインタフェースのインストール方法は、DB2のドキュメントを参照してください。

  • データベースがローカルで定義されているかぎり、Oracle GoldenGateがインストールされているサーバーとは別のサーバーにデータベースを配置できます。次の例では、データベースmydbabc123にあるデータとともにローカルで使用できます。

    catalog tcpip node abc123 remote abc123.us.mycompany.com server 00000catalog db mydb as abc123 at node abc123 AUTHENTICATION server
  • DB2 Universal Databaseにはdb2trcと呼ばれる内部トレース機能があり、プロセス間通信リソース(IPC)を取得します(セマフォおよび共有メモリーの両方)。DB2のトレースが有効になっていなくても、オペレーティング・システムに対するsemget()呼出しを発行する場合があります。IPCリソースが取得されないことにより、これらの呼出しが失敗するため、DB2クライアントで次のコマンドを発行する必要があります。

    db2trc alloc 

  • ローカル・データベースを使用するDB2クライアントで最適なパフォーマンスを得るために、同じマシンにあるデータベースにOracle GoldenGateを接続するときには、TCP/IPではなくローカル・ノード・カタログを作成することをお薦めします。ローカル・ノードはIPCを使用するため、ソケットAPIを使用してローカル・データベースにアクセスするTCP/IPノードよりかなり高速になります。

6.3 DB2 LUWのOracle GoldenGateプロセス用データベース・ユーザー

  • Oracle GoldenGate専用のデータベース・ユーザーを作成します。データベースに接続する必要のあるすべてのOracle GoldenGateプロセスに対して同じユーザーでもかまいません。

    • Extract (ソース・データベース)

    • Replicat (ターゲット・データベース)

    • DEFGEN (ソース・データベースまたはターゲット・データベース)

  • データのセキュリティを維持したり、Oracle GoldenGateの処理を的確に監視したりするには、他のユーザー、アプリケーションまたはプロセスに対してOracle GoldenGateデータベース・ユーザーでのログインまたは操作を許可しないでください。Oracle GoldenGate資格証明ストアにログイン資格証明を格納することをお薦めします。資格証明ストアはログイン名およびパスワードにローカルのセキュアなストレージを利用し、Oracle GoldenGateのパラメータ・ファイルにある別名のみを指定することを許可します。このオプションおよび代替のセキュリティ・オプションの詳細は、『Oracle GoldenGateの管理』を参照してください。

  • システム管理者(SYSADM)またはデータベース管理者(DBADM)権限を、Extractを実行するデータベース・ユーザーに割り当てます。ExtractユーザーにDBADMを付与するには、SYSADM権限を持つユーザーが次のGRANT文を発行します。

    GRANT DBADM ON DATABASE TO USER user
    

    この権限は、DB2 Control CenterのUser and Group Objectsフォルダからも付与できます。Oracle GoldenGateプロセスに割り当てられているユーザーのデータベース・タブでは、「Database Administrative Authority」ボックスが選択されている必要があります。

    注意:

    Extractユーザーに必要な権限がない場合、Extractは次のエラーを記録して停止します。

    [SC=-1224:SQL1224N A database agent could not be started to 
    service a request, or was terminated as a result of a database 
    system shutdown or a force command. 
    SQL STATE 55032: The CONNECT statement is invalid, because the 
    database manager was stopped after this application was started]
    
  • Replicatを実行しているデータベース・ユーザーに少なくとも次の権限を付与します。

    • ターゲット・データベースに対するローカルのCONNECT

    • システム・カタログ・ビューに対するSELECT

    • ターゲット表に対するSELECTINSERTUPDATEおよびDELETE

6.4 DB2 LUWのインストール・システムの選択

Oracle GoldenGate for DB2 LUWをインストールするには、次の構成のいずれかを使用します。

DB2Connectを使用したz/OSシステムへのリモート配信を使用する手順

  1. 中間システムの場合は、Oracle GoldenGateがインストールされているシステムとなるDB2for LUWデータベースでサポートされているものを選択します。
  2. ReplicatプロセスでDB2 Connectドライバを使用できるよう、選択したリモート・システムにDB2 for LUWをインストールして実行します。
  3. 次のDB2コマンドを使用して、リモート・システムのDB2 for LUWデータベースでDB2ターゲット・ノードを登録します。
    catalog tcpip node db2_node_name remote DNS_name
    server DB2_port-number
    
  4. 次のDB2コマンドを使用して、中間システムのDB2 for LUWカタログにターゲットDB2ノードを追加します。
    catalog db database_name as database_alias at node db_node_name 

    注意:

    これらのコマンドの詳細は、IBM DB2 LUWのドキュメントを参照してください。

  5. Oracle GoldenGateをインストールします。すべてのプラットフォームへのインストールを参照してください。
  6. Oracle GoldenGateプロセスを構成する際、ReplicatのパラメータTARGETDBにDB2ターゲット・データベース名を指定します。

6.5 リモートの取得または配信用のシステムの選択と構成

リモート・インストールでは、ソースまたはターゲットのデータベース・サーバーに対してリモートのサーバーにOracle GoldenGateをインストールします。このサーバーは、DB2 for LUWデータベースに対してOracle GoldenGateでサポートされているLinux、UNIXまたはWindowsプラットフォームです。Oracle GoldenGateのビルドは、インストール・サーバーで実行されているDB2 LUWのバージョンに適合する必要があります。

注意:

データベースがビッグ・エンディアン(AIX)サーバー上で実行され、Oracle GoldenGateキャプチャがリトル・エンディアン(Linux)サーバー上で実行されている場合、リモートの取得はサポートされません。

この構成では、データベースの場所はExtractおよびReplicatに対して透過的です。ExtractはソースDB2 LUWデータベース・サーバーのDB2ログを読み取ることができ、ReplicatはターゲットDB2 LUWサーバーにデータを適用できます。

リモートの取得または配信を構成する手順:

  1. DB2 Connectがインストールされたリモート・サーバーでDB2 for LUWをインストールし、実行します。
  2. 次のDB2コマンドを使用して、DB2ソースまたはターゲット・データベースでリモート・サーバーを登録します。
    catalog tcpip node db2_node_name remote remote_DNS_name
    
  3. 次のDB2コマンドを使用して、リモート・サーバーのDB2 for LUWデータベースでDB2ターゲット・ノードを登録します。
    catalog tcpip node db2_node_name remote remote_DNS_name 
    server remote_port_number
     
  4. 次のDB2コマンドを使用して、リモート・サーバーのDB2カタログにDB2ソース・データベースまたはDB2ターゲット・データベースを追加します。
    catalog db database_name as database_alias at node db_node_name
     

    注意:

    これらのコマンドの詳細は、IBM DB2 LUWのドキュメントを参照してください。

  5. リモート・サーバーのDB2 LUWデータベースに適したOracle GoldenGateのビルドをダウンロードしてインストールします。