Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド 12c (12.2.1.3.0) E90110-03 |
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管理ツールは、リポジトリ・メタデータを、単一のバイナリ・リポジトリ・ファイル(RPD)ではなく、MDS XML形式の一連のXMLドキュメントとして保存することで、この統合を実現します。この統合を使用すると、管理ツールを構成して、自身のソース・コントロール管理システムで作業して、そのリポジトリの出力をMDS XMLとして保存できます。
この章のトピックは、次のとおりです:
リポジトリの開発プロセス中に、Oracle管理ツールを、Subversion、Rational ClearCase、Gitなどサード・パーティのソース・コントロール管理システムと統合できます。
管理ツールで次を行います。
バイナリRPDファイルを一連のMDS XMLドキュメントに変換します。
1つのバイナリ・リポジトリ・ファイルを使用するのでなく、リポジトリをMDS XML形式で保存できます。MDS XML形式では、接続プール、物理表、ビジネス・モデルなどの各リポジトリ・オブジェクトは、それ自体のXMLファイルで表されます。リポジトリを構成する一連のXMLファイルはソース・コントロール管理システムで管理できます。
ソース・コントロール管理(SCM)構成ファイルを設定します。
管理ツールのSCM構成エディタを使用して、SCMシステムに固有のコマンド(「ファイルの追加」、「削除」、「チェックアウト」など)およびSCMシステムに必要な環境変数を指定できます。
リポジトリがソース・コントロール下に置かれていることを指定します。
管理ツールでMDS XMLリポジトリを初めて開いた場合は、このリポジトリがスタンドアロンMDS XMLリポジトリであるか、ソース・コントロール下に置かれているのかを指定するプロンプトが表示されます。管理ツールでこのリポジトリに対してSCM統合を可能にするには「ソース・コントロールの使用」を選択します。
MDS XML形式は、ソース・コントロールの下に置かれているリポジトリに対して使用されます。
MDS XMLは、1つのファイルではなく複数のXMLファイルのセットでOracle BIリポジトリを表します。
各リポジトリの接続プールは、次のようなXML表現でそれ自体のファイルに格納されます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <ConnectionPool mdsid="m80ca62c5-0bd5-0000-714b-e31d00000000" name="SampleApp_Lite_Xml" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xmlns="http://www.oracle.com/obis/repository" password="94F9321C85340FC48E4D9093AA941FF28844074B88D5AA6364E4815DEED7F9B 8792EF452219C2155DB68F61EE1555B4FA886F77E060E2E17F45AD8D18CAB2E4D3EFA15B75E 30D8B4BFA8C7B2D70552BD" timeout="4294967295" maxConnDiff="10" maxConn="10" dataSource="VALUEOF(BI_EE_HOME)/sample/SampleAppFiles/Data" type="Default" reqQualifedTableName="false" isSharedLogin="false" isConcurrentQueriesInConnection="false" isCloseAfterEveryRequest="true" xmlRefreshInterval="2147483647" outputType="xml" ignoreFirstLine="false" bulkInsertBufferSize="0" transactionBoundary="0" xmlaUseSession="false" multiThreaded="false" supportParams="false" isSiebelJDBSecured="false" databaseRef="/oracle/bi/server/base/Database/Sample App Lite Data_80ca62c4 -0bcf-0000-714b-e31d00000000.xml#m80ca62c4-0bcf-0000-714b-e31d00000000" > <Description> <![CDATA[ SampleAppLite connection pool to XML datasource. This connection pool points the database to the location where physical XML files are stored. The location uses the value of an RPD variable : BI_EE_HOME. This variable needs to be correctly set in order for the server to connect to the files. ]]> </Description> </ConnectionPool>
SampleAppLiteリポジトリでは、次のような構造のMDS XMLファイルを生成します。
注意:
管理ツールのリポジトリ・オブジェクトと、XML出力として作成された一連のファイルとの間に、1対1の関係はありません。たとえば、物理列は、管理ツールでは独立したオブジェクトとして表示されますが、MDS XMLでは、それらは物理表オブジェクトの一部とみなされます。
リポジトリ・オブジェクトのMDS XMLスキーマ表現の詳細は、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition XMLスキーマ・リファレンスのOracle BIサーバーのMDS XML APIに関する項を参照してください。
ソース・コントロール管理でリポジトリを開発するためのシステムを設定するには、SCMシステムに固有のコマンドを使用してSCM構成ファイルを設定し、MDS XMLリポジトリを生成し、SCMシステムで確認する必要があります。
この項では、次の項目について説明します。
Oracle BI管理ツールをソース・コントロール管理システム(SCM)と統合するには、使用している特定のSCMシステムに基づいてXML構成ファイルを作成する必要があります。
この構成ファイルには、ファイルの追加、削除、チェックアウトおよび名前変更のためのSCMシステム・コマンドが含まれます。リポジトリ・オブジェクトが作成または更新されるときに、管理ツールによってこれらのコマンドがSCMシステムに発行され、その結果、対応する新しいまたは変更済MDS XMLファイルが作成されます。
注意:
Oracle BI管理ツールによって、変更内容がSCMシステムにコミットされることはありません。リポジトリ開発者は、常にファイルをSCMシステムに直接チェックインする必要があります。SCMシステムでの別個のチェックインにより、管理ツール環境ではなくSCM環境で競合を表示することや、マージ・デシジョンを指定することが容易になります。
MDS XMLリポジトリが開いているときにSCM構成ファイルを作成または編集する場合は、「ソース・コントロールの使用」が選択されており、「新規」または「編集」ボタンが有効になっていることを確認する必要があります。
SCM構成ファイルのデフォルトの場所は、ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIServerComponent/coreapplication_obisnです
この場所でもテンプレートを使用できますが、このステップ中にテンプレート・ファイルを選択しないでください。かわりに、次のステップでテンプレートをロードできます。
SCM構成テンプレート・ファイルは、scm-conf-ade.template.xml
およびscm-conf-svn.template.xml
と呼ばれます。示されたORACLE_INSTANCE
の場所に加えて、次のOracle Technology Network (OTN)でも入手できます。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/bi-foundation/downloads/obieescmconfigfiles-1568980.zip
構成ファイル・テンプレート自体を変更する意図がない場合は、「構成エディタで編集」が選択されていないことを確認してください。このオプションが選択されている場合、SCM構成エディタの「構成ファイル」フィールドに表示されているファイル名は、先行ステップで指定したファイル名からテンプレート・ファイル名に変更され、変更内容はデフォルトではそのテンプレート・ファイルに保存されます。
セキュリティ・センシティブな環境変数を構成ファイルに格納しないでください。セキュリティ・センシティブな変数がSCMシステムで必要な場合は、セキュリティ・リスクを回避するために、セキュリティ・センシティブな変数がすでに設定されている管理ツールをWindowsコマンド・プロンプトから起動できます。
SCMシステムと統合するには、Oracle BIリポジトリをMDS XML形式に変換する必要があります。
次のオプションのいずれかを使用して、MDS XMLリポジトリを作成し、それをソース・コントロール・システムにチェックインします。
既存のリポジトリ・ファイルがある場合、この初期インポートのステップを使用して、そのファイルをMDS XMLに変換します。
注意:
biserverxmlgen
ユーティリティを-M
および-D
オプションを指定して使用し、既存のRPDからMDS XMLを生成することもできます。『Oracle Business Intelligence Enterprise Edition XMLスキーマ・リファレンス』のコマンドライン・ユーティリティを使用した既存のRPDからのMDS XMLの生成に関する項を参照してください。
次のステップを使用して、新しいリポジトリをMDS XML形式で作成します。
注意:
新しいMDS XML形式リポジトリを作成して、オブジェクトを追加し、ソース・コントロールへのリンクを選択することはしないでください。この方法は機能せず、SCMコマンドは生成されません。
とても小さいリポジトリの場合は、「ソース・コントロール・ファイルへのリンク」メソッドを使用して、バイナリRPDファイルをMDS XML形式に変換できます。
「SCM構成ファイルの作成」を参照してください。
注意:
「ソース・コントロール・ファイルへのリンク」メソッドを使用したリポジトリの初期インポートは、リポジトリが非常に小さい場合にのみお薦めします。このメソッドは、大規模なリポジトリ(数万のファイル)では非常に遅くなります。それは、管理ツールが、一括ファイル・インポート専用コマンドを使用せずに標準のadd file
コマンドを使用して一度に1つずつファイルをインポートするためです。
add file
コマンドを繰り返し起動すると、一時エラーが発生する可能性が高まることがあります。これが発生した場合、すべてのファイルがソース・コントロールに正常にインポートされる前に、数回このプロセスを再起動しなければならないことがあります。
これらのトピックでは、日常のリポジトリ開発中に発生する一般的なシナリオについて説明します。
この項では、次の項目について説明します。
MDS XMLリポジトリをソース・コントロールの下で設定した後、リポジトリの更新、保存および変更のチェックインを行うには次のステップに従います。
SCMシステムでのエラーの処理方法を説明します。
管理ツールがSCMシステムに変更を配信するときに、ときどき、期限切れラベルやネットワークの問題などのエラーが発生することがあります。
この手順のステップ4と5により、管理ツールが保存済RPDファイルまたはMDS XMLファイルからメモリー・オブジェクトをロードしたままにしますが、かわりにそれらをソース・コントロールMDS XMLリポジトリに属していると見なすようになります。「保存」をクリックすると、管理ツールによってそのメモリー・オブジェクトがソース・コントロール・リポジトリに保存されます。
リポジトリの開発中は、オンライン・モードでテストを実行し、リポジトリを検証する必要があります。
Oracle BIリポジトリをRPD形式でOracle BIサーバーにロードした場合にのみ、問合せに使用できるようになります。このため、オンライン・テストを実行する場合は、ときどきデプロイメントMDS XMLリポジトリをRPD形式で保存する必要があります。
「リポジトリを問合せで使用可能にする」を参照してください。
「ソース・コントロール・ログ」ウィンドウは、Oracle管理ツールがSCMシステムに発行するコマンドを表示します。
SCM構成エディタの「保存後コメント」タブで指定した保存後テキストがあればそれも表示されます。
デフォルトでは、「ソース・コントロール・ログ」ウィンドウは、SCMコマンドが実行されているときに表示されます。かわりに、「ファイル」を選択し、「ソース・コントロール」を選択し、「ログの表示」を選択して「ソース・コントロール・ログ」ウィンドウを表示できます。
このダイアログについては、次のオプションを選択できます。
コマンドの終了時に閉じる: コマンドがエラーを発生させずに完了した場合にログ・ウィンドウが自動的に閉じるようになります。
エラーが発生したときにダイアログのみ表示: SCMコマンドの実行中は、エラーが発生しないかぎりウィンドウを非表示にします。デフォルトでは、このオプションが選択されていない場合は、「ソース・コントロール・ログ」は、SCMコマンドが実行されているときに自動的に表示されます。
「ソース・コントロール・ログ」に表示されるテキストは、リポジトリを閉じるまで永続します。これは、個別の操作中にダイアログが開いているかどうかに関係なく、すべてのSCMコマンド出力が、ビューに使用できることを意味します。
「ソース・コントロール・ログ」には、32K文字の制限があります。ウィンドウ・バッファがいっぱいになったとき、最も古いコマンドが「ソース・コントロール・ログ」の表示から削除され、最新のコマンド出力を表示する場所が作られます。すべての出力を確認するには、次の場所にある管理ツール・ログに移動します。
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBIServerComponent/coreapplication_obisn/user_name_NQSAdminTool.log
注意:
SCMコマンドが実行されている間は、SCMコマンドが終了するか、エラーで停止するまで「閉じる」ボタンは無効化されています(「エラーが発生したときのみダイアログを表示」が選択されていない場合)。
マルチユーザー開発環境でソース・コントロール管理を使用できます。
たとえば、マルチユーザー開発の対象となっている既存のリポジトリがあり、ソース・コントロール管理を使用する場合は、次の副項で説明するステップに従います。
この手順を使用して、MUDマスター・リポジトリとMUDログ・ファイルをソース・コントロール下に置きます。
mhlconverter
コマンドライン・ユーティリティを実行して、MUDログ・ファイル(*.mhl)をXMLファイルに変換します。
マスターMUD RPDを、ファイル・システム上の一連のMDS XMLファイルに変換する方法は、「既存のリポジトリ・ファイルをMDS XML形式で保存」 を参照してください。
マスターMUDリポジトリの最初のバージョンを作成してチェックインした後、MUDマスター・リポジトリの更新バージョンを継続的にチェックインする必要があります。
この項では、この作業を実行するための2つの方法について説明します。
マルチユーザー開発プロセスの一環として発生したマスターRPDおよびログ・ファイルへの変更を手動でチェックインするには、次のステップを実行します。
大規模なリポジトリがある場合は、スクリプトを使用して、更新済のMUDマスター・リポジトリとログ・ファイルをチェックインで説明されている自動化されたチェックイン方法の使用を検討してください。「SCM構成ファイルの作成」を参照してください。
管理ツールでマスターRPDの最新のコピーを開きます。
適切なSCM構成ファイルを作成または選択します。
「ファイル」を選択し、「ソース・コントロール」を選択し、「ソース・コントロールへのリンク」を選択します。マスターMUDリポジトリのMDS XMLバージョンを含むディレクトリを選択します。
大規模なリポジトリの場合、ソース・コントロールへのリンクの使用はお薦めしません。タイムアウトが発生する可能性があります。
「保存」をクリックして、マスターMUDリポジトリからの変更を、ソース・コントロールの下のMDS XMLファイルに保存します。管理ツールは、追加、チェックアウト、変更および削除するファイルを決定し、SCMシステムにコマンドを発行します。
管理ツールを閉じます。
次のステップに従って、MUDログ・ファイルを更新します。
SCMシステムで、XML形式のMUDログ・ファイルをチェックアウトします。
mhlconverter
ユーティリティを使用して、XML形式のMUDログ・ファイルを、.mhl
バージョンからの最新の変更で上書きします。
最新のXML形式のMUDログ・ファイルをSCMシステムにチェックインします。
すべての変更をSCMシステムにチェックインします。
単一のトランザクションに多数の変更が存在するようになることを避けるため、定期的にこの項のステップを実行することをお薦めします。
手動での変更のチェックインに代わる方法として、チェックイン・タスクを実行するスクリプトを作成し、それを一定の間隔で実行するようにスケジュールすることができます。
「comparerpdを使用したリポジトリの比較」を参照してください。
SCMシステムにチェックインするマスターRPDの最新のコピーを特定します。
SCMシステムにチェックイン済のマスターRPDの最新のバージョンを特定します。ソース・コントロール下の最新のXML形式のMUDログ・ファイルを確認することで、このバージョンを特定できます。
注意:
RPD形式のマスター・リポジトリの最新のチェックイン済バージョンがない場合は、-Dオプションを指定してbiserverxmlexec
ユーティリティを使用し、ソース・コントロールにチェックインされている最新のMDS XMLファイルを読み取り、RPDバージョンを再作成することができます。
マスターRPDの最新のコピー(変更されたバージョン)を、最後にチェックインされたバージョン(オリジナルのバージョン)と比較するには、-M
オプションを指定してcomparerpd
ユーティリティを使用します。MDS XML形式のdiffが生成されます。
次のことを実行するスクリプトを作成します。
MDS XML diffディレクトリを読み取って、存在するファイルを特定します。
ソース・コントロールでコマンドを発行して、特定されたファイルをチェックアウトするか、新しいファイルを追加します。
MDS XML diffディレクトリからソース・コントロール・ディレクトリに、最新バージョンのファイルをコピーします。
MDS XML diffディレクトリ内のoracle\bi\server\base\DeletedFiles.txt
ファイルを読み取って、削除するファイルを特定します。
ソース・コントロールでコマンドを発行して、該当するファイルを削除します。
MDS XML形式のMUDログ・ファイルをチェックアウトし、mhlconverter
ユーティリティを実行して最新のMHL形式のログ・ファイルをXML形式に変換し、既存のMDS XML形式のMUDログ・ファイルを新しいファイルで上書きして、それをチェックインします。
SCMシステムで、必要なすべてのチェックイン・ステップを実行します。