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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド
12c (12.2.1.3.0)
E90019-04
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15 通貨オプションの構成

この章では、Oracle Business Intelligenceの通貨オプションを構成する方法について説明します。コンテンツ・デザイナが分析を作成する際は、その多くの場合に、米国ドルなどの通貨を示すデータを使用します。管理者として、ユーザーが使用できる通貨オプションを制御する各種タスクを実行できます。

この章の内容は次のとおりです。

分析用デフォルト通貨の変更

フランスのフランをユーロにするなど、表示されるデフォルトの通貨を変更できます。

アンサーでのフォーマット関数の使用の詳細は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイドを参照してください。

  1. ORACLE_HOME/bi/bifoundation/web/displayディレクトリにあるcurrencies.xmlファイルを開きます。

  2. デフォルトに設定する通貨(USD、CAD、PEN、MADなど)を検索します。

  3. 通貨要素全体をコピーします。

    たとえば、ユーロの通貨タグをコピーします。

    - <Currency tag="int:euro-l" type="international" symbol="_" displayMessage="kmsgCurrencyEuroLeft" digits="2" format="$ #">
    <negative tag="minus" format="-$ #" />
    </Currency>
    
  4. ファイルの上部付近にあるテキスト文字列int:wrhsを検索します。

  5. 要素全体を選択し、その上にコピーした要素を貼り付けて置き換えます。

  6. タグ属性がint:wrhsとなるように置き換えます。

    たとえば、tag="int:euro-l"tag="int:wrhs"に置き換えます。

  7. Oracle BIサーバーのサービスを再起動します。

注意:

アップグレード、パッチセット、バンドル・パッチまたは個別パッチを適用する際に、currencies.xmlファイルが上書きされます。このファイルを変更した場合、新しいcurrencies.xmlに変更内容を再入力する必要があります。

カスタマイズしたサブジェクト領域の列の通貨を指定するには、次の手順を実行します。

  1. アンサーで、サブジェクト・エリアを使用する分析を変更します。
  2. 「分析」エディタの「基準」タブで、通貨列の「オプション」ボタンをクリックし、「列のプロパティ」を選択して「列のプロパティ」ダイアログを表示します。
  3. 「データ書式」タブをクリックし、「デフォルトのデータ書式のオーバーライド」ボックスを選択します。
  4. 数値の取扱い」ボックスで、「通貨」を選択します。
  5. 通貨記号」リストで、「ユーザーの優先通貨」を選択します。
  6. タブ内の他のオプションを適切に指定します。
  7. 必要に応じて、この設定をシステム全体のデフォルトとして保存します。
  8. 完了したら「OK」をクリックし、変更する他の列について前述のステップを繰り返します。

ユーザーの優先通貨オプションを定義する場合、次を考慮してください。

  • すべてのユーザーに対するデフォルトを作成する場合、CURRENCYTAG要素をINIT BLOCKを使用して設定します。

  • ユーザーの優先通貨を構成する場合、PREFERRED_CURRENCY要素をINIT BLOCKを使用して設定します。

    「ユーザーの優先通貨オプションの定義」を参照してください。

    INIT BLOCKの詳細は、『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ・ビルダーズ・ガイド』の初期化ブロックの操作に関する項を参照してください。

ユーザーの優先通貨オプションの定義

分析およびダッシュボードの通貨列に優先して表示する通貨のタイプを選択できます。

2つの方法のいずれかを使用して、通貨のタイプを選択します。

  • 「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブの「通貨」ボックス

  • 通貨プロンプト

「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブでの優先通貨の設定、または通貨プロンプトの詳細は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイドを参照してください。

「通貨」ボックスや通貨プロンプトに表示する通貨オプションは、userpref_currencies.xmlファイルで定義します(ご使用のインストレーションでは列を通貨に変換できますが、これらの通貨オプションは、その変換先の通貨用のオプションです)。通貨オプションを定義することで、「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブで「通貨」ボックスを使用できるかどうか、および「プロンプト」エディタの「定義」ペインで「通貨プロンプト」オプションを使用できるかどうかも制御されます。

これらの通貨オプションを定義する場合は、次のいずれかのマッピング・タイプを使用します。

  • 静的 - すべてのユーザーに表示される通貨オプションの静的リストを作成します。

  • 動的 - 指定する論理SQL文に基づいて動的に変更される通貨オプションのリストを作成します。これは、たとえば通貨オプションを動的に変更して、各ユーザーに自身のアカウント固有のリストを表示させる場合に便利です。各ユーザーには、使用できるすべてのオプションのサブセットが表示されます。たとえば、あるユーザー・グループには「Global Currency 1」または「Global Currency 2」のいずれかからのみ通貨を選択させ、他のグループには別の異なるオプションから通貨を選択させることができます。

注意:

ユーザーの優先通貨オプションを有効にするには、Oracle Business Intelligenceリポジトリで次の構成も実行する必要があります。

  • PREFERRED_CURRENCYセッション変数の作成。

  • ビジネス・モデルおよびマッピング・レイヤーでの論理通貨列の変換設定。

  • インストレーションの通貨情報を使用したuserCurrencyPreference表の作成。これにより、指定する論理SQL文に基づいて通貨オプションを動的に変更できます(動的マッピングを使用する場合にのみ必要)。

『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』の複数通貨サポートの論理列の構成に関する項を参照してください。

ユーザーの優先通貨のコンテンツは、PREFERRED_CURRENCYセッション変数を使用して設定できます。次のファイルのいずれかでUserCurrencyPreferences要素を定義します。

  • 次のinstanceconfig.xmlファイルまたはuserpref_currencies.xmlファイル。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  • yourfilename。instanceconfig.xmlファイルに含まれるエントリが含まれ、使用するファイルを指しています。次に例を示します。

    <UserprefCurrenciesConfigFile>yourpath</UserprefCurrenciesConfigFile>
    

    ここで、yourpathはファイルの場所です。

静的マッピングを使用したユーザーの優先通貨オプションの定義

マッピングを使用して、通貨の選択時にすべてのユーザーに表示するオプションの静的リストを定義できます。

  1. テキスト・エディタを使用して、次のディレクトリにあるuserpref_currencies.xmlファイルを開きます。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  2. 次のようにUserCurrencyPreferences要素を追加します。

    <UserCurrencyPreferences currencyTagMappingType="static">
    
    </UserCurrencyPreferences>
    
  3. 通貨」ボックスまたは通貨プロンプトに各通貨オプションが表示されるようにするには、次のフォーマットを使用して、<UserCurrencyPreferences>タグの間にUserCurrencyPreference要素を追加します。

    <UserCurrencyPreference sessionVarValue="sessionVarValuevalue" displayMessage="displayMessagevalue" displayText="displayTextvalue" currencyTag="currencyTagvalue"/> 
    

    このフォーマットの意味は次のとおりです。

    • sessionVarValue="sessionVarValue ": セッション変数PREFERRED_CURRENCYを設定します。この値として、通貨を一意に識別する文字列を指定します(gc1など)。

    • (オプション) displayMessage="displayMessagevalue": プレゼンテーション変数currency.userPreferenceをローカライズされた値に設定します。ローカライズされた値を指定するには、最初に、通貨のローカライズ済メッセージをusercurrencymessages.xmlファイルで作成する必要があります。「ユーザーの優先通貨のメッセージのローカライズ」を参照してください。次に、displayMessageの値として、usercurrencymessages.xmlファイルで通貨用に指定しているWebMessage名を指定します。たとえば、usercurrencymessages.xmlファイルで次の英語エントリを作成します。

      <WebMessage name="kmsgMyCurrency1"><TEXT>My Currency 1</TEXT></WebMessage> 
      

      次に、displayMessageの値としてkmsgMyCurrency1を指定します。

    • (オプション) displayText="displayTextvalue": プレゼンテーション変数currency.userPreferenceをローカライズされていない値に設定します。値として、Global Currency 2など、通貨を示す文字列を指定します。

      currency.userPreference変数の詳細は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイドを参照してください。

    • currencyTag="currencyTagvalue": currencies.xmlファイルの通貨タグを識別します。この通貨タグのdisplayMessage値が、「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブにある「通貨」ボックスおよび通貨プロンプトに移入するために使用されます。(currencies.xmlファイルは、ORACLE_HOME/bi/bifoundation/web/displayにあり、通貨フォーマットを提供します)。

    注意:

    currency.userPreference変数の値は、次の優先順位で、UserCurrencyPreference要素のdisplayMessage属性およびdisplayText属性から取得されます。

    1. displayText

    2. displayMessage

    displayTextおよびdisplayMessageの値が存在しない場合は、currencies.xmlファイルの対応する通貨タグのdisplayMessage属性の値が使用されます。

  4. userpref_currencies.xmlファイルを保存して閉じます。

  5. Oracle Business Intelligenceを再起動します。

例: ユーザーの優先通貨オプションを定義する静的マッピング

次の例は、静的マッピングを使用してユーザーの優先通貨オプションを定義するuserpref_currencies.xmlファイルを示しています。

<UserCurrencyPreferences currencyTagMappingType="static">
   <UserCurrencyPreference sessionVarValue="gc1" displayText="Global Currency 1" currencyTag="int:USD" />
   <UserCurrencyPreference sessionVarValue="gc2" displayText="Global Currency 2" currencyTag="int:euro-l" />
   <UserCurrencyPreference sessionVarValue="gc3" displayText="Global Currency 3" currencyTag="loc:ja-JP" />
   <UserCurrencyPreference sessionVarValue="orgc" displayText="Org Currency" currencyTag="loc:en-BZ" /> 
</UserCurrencyPreferences>

次の図は、userpref_currencies.xmlファイルのこれらの値が、ダッシュボード・ページに表示されるプロンプトの通貨オプションのドロップダウン・リストでどのように表示されるかを示しています。このドロップダウン・リストは、「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブの「通貨」ボックスに表示される内容と似ています。

動的マッピングを使用したユーザーの優先通貨オプションの定義

マッピングを使用して、通貨の選択時にユーザーに表示されるオプションの動的リストを定義できます。

このリストは、指定する論理SQL文に基づいて動的に変更されます。これは、たとえば、ユーザーごとに通貨オプションを動的に変更する場合に便利です。

  1. テキスト・エディタを使用して、次のディレクトリにあるuserpref_currencies.xmlファイルを開きます。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  2. 次のようにUserCurrencyPreferences要素を追加します。
    <UserCurrencyPreferences currencyTagMappingType="dynamic">
    
    </UserCurrencyPreferences>
    
  3. 次のフォーマットを使用して、<UserCurrencyPreferences>タグの間にUserPrefCurrencyLogicalSQL要素を追加します。
    <UserPrefCurrencyLogicalSQL>
    SELECT column1, column2, column3 FROM userCurrencyPreference
    </UserPrefCurrencyLogicalSQL>
    

    このフォーマットの意味は次のとおりです。

    • column1には、セッション変数PREFERRED_CURRENCYを設定するために使用する値を含めます。この列の各値は、一意に通貨を識別する文字列です(gc1など)。

    • column2には、たとえばint:euro-1など、「通貨」ボックスおよび通貨プロンプトに移入するdisplayMessage値を含む、currencies.xmlファイルの通貨タグを含めます(currencies.xmlファイルは、ORACLE_HOME/bi/bifoundation/web/displayにあり、通貨フォーマットを提供します)。

    • (オプション)column3には、プレゼンテーション変数currency.userPreferenceを設定するために使用する値を含めます。この列の各値は、Global Currency 2など、通貨を識別する文字列です。

      注意:

      column3を省略した場合、currencies.xmlファイルの対応する通貨タグのdisplayMessage属性の値が使用されます。

      currency.userPreference変数の詳細は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイドを参照してください。

  4. userpref_currencies.xmlファイルを保存して閉じます。
  5. Oracle Business Intelligenceを再起動します。

例: ユーザーの優先通貨オプションを定義する動的マッピング

次の例は、動的マッピングを使用してユーザーの優先通貨オプションを定義するuserpref_currencies.xmlファイルを示しています。

<UserCurrencyPreferences currencyTagMappingType="dynamic">
UserPrefCurrencyLogicalSQL>
<!-- In this SELECT statement, column1 contains the values to set the PREFERRED_CURRENCY variable, column2 contains the currency tag values, and column3 contains the values to set the currency.userPreference variable. --> 
SELECT markets.userpreferences, markets.currencyTag, markets.userpreferencename FROM userCurrencyPreference
</UserPrefCurrencyLogicalSQL>
</UserCurrencyPreferences>

次の表は、論理SQL文の結果の例を示しています。

"Markets"."UserPreference" "Markets"."CurrencyTag" "Markets"."UserPreferenceName"

varchar

varchar

varchar

orgc1

loc:en-BZ

Org currency

gc2

int:euro-1

Global currency 2

lc1

int:DEM

Ledger currency

gc1

int:USD

Global Currency 1

次の図は、userpref_currencies.xmlファイルのSQL文から動的に生成された値が、「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブにある「通貨」ボックスの通貨オプションのドロップダウン・リストにどのように表示されるかを示しています。このドロップダウン・リストは、ダッシュボード・ページのプロンプトで表示される内容に似ています。