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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド
12c (12.2.1.3.0)
E90114-02
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1 レポート設計の概要

この章では、BI Publisherレポートを構成するコンポーネントについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

レポート設計者向けの概要

レポートは、データ・モデル、レイアウト、および1組のプロパティから構成されています。

オプションとして、レポートは、スタイル・テンプレートおよび1組の変換を含むことができます。レポート設計者によって、次のタスクが実行されます。

  • レポートのレイアウトを設計します。レイアウトは、様々なツールを使用して作成できます。特定のレポートの出力と設計の要件によって、最適なレイアウト設計ツールが決定されます。オプションには、Webベースのレイアウト設計ツールであり、対話型の出力を実現するレイアウト・エディタ、Microsoft Word、Adobe Acrobat、Microsoft ExcelおよびAdobe Flexbuilderが含まれています。

  • レポートのランタイム構成プロパティを設定する作業

  • エンタープライズにおいて一貫性のあるレポートのルック・アンド・フィールを強化するために、スタイル・テンプレートを設計します。

  • 複数のテンプレートで共通する機能を再利用するために、サブテンプレートを作成します。

  • レポートの翻訳を有効化する作業

表のサマリー・テキストの定義

レポート内の表について説明するテキスト・サマリーを定義できます。

サマリー表のテキストを定義するには:

  1. 表を選択します。
  2. 「プロパティ」ペインで「その他」を開きます。
  3. 「サマリー」プロパティで、次の図に示すように表のサマリー・テキストを入力します。

レイアウト・タイプについて

BI Publisherには、レポートのレイアウトを設計するための複数のオプションが用意されています。

レイアウト・タイプによって、サポートされる出力ドキュメントのタイプが決定されます。次の形式がサポートされています。

  • BI Publisherレイアウト(XPT)

    BI Publisherのレイアウト・エディタは、レイアウトを作成するためのWebベースの設計ツールです。レイアウト・エディタで作成したレイアウトは、対話型の表示と、RTFレイアウトによってサポートされる出力タイプの全領域をサポートしています。

  • リッチ・テキスト・フォーマット(RTF)

    BI Publisherでは、Microsoft Word用のプラグイン・ユーティリティが提供され、レイアウト設計が自動化され、BI Publisherに接続してデータにアクセスし、Microsoft Wordセッションからテンプレートを直接アップロードできます。また、RTF形式では、最も柔軟性があり強力なレイアウト・オプションを提供する高度な書式設定コマンドがサポートされています。RTFテンプレートでは、Excel(mhtml)、Excel(html)、Excel(*.xlsx)、HTML、MHTML、PDF、PowerPoint、RTF、圧縮PDFなどの様々な出力タイプがサポートされています。

  • Portable Document Format(PDF)

    PDFテンプレートは、主にレポートのレイアウトとして事前定義されたフォーム(政府機関によって規定されたフォームなど)を使用する必要があるときに使用されます。多くのPDFフォームには、すでにフォーム・フィールドが含まれているため、PDFフォームをテンプレートとして使用するには、データ要素をフォームに存在するフィールドにマップするだけです。また、PDFテンプレートは、Adobe Acrobat Professionalを使用して設計することもできます。PDFテンプレートは、PDF出力のみをサポートします。

  • Microsoft Excel (XLS)

    Excelテンプレートを使用すると、Excelワークブックでデータのマップ、計算および書式設定ロジックの定義を実行できます。Excelテンプレートでは、Microsoft Excel(.xls)出力のみがサポートされています。

  • XSLスタイルシート

    レイアウトは、XSL書式設定言語で直接定義することもできます。レイアウトの対象をData(CSV)、Data(XML)、FO形式のXML、HTML、テキストまたはXML変換で指定します。

  • eText

    これは、Electronic Data Interchange(EDI)トランザクションやElectronic Funds Transfer(EFT)トランザクションのテキスト出力を作成するために特化して使用するRTFテンプレートです。

  • Flash

    BI PublisherではFlashレイアウトがサポートされており、Adobe Flexテンプレートを開発してBI Publisherのレポートに適用し、対話型のFlash出力ドキュメントを生成できます。

「レポートの作成と編集」を参照してください。

ランタイム・プロパティの設定について

BI Publisherには多様なユーザー制御による設定があり、これらは簡単にアクセスできる「プロパティ」ダイアログを使用して指定されます。これには、PDFレポートごとのセキュリティ設定、HTML出力の表示設定、フォント・マッピング、通貨の書式設定、他の出力固有の設定などがあります。

「レポート処理および出力文書のプロパティの設定」を参照してください。また、これらの設定は、システム・レベルで構成されますが、レポートごとにカスタマイズできます。

翻訳について

BI Publisherには、RTFテンプレートからXLIFFファイルを作成する機能が用意されています。XLIFFとは、XML Localization Interchange File Formatのことです。これはローカライゼーション・プロバイダによって使用される標準的なフォーマットです。BI PublisherのXLIFF生成ツールを使用すると、RTFテンプレートの標準的な翻訳ファイルを生成できます。

次に、このファイルを翻訳(または変換プロバイダに送信)できます。翻訳されたファイルは、該当するロケール設定のレポート定義にアップロードできるようになります。これによって、レポート実行時に、ユーザーが選択した対応ロケールの翻訳済レポートが自動的に実行されます。

「翻訳サポートの概要と概念」を参照してください。

スタイル・テンプレートについて

スタイル・テンプレートは、レイアウト・テンプレートに適用できるスタイル情報を含むRTFテンプレートです。エンタープライズ・レポート全体で一貫性のあるルック・アンド・フィールを達成するために、スタイル・テンプレートのスタイル情報は、実行時にレポート・レイアウト・テンプレートに適用されます。

「スタイル・テンプレートの作成および実装」を参照してください。

サブ・テンプレートについて

サブ・テンプレートは1つのレイアウト・テンプレート内、または複数のレイアウト・テンプレート・ファイルで、一度定義すると複数回使用できる書式設定機能です。

この書式設定には、RTFファイル形式またはXSLファイル形式を使用できます。RTF形式のサブ・テンプレートは、Microsoft Wordのネイティブ機能を使用するため、容易に設計できます。XSL形式のサブ・テンプレートは、複雑なレイアウトやデータ要件の場合に使用します。

「サブ・テンプレートの理解」を参照してください。