Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.3.0) E90221-01 |
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この章では、複数の問合せを使用するグループ・レポートについて学習します。この章の手順に従うと、図11-1に示すレポート出力を生成できます。
概要
上の図でわかるように、2つの問合せを使用したグループ・レポートの外観は、1つの問合せを使用したグループ・レポートとほぼ同じです。1つまたは複数の問合せを使用する各レポートを対比する場合、パフォーマンスが重要な意味を持ちます。ほとんどの場合、単一問合せレポートは複数の問合せレポートよりも速く実行されます。ただし、複数の問合せレポートのほうが概念を理解しやすく保守も容易です。たとえば、レポートを実行するユーザー数が少なく、実行されたレポートによって比較的少数のレコードが返される場合、複数の問合せを使用して保守を簡素化し、データ・モデルを理解しやすいものにすることができます。ユーザー数が多く、レポートが大規模な場合は、単一問合せレポートの使用をお薦めします。
注意: レポートのパフォーマンス向上の詳細は、『Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「Oracle Reportsの診断およびチューニング」の章を参照してください。 |
データ・リレーションシップ
単一問合せグループ・レポートと複数問合せグループ・レポートは、見た目は同じですがデータ・モデルが異なります。単一問合せレポートでは、1つの問合せの下に複数のグループがあります。これに対して複数問合せレポートでは、複数の問合せそれぞれの下で1つのグループが使用されます。単一問合せの場合、問合せの下のグループの階層によってリレーションシップが確立します。複数問合せの場合、異なる問合せグループ間のデータ・リンクによってリレーションシップが確立します。
データ・リンクは、複数の問合せを関連付けるデータ・モデル・オブジェクトです。単純なグループ・レポートでは、データを選択する表の主キーと外部キーを使用して、2つの問合せを関連付けることができます。
主キーは、それぞれの値が、値の入っているレコードを一意に識別するための列です。外部キーは、主キーと同じ値を含む別の表の列であり、その表のレコードを参照するために使用されています。
主キーと外部キーを使って2つの表にリンクを作成する作業は、結合条件の指定と似ています。実際に、データ・リンクを行うと、リンク作成時に指定された情報に基づいて、結合を定義するSQL句がReports Builderによって作成されます。この句は、実行時に子問合せのSELECT
文に追加されます。
デフォルトのデータ・リンクで定義される結合は外部結合です。外部結合は、リンクの条件を満たす行をすべて返すほか、1つの表から、2番目の表の行と一致しない行をすべて返します。
レイアウト
このレポートでは、デフォルトのグループ上レイアウト・スタイルが使用されます。このレイアウト・スタイルでは、マスター・レコードはページの横方向に表示されます。フィールドの左側にラベルが表示され、標準の表形式でマスター・レコードの下にディテール・レコードが表示されます。
1つのデフォルト列を選択解除してレポートで非表示にし、一部のフィールド幅を変更して、フィールドがそのページに収まるようにし、フィールドの1つを書式設定します。
さらに、1ページ当たり1つのマスター・レコードのみに指定して、レポート出力の各ページには、1つのマスター・レコードとその関連ディテール・レコードのみが表示されるようにします。
使用例
この例では、グループ上レポートを作成して、従業員と従業員の職種と給与を部門別に一覧表示します。
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
空のレポートを新規作成するための手動での新規レポートの作成
2つの問合せ間のデータ・リンクを含むデータ・モデルの作成
金額を書式設定するためのフィールドの書式設定
2つの問合せを持つグループ上レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダmasterdetail
を開き、Oracle Reportsのサンプルgrp_above.rdf
を開きます。アクセス方法の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。