Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.3.0) E90221-01 |
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この章では、マトリックス・レポートについて学習します。この章の手順に従うと、図25-1に示すレポート出力を生成できます。
概要
マトリックス・レポートはグリッドのようなスタイルです。上のサンプル・レポートのように、マトリックス・レポートにはラベルの行と列が1つずつ、また行ラベルと列ラベルの両方に関連付けられたグリッド・フォーマット内の情報があります。
この章のサンプル・マトリックスでは、基本マトリックスに3つの加算が追加されます。このサンプル・マトリックスでは、サマリーが計算され、セル内に存在しない値はゼロに置換され、セル自体がグリッド線で囲まれます。サマリーは、部門別の給与合計、職種別の給与合計およびレポート全体での給与合計です。
マトリックス・レポートの作成には、特定の要件があります。
これらの要件は前述の例で確認できます。前述の例には4つのグループがあり、1つのグループは垂直ラベル(部門番号)、1つのグループは水平ラベル(職種名)を提供しています。この2つのグループが、クロス積グループと呼ばれる3番目のグループの子になり、グリッドが形成されています。4番目のグループはグリッドに挿入される値を提供しています。
マトリックス・レポートは、列の数が事前にわからないので、表形式のレポートとは異なります。つまり、レポート内の列の数は、SELECT
文で指定した列の数とユーザー自身が作成した列の数によっては決定されません。レポート内の列の数は、水平ラベルと垂直ラベルを提供する列に含まれた値の数によって変わります。このため、RECEPTIONISTという新しい職種が基本のデータ表に追加されると、レポートは自動的に拡大されます。
これらのサンプル・マトリックス・レポートのデータの選択に使用された問合せは、マトリックスの問合せの例として定義されているわけではありません。たとえば、パフォーマンスに問題がある場合、マトリックス・レポートのパフォーマンスを改善できる別のデータの問合せ方法もあります。
任意の数の問合せを使用して、マトリックス・レポートを作成できます。第25.2項「単一問合せマトリックスの作成」では、1つの問合せを使用してマトリックス・レポートを作成する方法を説明します。第25.3項「複数問合せマトリックスの作成」では、同じレポートを、3つの問合せを使用して作成する方法を説明します。これらの2つの方法では同じ結果が得られます。これらの方法はオプションとして説明するので、両方試してみて、使いやすい方に決めてください。
このレポートでは、マトリックス・レイアウト・スタイルを使用します。一部のデフォルト設定を変更して、列と行のラベルが正しく表示されるようにします。また、一部のフィールド幅を変更して、フィールドがそのページに収まるようにします。
概要に関する詳細は、第1.3.7項「マトリックス・レポートについて」を参照してください。
使用例
この例では、職種と部門ごとに給与をクロス集計するレポートを作成します。結果のマトリックスには、一番上に横方向の職種、左端に縦方向の部門が表示され、セル内には給与の合計が含まれます。これにより、部門20に属す事務員の給与合計がすぐにわかり、これを別の部門の事務員の給与合計と比較できます。
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
セルの周囲へのグリッド線を追加するためのグリッドの追加
マトリックス・レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダmatrix
を開き、単一問合せマトリックス・レポート用には、Oracle Reportsのサンプルmatrix1qb.rdf
、また、複数問合せマトリックス・レポート用には、サンプルmatrix3qb.rdf
を開きます。これらのレポートのアクセス方法の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。