Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.3.0) E90221-01 |
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この章では、サマリー・レポートについて学習します。この章の手順に従うと、図9-1に示すレポート出力を生成できます。
概要
サマリー・レポートには、他のデータのサマリーで構成される列が少なくとも1つ含まれます。サマリー列には、売上の合計値を計算する列、手数料のリストの平均値を計算する列、一連の発注書内での最大金額を示す列などがあります。
データ・リレーションシップ
サマリー列の値は、別の列から取得されたデータを集計することによって計算されます。Reports Builderでは、パッケージ化されたサマリー・ファンクションを使用してサマリー列の値を計算できます。
この例に示すように、デフォルトでは、レコード単位でデータを集計した列の値がレポートのデフォルト列に表示されます。ここでは、「全体に対する割合(%)」がデフォルトの表形式の列で示されます。
情報のセットごとにデータを集計した列の値(ブレーク・グループごとに1つのサマリー)が、集計される値の列の下に表示されます。
1つの最終結果を計算した列の結果が、レポートの一番下に1箇所表示されます。
これまでの入門用レポートの列とサマリー列が異なるのは、サマリー列はデータベースから選択しないという点です。サマリー列は、作成してレポートのグループに追加します。
サマリー列を作成するには、少なくとも次の3つのプロパティを定義する必要があります。
「ソース」は、サマリー列で計算されるデータを含む列の名前です。ソース列は変更されません。
「ファンクション」は、実行されるサマリーのタイプです。ファンクションによって、サマリー列の値の計算方法がReports Builderに伝えられます。Reports Builderに組み込まれているファンクションは、平均、カウント、最初、最後、最大値、最小値、割合(%)、標準偏差、合計および分散です。(レポートに必要な計算を実行するサマリー・ファンクションがReports Builderに組み込まれていない場合は、PL/SQLを使用して独自のファンクションを作成できます。)
「リセット位置」は、サマリー列の値がゼロに戻るレベルまたは頻度です。リセット・レベル(別名リセット・グループ)によって、サマリー列の値をいつゼロにリセットするか、つまりソース列をいくつ集計するかが決まります。レポート全体のソース列のすべての値をサマリー列で集計するように指定できます。また、ブレーク・グループの列の値を集計することも、レコード単位で列の値を集計することもできます。
レイアウト
このレポートでは、マスター/ディテールのレイアウト・スタイルを使用します。
使用例
この例では、売上データを販売員別に表示および集計するレポートを作成します。このレポートには次のサマリーを入れます。
すべての顧客による全発注の販売員別合計額
各販売員の注文合計額に対して、各顧客の発注額が占めるパーセント値
注文合計額に対して、各販売員の受注額が占めるパーセント値
このレポートにおける全注文の総計
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
サマリーが組み込まれたデータ・モデルとグループ上レイアウトの作成。
金額のフィールドの書式設定。
レポート・ウィザードによって作成されるサマリー列のプロパティのチェック(オプション)。
サマリー・レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダsummary
を開き、Oracle Reportsのサンプルsummary.rdf
を開きます。アクセス方法の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。