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Oracle® Fusion Middleware Oracle JDeveloper拡張機能の開発
12c (12.2.1.3.0)
E90253-01
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3 Extension SDKを使用した開発

この章では、JDeveloperにダウンロードできるExtension SDKと、それを使用した独自の拡張機能の開発方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 Extension SDKを使用した開発について

JDeveloper Extension Software Developer Kit (SDK)には、サンプル・コードを含んだプロジェクトのコレクションや、Extension SDK APIについてのJavadoc生成ドキュメントが含まれています。

各サンプル・プロジェクトには、サンプルを適切なディレクトリにワンクリックでデプロイするためのデプロイメント・プロファイルが含まれています。すべてのプロジェクトを一度にデプロイすることもできます。

各種拡張機能を提供するコードをテンプレートとして使用することで、類似する複数の機能を効率よく開発できます。

3.2 Extension SDKのダウンロードとインストール

Extension SDKをJDeveloperへダウンロードおよびインストールする方法を学びます。

Extension SDKは「更新の確認」ウィザードを使用してダウンロードおよびインストールできます(ダウンロードはOracle Webサイトからも可能です)。

「更新の確認」を使用してExtension SDKをインストールするには、次のようにします。

  1. 『Oracle JDeveloperによるアプリケーションの開発』の「「更新の確認」を使用して拡張機能をインストールする方法」にある情報に従って操作し、ソース・ページでOfficial Oracle Extensions and Updates更新センターを選択します。

  2. 更新ページで、利用可能な拡張機能のリストからExtension SDKを選択し、「次へ」をクリックします。拡張機能のサイズによっては、インターネットの接続状況に応じてダウンロードに数分かかることがあります。

  3. ウィザードが完了すると、JDeveloperが再起動してExtension SDKがインストールされます。再起動の際、この章で説明したサンプル・プロジェクトを含むサンプル・アプリケーションをJDeveloperにインストールするかどうかをたずねられます。「はい」を選択すると、「アプリケーション」ウィンドウでextensionsdkアプリケーションが開き、サンプル・プロジェクトがリストされます。

ファイアウォール内で作業している場合、JDeveloperはプロキシ・サーバーの詳細情報を入力するまで更新センターに接続できません。この操作は、Webブラウザまたは「プリファレンス」ダイアログ・ボックス(「ツール」メニューから選択可能)のプロキシ・ページで行えます。行わない場合は、「更新の確認」ウィザードがタイムアウトし、Webブラウザとプロキシ・ページが表示されます。

ファイルを使用してExtension SDKをインストールするには、次のようにします。

  1. 『Oracle JDeveloperによるアプリケーションの開発』の「OTNからの拡張機能の直接インストール方法」にある情報に従って操作し、Official Oracle JDeveloper Extensionsのページに移動します。
  2. Extension SDKをローカルの場所にダウンロードし、「ヘルプ」メニューから「更新の確認」ウィザードを開きます。
  3. ソース・ページで、「ローカル・ファイルからインストール」を選択し、esdk_bundle.zipファイルの場所を入力して、ウィザードを完了します。
  4. JDeveloperが再起動してExtension SDKがインストールされます。再起動の際、この章で説明したサンプル・プロジェクトを含むサンプル・アプリケーションをJDeveloperにインストールするかどうかをたずねられます。「はい」を選択すると、「アプリケーション」ウィンドウでextensionsdkアプリケーションが開き、サンプル・プロジェクトがリストされます。

3.2.1 Extension SDKインストール時の処理内容

Extension SDKを正常にインストールすると、オプションによってサンプル・アプリケーションが「アプリケーション」ウィンドウ内で開き、JDeveloperの各種機能を説明するサンプル・プロジェクトにアクセスできるようになります。これらのコードを使用することで、独自の拡張機能を効率よく開発できます。

Oracle Fusion Middleware Oracle Extension SDK Java APIリファレンスへは、オンライン・ヘルプ(「ヘルプ」メニューからアクセス)の「目次」リストにある「参照」からアクセスできます。

3.2.2 Extension SDKのインストールに関するトラブルシューティング

ファイアウォール内で作業していて、Extension SDKを正常にダウンロードできない場合は、Webブラウザおよび「プリファレンス」ダイアログ・ボックス(「ツール」メニューから選択可能)のプロキシ・ページで、プロキシ・サーバー設定が設定されていることを確認してください。

「更新の確認」ウィザードによって更新センターの場所が特定された際、接続の速度によっては、利用可能な拡張機能のリストが表示されるまでに数分かかることがあります。

ウィザードでExtension SDKを選択すると、ウィザードの起動中にダウンロードが実行されますが、接続の速度によっては、これにも数分かかることがあります。拡張機能のダウンロードが完了したら、それをインストールするためにJDeveloperを再起動する必要があります。その後、結果を示すメッセージが表示されます。

3.3 サンプル拡張機能の使用

JDeveloperのExtension SDKでは、様々なタイプのJDeveloper要素の使用方法を示す多数のサンプル・プロジェクトが提供されます。

Extension SDKをインストールすると、アプリケーションextensionsdkがインストールされ、これには、様々な種類のJDeveloper要素を作成および使用する方法の例を示す多数のプロジェクトが含まれています。

サンプルの実行に関する詳細は、「サンプル・プロジェクトの実行」を参照してください。

大部分の拡張機能のサンプルの説明は、次を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/samples-083838.html

次のリストは、一部のサンプル拡張機能プロジェクトと、その主な機能の簡略な解説を抜き出したものです。

  • ApplicationOverview.jpr: 「アプリケーション概要」ウィンドウへのプラグイン方法を示します。「アプリケーション」および「プロジェクト」の両方のコンテキスト・メニューに、「概要の表示」メニュー・アイテムを追加します。次に方法を示します。

  • AuditRefactor.jpr: 監査フレームワークを使用してJavaコード内の問題を検出する方法と、リファクタAPIを使用して問題を自動的に修正するための変換を記述する方法を示します。

  • Balloon.jpr: JDeveloperのステータス・バーにバルーン通知をインストールする方法を示します。

  • ClassBrowser.jpr: JDeveloperClassBrowserの使用方法を示します。

  • ClassGenerator.jpr: プロジェクト内にjavaファイルを生成するためのJOT (Java Object Tool)の基本を示します。また、有限ステート・マシン(FSM)ウィザード・ユーティリティを使用してマルチ・ステップのウィザードを作成する方法も示します。

  • ClassSpy.jpr: 「アプリケーション」ウィンドウ内の特定ノードのクラスを識別する最も簡単な方法と、その名前をログ・ウィンドウに書き込む方法を示します。

  • ClickableURL.jpr: 「ログ」ウィンドウ内にクリック可能なURLを生成する方法を示します。

  • CodeInteraction.jpr: コード・エディタからテキストを取得し、現在選択されているテキストについてのGoogle検索を起動する方法を示します。

  • ConfigPanel.jpr: プリファレンスを格納および取得する方法と、「プリファレンス」ダイアログ内にパネルをインストールする方法を示します。

  • CPPageProvider.jpr: palette2 APIを使用してコンポーネント・パレット内にプラグインする方法を示します。

  • CreateDialog.jpr: ギャラリから呼び出されるシンプルな作成ダイアログの例です。

  • CreateStructure.jpr: 空の新規アプリケーション(.jwsファイル)を作成し、その中に空の新規プロジェクト(.jprファイル)を追加する方法を示します。

  • CustomEditor.jpr: 特定のファイル用に使用する、独自エディタの実装方法を示します。動作中のツールを参照するには、任意のXMLファイルを開き、問合せページに切り替えます。

  • CustomExtensionHook.jpr: カスタム拡張機能フックを使用して、他の拡張機能が自分の拡張機能にプラグインできるようにする方法を示します。

  • CustomNavigator.jpr: カスタムの「アプリケーション」ウィンドウをインストールする方法を示します。よくアクセスされるファイルを格納するために使用できる、「お気に入り」ウィンドウをインストールします。

  • DebugObjectPreferences.jpr: デバッガの「データ」ウィンドウに対する、カスタム・オブジェクト・プリファレンス・レンダラのインストール方法を示します。

  • DockableWindow.jpr: カスタムのドッキング可能ウィンドウを実装する方法を示します。

  • ExternalToolCreation.jpr: 外部プログラム用の外部ツール・ショートカットをインストールするアドインの記述方法を示します。この機能は、実際にはJDeveloper IDEの一部であり、ウィザードを使用して外部アプリケーションを設定します。外部ツールの詳細は、『Oracle JDeveloperによるアプリケーションの開発』JDeveloperへの外部ツールの追加に関する項を参照してください。

  • ExternalToolImportExport.jpr: 外部ツールのリストに関連付けられたプロパティをインポートおよびエクスポートします。

  • ExternalToolMacros.jpr: 外部ツールで使用するためのカスタム・マクロをインストールするアドインの記述方法を示します。

  • ExternalToolScanner.jpr: ユーザーが「外部ツール」ダイアログ(「ツール」メニューから選択可能)の「ツールの検索」ボタンをクリックしたときに、外部プログラムのショートカットを自動的にインストールできる、外部ツール用スキャナの記述方法を示します。

  • FirstSample.jpr: JDeveloperの拡張機能の記述に関わる主要な概念を説明するサンプルです。

  • FlatEditor.jpr: extension.xmlに使用されるものと同様の、フォームベースの概要エディタの実装方法を示します。

  • HelloX.jpr: これは、新規ギャラリ・アイテム、アクションおよびメニュー・アイテムなどのコア・コンセプトを説明するサンプルです。

  • LayoutMenuFilter.jpr: レイアウトが変更されたときにIDE内のトップ・レベルのメニューをフィルタリングする方法を示します。

  • MethodCallCounter.jpr: JOT (Java Object Tool)を使用して、特定のコード内での名前付きメソッドの発生件数をカウントします。

  • OpenNodes.jpr: NodeFactory内で開いているノードを示すドッキング可能ウィンドウを実装し、ノードの開閉時を追跡します。

    このサンプルの実行時には、表示→ESDKSample: オープン・ノードを選択して、オープン・ノード・トラッカ・ウィンドウを開きます。これは、NodeFactory内で開いているノードを表示し、ノードの開閉時を追跡するものです。

  • Overlay.jpr: バージョン・コントロール拡張機能によって使用されるものと同様のオーバーレイを「アプリケーション」ウィンドウ内で使用する方法を示します。

  • ProgressBar.jpr: 長いタスクを実行する際の進行状況バーの実装方法を示します。

  • ProjectSettings.jpr: プロジェクト・プロパティの格納および取得方法と、カスタム・プロジェクト設定UIの追加方法を示します。

  • StructurePane.jpr: 構造ウィンドウに独自のコンテンツを表示する方法を示します。

  • UpdateCenter.jpr: カスタム更新センターを拡張機能の一部としてインストールする方法を示します。

3.4 サンプル・プロジェクトの実行

JDeveloper拡張機能のサンプル・プロジェクトを実行する方法を学びます。

JDeveloper内でサンプル・プロジェクトを実行して、それらの動作内容を確認できます。

サンプル・プロジェクトを実行するには、次のようにします。

  1. サンプル・プロジェクト拡張機能を最初に実行する際には、いずれかを右クリックし、「ターゲット・プラットフォームへのデプロイ」を選択する必要があります。
  2. 拡張機能を実行するには、それを右クリックし、「拡張機能の実行」を選択します。

    これにより、サンプル・プロジェクトがインストールされた、JDeveloperの2つ目のコピーが実行されます。