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Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Director構成ファイル・リファレンス
12c (12.2.1.3.0)
E90198-02
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2 server.xmlの構文および使用

server.xmlファイルには、サーバー構成の大部分が含まれます。この章では、server.xmlファイルの基本構文と、サーバー機能の構成に使用される要素の概要について説明します。この章のトピックは、次のとおりです:

server.xmlの概要

server.xmlファイルには、構成を定義する要素が含まれます。server.xmlファイルは、 INSTANCE_HOME/net-server-id/configディレクトリにあります。

ファイル・エンコーディングはUTF-8であり、UNIXテキスト・エディタとの互換性が維持されています。

server.xmlファイルの編集

server.xmlファイルの構造は、serverを最上位の要素とする階層型です。server要素には多くのサブ要素があり、それらのサブ要素の多くには独自のサブ要素があります。

一般的に、server.xmlを直接編集する必要はありません。かわりに、管理者コンソールやtadmコマンドライン・インタフェースを使用して、server.xmlファイルの値を変更します。管理者コンソールやtadmコマンドライン・インタフェースを使用した変更は、server.xmlファイルに影響します。スクリプトの作成時にtadmを使用してserver.xmlファイルを変更することで、将来の互換性が確保されます。server.xmlファイルを直接編集する場合、編集後のserver.xmlファイルが有効であることを確認してください。

要素値の編集

server.xmlファイルの値を変更するには、編集する要素に関連付けられたタグ間の値を変更します。たとえば、<log-level>の値をNOTIFICATION:1からTRACE:1に変更するには、server要素のlog子要素を見つけます。この例では、次の行があります。

  <log>
    <log-file>../logs/server.log</log-file>
    <log-level>NOTIFICATION:1</log-level>
  </log>
For example:

NOTIFICATION:1のログ・レベルを変更します

<log-level>NOTIFICATION:1</log-level>

これをTRACE:1に変更します

<log-level>TRACE:1</log-level>

server.xmlファイルの変更後、ほとんどの変更を反映するには、構成をデプロイする必要があります。コマンドライン・インタフェースのコマンドtadm pull-configを使用して、変更したserver.xmlファイルをプルし、管理者コンソールまたはtadm deploy-configコマンドを使用して変更をデプロイします。変更を有効にするにはサーバーの再起動が必要な場合があります。再起動が必要または不要な変更の詳細は、動的再構成を参照してください。

要素の追加

ファイルに新しい要素を追加するには、要素と必須サブ要素(存在する場合)を追加します。各要素は、<virtual-server>などのタグで始まり、</virtual-server>などの終了タグで終わります。タグでは大文字と小文字が区別されます。

server.xmlの検証

server.xmlファイルの編集後、サーバーを起動するか動的に再構成すると、Oracle Traffic Directorによって自動的にXMLコードが検証されます。

startservスクリプトの-configtestオプションを使用して構成を検証することもできます。インスタンスのbinディレクトリから、次のコマンドを実行します。

startserv -configtest

server.xmlの理解

現在の環境のserver.xmlファイルを変更するには、どの要素に関連設定が含まれるかを理解している必要があります。次の項では、各機能領域を構成する要素を簡単に説明します。

server.xmlのすべての要素とそのサブ要素の詳細は、「server.xmlの要素」を参照してください。

サーバー・プール

origin-server要素は、サーバー・プールのメンバーを定義します。origin-server-pool要素は、ロード・バランシング・リクエストで使用されるオリジン・サーバーのプールを構成します。オリジン・サーバーは、Oracle WebLogic ServerインスタンスやOracle iPlanet Web Serverインスタンスなどのバックエンド・サーバーであり、Oracle Traffic Directorはクライアントから受信したリクエストをこのサーバーに転送し、レスポンスをこのサーバーから受信します。同じサービスを提供するオリジン・サーバーのセットによって、オリジン・サーバー・プールが構成されます。詳細は、origin-server-poolorigin-serverserverを参照してください。

ヘルス・チェック

health-check要素は、オリジン・サーバー・プールの各オリジン・サーバーのステータスを決定するために使用されるパラメータを構成します。health-check要素は、origin-server-pool要素のサブ要素です。「health-check」および「origin-server-pool」を参照してください。

高可用性

failover-group要素は、VIP (仮想IP)、プライマリ・サーバーとして指定された1つのインスタンス、およびバックアップ・サーバーとして指定されたもう1つのインスタンスをグループ化したものです。アクティブ/パッシブまたはアクティブ/アクティブのクラスタ・フェイルオーバー構成は、フェイルオーバー・グループとして表されます。failover-group要素は、フェイルオーバー・グループを定義します。「failover-group」を参照してください。

HTTPプロトコル

http要素は、一般的なHTTPプロトコル・オプションを構成します。keep-alive要素は、HTTPキープ・アライブ接続管理を構成します。http-listener要素は、サーバーが新しいHTTP接続をリスニングするポートおよびIPアドレスを構成します。virtual-server要素は、サーバーがHTTPリクエストを処理する方法を構成します。「http」「keep-alive」「http-listener」および「virtual-server」を参照してください。

ロギングおよび監視

access-log要素は、アクセス・ログのファイル名と形式を構成します。access-log-buffer要素は、アクセス・ログの更新頻度と、アクセス・ログのエントリの順序を構成します。「access-log」および「access-log-buffer」を参照してください。ログ・ファイル形式の詳細は、カスタム・アクセス・ログ・ファイル形式の使用を参照してください。

log要素は、サーバー・ログのファイル名と内容を構成します。event要素は、アクセス・ログとサーバー・ログのローテーションを構成します。「log」および「event」を参照してください。

snmp要素は、Simple Network Management Protocol (SNMP)を構成し、stats要素は統計収集を構成します。「snmp」および「stats」を参照してください。

パフォーマンス・チューニング

thread-pool要素は、リクエストの処理に使用されるスレッドの数と、サーバーがキューに入れるHTTP接続の最大数を構成します。「thread-pool」を参照してください。

keep-alive要素は、HTTPキープ・アライブ接続管理を構成します。「keep-alive」を参照してください。dns-cache要素は、DNSキャッシュを構成します。「dns-cache」を参照してください。

SSL、TLSおよびPKCS #11

ssl要素は、Secure Sockets Layer (SSL)およびTransport Layer Security (TLS)を構成します。SSLとTLSは、HTTPリスナーごとに別々に構成できます。詳細は、sslおよびhttp-listenerを参照してください。

pkcs11要素は、証明書失効リスト(CRL)やサード・パーティの暗号モジュールを含むPKCS #11サブシステムを構成します。

変数

variable要素は、式、ログ形式およびobj.confパラメータで使用される変数を定義します。「変数」を参照してください。変数および式の使用の詳細は、変数、式、ワイルドカードおよび文字列補間の使用を参照してください。

仮想サーバー

virtual-server要素は、仮想サーバーを構成します。各仮想サーバーは、1つ以上のHTTPリスナーからのHTTPリクエストを処理します。http-listener要素は、HTTPリスナーを構成します。「virtual-server」および「http-listener」を参照してください。

変数は、変数で説明したとおり、variable要素を使用して仮想サーバー内で定義できます。

サンプルserver.xmlファイル

例2-1は、server.xmlファイルの一部を示しています。

例2-1 server.xmlファイル

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
 
<!--
  Copyright (c) 2011, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved
-->
 
<server>
  <cluster>
    <local-host>www.example.com</local-host>
    <instance>
      <host>www.example.com</host>
    </instance>
  </cluster>
  <log>
    <log-file>../logs/server.log</log-file>
    <log-level>NOTIFICATION:1</log-level>
  </log>
  <platform>64</platform>
  <temp-path>/tmp/net-test-8a4af444</temp-path>
  <user>myuser</user>
  <access-log>
    <file>../logs/access.log</file>
  </access-log>
 <http-listener>
   <name>http-listener-1</name>
   <port>1894</port>
   <server-name>www.example.com</server-name>
   <default-virtual-server-name>test</default-virtual-server-name>
  </http-listener>
 <virtual-server>
    <name>test</name>
    <http-listener-name>http-listener-1</http-listener-name>
    <host>www.example.com</host>
    <object-file>test-obj.conf</object-file>
 </virtual-server>
 <origin-server-pool>
    <name>origin-server-pool-1</name>
    <type>http</type> 
 <origin-server>
    <host>www.example.com</host> 
    <port>20005</port> 
    </origin-server>
   </origin-server-pool>
  </server>