この章では、以下のトピックについて説明します。
Oracle WebLogic Serverドメイン内で管理対象サーバーが実行されている場合、ユーザーとグループによるInbound RefineryへのアクセスはOracle WebLogic Serverによって制御され、システムのセキュリティ構成はWebLogic Serverコンソールを通じて処理されます。
Oracle Internet DirectoryまたはOracle Access Managerを使用したシングル・サインオンなどの追加のサービスが必要な場合は、WebLogic Serverのコントロールを使用して、Inbound Refineryを管理するOracle WebLogic Serverドメインにこれらのサービスをリンクできます。
デプロイ時に、Inbound RefineryロールrefineryadminにOracle Inbound Refineryを管理する権限が付与されています。Inbound Refineryに対する権利が必要なユーザーは、Oracle WebLogic Serverで対応するrefineryadminグループに属する必要があります。
追加情報については、次のドキュメントを参照してください。
表22-1 システム・セキュリティに関する追加のドキュメント
タスク | 情報参照先 |
---|---|
Oracle WebLogic Serverの管理 |
『Oracle Fusion Middlewareの管理』 |
Oracle WebCenter Contentの管理 |
Oracle WebCenter Contentの管理 |
リファイナリはいずれかのコンテンツ・サーバー・インスタンスのプロバイダとして設定されています。ファイルがコンテンツ・サーバーにチェックインされると、/vault
ディレクトリ(ネイティブ・ファイル・リポジトリ)にネイティブ・ファイルのコピーが格納されます。ネイティブ・ファイルのフォーマットは、ファイルが元々作成されたフォーマット(Microsoft Wordなど)です。
ファイル形式が変換対象として設定されている場合、コンテンツ・サーバーは変換前キューに変換ジョブを作成します。次に、コンテンツ・サーバーは、リファイナリ・プロバイダのうちアクティブになっているリファイナリの1つ(変換を受け入れるように構成され、ビジーでないリファイナリ)に変換ジョブを配信しようとします。コンテンツ・サーバーは、アクティブなリファイナリに変換パラメータを送信します。
リファイナリは変換パラメータを受け取ると、次のデータをコンテンツ・サーバーに返します。
JobAcceptStatus: ステータスは次のいずれかになります。
ステータス | 説明 | コンテンツ・サーバーのアクション |
---|---|---|
ERROR |
リクエストの処理中に予期しないエラーが発生しました。 |
コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのまま残され、コンテンツ・サーバーの変換前キューから削除されます。 |
NEVER_ACCEPT |
リファイナリは変換を承認するように構成されていないため、ジョブを受け入れることはありません。 |
変換ジョブが変換前キューから消去されるまで、リファイナリ・プロバイダは使用不可とマークされます。 |
ACCEPT |
リファイナリは変換ジョブを受け入れます。 |
ジョブは変換前キューから削除され、リファイナリに転送され、変換されます。 |
BUSY |
リファイナリは変換ジョブを受け入れられますが、キューの合計最大値または特定の変換に対する変換ジョブの最大数に達しています。 |
コンテンツ・サーバーに提供するRefineryBusyTimeSecondsが経過するまで、このリファイナリ・プロバイダは再度使用されません。 |
JobAcceptStatusMsg: リファイナリのステータスを説明する文字列。リファイナリとコンテンツ・サーバーの両方でログに記録されます。
JobCanAccept: ジョブが承認されたことを示すブール値。
RefineryBusyTimeSeconds: リファイナリにジョブを送信すべきではない秒数(これは単にヒントであり、リファイナリがリクエストの承認を停止するわけではありません)。
リファイナリがジョブを受け入れない場合、コンテンツ・サーバーは次に使用可能なリファイナリに配信しようとします。いずれかのリファイナリがジョブを承認するか、最大転送時間に達するまで、コンテンツ・サーバーはジョブの転送を試行し続けます。最大転送時間に達すると、ジョブはコンテンツ・サーバーの変換前キューから削除され、コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのままとなります。
リファイナリがジョブを受け入れると、コンテンツ・サーバーは変換データと変換対象ファイルが格納されているZIPファイルをリファイナリにアップロードします。さらに、コンテンツ・サーバーは、変換ジョブの追跡に使用するエントリをRefineryJobs表に配置します。リファイナリは、変換ジョブをその変換前キューに配置します。
次に、リファイナリは必要に応じて適切な変換オプションをコールして、指定された変換の実行を試みます。リファイナリは、変換ジョブの処理を完了すると、変換ジョブをその変換後キューに配置します。コンテンツ・サーバーは、リファイナリを定期的にポーリングし、そのRefineryJobs表内の変換ジョブが完了したかどうかを調べます。リファイナリが変換ジョブの処理の完了を報告すると、コンテンツ・サーバーは変換されたファイル(たとえば、Webで表示可能なサムネイル・ファイルやPDFファイルなど)をリファイナリからダウンロードし、変換ジョブをその変換後キューに配置し、必要な場合は変換後機能を起動します。
リファイナリ・キューの管理設定は、コンテンツ・サーバーとリファイナリの両方で構成できます。リファイナリ・キューの管理には、次のページが使用されます。
リファイナリ変換オプション・ページ: このページには、コンテンツ・サーバーとそのすべてのリファイナリ・プロバイダとの対話方法に影響する設定が含まれます。
次に転送を試みるまでの待機秒数: 各変換ジョブに対して、次に転送を試みるまで待機する秒数を設定するために使用します。デフォルトでは、コンテンツ・サーバーはそのいずれかのリファイナリ・プロバイダへの変換ジョブの配信を次に試みるまでに10秒待機します。
単一ジョブの転送に許容される分数: 各変換ジョブの転送に許容される分数を設定するために使用します。デフォルトでは、コンテンツ・サーバーはそのいずれかのリファイナリ・プロバイダへの変換ジョブの転送を30分間試行します。
ネイティブ・ファイルの圧縮しきい値: ネイティブ・ファイルの圧縮しきい値をMB単位(デフォルト・サイズは1024MB (1GB))で設定するために使用します。ネイティブ・ファイルは、しきい値サイズを超えないかぎり、圧縮されてから、コンテンツ・サーバーによってリファイナリに転送されます。この設定によって、ビデオ・ファイルなどの非常に大きなファイルの圧縮に伴うオーバーヘッドを回避できます。転送前にネイティブ・ファイルの圧縮を解除したままにするには、しきい値サイズを0に設定します。
ジョブ転送の有効期限が切れると、変換に失敗します。: 変換に失敗する時間を指定するために使用します。変換ジョブの最大許容時間に達すると、変換ジョブはコンテンツ・サーバーの変換前キューから削除され、コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのままとなります。変換ジョブが失敗するように指定した場合、コンテンツ・アイテムはGenWWWステータスのままとなります。変換エラーが「再送信」ボタンとともに「コンテンツ情報」ページに表示され、ユーザーはそのボタンを使用してコンテンツ・アイテムを変換用に再送信できます。
Inbound Refineryに送信した変換が失敗した場合、変換を「Refinery通過」に設定します: 失敗した変換をコンテンツ・サーバーがどのように処理するかを指定するために使用します。ファイルがリファイナリに送信され、変換が失敗した場合に、リファイナリ通過を有効にすることにより、ネイティブ・ファイルのコピーをWebレイアウト・ディレクトリに配置するようにコンテンツ・サーバーを構成できます。
注意:
ファイルが変換用にリファイナリに送信される場合、ネイティブ・ファイルのコピーのかわりにHCSTファイルを使用することはできません。コンテンツ・サーバーがリファイナリに送信されないファイルをどのように処理するかを構成する方法の詳細は、「PassThruファイル用のコンテンツ・サーバーの構成」を参照してください。
送信ソケット・プロバイダの追加/「送信ソケット・プロバイダの編集」ページ: 個々のリファイナリ・プロバイダに対する設定を指定するために使用します。
Inbound Refinery変換ジョブの処理: プロバイダが変換ジョブを処理するかどうかを指定するために使用します。このオプションを選択しなかった場合、コンテンツ・サーバーはこのプロバイダとの間で変換ジョブの転送を試みません。
Inbound Refineryの読取り専用モード: コンテンツ・サーバーが新しい変換ジョブをこのリファイナリ・プロバイダに送信しないようにするために使用します。ただし、リファイナリ・プロバイダは引き続き、終了した変換ジョブを返します。
次のリファイナリのページには、リファイナリ・キューの管理に使用される情報および設定が含まれます。
「キュー内のアイテム」ページ: 特定のリファイナリ・エージェント(コンテンツ・サーバーなど)に対する変換前および変換後キュー内のアイテムを表示するために使用します。
「変換リスト」ページ: 特定のリファイナリ・エージェント(コンテンツ・サーバーなど)に対する変換前および変換後キュー内のアイテムを表示するために使用します。
キューに入れることのできる変換の最大数: リファイナリがキューに入れることのできる変換ジョブの合計数を設定するために使用します。デフォルト: 0 (無制限)。
変換後キューに入れることのできる変換の最大数: リファイナリの変換後キューに入れることのできる変換の数を設定するために使用します。デフォルト: 1000。
リファイナリをビジーとみなす秒数: 変換が最大数に達しているとき、リファイナリをビジー状態とみなす秒数を指定するために使用します。デフォルト: 30 (秒)。リファイナリの変換ジョブが最大数に達した場合、コンテンツ・サーバーはこの時間待機してから、リファイナリとの通信を再度試行します。
最大変換数: リファイナリが同時に処理できるジョブの最大数を指定できます。デフォルトは5です。
各リファイナリ・エージェントに対して詳細ロギングを有効にできます。詳細ロギングがオンになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報、各変換エンジン・アクションの詳細な説明(いつ変換が開始されたか、ファイルの詳細、変換ステップの詳細、変換結果など)、およびエラーがリファイナリ・エージェント・ログに記録されます。詳細ロギングがオフになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報およびエラーのみがリファイナリ・エージェント・ログに記録されます。
リファイナリ・エージェントに対して詳細ロギングを有効にする手順は次のとおりです。
リファイナリ・エージェントは、リファイナリ・エージェントの変換前または変換後キューに変換ジョブがない場合にのみ削除できます。リファイナリ・エージェントを削除する手順は次のとおりです。
リファイナリ・プロバイダを構成する必要はありません。WebベースのInbound Refineryインタフェースを使用してリファイナリ・プロバイダ情報を表示する手順は次のとおりです。
この項では、リファイナリの情報を表示する方法を説明します。
WebベースのInbound Refineryインタフェースを使用してリファイナリの構成情報を表示する手順は次のとおりです。
「構成情報」ページは、情報の提供のみを目的としたページであり、編集できません。
動的および静的なレイアウト・ファイルをパブリッシュする手順は次のとおりです。
使用可能なその他のパブリッシュ・オプションおよびコンテンツ・サーバーとリファイナリ・サーバーのカスタマイズの詳細は、コンテンツ・サーバーに付属のドキュメントを参照してください。
Windows上でのInbound Refineryの実行時には、一部のInbound Refineryおよびコンテンツ・サーバー・ディレクトリのアクティブ・ウィルス・スキャンにより変換が失敗することがあります。
アクティブ・ウィルス・スキャンから、次のコンテンツ・サーバー・ディレクトリを除外してください。
weblayout
ディレクトリ(WeblayoutDir
)
vault
ディレクトリ(VaultDir
)
IntradocDir
\data\
IntradocDir
\search\
ヒント:
コンテンツ・サーバーの\vault\~temp
ディレクトリはスキャンすべき最も重要なディレクトリであるため、除外しないでください。
アクティブ・ウィルス・スキャンから、次のInbound Refineryディレクトリを除外してください。
vault
ディレクトリ(VaultDir
)
weblayout
ディレクトリ(WeblayoutDir
)
IntradocDir
\data\
ヒント:
前述のディレクトリをスキャンする必要がある場合は、これらのディレクトリをアクティブにスキャンするのではなく、オフピーク時にコンテンツ・サーバーおよびInbound Refineryコンピュータに対して物理ディスク・スキャンを使用することをお薦めします。最良の結果を得るには、ローカル・ドライブのスキャンにはローカルのアンチウィルス・プログラムを使用してください。
デフォルトのEnglish-USロケールでは、年は2桁('yy')で表現され、1969年から2068年の間のものとして解釈されます。たとえば、65は2065とみなされ、1965ではありません。English-USロケールで1969年より前の年が正しく解釈されるようにするには、そのロケールのデフォルトの日付フォーマットを、年が4桁(yyyy)で表されるように変更する必要があります。
この問題は、すでに年の表現に4桁を使用しているEnglish-UKロケールには当てはまりません。
デフォルトのEnglish-US日付書式を変更する手順は次のとおりです。
作成されるログ・ファイルを使用して、リファイナリのステータスを監視できます。エージェントは、リファイナリにジョブを送信する、コンテンツ・サーバーなどのエンティティです。変換ステータス情報は、情報を見やすくし、詳細を見つけやすいように、エージェントによって切り離され、記録されます。
リファイナリに対して2つのタイプのログ・ファイルが作成されます。
リファイナリ・ログ: これらのログには、エージェントに対して実行される変換に固有のものではない、リファイナリの機能に関する一般的な情報(起動情報など)が含まれます。リファイナリが実行される日ごとに、1つのログ・ファイルが生成されます。詳細は、「リファイナリのステータスの表示」を参照してください。
リファイナリ・エージェント・ログ: これらのログには、変換ジョブをリファイナリに送信するエージェントに対して実行される変換に固有の情報が含まれます。エージェントが少なくとも1つの変換ジョブをリファイナリに送信する日ごとに、エージェント別に、1つのログ・ファイルが生成されます。詳細は、「エージェントのステータスの表示」を参照してください。
エントリは、イベントの発生に従って終日にわたり適切なログ・ファイルに追加され、日付および時間別にリストされます。リファイナリ・ログ・エントリに付けられるタイムスタンプは、ログ・エントリが作成された日時を表し、これは必ずしもアクションが実行された日時ではありません。
各エージェントに対して複数の変換が同時に実行される場合があるため、各リファイナリ・エージェント・ログ・エントリの先頭には変換番号が示されます。たとえば、「変換ジョブ'3513'のログ・エントリ」というように表示されます。次のタイプのログ・エントリが生成されます。
ログ・エントリ | 説明 |
---|---|
情報 |
ステータス情報を表示します。たとえば、起動情報や変換エンジン・アクションの説明など。 |
エラー |
発生したエラーを表示します。 |
詳細ロギングを有効化できます。オンになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報、各変換エンジン・アクションの詳細な説明(いつ変換が開始されたか、ファイルの詳細、変換ステップの詳細、変換結果など)、およびエラーが記録されます。詳細ロギングがオフになっていると、一般的なエージェント・ステータス情報およびエラーのみがリファイナリ・エージェント・ログに記録されます。
ログ・ファイルには「詳細」リンクが含まれている場合があります。「詳細」リンクをクリックすると、ログの詳細が開いたり閉じたりします。通常、ログの詳細は、スタック・ダンプかエラーを生成したコードへのトレース・バックのどちらかです。
次の項では、様々なタイプの変換ステータスの情報を表示する方法について説明します。
リファイナリは、最初の変換ジョブをリファイナリに送信するときに各エージェントを作成します。それまではリファイナリでエージェントの情報を使用できません。
すべてのリファイナリ・エージェントに対する変換の現在のステータスを表示する手順は次のとおりです。
リファイナリのログ・ファイルを表示する手順は次のとおりです。
特定のエージェントのステータス、およびすべてのエージェントに対するキューを表示できます。
特定のリファイナリ・エージェントに対する変換前および変換後キュー内のアイテムを表示する手順は次のとおりです。