この章の内容は、次のとおりです。
手動のファイル・チェックインは、ファイルをコンテンツ・サーバー・リポジトリに送信するプロセスです。ファイルをコンテンツ・サーバーにチェックインするには、適切な権限が必要です。権限は、システム管理者によってユーザーに割り当てられます。チェックイン・プロセス時に、ファイルを特定して検出できるように、ファイルのメタデータを指定します。Oracle WebCenter Content: Desktopを使用すると、デスクトップ・アプリケーションでファイルをチェックインし、自動的にメタデータを適用させることができます。詳細は、『Oracle WebCenter Content: Desktopの使用』のコンテンツ・サーバー接続の追加と管理に関する説明を参照してください。
注意:
メタデータを入力する前に、組織の標準について理解しておくことが非常に重要です。メタデータはコンテンツ・アイテムを検出するときに有用であり、メタデータによってコンテンツ・サーバーのファイル格納場所が決まります。
ファイルをチェックインすると、ネイティブ・ファイルがプライマリ・ファイルになります。次のような代替ファイルを指定することもできます。
ネイティブ・ファイルのWeb表示可能バージョン: コンテンツ・サーバーでネイティブ・ファイルを変換できない場合、またはネイティブ・ファイルを手動で変換する場合に使用します。
Web表示可能ファイルに変換可能なフォーマットのファイル: コンテンツ・サーバーでネイティブ・ファイルを変換できない場合、およびシステムで変換可能な代替ファイル・フォーマット(PostScriptなど)がある場合に使用します。
ネイティブ・ファイルのコンテンツについて説明するファイル: 通常は、圧縮ファイル(ZIPファイルなど)のコンテンツについて説明するテキスト・ファイルを提供したり、実行可能ファイルのドキュメントを提供するときに使用します。
たとえば、複数のグラフィックが含まれるWordドキュメントをチェックインする場合、Wordファイルと元のすべてのグラフィックをZIPファイルに圧縮してから、そのZIPファイルをプライマリ・ファイルとしてチェックインできます。代替ファイルとしては、(コンテンツ・サーバーでPDFに変換可能な)Wordドキュメント、ZIPファイルのコンテンツについて説明するテキスト・ファイルまたは手動で作成したPDFファイルを指定できます。
注意:
代替ファイルのファイル拡張子(ピリオドの後)を、プライマリ・ファイルの拡張子と同じにすることはできません(たとえば、両方のファイルの末尾を.docにすることはできません)
この項の内容は次のとおりです。
PDFウォーターマークはオプションのコンポーネントで、コンテンツ・サーバーとともに自動的にインストールされます。このコンポーネントが有効になっている場合、Oracle WebCenter Content: Inbound RefineryのPDFConverterコンポーネントで生成されたPDFファイルや、Weblayout
ディレクトリ内のネイティブPDFコンテンツに、ウォーターマークを適用できます。
ウォーターマークには、静的と動的の2つのタイプがあります。コンテンツ・チェックイン時に、Inbound Refinery変換への追加手順として、静的ウォーターマークがPDFファイルに付加されます。Inbound RefineryでPDFに変換されるドキュメントにのみ、静的ウォーターマークを付加できます。ドキュメントにウォーターマークが付加されると、ドキュメントのすべてのビューアで同じウォーターマークが表示されます。
動的ウォーターマークは、ユーザーが表示またはダウンロードするドキュメントを要求したときに生成され、様々な情報(ユーザー名、日付、ダウンロード時間など)を含めることができます。要求されたコンテンツに動的ウォーターマークを付加するかどうかを決定するルールの定義と特定条件の設定は、システム管理者が行います。ユーザーごとに、同一のコンテンツがそれぞれ異なるウォーターマークを付けて表示される場合があります。
PDFドキュメントに適用されるウォーターマークの外観は、特殊なテンプレートで決定されます。ウォーターマーク・テンプレートは、ウォーターマークに使用されるテキスト・フィールドおよびイメージと、各フィールドおよびイメージを適用できるページを定義します。ウォーターマークが付加されたコンテンツの表示または印刷にパスワードを要求するなど、テンプレートで特定のセキュリティ手段を講じる場合もあります。ウォーターマーク・テンプレートは、システム管理者によって作成および管理されます。
この項の内容は次のとおりです。
チェックインする新規ファイルに既存のコンテンツ・アイテムと類似したメタデータが含まれる場合、既存のコンテンツ・アイテムを新規ファイルのモデルとして使用できます。コンテンツ・チェックイン・フォームのメタデータ・フィールドに、モデルとなるコンテンツ・アイテムの値があらかじめ入力されます。
同様のファイルをチェックインするには、次の手順で行います。
改訂済ファイルをチェックインするには、次の手順で行います。
次のことに注意してください。
元のファイルに割り当てられていたコンテンツIDは変更できません。
元のファイルの名前が参照用に表示されますが、チェックインする改訂済ファイルの名前が同じである必要はありません。
リビジョンは1ずつ増分されます。
この項の内容は次のとおりです。
複数のファイルを、単一のコンテンツ・アイテムとして保存された圧縮ZIPファイルとしてチェックインできます。複数ファイルのチェックインは、次のような様々な状況で役立ちます。
FrameMakerなどのパブリッシング・ソフトウェア: 複数の章を含むブック全体をチェックインできます。
QuarkXpressなどのページ・レイアウト・ソフトウェア: Quarkファイルおよびそのすべてのサポート・ファイル(フォント、ピクチャなど)をチェックインできます。
SolidworksなどのCADソフトウェア: 複数のファイルで構成されたアセンブリをチェックインできます。
関連ファイル: WebサイトのJPGファイルのセットなど、関連ファイルのグループをチェックインできます。
WinZipやPKZIPなどの圧縮プログラムを使用して、コンテンツ・サーバーの外部で圧縮ZIPファイルを作成してから、このZIPファイルを単一ファイルとしてチェックインします。詳細は、「新規ファイルのチェックイン」を参照してください。
「コンテンツ・チェックイン・フォーム」で「複数ファイルのアップロード」チェック・ボックスを選択して、コンテンツ・サーバーの内部で圧縮ZIPファイルを作成します。この方法による複数ファイルのチェックインは、次のすべての条件を満たしている場合に可能です。
システム管理者が、コンテンツ・サーバーでアップロード・アプレットを有効にしている。
「ユーザー・プロファイル」ページで「アップロード・アプレットを有効にする」チェック・ボックスを選択している。
Javaを実行するWebブラウザを使用している。
詳細は、「アップロードを使用した複数ファイルのチェックイン」を参照してください。
アップロード・アプレットを使用した複数ファイルのチェックインは、次の条件を満たしている場合にのみ可能です。
システム管理者が、コンテンツ・サーバーでアップロード・アプレットを有効にしている。
「ユーザー・プロファイル」ページで「アップロード・アプレットを有効にする」チェック・ボックスを選択している。
Javaを実行するWebブラウザを使用している。
アップロード・アプレットには、ローカル・ドライブへのアクセス権限が必要です。このアプレットを有効にした後、初めて「コンテンツ・チェックイン・フォーム」にアクセスしたときに、Javaのセキュリティ警告が表示される場合があります。
このメッセージ・ボックスが表示されたときに、システムでOracle Javaプラグインが実行されている場合は、「実行」をクリックします。このメッセージ・ボックスが再度表示されないようにするには、「この発行者からのコンテンツを常に信頼する」を選択してから、「実行」をクリックします。
システムでInternet Explorer用のMicrosoftプラグインが実行されている場合は、「はい」をクリックして、完全な権限を付与します。このメッセージ・ボックスが再度表示されないようにするには、「Oracleからの内容を常に信頼」を選択して、「はい」をクリックします。
アップロード・アプレットを使用して、複数ファイルを圧縮ZIPフォーマットの単一コンテンツ・アイテムとしてチェックインするには、次の手順を実行します。
注意:
WinZipやPKZIPなどの圧縮プログラムを使用して、コンテンツ・サーバーの外部で圧縮ZIPファイルを作成してから、このZIPファイルを単一ファイルとしてチェックインする方法でも、複数ファイルをチェックインできます。詳細は、「新規ファイルのチェックイン」を参照してください。
ユーザー・プロファイルでアップロード・アプレットを有効にします。
「新規ファイルのチェックイン」、「類似ファイルのチェックイン」または「改訂済ファイルのチェックイン」の一般的な手順に従います。
プライマリ・ファイルまたは代替ファイルを指定する前に、対応する「複数ファイルのアップロード」チェック・ボックスを選択します。
対応する「参照」ボタンをクリックします。
(オプション)「ファイルのアップロード」ウィンドウで、デフォルトの「ZIPファイル名」の値を、より説明的なファイル名に変更します。.zip拡張子を含めます。
チェックインするファイルを選択します。
個々のファイルを選択するには、次の手順で行います。
「ファイルの選択」をクリックします。
「ファイルの選択」ウィンドウで、追加するファイルまでナビゲートし、「開く」をクリックします。
「アップロードするファイル」リストにファイルが表示されます。
必要に応じて、前述の2つの手順を繰り返して、個々のファイルを選択します。
複数のファイルを選択するには、次の手順で行います。
「複数ファイルの選択」をクリックします。
ファイルが格納されているドライブを選択するには、「複数ファイルの選択」ウィンドウの「ドライブの変更」をクリックし、「ドライブの変更」ウィンドウでドライブを選択して、「OK」をクリックします。
ディレクトリまたは追加するファイルにナビゲートします。「サブディレクトリ」リストに、現在参照しているディレクトリの内容が表示されます。親ディレクトリにナビゲートするには、「サブディレクトリ」リストの「..」エントリをダブルクリックします。
「ファイル」リストで複数のファイルを選択するには、次の手順を実行します。
連続していない複数のファイルを選択するには、[Ctrl]キーを押しながら各ファイル名をクリックします。
連続している複数のファイルを選択するには、[Shift]キーを押しながら最初のファイル名と最後のファイル名をクリックします。
ファイルの選択肢を絞るには、「ファイル・フィルタ」フィールドを使用します。たとえば、フィルタとして*.docを指定すると、.doc拡張子を持つすべてのファイルが選択されます。
現在のディレクトリにあるすべてのサブディレクトリ内のすべてのファイルを選択するには、「サブディレクトリの内容をすべて調べる」チェック・ボックスを選択します。
追加するファイルとともに(親フォルダからの)パス情報を格納するには、「ファイル・パスに親フォルダを含める」チェック・ボックスを選択します。
選択に適したボタン(「選択項目の追加」または「フィルタを使用して追加」)をクリックします。
選択したファイルが「アップロードするファイル」リストに表示されます。
必要に応じて、これらの手順を繰り返して、他のディレクトリまたはドライブからファイルを追加します。
適切なファイルが「アップロードするファイル」リストに表示されていることを確認して、「OK」をクリックします。
「プライマリ・ファイル」フィールドまたは「代替ファイル」フィールドにZIPファイル名が表示されます。
一般的なチェックイン手順に従って、チェックインを完了します。詳細は、「新規ファイルのチェックイン」を参照してください。
チャンク機能が有効になっている場合、アップロード時に、「メッセージのアップロード」ウィンドウに進行状況バーが表示されます。
この項の内容は次のとおりです。
コンテンツ・サーバーをマルチバイト環境で使用する場合でも、コンテンツIDおよびコンテンツ・タイプにマルチバイト・キャラクタ(日本語や韓国語など)は使用しないでください。これらのフィールドの値はコンテンツ・アイテムのURLに含まれ、現在のWebテクノロジの制約では、Webサーバーおよびブラウザでマルチバイト・キャラクタを含むURLを正しく処理できません。
コンテンツID、コンテンツ・タイプまたはその両方でマルチバイト・キャラクタを使用するには、コンテンツ・サーバーのシステム管理者に問い合せて、コンテンツ・サーバー環境全体(すべてのサーバーおよびすべてのクライアント)が、マルチバイト言語(Microsoft Windowsの日本語版または韓国語版など)をサポートするオペレーティング・システムで実行されているかどうかを確認する必要があります。そうでない場合、コンテンツ・アイテムのPDFレンディションへのリンクが機能しない、またはDynamic Converterがコンテンツ・アイテムの検索に失敗するなどのエラーが発生することがあります。
コンテンツ・プロファイルはシステム管理者によって定義され、システム管理者が作成したルールに基づいて、表示されるメタデータ・フィールドや、関連付けられたチェックイン、検索および情報ページでのメタデータ・フィールドのグループ化およびタイトル付けの方法を決定します。デフォルトでは、すべてのコンテンツ・プロファイルが、ツールバーの「検索」リストおよび「新規チェックイン」リストの両方にリンクとして表示されます。
図21-1 ツールバーの「検索」リストおよび「新規チェックイン」リストにあるコンテンツ・プロファイル・リンク
コンテンツ・プロファイル・リンクを使用して検索ページまたはチェックイン・ページにアクセスした場合、検索またはコンテンツ・アイテムのチェックイン時に使用可能なすべてのメタデータ・フィールドにアクセスできないことがあります。また、システム管理者が作成した条件を満たすコンテンツ・アイテムのコンテンツ情報ページにアクセスした場合、表示される最初の情報が使用可能な完全な情報ではないことがあります。
図21-2 コンテンツ・プロファイルによって簡素化された「コンテンツ情報」ページ