デプロイメント操作を実行するためのサポート対象デプロイメント・クライアントに関する情報など、リソース・グループ・テンプレートおよびドメイン・リソース・グループによるアプリケーションのデプロイメントについて理解します。
この章の内容は次のとおりです。
アプリケーションとライブラリの共通のセットをリソース・グループ・テンプレートにデプロイして、ドメインまたはドメイン・パーティション全体でアプリケーション構成を簡素化できます。
リソース・グループ・テンプレートは、(通常は)複数のリソース・グループによってパターンとして使用されるデプロイ可能なリソースの名前付きのドメイン・レベル・コレクションです。各リソース・グループが特定のテンプレートを参照する場合、そのテンプレートに定義されているリソースの独自のランタイム・コピーが取得されます。リソース・グループ・テンプレートにデプロイされるアプリケーションとライブラリはすべてリソース・グループにデプロイされ、ドメインまたはパーティション・レベルで利用できます。
リソース・グループ・テンプレートでは、各アプリケーションを手動で複数回デプロイする必要性をなくすことで、アプリケーションの同じコレクションをドメインまたは複数のドメイン・パーティションに対して適切にデプロイすることができます。このシナリオは、WebLogic Server MTが、同じアプリケーションとリソースを複数回(ドメイン・パーティションごとに1回)アクティブ化するSoftware-as-a-Service (SaaS)環境で特に役立ちます。アプリケーション構成をカスタマイズするために、リソース・グループの特定のアプリケーションに対して別のデプロイメント・プランを指定して、デフォルトのリソース・グループ・テンプレート構成をオーバーライドできます。
リソース・グループ・テンプレートを使用して、アプリケーションおよびライブラリに関する次のデプロイメント操作を実行できます。
deploy
undeploy
redeploy
更新
分散
操作が成功した場合、アプリケーションまたはライブラリは、参照元のリソース・グループに関連付けられているターゲットにデプロイ(または再デプロイ、アンデプロイなど)されます。
リソース・グループ・テンプレートにデプロイされるアプリケーションとライブラリは開始または停止できません。これらの操作はリソース・グループ・レベルで実行する必要があるためです。リソース・グループ・テンプレートでは、ドメインまたはパーティション間で共有するアプリケーションのセットをグループ化するのみです。アプリケーションは、リソース・グループがリソース・グループ・テンプレートを参照してから、デプロイ済アプリケーションを開始すると、ランタイムでアクティブ化します。
リソース・グループ・テンプレートによるアプリケーションのデプロイメントに関する次の考慮事項と制限事項に注意してください。
デプロイメント操作を実行する場合、resourceGroupTemplate
オプションでリソース・グループ・テンプレート名を指定します。指定したリソース・グループ・テンプレートが存在する必要があります。そうでない場合、操作は失敗します。
アプリケーション名は、リソース・グループ・テンプレート内で一意にしてください。
リソース・グループ・テンプレートのレベルでデプロイメント操作を実行する際に、targets
オプションを使用して、アプリケーション・レベルのターゲットを指定しようとするとエラーが発生します。アプリケーションでは、参照元のリソース・グループに関連付けられているターゲットを使用するため、リソース・グループ・テンプレートにデプロイされる個々のアプリケーションをターゲット指定できません。
複数のリソース・グループが参照しているリソース・グループ・テンプレートからアプリケーションを削除すると、そのアプリケーションは参照元のすべてのリソース・グループからも削除されます。リソース・グループ・レベルで実行されるアプリケーションのオーバーライドも削除されます。
バージョン指定したアプリケーションまたはライブラリをリソース・グループ・テンプレートからアンデプロイする場合、バージョン関連のオプションを指定する必要があります。存在するデプロイ済アプリケーションまたはライブラリのバージョンが1つのみの場合、これらのオプションは省略可能です。
次のデプロイメント・クライアントのいずれかを使用して、リソース・グループ・テンプレートによるデプロイメント操作を実行できます。次の例に示すように、resourceGroupTemplate
オプションでリソース・グループ・テンプレートを指定します。
デプロイメント用のMavenプラグインの目的
mvn com.oracle.weblogic:weblogic-maven-plugin:deploy -Dname=<application_name> -DresourceGroupTemplate=<resource_group_template_name> -Dsource=<path_to_application>
java weblogic.Deployer -deploy -name <application_name> -resourceGroupTemplate <resource_group_template_name> path_to_application
wldeploy
Antタスク
<wldeploy action="deploy" name=<application_name> resourceGroupTemplate=<resource_group_template_name> source=<path_to_application> />
WLSTデプロイメント・コマンド
deploy(appName=<application_name>, resourceGroupTemplate=<resource_group_template_name>,path=<path_to_application>)
さらに、WebLogic Server管理コンソールまたはFusion Middleware Controlを使用して、リソース・グループ・テンプレートによるデプロイメント操作を実行できます。次のオンライン・ヘルプのトピックを参照してください。
管理コンソール
Fusion Middleware Control
リソース・グループ・テンプレートのデプロイメントの構成
アプリケーション・デプロイメントの制御
アプリケーション・デプロイメント
WebLogic Serverリソース・グループ・テンプレート
マルチテナント環境でのリソース・グループ・テンプレートへのアプリケーションのデプロイおよびWLSTサンプルの詳細は、WebLogic Server MTの使用のリソース・グループ・テンプレートへのアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。
アプリケーションとライブラリをリソース・グループにデプロイして、開始や停止など、該当アプリケーションに対するデプロイメント操作を実行できます。
リソース・グループは、デプロイ可能なリソースの名前付のコレクションです。たとえば、Java EEアプリケーションとそのデータ・リソース、JMSアーティファクト、およびアプリケーションが使用する他のリソースなどです。リソース・グループは、Java EEアプリケーションとそれらのリソースを個別の管理単位にグループ化するため便利であり、さらにドメイン・レベルで定義することも、ドメイン・パーティションに固有のものとすることもできます。リソース・グループは、リソースを直接含むか、リソースを含むリソース・グループ・テンプレートを参照できます。リソース・グループがリソース・グループ・テンプレートを参照するときに、アプリケーションの構成をカスタマイズする必要がある場合、デフォルトのテンプレート・アプリケーション構成をオーバーライドできます。リソース・グループの詳細は、WebLogic Server MTの使用のリソース・グループの構成を参照してください。
アプリケーションとライブラリは、ドメイン・レベルまたはパーティション・レベルでリソース・グループにデプロイできます。リソース・グループのリソースとアプリケーションは完全修飾されており、その中に、それらのリソースを起動したりそれらに接続するために必要なすべての情報を提供します。リソース・グループにデプロイされたすべてのアプリケーションによって、そのリソース・グループに関連付けられたターゲットが使用されます
パーティション・リソース・グループによるアプリケーションのデプロイメントの詳細は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Server MTの使用のパーティション・リソース・グループへのアプリケーションのデプロイを参照してください。
ドメイン・リソース・グループを使用して、アプリケーションおよびライブラリに関する次のデプロイメント操作を実行できます。
deploy
undeploy
redeploy
更新
分散
開始
停止
操作が成功した場合、アプリケーションまたはライブラリは、指定したドメイン・リソース・グループに関連付けられているターゲットにデプロイ(または再デプロイ、開始など)されます。
ドメイン・リソース・グループによるアプリケーションのデプロイメントに関する次の考慮事項に注意してください。
アプリケーション名はドメイン内で一意にしてください。
deploy
操作とdistribute
操作の場合、resourceGroup
オプションでリソース・グループ名を指定する必要があります。
他のデプロイメント操作の場合、resourceGroup
オプションを指定しません。WebLogic Serverでは、一意のアプリケーション名からリソース・グループを導出します。指定したリソース・グループが存在しない場合や、必要に応じてresourceGroup
オプションを指定しない場合、デプロイメント操作は失敗します。
リソース・グループ・レベルのアプリケーションに対してデプロイメント操作を実行するときにtargets
オプションを指定すると、デプロイメント操作が失敗します。アプリケーションでは、リソース・グループのターゲットを使用するため、リソース・グループの個々のアプリケーションをターゲット指定できません
リソース・グループは、リソースとアプリケーションの構成をリソース・グループ・テンプレートから継承できます。リソース・グループがリソース・グループ・テンプレートを参照する場合、そのリソース・グループ・テンプレートにデプロイされているすべてのアプリケーションまたはライブラリが、参照元のリソース・グループにすぐにデプロイされます。
必要に応じて、デフォルトのリソース・グループ・テンプレートのアプリケーション構成をオーバーライドして、リソース・グループの特定のアプリケーションをカスタマイズできます。「アプリケーション構成のオーバーライド」を参照してください。
次のデプロイメント・クライアントのいずれかを使用して、ドメイン・リソース・グループによるデプロイメント操作を実行できます。deploy
操作とdistribute
操作のみの場合、次の例に示すように、resourceGroup
オプションでリソース・グループ名を指定します。ドメインに存在するリソース・グループが1つのみの場合、resourceGroup
オプションは省略可能です。
デプロイメント用のMavenプラグインの目的
mvn com.oracle.weblogic:weblogic-maven-plugin:deploy -Dname=<application_name> -DresourceGroup=<resource_group_name> -Dsource=<path_to_application>
java weblogic.Deployer -deploy -name <application_name> -resourceGroup <resource_group_name> path_to_application
wldeploy
Antタスク
<wldeploy action="deploy" name=<application_name> resourceGroup=<resource_group_name> source=<path_to_application> />
WLSTデプロイメント・コマンド
deploy(appName=<application_name>, resourceGroup=<resource_group_name>,path=<path_to_application>)
さらに、WebLogic Server管理コンソールまたはFusion Middleware Controlを使用して、ドメイン・リソース・グループによるデプロイメント操作を実行できます。次のオンライン・ヘルプのトピックを参照してください。
管理コンソール
Fusion Middleware Control
リソース・グループのデプロイメント設定の構成
アプリケーション・デプロイメントの制御
アプリケーション・デプロイメント
WebLogic Serverリソース・グループ
リソース・グループは、リソース・グループ・テンプレートを参照して、リソース・グループ・テンプレートに定義されているリソースとアプリケーションの独自のランタイム・コピーを取得できます。リソース・グループはリソース・グループ・テンプレートで定義されたアプリケーション構成を継承するため、各アプリケーションを手動でデプロイおよび構成する必要はありません。リソース・グループ・テンプレートにデプロイされるアプリケーションとライブラリは、参照元のリソース・グループにすぐにデプロイ(またはアンデプロイ、再デプロイなど、実行したデプロイメント操作により異なる)されます。
リソース・グループの特定のアプリケーションをカスタマイズする必要がある場合、リソース・グループ・テンプレートのデフォルトのアプリケーション構成をオーバーライドできます。複数のリソース・グループが同じリソース・グループ・テンプレートを参照している場合は、すべての必要なリソース・グループのアプリケーション構成を確実にオーバーライドします。
カスタマイズするアプリケーションに使用する別のデプロイメント・プランを作成します。
新しいデプロイメント・プランで、該当アプリケーションのテンプレート構成からオーバーライドする属性の値を定義します。
次の方法のいずれかを使用して、新しいオーバーライド・デプロイメント・プランを指定します。
管理コンソール
Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのアプリケーション構成のオーバーライドに関する項を参照してください。
Fusion Middleware Control
『Oracle Fusion Middleware Fusion Middleware ControlによるOracle WebLogic Serverの管理』のアプリケーション構成のオーバーライドに関する項を参照してください。
アプリケーションの動的属性のみをオーバーライドするには、サポートされているデプロイメント・クライアントのいずれかでupdateコマンドを使用して、オーバーライド・デプロイメント・プランを指定します。
次の例ではweblogic.Deployerを使用しています。最初の行は、リソース・グループが参照するリソース・グループ・テンプレートにデプロイされるアプリケーションを示しています。2行目は、updateコマンドを使用した、アプリケーションのデプロイメント・プラン・パスのオーバーライドを示しています。WebLogic Serverでは一意のアプリケーション名からリソース・グループを導出するため、2行目でリソース・グループを指定しないことに注意してください。
java weblogic.Deployer -deploy -name application1 -plan /apps/application1/plan.xml -resourceGroupTemplate myResourceGroupTemplate java weblogic.Deployer -update -name application1 -plan /apps/application1/override-plan.xml
アプリケーションまたはモジュールは、そのアプリケーション構成用の新しいデプロイメント・プランを使用して再デプロイされます。
リソース・グループの特定のアプリケーションをカスタマイズする必要がなくなった場合、オーバーライド属性を含むデプロイメント・プランを削除して、アプリケーション・オーバーライドを削除できます。アプリケーション構成は、リソース・グループ・テンプレートに定義されているデフォルトの構成に戻ります。
次のいずれかの方法を使用して、既存のアプリケーションのオーバーライドを削除します。
管理コンソール
Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのアプリケーション構成のオーバーライドに関する項を参照してください。
Fusion Middleware Control
『Oracle Fusion Middleware Fusion Middleware ControlによるOracle WebLogic Serverの管理』のアプリケーション構成のオーバーライドの削除に関する項を参照してください。
動的属性のみについて既存のオーバーライドを削除するには、サポートされているデプロイメント・クライアントのいずれかでupdate
コマンドを使用して、removePlanOverride
オプションを指定します。例:
java weblogic.Deployer -update -name application1 -removePlanOverride
動的属性および非動的属性の既存のオーバーライドを削除するには、サポートされているデプロイメント・クライアントのいずれかでredeploy
コマンドを使用して、removePlanOverride
オプションを指定します。例:
java weblogic.Deployer -redeploy -name application1 -removePlanOverride
リソース・グループは一意のアプリケーション名から導出されるため、例ではリソース・グループを指定していないことに注意してください。
アプリケーションまたはモジュールは、アプリケーションのオーバーライドが削除された状態で再デプロイされ、アプリケーションはそのデフォルト構成を使用します。