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Oracle® Fusion Middleware WebLogic Server Multitenantの使用
12c (12.2.1.3.0)
E90313-02
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25 Webサービスの構成

WebLogic Scripting Tool (WLST)スクリプトを使用してWebLogic Server Multitenant (MT)で高度なWebサービスおよびSOAP over JMSをサポートするために必要なリソースを構成する方法について理解します。また、WebLogic Server MT環境でWebサービスを使用する際に必要な固有の構成についても説明します。

この章の内容は次のとおりです。

Webサービスの構成: 概要

WebLogic Serverには、WebLogic Server MT環境で特定のJAX-WS Webサービスの機能に必要なリソースを構成できる2つのWLSTスクリプトが含まれています。

  • wlsws-advanced-jaxws-mt-config.py: 非同期メッセージング、Webサービスの信頼性のあるメッセージング、メッセージ・バッファリング、Webサービスの原子性トランザクションおよびWS-SecureConversationを使用したセキュリティなど、高度なJAX-WS Webサービスを構成します。

  • wlsws-soapjms-mt-config.py: SOAP over JMSトランスポートを構成します。

両方のスクリプトは、oracle_home/oracle_common/webservices/bin/ディレクトリにあります。oracle_homeは、WebLogic Serverのインストール時にOracleホームとして指定したディレクトリです。

Webサービスの構成: 主な手順

WebLogic Server MT環境でWebサービスのリソースを構成するには、次の主な手順を実行します。

  1. ドメイン・パーティションをまだ作成していない場合は、作成します。「ドメイン・パーティションの構成」を参照してください。
  2. パーティションにリソース・グループをまだ作成していない場合は、作成します。「リソース・グループの構成」を参照してください。
  3. ドメイン・レベルで、storeUserConfig WLSTコマンドを使用して、ユーザー構成ファイルおよび関連付けられたキー・ファイルを作成します。『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』のstoreUserConfigに関する項を参照してください。
  4. JAVA_HOME/bin/javaディレクトリから、WLSTスクリプトのいずれかまたは両方を実行します。weblogic.jarファイルの場所をクラス・パスに含める必要があります。

    たとえば、WebLogic Server MTのJAX-WS用の高度なWebサービスに必要なリソースを構成するには、次のコマンドを使用します。

    JAVA_HOME/bin/java -classpath weblogic.jar_location weblogic.WLST ./wlsws-advanced-jaxws-mt-config.py 
    -myUserConfigFile userConfigFile -myUserKeyFile userKeyFile 
    -myURL AdminServer_t3_url -partitionName partitionName 
    -rgName resourceGroupName -isCluster true_or_false 
    -middlewareHome middlewareHomeDir
    

    WebLogic Server MTでのSOAP over JMSトランスポートに必要なリソースを構成するには、次のコマンドを使用します。

    JAVA_HOME/bin/java -classpath weblogic.jar_location weblogic.WLST ./wlsws-soapjms-mt-config.py 
    -myUserConfigFile userConfigFile -myUserKeyFile userKeyFile 
    -myURL AdminServer_t3_url -partitionName partitionName 
    -rgName resourceGroupName -isCluster true_or_false 
    -middlewareHome middlewareHomeDir
    

    両方のスクリプトには、表25-1で説明するコマンド・オプションが必要です。

    表25-1 高度なWebサービスのWLSTスクリプトに必要なオプション

    オプション 説明

    -myUserConfigFile

    手順3のstoreUserConfig WLSTコマンドの実行時にuserConfigFile引数に指定したファイルの名前。このファイルには、ユーザー構成が格納されています。

    -myUserKeyFile

    手順3のstoreUserConfig WLSTコマンドの実行時にuserKeyFile引数に指定したファイルの名前。このファイルには、指定したユーザー構成ファイルに関連付けられたキー情報が格納されています。

    -myURL

    パーティションの管理サーバーのT3プロトコルURL (例: t3://host:port)。

    -partitionName

    リソースが構成されるパーティションの名前。

    -rgName

    パーティションのリソース・グループの名前。

    -isCluster

    パーティションがクラスタにあるかどうかを示す引数。有効な値は次のとおりです。

    • true: パーティションはクラスタにあります。

    • false: パーティションはクラスタにありません。

    -middlewareHome

    WebLogic Serverのインストール時にOracleホーム・ディレクトリとして指定したディレクトリの場所。

Webサービスの構成: SOAP over JMSでのパーティション化された分散トピックの使用

SOAP over JMSは、JMS宛先タイプとしてキューとトピックの両方をサポートしています。使用するタイプは、アプリケーションによって決定されます。WebLogic Server MT環境でSOAP over JMSのリクエスト宛先として共通分散トピックを使用する場合、パーティション化された共通分散トピックを使用する必要があります。

WebLogic JMSでは、分散トピックは、レプリケートされた分散トピックまたはパーティション化された分散トピックとして構成できます。レプリケートされた分散トピックは、CompatibilityOne-Copy-Per-ServerまたはOne-Copy-Per-ApplicationtopicMessageDistributionMode設定で機能しますが、パーティション化された分散トピックは、One-Copy-Per-ServerまたはOne-Copy-Per-Applicationでのみ機能します。

WebLogic Server MTでSOAP over JMSにパーティション化された共通分散トピックを構成するには、@JMSTransportService注釈を構成し、activationConfigプロパティでtopicMessageDistributionMode構成プロパティをOne-Copy-Per-ServerまたはOne-Copy-Per-Applicationに設定します。Compatibilityの値は、パーティション化された分散トピックではサポートされていません。

次に例を示します。

@JMSTransportService(targetService="poNotifyService" 
              , 
destinationName="com.oracle.webservices.jms.SoapJmsRequestTopic" 
              , destinationType=JMSDestinationType.TOPIC 
              , activationConfig = 
"topicMessagesDistributionMode=One-Copy-Per-Application" 
              , jndiURL = "t3://@wls-server@" 

『Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発』の「SOAP over JMSトランスポートの使用」を参照してください。

注意:

パーティション化された分散トピックを使用してSOAP over JMSアプリケーションをデプロイする前に、JMSトピックを構成する必要があります。『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』のパーティション化された分散トピックの構成に関する項を参照してください。

Webサービスの構成: 関連タスクおよびリンク