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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverのアップグレード
12c (12.2.1.3.0)
E90294-03
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目次

前

A WebLogic Server 12.2.1.3.0の旧リリースとの互換性

WebLogic Server 10.3.xまたは12.1.xリリースからWebLogic Server 12.2.1.3.0にアップグレードする前に検討する必要がある、互換性に関する重要な情報について確認します。さらに、アップグレードされた環境で実行するアプリケーションに影響を及ぼす可能性がある様々なWebLogic Serverバージョンにおける機能の変更についても確認します。

関連項目:

互換性に関する検討事項は、次のように分類されます。ユーザーの状況に該当する項は、WebLogic Server 12.2.1.3.0にアップグレードする前のWebLogic Serverのバージョンによって異なります。WebLogic Serverの現在のバージョンに基づいて参照する各項の一覧については、表A-1を参照してください。

表A-1 各バージョンのWebLogic Serverからのアップグレードに適用される項

このバージョンのWebLogic Serverからアップグレードする場合 これらの項を参照

12.2.1.0.0

Apache Antのバージョンのアップグレード

WebLogic Server起動時のランタイム使用量の制限のオプションの削除

12.1.3

上記のすべての項、および次の項:

乱数ジェネレータ

パーティション、アプリケーションおよびコンテナのコンテキスト・ルーツの想定

デフォルトのCommonJ Work Managerの自動バインディングが削除されました

パラレル・デプロイメント

12.1.2

上記のすべての項、および次の項:

サーバー・ロギング・ブリッジ

Oracleデータベース・ドライバ

OracleでJavaNet FastPathの有効化

12.1.1

上記のすべての項、および次の項:

最大POSTサイズ

WLDFスキーマのアップグレード

jdbc-connection-timeout-secs要素の削除

ローカル・トランザクションのコミット

10.3.5および10.3.6

上記のすべての項、および次の項:

JVMの設定

ノード・マネージャのstartScriptEnabledのデフォルト値

Enterprise Java Beans (EJB)

WebLogic Server 8.1 Webサービス・スタックの削除

Universal Description and Discover (UDDI)レジストリの削除

Certicom SSLの実装の削除

Oracle Coherenceのバージョン

非推奨および廃止済Webアプリケーションの機能

PointBaseからDerbyに変更された評価版データベース

データ・ソース・プロファイル・ロギング

ONSのデバッグ

DataDirectのOracleタイプ4 JDBCドライバの使用

デフォルトのメッセージング・モードの変更

10.3.3および10.3.4

上記のすべての項、および次の項:

SSLMBeanへの変更

10.3.2

上記のすべての項、および次の項:

新しいWebサービス機能

JSSEの導入

セキュリティ・ポリシー・デプロイメントのパフォーマンス向上

ActiveCache

クラス・キャッシュ

非推奨となったJDBCドライバ

weblogic.jms.extension APIの変更

永続ストアの更新

10.3.1

上記のすべての項、および次の項:

Oracle Internet Directory認証プロバイダとOracle Virtual Directory認証プロバイダ

10.3.0

上記のすべての項、および次の項:

CapacityIncrement属性

Middlewareホーム・ディレクトリ

リソース登録名

サーブレット・パス・マッピング

Apache Antのバージョンのアップグレード

Oracle WebLogic Server 12.2.1.3.0にはApache Ant 1.9.8が含まれており、これはclientgen Antタスクの使用に影響を与える可能性があります。clientgen Antタスクは、クライアント・アプリケーションがWebLogic Webサービスと非WebLogic Webサービスの両方の呼出しに使用できるクライアント・コンポーネント・ファイルを既存のWSDLファイルから生成します。このAntタスクの<binding>子要素を使用するときは、次のことに注意してください。
  • <binding>要素を、同じ属性を使用する、標準のAnt FileSetデータ・タイプと同じ方法で使用します。

  • Apache Ant 1.9.8では、Ant FileSetデータ・タイプは、1つのファイルまたは1つのディレクトリのいずれかを指定できるように変更されています。そのため、<binding>要素を使用して複数のファイルまたはディレクトリを指定すると、clientgen Antタスクが失敗する場合があります。

<binding子要素の指定についての詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービス・リファレンス』bindingに関する項を参照してください。

WebLogic Server起動時のランタイム使用量の制限のオプションの削除

WebLogic Serverインスタンスの起動時には、EJB、JMS、コネクタ、クラスタリング、デプロイメント、管理などすべてのサービスが起動します。WebLogic Serverには、WebLogicドメインで軽量化ランタイム・インスタンスを実行するのに使用できる起動オプションがあります。

この起動モードを使用すると、WebLogic Serverの起動時間が短くなり、ホスト・マシンのリソース範囲が小さくなります。軽量化ランタイム・インスタンスを起動するには、次のweblogic.Serverコマンド・オプションを指定します。

java weblogic.Server -DserverType= {"wlx" | "wls"}

Oracle WebLogic Serverバージョン12.2.1.0.0で、この起動オプションは削除されています。

乱数ジェネレータ

Oracle WebLogic Server 12.2.1.3.0では、以前のリリースにおいて使用されたものよりセキュアな乱数ジェネレータ・アルゴリズムを使用しています。この結果、低エントロピ・システム上で管理対象サーバー、構成ウィザード、ノード・マネージャおよびWebLogic Javaユーティリティ(utils.ImportPrivateKeyなど)の起動が遅くなることがあります。このため、システム・エントロピを増加する手段を講じてください。

UNIXシステムでは、rng-toolsを使用して、システム・エントロピを置換します。構成するには、/etc/sysconfig/rngdを編集して、次の行を追加します。

EXTRAOPTIONS="-i -r /dev/urandom -o /dev/random -b"

-t 60および-W 2048パラメータを使用することもできます。これらのパラメータは、60秒ごとに、プールのサイズが2048に達するまでエントロピ・プールにビットを追加します。

次のコマンドを使用して、手動でエントロピを生成します。

rngd -r /dev/urandom -o /dev/random -b

次のコマンドを使用して、現在のエントロピを確認します。

cat /proc/sys/kernel/random/entropy_avail

パーティション、アプリケーションおよびコンテナのコンテキスト・ルーツの想定

Webコンテナのコンテキスト・ルートに関連した想定をするJava EEアプリケーションが、uriPrefixセットがある仮想ターゲットにデプロイされている場合、これを変更する必要があります。このような場合、アプリケーションのコンテキスト・パスには、仮想ターゲットのuriPrefixが含まれます。

その例は、次のとおりです。

  • アプリケーションは、受信URLを解析して別のURLを作成ます。この解析でURLルートがhost:portで終了すると想定される場合、アプリケーションを更新して、URLルートをURIベースのルーティングを使用したhost:port/prefixにする必要があります。

    MedRecサンプル・アプリケーションが、その例の1つです。MedRecは、受信URLを解析して別のURLを作成し、ルートURLがhost:portだけから構成されていると想定していました。これに対処するために、次の変更が、MedRecアプリケーションに加えられました。

    • この内科医用アプリケーション用のJaxWsProperties.javaファイルの元のコードは、次のとおりです。

      public final static String WSURL = "http://"
                   + ServerPropertiesUtils.getServerAddress("physician", "localhost")
                   + ":"
                   + ServerPropertiesUtils.getServerPort("7001")
                   + "/medrec-jaxws-services/";
      

      これは次のコードに変更されました。ServerPropertiesUtils.getRegion()は、URLにパーティションURI接頭辞が含まれる可能性を示しています。

      public final static String WSURL = "http://" 
               + ServerPropertiesUtils.getRegion() + "medrec-jaxws-services/";
      
    • この内科医用Webアプリケーション用のGettingHostFilter.javaファイルの元のコードは、次のとおりです。

      ServerPropertiesUtils.setAddress(request.getServerName());
      ServerPropertiesUtils.setPort(String.valueOf(request.getServerPort()));
      chain.doFilter(request, response);
      

      host:port(または、MT URIベースのルーティングを使用する場合、Webサービス・クライアントでhost:port/partition)を維持するために、これは次のコードに変更されました。

      if (ServerPropertiesUtils.getRegion() == null ||
       ServerPropertiesUtils.getRegion().equals("")) {
         StringBuilder builder = new StringBuilder();
         builder.append(request.getServerName());
         builder.append(":");
         builder.append(String.valueOf(request.getServerPort()));
         builder.append(partition);
         ServerPropertiesUtils.setRegion(builder.toString());
      
  • アプリケーションは、HTML/JSPコード内で「/」にリンクしています。非MT環境では、アプリケーションに、デプロイされるコンテキスト・ルートに関する想定がある場合があります。たとえば、アプリケーションが、コンテキスト・ルート/fruitsでデプロイされ、次を参照するページを含むとします。

    <a href="/fruits/index.html">Back to Fruits List</a>
    

    URI接頭辞を使用する仮想ターゲットを持つパーティションにアプリケーションがデプロイされる場合、このタイプの絶対参照は機能しません。前述のリンクは、host:port/partition1/fruits/index.htmlではなく、host:port/fruits/index.htmlに移動しようとします。最も安全な手法は、次のように、リンクで相対URLを使用することです。

    <a href="index.html">Back to Fruits List</a>

デフォルトのCommonJ Work Managerの自動バインディングが削除されました

Work Manager API (commonj.work)は、アプリケーションがコンテナ内で複数の作業項目を同時に実行できるようにするインタフェースのセットを提供します。デフォルトCommonJ Work Managerのjava:comp/env/wm/defaultへの自動バインディングは、Java EE 7プラットフォーム仕様に準拠しないためWebLogic Server 12.2.1で削除されました。

デフォルトCommonJ Work Managerを使用するアプリケーションがある場合、次のいずれかのようにします。

  • デプロイメント記述子で、wm/defaultのためのresource-refエントリを追加します。例:

    <resource-ref> 
          <res-ref-name>wm/default</res-ref-name> 
          <res-type>commonj.work.WorkManager</res-type> 
          <res-auth>Container</res-auth> 
    </resource-ref>
    
  • CommonJワーク・マネージャを、アプリケーション・コンポーネントにインジェクトします。例:

    @Resource commonj.work.WorkManager myWorkManager;

パラレル・デプロイメント

WebLogic Server 12.2.1では、アプリケーションおよびモジュールのパラレル・デプロイメントに対するサポートが追加されて、起動および実行後デプロイメント時間が改善されました。

WebLogic Server 12.2.1 (または以降)で作成されたまたはアップグレードされたWebLogicドメインのデフォルトは、次のとおりです。

  • アプリケーションのパラレル・デプロイメントが有効です。

  • ドメイン内のすべてのアプリケーション用モジュールのパラレル・デプロイメントは、無効です。

WebLogic Server 12.1.3以前のバージョンでは、アプリケーションは常にシリアルでデプロイされました。デフォルトのデプロイメント順序は、ドメイン構成で定義される自然順序です(つまり、config.xmlファイルで確立されます)。ただし、以前のWebLogic Serverリリースで、デプロイメント順序を明示的に制御するには、WebLogic Server管理コンソールを使用してAppDeploymentMBeanDeploymentOrder属性を設定するか、Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイのアプリケーションおよびスタンドアロン・モジュールのデプロイメント順序の変更に関する項で説明するようにプログラム的に制御します。アプリケーション間に固有の依存性がある場合、この機能を旧リリースで使用することが重要です。

WebLogic Server 12.2.1.3.0で新しいドメインを作成する、または既存のドメインを12.2.1.3.0にアップグレードする場合、WebLogic Server 12.1.3デプロイメント順序動作をリストアするには、DomainMBeanの次の属性を無効にします。

  • ParallelDeployApplications: アプリケーションをパラレルにデプロイするかどうか決定します。(この属性はデフォルトで有効になっています。)

  • ParallelDeployApplicationModules: アプリケーションのモジュールをパラレルにデプロイするかどうか決定します。(この属性は、デフォルトでは無効になっています。)

ただし、前述の属性を無効化すると、パラレル・デプロイメントによるパフォーマンス向上の利点を効果的に使用できない可能性があります。WebLogic Server 12.2.1.3.0にアップグレードするドメイン内のパラレル・デプロイメントをすべて無効化するのではなく、アプリケーションまたはモジュールのデプロイメント順序付けがカスタム化されているかどうか、その場合、それが必要かどうかを確認することをお薦めします。

参照:

  • Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイのアプリケーションおよびモジュールのパラレル・デプロイメントの有効化に関する項には、パラレル・デプロイメントの使用におけるアプリケーションおよびモジュールの依存性に関する重要な考慮事項が記載されています。

  • Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプサーバー・デプロイメント順序の変更に関する項には、WebLogic Server管理コンソールを使用したデプロイメントのデプロイメント順序を表示するまたは変更する方法が説明されています。

サーバー・ロギング・ブリッジ

サーバー・ロギング・ブリッジは、現在JavaロギングまたはLog4Jロギングを使用してログ・メッセージをWebLogicロギング・サービスにリダイレクトさせているアプリケーションに対して軽量のメカニズムを提供します。WebLogic Server 12.1.3では、サーバー・ロギング・ブリッジがjava.util.loggingロガー・ツリーのルート・ロガーに追加されました。従って、サーバー・ロギング・ブリッジを明示的に構成する必要がありません。

『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』サーバー・ロギング・ブリッジに関する項の説明に従ってweblogic.logging.ServerLoggingHandlerを構成した場合:

  • weblogic.logging.ServerLoggingHandlerがルート・ロガーにアタッチされている場合、logging.propertiesファイルから削除することを強くお薦めします。

  • weblogic.logging.ServerLoggingHandlerがルート以外のロガーにアタッチされている場合、logging.properties構成から削除するか、useParentHandlers属性をfalse(たとえばcom.foo.barUseParentHandlers=falseなど)に設定することを強くお薦めします。

これらの状況はLog4Jにも適用されます。ただし、用語が異なります。

  • weblogic.logging.log4j.ServerLoggingAppenderは、Log4J用のブリッジです。

  • useParentHandlersは、Log4JではAdditivityと呼ばれます。これは、log4j.propertiesファイルではlog4j.additivity.com.foo.bar=falseとして構成されます。

Oracleデータベース・ドライバ

リリース12.1.2で、WebLogic ServerのインストールにはOracle Database 12cドライバが含まれるようになりました。

これは、アプリケーションに次の変更が必要です:

  • wlserver/server/lib/ojdbc6.jarへの参照を${MW_HOME}/oracle_common/modules/features/com.oracle.db.dbc7-no-dms.jarに置き換えます。これは、weblogic.jarの使用時に自動的にクラス・パスに含まれます。

  • wlserver/server/lib/aqapi.jarへの参照を${MW_HOME}/oracle_common/modules/oracle.jdbc_12.1.0/aqapi.jarに置き換えます。これはcom.oracle.db.jdbc7-no-dms.jarも使用する必要があります。

Oracle Database 11gドライバJARを使用して実行を続行する場合、次の操作が必要です。

  • クラスパスの最前部へのドライバJARの追加

  • MW_HOME/oracle_common/modules/oracle.jdbc_12.1.0ディレクトリの外部へのOracle Database 12cドライバJARの移動。

OracleでJavaNet FastPathの有効化

「OracleでJavaNet Fastpathの有効化」により、Oracle JDBC JavaNet Fastpathがデータ・コピーと断片化を削減できるようになりました。WebLogic Server 12.1.3で、この属性はWebLogic Server管理コンソールでサポートされなくなりました。

以前のバージョンのWebLogic Serverでは、WebLogic Server管理コンソールの「構成:Oracle」タブでOracle Enable JavaNet FastPath属性を構成できました。WebLogic Server管理コンソールの「構成:Oracle」タブに移動し、「ドメイン構造」「サービス」「データ・ソース」の順にクリックします。

最大POSTサイズ

新しいセッション記述子max-save-post-sizeがWebLogic Server 12.1.2に追加されました。これは既存のアプリケーションに影響を及ぼす可能性があります。この記述子は、FORM認証中にアプリケーション・コンテナによって保存またはバッファリングされるPOSTの最大サイズ(バイト単位)を設定します。

max-save-post-size記述子のデフォルト値は4096バイトです。

FORM認証中に、アプリケーションでサイズが4096バイトを超えるフォームをポストする場合は、max-save-post-sizeを適切な値に増やす必要があります。そうしない場合、ブラウザでMaxPostSizeExceededExceptionが発生します。

WLDFスキーマのアップグレード

WebLogic Diagnostics Framework (WLDF)イベントおよびハーベスタ・データにJDBCベースのストアを使用している場合は、データベースのWLDF表を更新または再作成する必要があります。

wls_events表で、THREADNAME列をvarchar(128)からvarchar(250)に変更します。wls_hvst表で、WLDFMODULE varchar(250) default NULL列を追加します。

このアップグレードはWebLogic Serverのスタンドアロンのインストールにのみ適用されます。Fusion Middleware製品を含むインストールの場合、スキーマ・アップグレード・プロセスはOracle Upgrade Assistantを介して行います。

『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』のJDBCベースのストアの構成に関する項を参照してください。

jdbc-connection-timeout-secs要素の削除

WebLogic Server 12.1.2で、weblogic.xmlデプロイメント記述子のjdbc-connection-timeout-secs要素は削除されています。 アプリケーションでjdbc-connection-timeout-secs要素を構成する場合は、アプリケーションのデプロイメントが失敗しないように、weblogic.xmlデプロイメント記述子からそれを削除する必要があります。

ローカル・トランザクションのコミット

WebLogic Server 12.1.2以降、アプリーションによってコミットまたはロールバックされなかった非XA接続のローカル・トランザクションは、その接続がプールに戻されるときにデフォルトで明示的にコミットされるようになりました。 また、接続プールを閉じるときに非XA接続とXA接続のローカル・トランザクションをコミットするかどうかを設定するために、次の2つのパラメータが追加されました。
  • -Dweblogic.datasource.endLocalTxOnNonXAConWithCommit=falseを使用すると、アプリケーションでトランザクションの明示的な完了を保証できる際に、非XA接続でこれ以上のDBMSアクセスが不要になります。このパラメータをfalseに設定すると、setAutoCommit(true)の呼出し時に使用する特定のJDBCドライバの動作に応じて、接続プールを閉じるときに非XA接続のローカル・トランザクションが暗黙的にコミットまたはロールバックされます。JDBC仕様に準拠する場合、そのアクションはトランザクションをコミットしますが、ドライバごとに準拠の度合いは異なります。デフォルトでは、このプロパティをtrueに設定すると、これらのトランザクションはコミットされます。

  • -Dweblogic.datasource.endLocalTXOnXAConWithCommit=trueを使用すると、接続プールを閉じるときにXA接続のローカル・トランザクションをコミットできます。デフォルトでは、これらのトランザクションはロールバックされます。

JVMの設定

Java仮想マシン(JVM)は、マイクロプロセッサ上でJavaクラス・ファイルのバイト・コードを実行する仮想の実行エンジン・インスタンスです。JVMのチューニングは、WebLogic Serverとアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えます。

WebLogic Server 10.3.xドメインをWebLogic Server 12.1.2以上のドメインにアップグレードする際は、次の操作が必要な場合があります。

  • Java承認ディレクトリ(JRE_HOME/lib/endorsed)の場所の手動設定

  • Oracle HotSpot JDKのpermgen領域および最大permgen領域の手動拡張

Java承認ディレクトリの場所の設定

次の状況では、Java承認ディレクトリの場所の手動設定は必要ありません。

  • JDK7を使用中の場合。

  • WebLogic Server 12.1.1でインストールされたJDKの1つを使用中の場合。

  • WebLogic Server 12c構成ウィザードによるドメイン作成で生成されたWLS 12cドメインおよび起動スクリプトを使用中の場合、またはWebLogic Serverインストーラでインストールされたように起動スクリプトがcommEnv.cmd/shを参照する場合、あるいはその両方の場合。

この状況がいずれも当てはまらないとき、次のいずれかの状況が当てはまる場合は、管理対象サーバーの起動に使用するコマンドでJava承認ディレクトリの場所を手動設定する必要があります。

  • 管理対象サーバーの起動にノード・マネージャを使用しているが、起動スクリプト(startScriptEnabled=false)を使用していない場合。WebLogic Server 12.1.1以降、startScriptEnabledのデフォルト値はtrueになりました。

  • カスタム起動スクリプト、つまりOracleで提供されていない起動スクリプトを使用中の場合。

  • java.weblogic.Serverを使用して空のドメインを作成しようとしている場合。

このいずれのケースでも、管理対象サーバーの起動コマンドにjava.endorsed.dirsパラメータを含めてください。

startWeblogic.sh -Djava.endorsed.dirs=WL_HOME/endorsed

複数のJava承認ディレクトリを指定する場合は、各ディレクトリ・パスをコロン(:)で区切ります。

注意:

この項に記述されているオプションではすべて、WL_HOMEを自分のWebLogic Serverインストールのフル・パスに置き換える必要があります。

次のように、startServerを呼び出すときに値をjvmArgsとして渡すか、nmstartを呼び出すときに値をプロパティとして渡すことで、この値を指定することもできます。

wls:/nm/mydomain> prps = makePropertiesObject("Arguments=-Djava.endorsed.dirs=/WL_HOME/endorsed")

wls:/nm/mydomain> nmStart("AdminServer",props=prps)

管理対象サーバーの起動にノード・マネージャを使用している場合は、WLSTまたはWebLogic Server管理コンソールを使用して、-Djava.endorsed.dirs=/WL_HOME/endorsed")パラメータをServerStartMBeanのarguments属性に含めることができます。WebLogic Server管理コンソールを使用中の場合、サーバーの「構成」→「サーバーの起動」タブでこのパラメータを「引数」フィールドに入力します。管理サーバーに接続されているWLSTクライアントからstart(server_name 'Server')を呼び出す際、またはWebLogic Server管理コンソールでサーバーの「起動」ボタンをクリックした際にこの属性は適用されます。

permgen領域の設定

管理対象サーバーの起動時にOutOfMemory: PermGen Spaceエラーが発生した場合は、permgen領域を128MB以上に手動設定し、最大permgen領域を256MB以上に拡張する必要があります。

注意:

ここで記述されているオプションではすべて、WL_HOMEを自分のWebLogic Serverインストールのフル・パスに置き換える必要があります。

これを実行するには、WLSTまたはWebLogic Server管理コンソールを使用して、ServerStartMBeanのarguments属性に次のように指定します。WebLogic Server管理コンソールを使用中の場合、サーバーの「構成」→「サーバーの起動」タブで「引数」フィールドに-XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256mを入力します。

注意:

WebLogic Server管理コンソールを介してサーバーを起動することを計画している場合は、WebLogic Server管理コンソールからサーバーを起動する前にpermgen設定を適用する必要があります。そうしないと、サーバーがリカバリ不能な状態になる可能性があります。

管理サーバーに接続されているWLSTクライアントからstart(server_name 'Server')を呼び出す際、またはWebLogic Server管理コンソールでサーバーの「起動」ボタンをクリックした際にこの属性は適用されます。

使用可能な別の方法は、コマンド・ラインを介して管理対象サーバーを起動し、ここに示すように、正しい設定を指定する方法です。

(UNIX) startManagedWebLogic.sh server_name -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256m

(Windows) startManagedWebLogic.cmd server_name -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256m

次のように、startServerを呼び出すときに値をjvmArgsとして渡すか、nmstartを呼び出すときに値をプロパティとして渡すことで、この値を指定することもできます。

wls:/nm/mydomain> prps = makePropertiesObject("Arguments= -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=256m")

wls:/nm/mydomain> nmStart("AdminServer",props=prps)

ノード・マネージャのstartScriptEnabledのデフォルト値

WebLogic Server 12.1.1以降、startScriptEnabledのデフォルト値はtrueに変更されました。これまでの旧リリースでは、デフォルトはfalseでした。ノード・マネージャで起動スクリプトを使用しない場合は、アップグレード後にこの値をfalseに変更します。

Enterprise Java Beans (EJB)

Oracle Kodoは、WebLogic Server 10.3.1から非推奨とされています。WebLogic Server 12.1.1から、Kodoにかわって、EclipseLinkがデフォルトのJPAプロバイダとなっています。WebLogic Server 12.1.2でKodoを永続プロバイダとして使用するアプリケーションは、更新する必要があります。『Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansの開発』競合を解決するためのアプリケーションの更新に関する項を参照してください。

WebLogic Server 12.1.1から、JPA 2.0のサポートが組み込まれています。JPA 2.0では、ドメイン・モデリング、オブジェクト/リレーショナル・マッピング、EntityManagerインタフェース、問合せインタフェースおよびJava Persistence Query Language (JPQL)などの各機能が向上し、強化されています。『Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansの開発』のWebLogic ServerでのTopLinkとJPA 2.0の併用に関する項を参照してください。

WebLogic Server 8.1 Webサービス・スタックの削除

WebLogic Server 12.1.1リリースで、WebLogic Server 8.1 Webサービス・スタックは削除されています。したがって、WebLogic Server 8.1 Webサービス・アプリケーションは今後機能しません。

これらのアプリケーションは、「8.1のWebLogic Webサービスの12.1.xへのアップグレード」の指示に従って、WebLogic JAX-RPCまたはJAX-WSスタックにアップグレードすることをお薦めします。

Universal Description and Discover (UDDI)レジストリの削除

WebLogic Server 12.1.1リリースで、UDDIは削除されています。

UDDIを引き続き使用中の場合にWebLogic Server 12.1.1にアップグレードする際は、Oracle Service Registry (OSR)に移行することをお薦めします。OSRはUDDI 3.0に準拠しています。

Certicom SSLの実装は削除されています

WebLogic Serverリリース12.1.1で、Certicom SSLの実装は削除されています。

この変更によって、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のSSLデバッグの有効化のためのコマンド・ライン・プロパティに関する項およびJSSE SSL実装とCerticom SSL実装のシステム・プロパティの相違に関する項の説明に従って、システム・プロパティの更新およびスイッチのデバッグが必要な場合があります。

Oracle Coherenceのバージョン

WebLogic Server 12.1.1インストーラにはCoherence 3.7.1が含まれています。クラスタ内のサーバーはすべて同じバージョンのCoherenceを使用する必要があります。したがって、クラスタ内のすべてのキャッシュ・サーバーをCoherence 3.7.1にアップグレードします。

非推奨および廃止済Webアプリケーションの機能

Oracle WebLogic Server 12.1.1で非推奨またはサポート対象外となったWebアプリケーション機能のリストについては、次を参照してください。

  • Oracle WebLogic Server 11gリリース1で非推奨になった機能に関する情報は、My Oracle Support (https://support.oracle.com/)で入手できます。

    「ナレッジ・ベースの検索」フィールドに、ドキュメントID888028.1を入力してください。

  • Oracle WebLogic Server 12.1.1で非推奨になった機能に関する情報は、My Oracle Support(https://support.oracle.com/)で入手できます。「Deprecated Features」で検索してください。

PointBaseからDerbyに変更された評価版データベース

WebLogic Server 10.3.3以降では、WebLogic Serverインストール・プログラムの評価版データベースがPointBaseからApache Derbyに変更されています。「製品とコンポーネントの選択」画面の評価版データベース・オプションを選択すると、DerbyデータベースがWL_HOME\common\derbyディレクトリにインストールされます。「標準」インストールを選択すると、Derbyがデフォルトでインストールされます。

PointBaseに基づくドメインがあり、ドメインをWebLogic Server 10.3.3以降にアップグレードした後も引き続きPointBaseを使用する場合は、PointBaseのライセンスをhttp://www.pointbase.comで入手する必要があります。フルWebLogic ServerインストーラではPointBaseインストール・ディレクトリが保存されません。PointBaseを使用するかわりに、ドメイン・データベースをDerbyに移行できます。

「評価版データベースを使用するドメインのアップグレード」を参照してください

データ・ソース・プロファイル・ロギング

操作性とパフォーマンスを向上させるため、Oracle WebLogic Server 10.3.6以上ではデータ・ソース・プロファイル・ログを使用してイベントが格納されます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のWebLogic JDBCリソースの監視に関する項を参照してください。

ONSのデバッグ

Oracle WebLogic Serverリリース10.3.6以上では、UCPおよびONSのパッケージ名が再パッケージされなくなりました。 UCPとONSのデバッグの設定方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のUCP/ONSのデバッグの設定に関する項を参照してください。

DataDirectのOracleタイプ4 JDBCドライバの使用

Oracle WebLogic Server 10.3.6から、DataDirectのOracleタイプ4 JDBCドライバは、WebLogicブランドのDataDirectドライバと呼ばれるようになりました。オラクル社では『Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverタイプ4 JDBCドライバ』のドキュメントを削除するため、DataDirectドライバの詳細情報は今後提供されなくなります。WebLogic Server環境でWebLogicブランドのドライバを構成および使用する方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCアプリケーションの開発』のWebLogicブランドのDataDirectドライバの使用に関する項で引き続き提供します。

ドライバの動作の詳細は、DataDirectドキュメントを確認することをお薦めします。http://www.datadirect.com/index.html『Progress DataDirect for JDBC User's Guide Release 5.1』および『Progress DataDirect for JDBC Reference Release 5.1』を参照してください。

デフォルトのメッセージング・モードの変更

WebLogic Server 12.1.1から、デフォルトのメッセージング・モードがマルチキャストからユニキャストに変更されました。 新しいクラスタを作成する際は、クラスタ内のメッセージングにユニキャストを使用することをお薦めします。以前のバージョンのWebLogic Serverとの下位互換性を保つには、クラスタ間の通信にマルチキャストを使用する必要があります。

SSLMBeanへの変更

WebLogic Server 10.3.5では、SSLMBeanはWebLogicから、JSSEアダプタを有効化または無効化する機能など追加のSSL構成機能をサポートするように変更されています。次のトピックを参照してください。
  • JSSE SSL実装がWebLogicシステム・プロパティを扱う方法の相違点の一覧は、『Oracle WebLogic Serverのセキュリティの管理』のJSSE SSL実装とCerticom SSL実装のシステム・プロパティの相違に関する項を参照してください。

  • WebLogic ServerでのSSLサポートの詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの理解』SSL: 概要に関する項を参照してください。

  • JSSEの詳細は、Java Secure Socket Extension (JSEE)リファレンス・ガイド(http://download.oracle.com/javase/6/docs/technotes/guides/security/jsse/JSSERefGuide.html)を参照してください。

新しいWebサービス機能

Oracle WebLogic Server 10.3.3では、いくつかの新しいWebサービスが追加されました。Webサービスのアトミック・トランザクションのサポート、クラスタ環境のサポートの強化、Fusion Middleware Controlを使用して、Oracle WSMポリシーをWebLogic Webサービスに添付できる機能などです。

リリース10.3.3で、WebLogic Serverには次の機能が追加されました。

  • Webサービスの原子性トランザクションのサポート: WebLogic Webサービスは、WebSphere、JBoss、Microsoft .NETなどの外部トランザクション処理システムとの相互運用性を実現します。

  • クラスタ環境でのWebサービスの拡張サポート

  • Webサービスおよびクライアントの監視の拡張

  • Fusion Middleware Controlを使用するWebLogic WebサービスへのOracle WSMポリシーの添付

  • リレーショナル・データベースにアクセスするための宣言Webサービス・ソリューションのEclipseLink DBWSサポート

  • メソッドレベルのポリシー添付動作の変更: WebLogic Server 10.3.3より前のリリースでは、WebLogic Server管理コンソールを使用してWebサービスのメソッドにポリシーを添付すると、そのポリシーはモジュール内のすべてのWebサービスで同じ名前を持つメソッドにも添付されていました。WebLogic Server 10.3.3では、ポリシーは適切なWebサービスのメソッドのみに添付されます。

  • OWSMポリシー名からのpolicy:接頭辞の削除

  • Webサービスの「WSDL」タブの削除: WebLogic Server 10.3.3より前のリリースでは、「構成」「WSDL」タブを選択すると、現在のWebサービスのWSDLを表示できました。「WSDL」タブはWebLogic Server 10.3.3以降では削除されています。

  • 新しい開発ツール: Oracle JDeveloperおよびOracle Enterprise Pack for Eclipse (OEPE)

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlとの統合

  • Oracle WebLogic Services Manager (WSM)セキュリティ・ポリシーのサポート

  • JAX-WSでのWS-SecureConversation 1.3、およびJAX-WSでのWS-SecurityによるMTOMのサポート

『Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。

JSSEの導入

WebLogic Server 10.3.3から、Java Secure Socket Extension (JSSE)がSSL実装として導入されています。JSSEは、SSLおよびTLS用のJava標準フレームワークで、ブロッキングI/O API、ノンブロッキングI/O API、および複数の信頼性のあるCAを含む参照実装が含まれています。

セキュリティ・ポリシー・デプロイメントのパフォーマンス向上

リリース10.3.3では、WebLogic Serverにスレッド・セーフなデプロイ可能認可プロバイダおよびロール・マッピング・プロバイダのデプロイメント・パフォーマンス拡張が含まれます。 WebLogic Serverはデフォルトで、アプリケーションおよびモジュールのデプロイメント中にセキュリティ・ポリシーおよびロールに対してスレッド・セーフな並列変更を実行できます。このため、セキュリティ・レルムに構成されているデプロイ可能な認可プロバイダおよびロール・マッピング・プロバイダでは、並列呼出しがサポートされている必要があります。WebLogicのデプロイ可能なXACML認可プロバイダおよびWebLogic Server XACMLロール・マッピング・プロバイダは、この要件を満たしています。

ただし、カスタムのデプロイ可能な認可プロバイダまたはロール・マッピング・プロバイダで並列呼出しがサポートされていない場合は、セキュリティ・ポリシーとロールの並列変更を無効にし、かわりに同期メカニズムを強制的に使用する必要があります。この場合、各アプリケーションとモジュールはキューに入り、順番にデプロイされます。この同期強制メカニズムは、WebLogic Server管理コンソールまたはRealmMBeanのDeployableProviderSynchronizationEnabled属性とDeployableProviderSynchronizationTimeout属性を使用することで有効にできます。

『Oracle WebLogic Serverのセキュリティの管理』のデプロイメント時のセキュリティ・ポリシーとロール変更での同期の有効化に関する項を参照してください。

ActiveCache

WebLogic Server 10.3.3以降では、WebLogic ServerにデプロイされているアプリケーションでのCoherenceデータ・キャッシュの使用が容易になり、セッション管理用のCoherence*WebとTopLink Gridをobject-to-relational永続フレームワークとしてシームレスに取り込めるようになりました。これらの機能の総称がActiveCacheです。 Oracle WebLogic Server ActiveCacheによるアプリケーションのデプロイのActiveCacheの概要に関する項を参照してください。

クラス・キャッシュ

WebLogic Server 10.3.3で、WebLogic Serverのクラス・キャッシュを有効にできるようになりました。クラス・キャッシュを使用する利点を次に示します。
  • サーバーの起動時間が短縮されます。

  • パッケージ・レベルの索引により、すべてのクラスとリソースの検索時間が短縮されます。

startWebLogicスクリプトを使用することで、クラス・キャッシュはサーバーの起動時に開発モードでサポートされます。クラス・キャッシュはデフォルトでは無効になっており、本番モードではサポートされません。起動時間の短縮の程度は様々なJREベンダーによって異なります。『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のポリシー・クラスローダーを使用したクラス・キャッシュ機能に関する項を参照してください。

非推奨となったJDBCドライバ

Oracle用のWebLogicタイプ4 JDBCドライバとSybase JConnect 5.5および6.0ドライバは非推奨です。

  • Oracle用のWebLogicタイプ4 JDBCドライバ

    このドライバは、WebLogic Server 10.3で非推奨になり、削除されています。この非推奨のドライバのかわりに、WebLogic Serverにも付属しているOracle Thin Driverを使用してください。Oracle Thin Driverの詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のWebLogic ServerでインストールされるJDBCドライバに関する項を参照してください。

  • Sybase JConnect 5.5および6.0ドライバ

    これらのドライバは、サンプル・コードのデフォルト・インストールに関するOracleセキュリティ・ポリシーに従ってリリース10.3.3の時点でWebLogic Serverから削除されました。これらのドライバはSybaseからダウンロードできます。また、WebLogic Serverに付属しているOracleブランドのSybase用JDBCドライバを使用することもできます。

weblogic.jms.extension APIの変更

WebLogic Server 10.3.3で、weblogic.jms.extensions.WLMessageインタフェースの内部メソッドが、Oracle WebLogic Server Java APIリファレンスから削除されました。このようなメソッドには、次のようなものがあります。
public void setSAFSequenceName(String safSequenceName);
public String getSAFSequenceName();
public void setSAFSeqNumber(long seqNumber);
public long getSAFSeqNumber();

アプリケーションでこれらの内部メソッドを使用しないでください。内部メソッドは、将来のリリースで予告なしに変更または削除される場合があります。

永続ストアの更新

WebLogic Server 10.3.3から、WebLogicファイル・ストアの動作とチューニング方法は、デフォルト・ファイル・ストアとカスタム・ファイル・ストアについて変更されています。 ファイル・ストアの書込み操作の動作を決定する同期書込みポリシーの詳細は、『WebLogic永続ストアの管理』の同期書込みポリシーの構成のガイドラインに関する項を参照してください。

Oracle Internet Directory認証プロバイダとOracle Virtual Directory認証プロバイダ

WebLogic Server 10.3.2で、Oracle Internet Directory認証プロバイダとOracle Virtual Directory認証プロバイダという2つの新しいLDAP認証プロバイダがWebLogic Serverに追加されました。これらの認証プロバイダは、Oracle Internet Directory LDAPサーバーとOracle Virtual Directory LDAPサーバーにユーザーとグループを格納したり、両サーバーからユーザーとグループを読み取ることができます。

これらの新しいセキュリティ・プロバイダの構成と使用の詳細は、『Oracle WebLogic Serverのセキュリティの管理』のLDAP認証プロバイダの構成に関する項を参照してください。

CapacityIncrement属性

WebLogic Server 10.3.1では、JDBCConnectionPoolMBeanCapacityIncrement属性は構成可能ではなくなり、1という値に設定されます。

Middlewareホーム・ディレクトリ

WebLogic Server 10.3.1では、BEAホーム・ディレクトリがMiddlewareホームに置き換わりました。このディレクトリのデフォルト・パスは<drive:>Oracle/Middlewareです。 この変更がWebLogic Serverに及ぼす影響は次のとおりです。
  • 10.3.1の複数のWebLogicスクリプトに、Middlewareホームを表すための新しい環境変数MW_HOMEが導入されています。この変数が設定されているディレクトリは通常はBEA_HOMEと同じで、これまでどおりWebLogic Serverスクリプトで使用できます。

  • インストール時のデフォルトでは、WebLogic Serverのインストール・ディレクトリのルート製品として<drive:>Oracle/Middlewareが選択されます。ただし、既存のWebLogic Serverが検出された場合は、デフォルトでそのインストール・ディレクトリが選択されます。

  • 現在、WebLogic Server 10.3.1のドキュメントでは、BEAホームではなくMiddlewareホームという用語を使用します。ただし、この変更は用語のみに適用されます。この変更では、WebLogicソフトウェア、カスタム・ドメインまたはアプリケーションの移動や、それらの場所を表す既存の環境変数の変更は必要ありません。

この変更によって、コンピュータ上の既存のWebLogic Serverインストール、カスタム・ドメイン、アプリケーションまたはスクリプトが影響を受けることはありません。従来どおりBEA_HOME環境変数を使用し続けることができます。

リソース登録名

WebLogic Server 10.3.1以降では、XAデータ・ソース構成のリソース登録名の動作が変更されました。 以前のリリースでは、Java Transaction API (JTA)の登録名はデータ・ソースの名前のみでした。WebLogic Server 10.3.1から、登録名はデータ・ソース名とドメインの組み合わせになりました。

『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』のXAResourceのトランザクションへの参加の登録に関する項を参照してください。

サーブレット・パス・マッピング

Javaサーブレットの仕様バージョン2.3の時点で、2つの追加の文字/*がマッピングの定義に使用できます。

  • /(スラッシュ)文字だけが含まれるサーブレット・パス文字列は、アプリケーションのデフォルト・サーブレットを表します。サーブレットのパスはリクエストURIからコンテキスト・パスを除いたものに解決されます。この場合、パスはnullに解決されます。

  • 1個の*(アスタリスク)で始まる文字列は、拡張子マッピングを指定します。

これらの変更により、次のHttpServletRequestメソッドの動作に変化が生じます。

  • getPathInfo

  • getServletPath

動作の変更を説明するために、例として/abc/def.htmlというリクエストがServletAに解決される場合を考えます。

  • /がServletAにマップされると、servletPath="abc/def.html"およびpathInfo=nullになります。

  • /*がServletAにマップされると、servletPath=""およびpathInfo="abc/def.html"になります。

確実にnullでないパス情報が返されるようにするには、/(スラッシュ)のサーブレット・マッピング文字列が出現するすべての箇所を/*に置換します。

web.xmlデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルの<servlet>要素と@WebServlet注釈の両方を使用してサーブレットを定義する場合、指定したサーブレット名は両方の場所で同じであることを確認する必要があります。この名前が一致しない場合、アプリケーションの起動を妨げる例外が生成されます。この要件は12.2.1.0より前のWebLogic Server 12cのバージョンでは強制されませんでした。

Javaサーブレット仕様は、次の場所からダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javaee/servlet/index.html