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Oracle® Mobile Application Framework Oracle Mobile Application Frameworkのインストール
2.4.2.0.0
E91952-01
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2 開発環境の設定

この章では、アプリケーション開発およびデプロイメント用にMAF環境を設定および構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 MAFの開発環境の概要

MAFアプリケーションの開発環境では、JDeveloperとMAF拡張機能のインストール、フォーム・ファクタの構成、サード・パーティ製ツールのインストールおよび構成を実行して、アプリケーションをパッケージ化し、サポート対象のプラットフォームにデプロイする必要があります。

「JDeveloperとのモバイル・アプリケーション・フレームワークのインストール」の説明に従ってJDeveloperとMAF拡張機能をインストールした後で、MAFアプリケーションをデプロイするプラットフォームに応じた開発環境を構成します。特定のモバイル・デバイスでアプリケーションをテストまたはデプロイする場合は、フォーム・ファクタを構成します。サポート対象のプラットフォーム上でMAFアプリケーションをパッケージ化してデプロイするには、サード・パーティ製ツールをインストールして構成します。

サポートされている開発ツールとランタイム・ツールのバージョンの詳細なリストは、Oracle Technology NetworkのOracle Mobile Application Frameworkドキュメント(http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/maf/documentation/index.html)で動作保証情報を参照してください。

2.2 ターゲット・プラットフォームに応じた開発環境の構成

アプリケーションをパッケージ化してAndroid、iOSまたはWindowsプラットフォームにデプロイするために必要なプラットフォーム固有の設定を構成します。

MAFによってサポートされるプラットフォームにアプリケーションをパッケージ化してデプロイするには、プラットフォームの名前とプラットフォーム固有のツールおよびデータを含むディレクトリの名前をJDeveloperが認識している必要があります。便宜上、MAFによりJDeveloperプリファレンスにこれらの設定が移入されます。各プラットフォーム固有のページで、プラットフォームSDK (Android、iOSまたはWindows)のプリファレンスがホストされます。ここには、MAFがAndroid、iOSまたはWindowsプロジェクトのコンパイルおよびデプロイのために必要とするパスなどの情報が集められています。アプリケーション署名に関連する複数のファクタに応じて、一部のフィールドの変更が必要になる場合があります。

ターゲット・プラットフォームに応じた環境を構成するには:

  1. JDeveloperで、「ツール」をクリックしてから「プリファレンス」をクリックし、「プリファレンス」を開きます。
  2. 「プリファレンス」ダイアログで、「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」をクリックし、構成するプラットフォーム(Android、iOSまたはWindows)をクリックして、サポートされているプラットフォーム用のパスおよび構成パラメータを含むページを開きます。たとえば、図にはAndroidプラットフォーム用にプラットフォームのプリファレンスを構成するページが示されています。
    • Androidプラットフォームの場合は、次を指定します。

      • コンピュータ上のAndroid SDKの場所

      • コンピュータ上のAndroidビルド・ツールの場所

      • 署名資格証明に関する情報

      図2-1 Androidプラットフォームのプリファレンスの構成

      図2-1の説明が続きます
      「図2-1 Androidプラットフォームのプリファレンスの構成」の説明
    • iOSプラットフォームの場合は、次を指定します。

      • iTunesメディア・ファイルの場所(iOSデバイスに同期化されるモバイル・アプリケーションを含む)

      • iOSデバイスの署名情報(『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のデバイス署名オプションの設定に関する項を参照。)

  3. Windowsプラットフォームの場合は、次を指定します。
    1. 「Windows SDKロケーション」で、MSBuildバージョン15.0の場所のパスを指定します。
    2. 「デバッグ」または「リリース」を選択し、証明書の場所とパスワード(PFXファイルの作成時に指定したもの)を指定します。

2.3 フォーム・ファクタに応じた開発環境の構成

フォーム・ファクタとは特定のデバイス構成のことです。各フォーム・ファクタは指定した名前で識別され、ここには、ピクセル単位の幅と高さで表された指定解像度に関する情報が含まれています。

プリファレンスで定義されているフォーム・ファクタはMAF AMXページの「プレビュー」タブで使用されるため(『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のプレビューの使用に関する項を参照)、MAF AMXアプリケーション機能をMAFアプリケーションの一部として含める予定で、デフォルト設定を使用しない場合は、この構成を実行するよう選択できます。開発時に、様々なフォーム・ファクタを選択したり切り替えたりして、MAF AMXページをレンダリングする方法を確認できます。分割画面ビューを使用すると、同じページに適用された複数のフォーム・ファクタを確認することもできます。

『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のmaf-config.xmlファイルに関する項を参照してください。

始める前に:

「JDeveloperとのモバイル・アプリケーション・フレームワークのインストール」の説明に従って、JDeveloperとMAF拡張機能をダウンロードしてインストールします。

フォーム・ファクタを構成するには:

  1. JDeveloperのメイン・メニューから、「ツール」「プリファレンス」をクリックします。
  2. 「設定」ダイアログで、左側のツリーから「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」を選択します。

    図2-2 フォーム・ファクタの定義

    図2-2の説明が続きます
    「図2-2 フォーム・ファクタの定義」の説明

    「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」ページには使用可能なフォーム・ファクタが移入され、デフォルトは「Android Low」に設定されています。

    このプリファレンス・ページでは、画面解像度サイズとプラットフォームを結合する一連の名前付きフォーム・ファクタを作成して管理できます。

  3. 新しいフォーム・ファクタを作成するには、緑の正符号(「新規」)をクリックして、次の項目を設定します。
    • 名前: フォーム・ファクタの識別に使用する意味のある文字列。

    • プラットフォーム: モバイル・デバイスのプラットフォーム。

    • モデル: モバイル・デバイスのタイプ。

    • デフォルトの向き: MAF AMXページの「プレビュー」タブで使用されるデバイスのデフォルトの向き。「縦」または「横」です。この設定は値のドロップダウン・リストから選択します。デフォルト値は「縦」で、新しいフォーム・ファクタの作成時にはこの値が移入されます。

    • : ピクセル単位の幅。値は正の整数である必要があり、入力は検証されます。

    • 高さ: ピクセル単位の高さ。値は正の整数である必要があり、入力は検証されます。

    • スケール係数: 表示のスケール係数。この値は、1.0、2.0、3.0のいずれかにする必要があります。

    注意:

    フォームに名前と解像度を設定できない場合、MAFからエラー・メッセージが表示されます。

  4. デフォルト設定に戻す必要がある場合は、「その他のアクション」をクリックしてから、「デフォルトに戻す」をクリックします。
  5. 「OK」をクリックして、構成内容をコミットします。

2.4 iOSプラットフォーム用の開発ツールの設定

iOSデバイスをセットアップするか、シミュレータとiOS SDKを含むXCodeをインストールして、アプリケーションをiOSプラットフォームにデプロイするための環境を装備します。

iOSプラットフォーム用のMAFアプリケーションの開発に向けて準備を行う場合には、「JDeveloperとのMAF拡張機能のインストールの概要」に示した一般目的のツールに加えて、iPhoneまたはiPadの設定を行う場合もあります(「iPhoneまたはiPadの設定方法」を参照)。

iOS SDKインストール内にはiPhoneおよびiPadのシミュレータが含まれていて、iOS SDKはXcodeインストールに含まれているので、これらを別途インストールする必要はありません。「iPhoneまたはiPadシミュレータの設定方法」を参照してください。

2.4.1 XcodeおよびiOS SDKのインストール方法

指示に従って、iOS SDKを含むXcodeをダウンロードします。

Xcodeは、http://developer.apple.com/xcode/からダウンロードできます。このダウンロードには、iOS SDKが含まれています。

Xcodeをインストールしたら、少なくとも1回はこれを実行して、Appleのライセンスおよび設定ダイアログに入力を行う必要があります。これらの手順に従わないと、「リターン・コード: 69」エラーが発生し、JDeveloperからXcodeまたはデバイス・シミュレータへのビルドとデプロイのサイクルが失敗します。

注意:

XcodeおよびiOS SDKの以前のバージョンはMac App Storeから入手できないため、それらをダウンロードするには、http://appleid.apple.comからApple IDを取得した後、そのApple IDをApple Developer Programに登録して、Apple社の開発者向けサイト(http://developer.apple.com)にアクセスします。

2.4.2 iPhoneまたはiPadの設定方法

有効なライセンス、資格証明および配布プロファイルを備えたiOSデバイスをコンピュータに接続して、アプリケーションをデバイスにデプロイします。

MAFアプリケーションの開発およびデプロイメントでは、iPhone、iPadまたはこれらのシミュレータのいずれかを使用できます(「iPhoneまたはiPadシミュレータの設定方法」を参照)。iPhoneまたはiPadを使用する予定の場合(テストにはこちらをお薦めします。『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のMAFアプリケーションのテストに関する項を参照)は、デバイスをコンピュータに接続して、2つのデバイス間のリンクを確立します。

iOSデバイスにデプロイするには、有効なライセンス、資格証明および配布プロファイルを備えたiOSデバイスを用意する必要があります。『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のモバイル・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

注意:

Apple社のライセンス条項および条件は変更される場合があるため、内容を理解し、それらに従うとともに、最新の変更内容を把握しておく必要があります。

2.4.3 iPhoneまたはiPadシミュレータの設定方法

XCodeダウンロードに含まれるiOSシミュレータを使用するように外部ネットワーク・アクセスを構成して、MAFアプリケーションをデプロイします。

MAFアプリケーションの開発およびデプロイメントでは、iOSデバイス自体を使用するか(「iPhoneまたはiPadの設定方法」を参照)、そのシミュレータを使用できます。通常、シミュレータへのデプロイはデバイスへのデプロイよりはるかに高速で、最初にアプリケーションに署名する必要もありません。

シミュレータは自動的に起動できます。追加の設定は必要ありません。

注意:

JDeveloperからデバイス・シミュレータにアプリケーションをデプロイする前に、まずシミュレータを実行する必要があります。

アプリケーションでWebサービスを使用する予定で、企業のファイアウォールで保護されている環境の場合は、外部ネットワーク・アクセスを構成する必要がある可能性があります。このためには、開発用コンピュータのシステム・プリファレンスでネットワーク設定を変更します。『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のブラウザ・プロキシ情報の構成に関する項を参照してください。

2.5 Androidプラットフォーム用の開発ツールの設定

MAFアプリケーションをAndroidデバイスにデプロイするためにAndroid SDKをインストールします。

Android SDKは、アプリケーションを作成して.APKファイル(Androidデバイスにアプリケーションをインストールするファイル・タイプ)にパッケージ化するツールと、物理的なAndroidデバイスにアクセスできない場合にアプリケーションをテストできるAndroid仮想デバイス(AVD)を作成するエミュレータ、およびデバイスがある場合にUSBケーブル経由で物理的なAndroidデバイスに開発マシンを接続するOEM USBドライバを提供します。この最後のオプションにより、開発マシンからAndroidデバイスにアプリケーションをデプロイできます。

GoogleのAndroid開発用のIDEであるAndroid Studioでは、そのインストールにAndroid SDKが含まれ、SDKプラットフォームの管理を簡略化するウィザード・オプションと必要なツールが提供されます。

Android Studioとそれに含まれるAndroid SDKを、https://developer.android.com/studio/index.htmlからインストール・ファイルをダウンロードすることで、インストールします。Android開発者のWebサイトでは、Windows、MacおよびLinuxでのインストール手順が提供されています。https://developer.android.com/studio/install.htmlを参照してください。

Android Studioをインストールしたら、次のトピックで説明するタスクを実行します。

2.5.1 エミュレータ・アクセラレータのインストール

エミュレータ・アクセラレータをインストールすることで、AVDをレンダリングするエミュレータのパフォーマンスを向上させることができます。

インストールされると、エミュレータ・アクセラレータは、エミュレータと、開発マシンから追加のリソースを割り当てることでそれがエミュレートするAVDのパフォーマンスを高速化します。アクセラレータのインストール時に量を指定します。インストールされると、次の図に示すように、アクセラレータはSDK ManagerのSDKツール・リストに表示され、Android Studioから起動することができます。Intel x86 Emulator Accelerator (HAXM)は使用可能なエミュレータ・アクセラレータの1つのタイプです。

図2-3 エミュレータ・アクセラレータのインストール

図2-3の説明が続きます
「図2-3 エミュレータ・アクセラレータのインストール」の説明

ダウンロードするエミュレータ・アクセラレータの更新サイトが、前述の図に示したSDK更新サイト・タブで選択されていることを確認してください。ダウンロードしたら、インストーラを実行します。https://developer.android.com/studio/run/emulator-acceleration.html#accel-vmを参照してください。

2.5.2 Android仮想デバイスの作成

Android仮想デバイス(AVD)はAndroidデバイスを開発コンピュータにレプリケートします。これはテストの際、特に、1つまたは限られた範囲の物理的なAndroidデバイスにしかアクセスできない場合に、有用なオプションです。

「ツール」「Android」「AVD Manager」の順にクリックしてAndroid Studioから起動したAVD Managerは、すぐに使用できる仮想デバイスのレンジを持ち、これらのデバイスのほとんどは、NexusやPixel XLレンジといった、Google自体により開発されたものです。Samsungなどのその他のAndroidデバイス・ベンダーは、AVDをユーザーが作成するのに使用できる仕様を自社のWebサイトで提供しています。

GoogleはAVDの管理方法を説明するドキュメントを保持しています。https://developer.android.com/studio/run/managing-avds.htmlを参照してください。

AVDを作成する手順:

  1. Android Studioで、「ツール」 > 「Android」 > 「AVD Manager」の順に選択して、Android Virtual Device Managerを起動します。

  2. 仮想デバイス画面で、仮想デバイスの作成をクリックします。

  3. 「ハードウェアの選択」画面で、Pixelなどの電話デバイスを選択し、「次」をクリックします。

  4. 「システム・イメージ」画面で、推奨されるシステム・イメージのいずれかに対して「ダウンロード」をクリックします。条件に同意してダウンロードを完了します。

  5. ダウンロードが完了した後で、このリストからシステム・イメージを選択し、「次」をクリックします。

  6. 次の画面では、すべての構成の設定は変更せずに、「終了」をクリックします。

  7. 仮想デバイス画面で、作成したデバイスを選択し、エミュレータでこのAVDを起動するをクリックします。

2.5.3 開発マシンからアプリケーションをインストールするためのAndroidデバイスの設定

Androidデバイスを構成し、USBケーブルを使用して開発マシンに接続することで、開発マシンからAndroidデバイスに直接アプリケーションをインストールできます。

Androidデバイスを設定する手順:

  1. デバイスをUSBケーブルを使用して開発マシンに接続します。Windowsで開発中の場合、デバイスに応じた適切なUSBドライバをインストールする必要がある場合があります。ドライバのインストールについては、OEM USBドライバのドキュメントを参照してください。

  2. 「設定」 > 「開発者オプション」に移動して、デバイスでのUSBデバッグを有効にします。

    注意:

    開発者オプションはデフォルトでは非表示です。使用可能にするには、「設定」 > 電話についてに移動し、 and tap ビルド番号を7回タップします。前の画面に戻って「開発者オプション」を探します。

2.6 ユニバーサルWindowsプラットフォーム用の開発ツールの設定

開発用コンピュータがインストール要件を満たしていることを確認します。MAF拡張機能とVisual Studio 2017のインストール、PFXファイルの作成およびインストールを行います。また、コンピュータで開発モードを有効にして、アプリケーション開発用のWindows 10コンピュータをセットアップします。

MAFアプリケーションを開発してUWPにデプロイできるように開発マシンを設定するには:

これらの設定タスクを完了すると、MAFアプリケーションをUWPにデプロイできるようになります。『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のユニバーサルWindowsプラットフォームへのMAFアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

2.6.1 Visual Studioのインストール

必要なWindows 10 SDKとともにVisual Studio 2017をインストールします。

  1. https://www.visualstudio.com/downloads/で提供されているVisual Studio 2017のエディションをダウンロードしてインストールします。
  2. Visual Studio 2017のインストール中に、次のオプションを選択します。
    1. 「ユニバーサル Windows プラットフォーム開発」ワークロードを選択します。
    2. 「個別のコンポーネント」で使用可能な「Windows 10 SDK (10.0.10586.0)」「Windows 10 SDK (10.0.14393.0)」を選択します。

      注意:

      既存のMAFとVisual Studio 2015インストールから移行する場合は、すでに必要なWindows 10 SDKがインストールされている可能性があります。Visual Studio 2017の新規インストールを実行する場合は、これらのWindows 10 SDKをインストールする必要があります。

      図2-4 Visual Studioのインストール 2017

      図2-4の説明が続きます
      「図2-4 Visual Studio 2017のインストール」の説明

      次に示すWindows 10 SDKの情報については、https://developer.microsoft.com/en-us/windows/downloads/sdk-archiveを参照してください。

      • スタート・ガイド

      • システム要件

      • 新機能

      • 新規および更新されたツール

      • 既知の問題

2.6.2 MAFアプリケーション用のPFXファイルの作成

UWPにデプロイされたMAFアプリケーションは、個人情報交換(PFX)ファイルを使用してデジタル署名されている必要があります。

PowerShellコンソール(管理者権限)でMicrosoftのNew-SelfSignedCertificate コマンドレットを使用して、PFXファイルを作成します。

PFXファイルを作成するには:
  1. 「スタート」をクリックして、「PowerShell」と入力し、「Windows PowerShell」を右クリックして「管理者として実行」をクリックします。
    PS C:\windows\system32>プロンプトが表示されます。
  2. 必要に応じて-Subjectパラメータの値を変更し、次のコマンドを実行します。
    New-SelfSignedCertificate -CertStoreLocation cert:\localmachine\my -Subject 'CN=Example,OU=MAF,O=Oracle,C=US' -KeyAlgorithm RSA -KeyLength 2048 
    -Provider 'Microsoft Enhanced RSA and AES Cryptographic Provider' -KeyExportPolicy Exportable -KeyUsage DigitalSignature 
    -Type Custom -TextExtension @('2.5.29.37={text}1.3.6.1.5.5.7.3.3,1.3.6.1.4.1.311.10.3.13','2.5.29.19={text}CA=False')
    コマンドの内容は次のとおりです。
    • -CertStoreLocation: 新しい証明書を保存する証明書ストアを指定します。

    • -Subject: 新しい証明書のサブジェクトに表示される文字列を指定します。

    • -KeyAlgorithm: 非対称証明書鍵の作成に使用されるアルゴリズムを指定します。

    • -KeyLength: 証明書鍵の長さ(ビット単位)を指定します。

    • -Provider: コマンドレットが証明書の作成に使用する、KSPまたはCSPの名前を指定します。

    • -KeyExportPolicy: 秘密鍵のエクスポートを管理するポリシーを指定します。

    • -KeyUsage: 証明書の拡張鍵使用法で設定される鍵使用法を指定します。

    • -Type: コマンドレットが作成する証明書の種類を指定します。

    • -TextExtension: コマンドレットが新しい証明書に含める証明書の拡張(文字列)の配列を指定します。

    パラメータの詳細は、Microsoftのドキュメントを参照してください。

    成功すると、コマンドはサムプリントIDと証明書のサブジェクトを出力します。出力の例を次に示します。

    PSParentPath: Microsoft.PowerShell.Security\Certificate::LocalMachine\my
    
    Thumbprint                                Subject
    ----------                                -------
    EA8DA38619D6FF49C9BBE51651DDD6950EF767AE  CN=Example, OU=MAF, O=Oracle, C=US
  3. 次のコマンドを入力します。
    $pwd = ConvertTo-SecureString -String '<password>' -Force -AsPlainText

    コマンドの<password>を適切なパスワードに置き換えます。

  4. 次のコマンドを入力して、PFXファイルを作成します。
    Export-PfxCertificate -cert cert:\localMachine\my\<thumbprint ID> -FilePath <path> -Password $pwd

    コマンドの内容は次のとおりです。

    • <thumbprint ID>を、コンソールに出力する値(たとえば、EA8DA38619D6FF49C9BBE51651DDD6950EF767AE)に変更します

    • <path>を優先するパス(c:\someDir\MyPFX.pfxなど)に変更します。

  5. 指定したパスに移動し、PFXファイルが作成されたかどうかを確認します。

2.6.3 Windows 10でのPFXファイルのインストール

タスク内の手順に従って、個人情報交換(PFX)ファイルをコンピュータ上の証明書ストアにインストールします。これにより、証明書をアプリケーション署名に使用できます。

オペレーティング・システムでは、証明書ストアと呼ばれる領域に証明書を保持しています。ソフトウェア発行者の証明書(SPC)とその秘密鍵および公開鍵が、アプリケーションの署名に使用されます。SPCは、個人情報交換(.pfx)ファイルに格納されます。PFXファイルは証明書ストアにコピーまたはインストールする必要があります。

注意:

インストールは、特定のコンピュータのすべてのPFXファイルに対し、手動で1回実行する必要があります。
証明書ストアにPFXファイルをインストールするには:
  1. .pfxファイルを見つけてダブルクリックし、「証明書のインポート ウィザード」でファイルを開きます。
  2. 「ストアの場所」として「現在のユーザー」を選択し、「次へ」をクリックします。
    ローカル・コンピュータ・ストアにPFXをインストールする場合は、「Windows User Access Control」ダイアログが開きます。「このアプリが PC に変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら、「はい」をクリックします。
  3. 「ファイル名」フィールドに必要な名前が表示されていることを確認し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    ファイルのデフォルトの場所は、ダブルクリックしたファイルの場所です。
  4. 必要に応じて、秘密鍵のパスワードを入力します。
  5. 「Included all extended properties」を選択し、「次へ」をクリックします。
  6. 「証明書をすべて次のストアに配置する」を選択して「参照」をクリックします。
  7. 「証明書ストアの選択」で、ストアの場所に一致する証明書ストア「個人用」を選択し、「OK」をクリックします。
  8. 「次へ」をクリックしてから、「証明書のインポート ウィザードの完了」「完了」をクリックして証明書をインポートします。
    この手順では、「個人用」証明書ストアにPFXファイルがインストールされます。
  9. 再度証明書のインポート ウィザードを実行して、「現在のユーザー」の場所、「信頼されたユーザー」の証明書ストアの順に選択します。
  10. さらにもう一度証明書のインポート ウィザードを実行して、「ローカル コンピューター」の場所、「信頼されたユーザー」の証明書ストアの順に選択します。

2.6.4 Windows 10での開発者モードの有効化

Windows 10開発コンピュータで開発者モードを有効にして、アプリケーションをサイドロードし、デバッグ・モードで実行します。

Windows 10では、信頼されたソースからUWPアプリケーションが実行されます。インポートした証明書は自己署名なので、デフォルトでは実行されません。

MAFアプリケーションを開発してUWPにデプロイするには、ご使用のWindows 10コンピュータで開発者モードを有効にする必要があります。開発者モードは次の理由で必要です。

  • 非公式のソースからアプリケーションをサイドロード(インストールおよび実行)するため。

  • デバッグ・モードでアプリケーションを実行するため。

開発者モードを有効にするには:
  1. Windowsキーを押して、「設定」を検索し、表示される結果から「Settings - Modern application」を選択します。
  2. 「更新とセキュリティ」を選択し、「開発者向け」を選択して、「開発者モード」をクリックします。

    注意:

    Visual Studioでアプリケーションを作成した場合は、開発者モードを有効にするよう求めるダイアログが表示されます。
  3. JDeveloperの「ツール」メニューで「プリファレンス」をクリックして、表示されたプリファレンスから「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」を展開してから、「Windowsプラットフォーム」をクリックします。
  4. 「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」で、MSBuildの場所を指定します。
  5. 証明書の場所とパスワードのフィールドで、PFXファイルの場所とパスワードを入力します。

    注意:

    同じPFXファイルを使用すると、コンピュータ上でリリース・モードおよびデバッグ・モードでアプリケーションを実行できます。組織内の他のデバイスにアプリケーションを配布して実行する場合、内部CAなどの信頼できる機関から発行された証明書を使用することをお薦めします。

2.7 環境設定のテスト

MAFサンプル・アプリケーションをデプロイして、正常に環境を設定したことをテストします。

次のように、環境設定をテストできます。

  1. JDeveloperで、HelloWorldサンプル・アプリケーションを開きます。
    『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のMAFサンプル・アプリケーションに関する項を参照してください。
  2. メイン・メニューから「アプリケーション」を選択し、「デプロイ」を選択します。

    『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のモバイル・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

  3. ドロップダウン・メニューから、アプリケーションのデプロイ先となるプラットフォームに対応したデプロイメント・プロファイルを選択します。
  4. アプリケーションの署名を必要としないiOSデバイス・シミュレータまたはAndroidデバイス・エミュレータを使用して環境設定をテストすることが推奨されるため、「デプロイ」ダイアログを使用して、次のいずれかのデプロイメント・アクションを選択する必要があります。
    • iOSの場合は、「アプリケーションのシミュレータへのデプロイ」を選択します。

      図2-5 iOSに対するデプロイメント・アクションの選択

      図2-5の説明が続きます
      「図2-5 iOSに対するデプロイメント・アクションの選択」の説明
    • Androidの場合は、「アプリケーションのエミュレータへのデプロイ」を選択します。デプロイメントを開始する前に、エミュレータが稼働していることを確認してください。

      図2-6 Androidに対するデプロイメント・アクションの選択

      図2-6の説明が続きます
      「図2-6 Androidに対するデプロイメント・アクションの選択」の説明
    • Windowsプラットフォームの場合は、次の手順を使用します。

      1. 「アプリケーション」「デプロイ」「Windows1」の順にクリックします。

      2. 「デプロイメント・アクション」で、ローカルWindowsマシンにモバイル・アプリケーションをデプロイするためのデプロイメント・アクションを選択します。

  5. 「デプロイ」ダイアログで「次へ」をクリックし、「サマリー」ページの内容を確認した後、「終了」をクリックします。

『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のモバイル・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

デプロイメントに成功すると(数分かかる場合があります)、アプリケーションをデプロイしたデバイスにHelloWorldアプリケーションの起動画面が表示され、デフォルトのアプリケーション機能が表示されます。

2.8 起動パラメータを使用したコマンド行からの開発ツールの設定

JDeveloperの起動時に起動パラメータを指定して、Android SDKの場所など、MAFアプリケーションの開発に必要なMAFプリファレンスを設定できます。起動パラメータは、MAFアプリケーションを開発してAndroidおよびiOSプラットフォームでデプロイするためのMAFプリファレンスを指定するためのものです。

コマンド行から起動パラメータ付きでJDeveloperを起動するには、-J-Dオプションを使用します。例に示すように、すべての文字列を二重引用符で囲む必要があります。

次の例は、Android SDKの場所をオーバーライドする方法を示しています。

jdeveloper.exe -J-Doracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.androidPlatformDir="C:\<my_Android_SDK_path>"

コマンド行からAndroidのプリファレンスを設定するために使用できる起動パラメータは次のとおりです。

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.androidSdkDir

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.androidPlatformDir

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.androidBuildToolsDir

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.androidReleaseSigningKeystorePath

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.androidReleaseSigningKeystorePath

次の例は、iTunes Mediaフォルダの場所をオーバーライドする方法を示しています。

 ./jdev -J-Doracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.iOSiTunesDir="/Users/<my_username>/Music/iTunes/iTunes Media/Automatically Add to iTunes.localized"

コマンド行からiOSのプリファレンスを設定するために使用できる起動パラメータは次のとおりです。

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.iosProvisioningProfileName

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.iosProvisioningProfileTeamName

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.iOSiTunesDir

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.iosCertificate

  • oracle.adfmf.framework.dt.preferences.PlatformSDKsPrefs.iosProvisioningProfile