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Oracle® Big Data SQLインストレーション・ガイド
リリース3.2.1
E92090-05
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2 Hadoop側のOracle Big Data SQLのインストールまたはアップグレード

Oracle Big Data SQLデプロイメント・バンドルをダウンロードしてファイルを抽出したら、次の手順はインストーラを構成し、インストールを実行することです。

HadoopクラスタでのOracle Big Data SQLのインストールをデプロイするには、クラスタ管理サーバーから提供されるサービスを使用します(Cloudera ManagerまたはAmbari)。Jaguarのinstallコマンドは、管理サーバーAPIを使用してBDSサービスを登録し、デプロイメント・タスクを開始します。そこから、管理サーバーがプロセスを制御し、クラスタのノードにソフトウェアをデプロイしてインストールします。

また、インストールによって、インストールのデータベース側のデプロイメント・バンドルが生成されます。

以前のバージョンのOracle Big Data SQLがすでにインストールされている場合、Oracle Big Data SQLはインストールをリリース3.2.1にアップグレードします。以前のOracle Big Data SQLリリースのユーザーは、このリリースで、setup-bds (以前のHadoop側インストーラ)がJaguarインストーラに置き換えられ、インストールの構成パラメータが大幅に変更されたことに注意してください。

2.1 作業を開始する前に

クラスタのすべてのDataNodeが前提条件を満たしているかどうかの確認

この章では、まず、インストールのHadoop側とOracle Database側の両方の前提条件について説明します。

前提条件を満たしていない場合は、インストーラによって警告されます。これは、付録Bの出力例で確認できます。

構成の計画およびJaguar構成ファイルの編集

この章では、「Jaguar構成パラメータおよびコマンド・リファレンス」を確認します。構成ファイルを編集する前に、次の質問への答えを理解しておく必要があります。

  • Oracle DatabaseからHadoop DataNode上のBig Data SQLサーバー・プロセスへの接続リクエストを検証するためにデータベース認証を有効にしますか。

    Oracle DatabaseとHadoop間のネットワーク接続のデータベース認証は、構成内でデフォルトでtrueに設定されています。database_auth_enabledfalseに設定することで、これを無効にすることもできます。

    "database_auth_enabled" : "false",
  • マルチユーザー認可機能を使用しますか。

    マルチユーザー認可を使用すると、oracle以外のユーザーに、Hadoopクラスタに対するSQL問合せを実行するための権限を付与できます。

    マルチユーザー認可を設定する最初の手順は、構成ファイルのセキュリティ・セクションに次のパラメータを設定することです。
    "impersonation_enabled" : "true",
    "impersonation_usehosts" : "true",
    "impersonation_blacklist" : "hdfs,hive"
    ブラックリストに任意のアカウントを追加できることに注意してください。
  • HadoopクラスタとOracle Databaseシステムとの通信はイーサネットまたはインフィニバンドのいずれを経由しますか。また、Hadoopノードに複数のネットワーク・インタフェースがありますか。

    use_infinibandおよびselection_subnetパラメータを参照してください。(selection_subnetは、Oracle Big Data Applianceには適用されません。)
    "use_infiniband" : "false",
    "selection_subnet" : "5.32.128.10/21"
    デフォルトでは、use_infinibandはfalseに設定されています。イーサネットがデフォルトのプロトコルです。
  • HadoopおよびHiveクライアントのtarballを事前にダウンロードし、インストーラがそれらを取得できるようにローカル・リポジトリまたはディレクトリを設定しますか。または、インストーラがそれらをインターネット上のClouderaまたはHortonworksリポジトリから直接ダウンロードするようにしますか

    Oracle Big Data Applianceで、tarballはクラスタ内のリポジトリに格納され、そこから自動的に取得されます。したがって、関連する構成パラメータは適用されません。ただし、他のCDHシステムまたはHortonworksの場合、tarballのURLまたはディレクトリ・パス、あるいはその両方を指定するよう選択できます。デフォルトを受け入れ、インストーラがインターネットからファイルをダウンロードできるよう選択する場合は、インストールを実行しているノードからのインターネット・アクセスがあることを確認します。

    "url" : [
    "http://repo1.domain.com/loc/hadoop",
    "http://repo2.domain.com/loc",
    "http://alternate.domain.com/backup/repo"
    ],
    "dir" : [ "/root/hadooprepo" ]

    インストーラがインターネットからtarballをダウンロードできるよう選択する場合は、環境内でHTTP/HTTPSプロキシを使用するようにインストーラを構成できます。

    "http_proxy" : "http://my.proxy.server.com:80",
    "https_proxy" : "http://mysecure.proxy.server.com:80"

    プロキシ値を構成ファイルに設定するか、既存のプロキシ環境変数を使用できます。

  • ネットワークがKerberosで保護されている場合は、Oracle Big Data SQLによって使用されるoracleアカウント用にインストーラが自動Kerberosチケット更新を設定するようにしますか。

    kerberosセクションのパラメータを参照してください。
    "principal" : "oracle/mycluster@MY.DOMAIN.COM",
    "keytab" : "/home/oracle/security/oracle.keytab",
    "hdfs-principal" : "hdfs/mycluster@MY.DOMAIN.COM",
    "hdfs-keytab" : "/home/hdfs/security/hdfs.keytab"
  • Oracle Big Data SQLインストール・プロセスが古い状態のサービスを自動的に再起動するようにしますか。

    デフォルトでは、古いサービスは自動的に再起動されます。これを抑止する場合は、構成ファイルでrestart_staleパラメータをfalseに設定できます。

  • Hadoopクラスタは、CDHまたはAmbariにデフォルトのREST APIポートを使用していますか。

    使用していない場合は、portsパラメータを設定します。

注意:

構成ファイルにこれらのパラメータを設定しても、一部の機能の設定は完了しません。たとえば、データベース認証を有効にするには、1つ以上のターゲット・データベースを識別するために、Jaguarユーティリティに特別な--requestdbパラメータも渡す必要があります。この機能によって使用されるセキュリティ・キーを生成してインストールするために必要な手順もあります。マルチユーザー認可を有効にするには、まず、構成ファイルにHadoopの偽装パラメータを設定しますが、他に認可ルールも設定する必要があります。これらの設定を完了するための手順は、このガイドで手順に従って作業する際に必要に応じて示します。

2.2 Jaguarユーティリティについて

Jaguarは、HadoopクラスタですべてのOracle Big Data SQL操作を実行するために使用する多機能のコマンドライン・ユーティリティです。

Jaguarは、現在、次の操作をサポートしています。

  • install

    • DataNodeサービスがプロビジョニングされている各クラスタ・ノードにOracle Big Data SQLバイナリをデプロイします。

    • これらの各ノードのbd_cell (Oracle Big Data SQLサービス)用にLinuxおよびネットワーク設定を構成します。

    • Oracle Database側にOracle Big Data SQLをインストールするバンドルを生成します。これは、クラスタへのOracle Database接続を構成するために、構成ファイルに設定したパラメータ値を使用します。

  • updatenodes

    HadoopクラスタのDataNodeでインストールをチェックして更新します。

  • reconfigure

    インストールの現在の構成を変更します(提供された構成ファイルでの設定に従います)。

  • databasereq

    データベース認証に使用されているGUIDキー・ペアの1つのセグメントが含まれているリクエスト・キー・ファイルを生成します。(databasereq操作は、この機能のみを実行します。installupdatenodesおよびreconfigureの場合、リクエスト・キー生成は規模の大きな操作の一部として含めることができるオプションです。)

  • databaseack

    データベース認証設定の最後の手順を実行します。つまり、クラスタ内のすべてのHadoop DataNodeにGUIDキー・ペアをインストールして、それを提供したOracle Databaseから問合せができるようにします。

  • uninstall

    HadoopクラスタのDataNodeからOracle Big Data SQLをアンインストールします。

関連項目:

次の項の「Jaguar操作」に、詳細と例を示します。

2.2.1 Jaguar構成パラメータおよびコマンド・リファレンス

構成パラメータ

次の表では、bds-config.jsonまたは独自の構成ファイルで使用できるすべてのパラメータについて説明します。クラスタのnameパラメータのみが常に必須です。他のパラメータは、説明に記載されている特定の条件下で必須です。

注意:

構成ファイルを編集するときには、JSON形式を維持するようにしてください。リストに含まれる項目が1つのみであっても、リストを囲む角カッコが必要です。

表2-1 bds-config.json (または顧客作成の構成ファイル)の構成パラメータ

パラメータ 説明
name 文字列

クラスタの名前。

CDHクラスタ(Oracle Big Data Applianceなど)の場合、この名前は物理的なクラスタ名または表示名のいずれかにできます。インストーラはまず、物理名で検索し、次に表示名で検索します。

必須。

port 整数

Cloudera ManagerまたはAmbari REST APIポート。

デフォルトでは、CDHクラスタ上のこのポートは保護されているアクセスの場合には7183、保護されていないアクセスの場合には7180です。Ambariでは、保護されているアクセスの場合には8443、保護されていないアクセスの場合には8080です。

オプション。

restart_stale ブール

trueの場合、古い構成のサービスはインストール・プロセスの最後に再起動されます。このようなサービスには、HDFS NodeName、YARN NodeManager、Hiveなどがあります(選択した設定によります)。

falseの場合、インストールは完了しますが、それらのサービスは古い状態のままになります。これは、利便性向上のためにサービスを再起動する際にサービスが中断しないようにする場合に便利です。

オプション。デフォルトは、trueです。

dir リスト

データベース側でデプロイするためのHadoopクライアントが置かれているディレクトリのリスト。これらのディレクトリは、ローカル・ファイル・システム上またはNFS上の場合があります。ディレクトリは、リストされている順序で検索されます。デフォルトでは、空のリストが表示されます。dirリストにエントリがある場合、それらはURLリストが検索される前に検索されます。このオプションによりクライアントへの最も速いアクセスが提供されるためです。インストーラがtarballに最も速くアクセスできるようにするには、ローカル・リポジトリを設定し、インターネットに直接接続してtarballを個別にダウンロードして、それをOracle Big Data SQLインストーラが実行されるのと同じノード上のディレクトリにコピーし、そのディレクトリをdirパラメータにリストします。

オプション。

Oracle Big Data Applianceには適用されません。

url リスト

これは、データベース側でデプロイするためのHadoopクライアントのtarballが置かれているURLのリストです。HTTPを介してアクセスできるようにデータ・センターにリポジトリをすでに設定している場合は、必要に応じて、そのリポジトリでHadoopのtarballを維持し、Oracle Big Data SQLインストールにURLパラメータを使用します。URLは、localhost、内部ネットワークまたはインターネット上のサイト(ノードにインターネット・アクセスがある場合)に対するものになります。URLは、リストされた順序で試行されます。directoryリストまたはurlリストでHadoopクライアントの場所を正しく特定できない場合や、両方のリストが空である場合は、ClouderaまたはHortonworksの公開リポジトリがデフォルトで使用されます。その場合、インストール時にノードからインターネットにアクセスできる必要があります。必要に応じてこのアクセスを許可するには、内部プロキシ値またはOS環境プロキシ設定、あるいはその両方を設定する必要があることに注意してください。

リストされたすべてのリポジトリへのアクセスが失敗するか、またはインターネット・アクセスがブロックされるか、あるいはその両方である場合、データベース・インストール・バンドルは作成されず、警告メッセージが表示されます。問題を修正し、リポジトリにアクセスできるようになったら、reconfigureを使用してインストーラを再実行できます。その結果、インストーラによりデータベース側のインストール・バンドルが正常に生成されます。reconfigureは、構成ファイルの現在のディレクティブに従って変更を検出して実装することに注意してください。これは、クラスタ上のOracle Big Data SQLをアンインストールすることも、再インストールすることもありません。

Oracle Big Data Applianceには適用されません。tarballはクラスタ内のローカル・リポジトリに格納され、その場所が構成ファイルに自動的に追加されます。

use_infiniband ブール

trueの場合はプライベート・ネットワーク・インタフェースによる通信が設定され、falseの場合はクライアント・ネットワーク・インタフェースによる通信が設定されます。

Oracle Big Data Applianceクラスタの場合にのみ使用されます。

デフォルト値: false

selection_subnet 文字列

Hadoopクラスタ・ノードに複数のネットワーク・インタフェースがある場合は、selection_subnetを使用してそのうちの1つを選択できます。選択されたIPアドレスが、選択サブネットワークに最も近いものになります。

Hadoopクラスタ・ノードにあるネットワーク・インタフェースが1つのみの場合、このパラメータは無視されます。

デフォルト値は、次の条件によって異なります。

  • Oracle以外のコモディティHadoopクラスタ(CDHまたはHDP)では、デフォルトで0.0.0.0/0が選択されます。(クラスタ・ノードに複数のIPアドレスがある場合は、最下位アドレスが選択されます。)

  • Oracle Big Data Applianceでは、デフォルトはプライベートまたはクライアントIPアドレスで、use_infinibandパラメータの設定によって異なります。

Oracle Big Data Applianceのユーザーへの注意事項:

Oracle Big Data Applianceで複数のネットワークを構成できます。複数のネットワークが存在する場合は、特定のネットワークを選択するために、このパラメータを設定する必要があります。
http_proxy
https_proxy
文字列

Hadoopクライアントのtarballおよびクラスタ設定をダウンロード可能にするためのプロキシ設定を指定します。

これらの文字列の両方が空の場合、OS環境のプロキシ設定が使用されます。

デフォルトでは、両方の文字列が空です。

構成ファイルでこの2つのパラメータを使用するのはオプションです。それらが必要な場合、かわりにexport http_proxy=<proxy value>のように外部に設定できます

Oracle Big Data Applianceには適用されません

database_auth_enabled ブール

trueの場合、GUIDキー・メカニズムによるデータベース認証が有効になります。このためには、クラスタ側にデータベースGUIDキー・ペアを設定するために、インストール・プロセスで追加の手順が必要です。

falseの場合、この機能は有効になりません。

デフォルト値: true

impersonation_enabled ブール

trueの場合、マルチユーザー認可をサポートするためのHadoop偽装が有効になります。これは、oracle OSユーザーをHadoopプロキシ・ユーザーとして設定し、データベース・ノードにプロキシ・ユーザーのブラックリストを伝播します。falseの場合、この機能は有効になりません。

デフォルト値: false

impersonation_blacklist 文字列

Hadoopプロキシ・ユーザーが偽装のブラックリストに記載されます。このパラメータは、Hadoop偽装が有効である場合にのみ使用されます。

これはOracle Database側で必須の設定であるため、Hadoop偽装が有効でなくてもextprocエラーが発生しないように、dummyというデフォルト値が用意されています。

impersonation_usehosts ブール

trueの場合、プロキシ・ホスト変数がデータベース・ノードのIPアドレスに設定されます。

falseの場合、プロキシ・ホスト変数はワイルドカード*に設定されます。

デフォルト値: true

principal 文字列

oracleユーザーの完全修飾Kerberosプリンシパル名。プリンシパルは、次の3つの部分に分かれています。

  • User Name: (常にoracleである必要があります)

  • Qualifier: /<qualifier>。これは、プリンシパルを編成および識別するために役立つオプションの情報です。

  • Domain: @MY.DOMAIN.COM。これは、KDCで管理される必須の情報です。

Oracle Big Data SQLインストールは、Kerberosのprincipalフィールド(および次のkeytabフィールド)を使用して、プリンシパルで表されるユーザーの自動Kerberosチケット更新を設定します。これは、インストールのHadoop側とOracle Database側の両方で行われます。インストーラは、プリンシパルもkeytabも作成しません。これらは、すでに存在している必要があります。

保護されたクラスタの場合は必須です。

keytab 文字列

プリンシパルのkeytabファイル名の完全修飾された場所。

Jaguarインストーラからアクセス可能な場所にkeytabファイルをコピーし、このパラメータの値としてパスを設定します。

hdfs-principal 文字列

hdfsユーザーの完全修飾Kerberosプリンシパル名。これは、User nameQualifierおよびDomainの3つの部分に分かれています。

User nameは、hdfsユーザーの完全修飾プリンシパル名です。Qualifierは、/myclusterのように、クラスタ名の先頭にスラッシュを付けたものです。Domainは、@MY.DOMAIN.COMという形式で指定します。3つすべてが必須です。プリンシパル名は、KDCに定義されます。

保護されたクラスタの場合は必須です。

hdfs-keytab 文字列

プリンシパルkeytabファイルへの完全修飾パス。keytabファイルは、KDCサーバー上のプリンシパルごとに作成されます。これは、Jaguarインストーラがアクセスできる場所に存在する必要があります。

保護されたクラスタの場合は必須です。

min_hard_limit 整数

Big Data SQL用に予約されている最小メモリー容量(MB)。このパラメータは、CDHクラスタ(Oracle Big Data Applianceなど)に使用されます。HDPクラスタでは使用されません。デフォルトでは、この値は8192 (8 GB)です。

max_percentage 整数

CDHクラスタ(Oracle Big Data Applianceなど)の場合、このパラメータには各ノード上でBig Data SQLのために予約するメモリーのパーセンテージを指定します。このパーセンテージは、YARN Resource Managerがそのノードに対して有効である場合には、NodeManagerの合計容量から求められます。そうでない場合は物理メモリーになります。

YARN Resource Managerがノードに対して有効である場合、パーセンテージはNodeManagerによって使用されるメモリーの合計容量に基づいたものになります。それ以外の場合は、物理メモリーのパーセンテージである必要があります。

このパラメータは、HDPクラスタでは無視されます。

excluded_nodes Array

インストーラはノードをエッジ・ノードとして正しく識別しないときに、そのノードにBDSエージェントをインストールします。BDSエージェントはインストールの準備状況を検証します。エッジ・ノードが前提条件を満たしていない場合、Oracle Big Data SQLのインストールは失敗します。excluded_nodesパラメータは、この問題の回避策として用意されていました。インストーラが検出しなかったエッジ・ノードの明示的なリストを使用して、インストーラを再実行できます。

このパラメータは、構成ファイルのネットワーク・セクションにあります。

   excluded_nodes : [ "<fqdn_for_edge_node_1>","<fqdn_for_edge_node_2>","<fqdn_for_edge_node_3>" ] 

excluded_nodesの値は、大カッコで囲み、それぞれの要素は引用符で囲んでカンマで区切る必要がある点に注意してください。

インストーラは、ほとんどのエッジ・ノードを正しく検出するようになりました。そのため、このパラメータを使用する必要はほとんどありません。

注意:

Oracle Big Data SQLがHadoopクラスタ管理サーバーにインストールされた後、<Big Data SQL Install directory>/BDSjaguar-3.2.1ディレクトリにある構成ファイルで、様々なパラメータの組合せを示す例を確認できます。
example-bda-config.json
example-cdh-config.json 
example-kerberos-config.json
example-localrepos-config.json
example-subnetwork-config.json
example-unsecure-config.json
example-cdh-config.jsonで使用可能なすべてのパラメータ・オプションを参照できます。

関連項目:

クライアントのtarballのダウンロードを設定する際に役立つ提案は、付録「適切なソフトウェア・バージョンの確認とHadoopクライアントのダウンロード・パスの構成」を参照してください。

Jaguar操作

次の表は、Oracle Big Data SQLインストールのHadoop側でJaguarユーティリティによって実行される一連の操作を示しています。

Jaguarコマンドの一般的な構文は次のとおりです。--requestdbパラメータは、すべてのJaguarコマンドに適用されるわけではありません。

# ./jaguar {--requestdb <comma-separated database names> | NULL } <action> { bds-config.json | <myfilename>.json | NULL } 

例:

# ./jaguar install
# ./jaguar install bds-config.json
# ./jaguar install mycustomconfig.json 
# ./jaguar --requestdb orcl,testdb,proddb install
# ./jaguar --requestdb orcl install

デフォルトのbds-config.jsonまたは独自の構成ファイルを使用することも、構成ファイル引数を省略することもできます(デフォルトでbds-config.jsonに設定されます)。

--requestdbについて:

--requestdbパラメータは、databasereqコマンドには必須で、installupdatenodesおよびreconfigureにはオプションで、他のJaguarコマンドには適用できません。このパラメータは、Hadoopクラスタとデータベース間の接続でデータベース認証を有効にするために、これらの操作のいずれかに渡す必要があります。データベース認証を無効にする場合を除き、初期install操作で--requestdbを含めることをお薦めします。それ以外の場合、リクエスト・キーを生成するために、後で追加の手順を実行する必要があります。

このパラメータは、構成でデータベース認証(database_auth_enabled)がtrueに設定されているときにのみ機能します。(この設定は、構成のデフォルトであり、構成ファイルに明示的に設定する必要はありません。)

Jaguarでは、データベースごとに一意の.reqkey (リクエスト・キー)ファイルを生成するためにデータベース名が必要です。インストール時にdatabase_auth_enabledtrueに設定しても、--requestdbパラメータは引き続きオプションです。インストール後、updatenodesreconfigureおよびdatabasereqコマンドにはリクエスト・キーを送信する同じオプションがあります。データベース認証は、次のすべての操作を実行するまで実装されません。

  1. database_auth_enabledが構成ファイルに存在しないか、またはtrueに設定されていることを確認します。(デフォルトではtrueです。)

  2. Jaguarコマンドに--requestdbを含めます。

    1. Jaguarのinstallupdatenodesまたはreconfigureを実行し、更新されたデータベース側のインストール・バンドルをインストールします。または、

    2. Jaguarのdatabasereqを実行して、既存のデータベース側のインストールから確認応答キーを生成します。

  3. .ackkeyファイルが含まれている生成したZIPファイルをデータベース側のインストール・ディレクトリからHadoopクラスタ管理サーバー上の/opt/oracle/DM/databases/confにコピーします。

  4. 次の表に示すように、Jaguarのdatabaseackコマンドを実行します。

次の表は、使用可能なJaguarコマンドを示しています。

表2-2 Jaguar操作

Jaguar操作 --requestdbをサポートするか 使用方法と例
install

--requestdbパラメータはインストール操作に厳密には必要ありませんが、データベースごとにリクエスト・キーを生成しないと、データベース認証を有効にできません。

--requestdb<comma-separated database list>
はい

構成ファイルに指定されたHadoopクラスタにOracle Big Data SQLをインストールし、構成ファイルに含まれているパラメータ(または構成ファイルに値が明示的に割り当てられていないパラメータのデフォルト値)に基づいてデータベース側のインストール・バンドルを作成します。例:

# ./jaguar --requestdb orcl,testdb,proddb install

前述の例には、構成ファイルのパラメータは含まれていません。bds-config.jsonが暗黙的にデフォルトになります。別の構成ファイルを./jaguar --requestdb mydb install myconfig.jsonで指定できます

注意:

必要に応じて、sclユーティリティを使用して、適切なPythonバージョンが呼び出されていることを確認できます。

scl enable python27 "./jaguar install"
updatenodes はい

クラスタを拡張または縮小します。前回のOracle Big data SQLインストール以降、クラスタが増大している場合、Oracle Big Data SQLを新しいDataNodeまで拡張してセル・インベントリを更新します。

reconfigure はい

構成ファイル(bds-config.jsonなど)に加えた変更を適用することで、現在のインストールを変更します。

# ./jaguar reconfigure myconfigfile.json

./jaguar reconfigure <config file>を実行してHadoopクラスタのOracle Big Data SQLを再構成する場合、対応する再構成がOracle Database側で必要です。構成が一致していない場合は両側で通信できません。Jaguarユーティリティがデータベース側のバンドル・ファイルを再生成して変更を組み入れたら、以前にインストールしたすべてのデータベース・サーバーにそのバンドルを再デプロイする必要があります。

--requestdb引数は、database_auth_enabledが最新の構成ファイルでtrueに設定されている場合に必須です。これは、Jaguarがデータベース側のインストール・バンドルに含まれる.reqkeyファイルを生成するようにするためです。この構成ファイル・パラメータはデフォルトでbds-config.jsonに設定できることに注意してください。

# ./jaguar --requestdb demodb,testdb,proddb1 reconfigure 
databasereq はい

このコマンドを使用すると、Hadoop側のインストールを繰り返すことなく、あるいはupdatenodesreconfigure操作を行うことなく、.reqkeyファイルを作成できます。(たとえば、Jaguarのinstallコマンドで--requestdb引数を含めることを忘れた場合)、後でdatabasereqでリクエスト・キーを作成できます。この操作では、構成でdatabase_auth_enabledをtrue (デフォルト値)に設定する必要があります。

`
# ./jaguar --requestdb demodb,testdb,proddb1 databasereq  
databaseack いいえ

データベース確認応答プロセスでは、HadoopクラスタでのOracle Big Data SQLインストールに対し、構成ファイルで有効にしたセキュリティ機能がデータベース側のインストールに正常に実装されたことを確認できます。次に、Hadoopクラスタ側で選択されたセキュリティ機能の実装を完了します。

./jaguar databaseack bds-config.json

構成ファイルでこれらのパラメータのいずれかをtrueに設定して、セキュリティ機能を有効にすることにした場合にのみ、databaseackを実行します。

  • impersonation_enabled: true

  • database_auth_enabled: true

これらのいずれの機能もtrueに設定した状態でデータベース側のインストール・バンドルが構築されている場合、そのバンドルからのデータベース側のインストールはデータベース・サーバー上の$ORACLE_HOMEの下のインストール・ディレクトリにZIPファイルを生成します。ZIPファイル名の形式は、<Hadoop cluster name>-<Number nodes in the cluster>-<FQDN of the cluster management server node>-<FQDN of this database node>.zipです。たとえば、次のようになります。

$ ls $ORACLE_HOME/BDSJaguar-3.2.1/cdh510-6-node1.my.domain.com/*.zip
$ cdh510-6-node1.my.domain.com-myoradb1.mydomain.com.zip

データベース側のインストールが完了した後、このZIPアーカイブをHadoopクラスタ管理サーバー上の/opt/oracle/DM/databases/confにコピーします。次に、セキュリティ機能を完全に有効にするには、databaseackを実行します。

uninstall  

HadoopクラスタのOracle Big Data SQLをアンインストールします。

アンインストール・プロセスは、すべてのHadoopクラスタ・ノードでbd_cellプロセス(Oracle Big Data SQLプロセス)を停止し、Hadoopクラスタからすべてのインスタンスを削除し、関連するすべてのリソースを解放します。

注意:

Hadoop側でOracle Big Data SQLがアンインストールされた場合、データベース側で処理中のHadoopデータに対する問合せは失敗します。ソフトウェアのHadoopコンポーネントをアンインストールしたらすぐに、すべてのデータベース・システムからOracle Big Data SQLをアンインストールすることをお薦めします。

2.3 Hadoopクラスタでのインストール手順

要件に従ってJaguar構成ファイルを設定した後、次の手順に従って、Jaguarインストーラを実行します。HadoopクラスタにOracle Big Data SQLがインストールされ、データベース側のインストール・バンドルが生成されるので、これをOracle Databaseシステムにデプロイします。次の手順では、bds-config.jsonはJaguarに渡される構成ファイル名です。これはデフォルトです。どのファイル名でも受け入れられるため、クラスタごとにインストール用の構成ファイルを個別に作成して、別々のファイルとして保存できます。

注意:

JaguarではPython 2.7を3.0にする必要があります。必要に応じて、2つ目のインストールとしてPythonのJaguar互換バージョンを追加できます。詳細は、「概要」の前提条件の項で再確認してください。Oracle Big Data Appliance (および場合によっては他のHadoopプラットフォーム)を使用している場合は、インストールされたPythonリリースを上書きしないでください。
  1. rootとしてクラスタ管理サーバー・ノードにログオンし、ダウンロードしたOracle Big Data SQLインストール・バンドルを抽出したディレクトリに移動します。

  2. このバンドルを解凍した場所のパスの下にあるBDSjaguarサブディレクトリに移動します。

    # cd <Big Data SQL Install Directory>/BDSjaguar
  3. bds-config.jsonファイルを編集します。少なくとも、Oracle Big Data SQLをインストールするクラスタの必須のクラスタ名を指定します。

    {
    "cluster": {
               "name": "<Your cluster name>"
               }
    }

    このインストールで使用するパラメータを追加します。

    関連項目:

    クラスタ名は、このバージョンのOracle Big Data SQLで唯一の必須パラメータです。使用可能なすべてのパラメータの説明は、「Jaguar構成パラメータおよびコマンド・リファレンス」を参照してください。使用可能なすべてのパラメータが入力されているbds-config.jsonファイルの例については、「bds-config.jsonの構成例」を参照してください。

    BDSjaguarディレクトリで、Jaguarのinstall操作を実行します。installパラメータおよび構成ファイル名(bds-config.jsonが暗黙のデフォルト)を引数としてJaguarコマンドに渡します。--requestdbオプションを含める必要がある場合もあれば、そうでない場合もあります。

    [root@myclusteradminserver:BDSjaguar] #  ./jaguar install <config file name>

    注意:

    デフォルトでは、構成ファイルでdatabase_auth_enabledをfalseに設定した場合を除き、データベース認証はtrueに設定されます。データベース認証を有効にする場合は、インストール操作の一環として、または後で、リクエスト・キーを生成します。これは、認証プロセスで使用されるGUID/キー・ペアの一方の部分です。このキーを生成するには、Jaguarのinstallコマンドラインに--requestdbパラメータを含めます。
    [root@myclusteradminserver:BDSjaguar] # ./jaguar --requestdb mydb install
    
    database_auth_enabledをtrueにした状態でインストールを実行した場合は、データベース側のインストール後、Jaguarのdatabasereqコマンドを使用してキーを生成できます。この他にいくつかのJaguarコマンドでも、--requestdbパラメータにそれらを渡した場合には、リクエスト・キーを生成できます。

    Jaguarにより、クラスタ管理サービスの管理者資格証明の入力を求められた後、Oracle Big Data SQLがHadoopクラスタ全体にインストールされます。また、db-bundlesサブディレクトリにデータベース側のインストール・バンドルを生成します。インストールがエラーなしで完了した場合は、次のメッセージが返されます。

    BigDataSQL: INSTALL workflow completed.
  4. データベース側のインストール・バンドルの有無を確認します。

    # ls <Big Data SQL Install Directory>/BDSjaguar/db-bundles
     bds-3.2.1-db-<cluster>-<yymmdd.hhmi>.zip

    このバンドルは、Oracle Databaseとbds-config.json (または他の)構成ファイルに定義されている特定のクラスタとの間にOracle Big Data SQL接続を設定するためのものです。これには、オプションのデータベース・リクエスト・キー・ファイルを除き、必要なすべてのパッケージおよび設定ファイルが含まれています。

    インストール・コマンドに--requestdbを含めた場合には、dbkeysサブディレクトリの下に1つ以上のデータベース・リクエスト・キー・ファイルも生成されます。このキーが存在することを確認する必要があります。
    # ls <Big Data SQL Install Directory>/BDSjaguar/dbkeys
     cluster1db.reqkey

これは、HadoopクラスタでOracle Big Data SQLのインストールを完了します。

次の作業

JaguarがHadoopクラスタにOracle Big Data SQLを正常にインストールしたら、インストールの前半は完了です。次の手順は、Hadoopクラスタ上のデータに対する問合せを実行するOracle DatabaseシステムにOracle Big Data SQLをインストールすることです。

このためには、Oracle Databaseシステムの任意の場所にデータベース側のインストール・バンドルをコピーします。構成ファイルでdatabase_auth_enabledfalseに設定している場合を除き、Jaguarによって生成された.reqkeyファイルもコピーします。

ヒント:

データベースにリクエスト・キーを1回送信するだけです。同一のデータベースへのすべてのHadoopクラスタ接続に対して単一のリクエスト・キーが有効です。インストールをすでに完了して、1つのHadoopクラスタを特定のデータベースに接続している場合は、データベースにキーが永続的に存在しているため、後続のクラスタ・インストールでそれを再度生成したり、データベースに再度コピーする必要はありません。

バンドルの解凍およびソフトウェアのデータベース側コンポーネントのインストールの手順については、「Oracle Database側のOracle Big Data SQLのインストールまたはアップグレード」に移動してください。

関連項目:

正常終了したインストールからの完全な標準出力の例は、「Oracle Big Data SQLインストールの例」を参照してください。