1 Oracle Multimediaの概要

Oracle Multimedia (旧称Oracle interMedia)によって、Oracle Databaseでは、イメージ、DICOMフォーマットの医学イメージおよびその他のオブジェクト、オーディオ、ビデオ、または異機種間メディア・データを、他のエンタープライズ情報と統合した形式で格納、管理および取得できます。

Oracle Multimediaによって、Oracle Databaseの信頼性、可用性が向上し、従来のアプリケーション、医学アプリケーション、インターネット・アプリケーション、電子商取引アプリケーション、および様々なメディアを利用するアプリケーションでマルチメディア・コンテンツを管理できるようになります。

関連項目:

1.1 マルチメディアPL/SQLパッケージについて

Oracle Multimediaには、ORD_AUDIO、ORD_DOC、ORD_IMAGEおよびORD_VIDEO PL/SQLパッケージが付属しており、それぞれOracle DatabaseのBLOBおよびBFILEに格納されたイメージ、オーディオおよびビデオ・データを管理するためのファンクションとプロシージャが含まれます。開発者は、これらのPL/SQLパッケージを使用して、アプリケーションに次のような一般的な操作を含めることができます。

  • XML文字列として、またはXMLおよび個々の属性として、マルチメディア・データから直接情報を抽出

  • Oracle Databaseからオペレーティング・システム・ファイルにマルチメディア・データをエクスポート

  • オペレーティング・システム・ファイルからOracle Databaseにマルチメディア・データをロード

  • 縮小イメージの作成

  • イメージの切取り

  • イメージをWeb互換フォーマットに変換

これらのOracle Multimedia PL/SQLパッケージの詳細は、次の章を参照してください。

1.2 マルチメディア・オブジェクト型およびメソッド

Oracle Multimediaでは、ORDAudio、ORDDoc、ORDImage、ORDVideoおよびSI_StillImageオブジェクト型とメソッドを使用して、次の操作を実行できます。

  • マルチメディア・データからのメタデータおよび属性の抽出

  • イメージ・ファイルへのアプリケーションによって作成されたメタデータの埋め込み

  • Oracle Multimedia、Webサーバー、ファイル・システムおよび他のサーバーからのマルチメディア・データの取得と管理

  • イメージ・データの操作の実行

Oracle Multimediaでは、DICOMフォーマットの医学イメージおよびその他のデータを格納、管理および操作するためのORDDicomオブジェクト型およびメソッドも提供されます。

複合オブジェクトのSQL構文

複合オブジェクト内の属性にアクセスするためのオブジェクト構文は、ドット表記法(Javaでの場合を除く)です。

variable.data_attribute 

複合オブジェクトのメソッドをコールするための構文も、ドット表記法(Javaでの場合を除く)です。

variable.function(parameter1, parameter2, ...)

推奨されているプログラミングの方法に従って、各メディア・タイプの属性にアクセスするための、すべてのメディア属性のアクセッサ(getメソッド)およびセッター(setメソッド)が提供されています。

関連項目:

複合オブジェクトの詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください

1.3 マルチメディアの格納

Oracle Multimediaでは、ORDSourceオブジェクト型およびメソッドを使用して、マルチメディア・データ・ソースを操作できます。ORDAudio、ORDDoc、ORDImageおよびORDVideoオブジェクト型はいずれも、ORDSource型の属性を含みます。

注意:

ORDSourceメソッドを直接コールしないでください。かわりに、ORDSourceメソッドに対応するメディア・オブジェクトのラッパー・メソッドを起動してください。このマニュアルのORDSourceメソッドの情報は、独自のユーザー定義ソースを記述するユーザーのみを対象としています。

ORDSourceメソッドの詳細は、「Oracle Multimedia ORDSourceオブジェクト型」を参照してください。