このリリースでのバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドの変更点
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Databaseリリース18c, バージョン18.1での変更点
Oracle Databaseリリース18c, バージョン18.1の『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』には、次の変更点があります。
新機能
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既存のCDBへのPDBの複製
DUPLICATE
コマンドを使用して、既存のCDBにPDBを複製できます。関連項目:
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Oracle Cloudへのデータベースの複製
オンプレミスのOracle DatabaseをOracle Cloud Infrastructure Classicに複製できます。同様に、Oracle Cloud Infrastructure Classic内のOracle Databaseをオンプレミス・データベースとして複製できます。
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フィジカル・スタンバイのロールフォワード
スタンバイ・データベースのロールフォワードの機能が改善され、このタスクを実行する手順が単純化されました。
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移行後に使用可能なRMANバックアップ
非CDBまたはPDBが移行されて別のCDBに組み込まれる前に作成された非CDBまたはPDBのRMANバックアップは、新しいCDB内でのリカバリ操作に使用できます。
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シャドウ消失書込み保護
高速検出およびデータ・ブロック消失リライトに対する即時レスポンスによって、データ消失が最小限になります。
関連項目:
Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)での変更点
Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)の『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』には、次の変更点があります。
新機能
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PDBのリストア・ポイントのサポート
単一のプラガブル・データベース(PDB)に固有のリストア・ポイントであるPDBリストア・ポイントを作成できます。特定のPDBに対するPDBリストア・ポイントを作成すると、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)内の他のPDBに対して定義されたリストア・ポイントと名前が競合しないことが保証されます。
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PDBのフラッシュバック・データベース・サポート
マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)内の他のPDBに影響を及ぼすことなく、単一のPDBのフラッシュバック・データベース操作を実行できます。これによって、CDB全体ではなく、指定したPDBのみを以前の特定の時点まで巻き戻すことができます。特定のPDBに対するフラッシュバック・データベース操作は、CDB内の他のPDBには影響を及ぼしません。
Oracle Database 12c リリース1 (12.1)で、PDBのPoint-in-Timeリカバリ(PITR)全体に渡るCDBのフラッシュバック・データベース操作を実行するには、PITRが実行されたPDB内のすべてのデータファイルをオフラインにする必要がありました。この制限は削除されました。
COMPATIBLE
が12.2以上に設定されていると、PDB PITR全体に渡るCDBまたはPDBフラッシュバックでフラッシュバック・データベース操作を実行できます。 -
表および表パーティションのリカバリの拡張機能
表のリカバリを実行する前に、RMANでは、リカバリ中に使用する補助インスタンスを作成するのに十分な領域がターゲット・ホストにあるかどうかを確認します。表および表パーティションを、もともと存在していたソース・スキーマとは別のスキーマにリカバリすることもできます。
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クロス・プラットフォーム・トランスポートの拡張
新しいCDBに、PDBのクロス・プラットフォーム・トランスポートを実行できます。暗号化された表領域をプラットフォーム間でトランスポートできます。また、ネットワークを介してプラットフォーム間でファイルをリストアおよびリカバリすることもできます。
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データベースの複製の拡張機能
DUPLICATE
コマンドを使用して、Oracle Data Guardの遠隔同期インスタンスを作成できます。データベース全体の複製を参照してください。
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アプリケーション・コンテナのバックアップおよびリカバリのサポート
RMANを使用して、アプリケーション・コンテナのバックアップ、完全リカバリおよびPoint-in-Timeリカバリを実行できます。これには、アプリケーション・ルートと、1つ以上のアプリケーションPDBが含まれます。
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スパース・データベースのバックアップおよびリカバリ
RMANでは、
COMPATIBLE
初期化パラメータが12.2以上に設定されたスパース・データベースのバックアップ、リカバリおよびバックアップベースの複製を実行できます。また、個々のスパース・データファイル、表領域、CDBおよびPDBのバックアップおよびリカバリも実行できます。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)での変更点
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)のバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドには、次の変更点があります。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)での変更点
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)のバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドには、次の変更点があります。
新機能
このリリースの新機能は、次のとおりです。
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マルチテナント・コンテナ・データベースおよびプラガブル・データベースのサポート
RMANは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)で導入された、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)のバックアップおよびリカバリを提供します。このサポートには、指定されたプラガブル・データベース(PDB)のバックアップおよびPoint-in-Timeリカバリが含まれます。
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SYSBACKUP
権限SYSBACKUP
管理権限には、クローズ状態のデータベースへの接続機能を含め、バックアップおよびリカバリに必要な権限が含まれています。システム管理者は、バックアップおよびリカバリを実行するユーザーに対して、SYSDBA
のかわりにSYSBACKUP
を付与することができ、これによってSYSDBA
権限の散在を少なくします。SYSDBA
と比較すると、SYSBACKUP
には、SELECT ANY TABLE
のようなデータ・アクセス権限は含まれません。 -
ストレージ・スナップショットの最適化
ストレージ・スナップショットの最適化では、サード・パーティのテクノロジを使用して、データベースを
BACKUP
モードにすることなく、データベースのストレージ・スナップショットを取得できます。その後、そのスナップショットを使用して、データベースのすべてまたは一部をリカバリできます。 -
SQLインタフェースの改善
このリリースから、ほとんどのSQLコマンドを、前にSQLキーワードを付けずにRMANで実行できるようになりました。RMANとSQLの両方に存在し、用途が異なる一部のコマンドについては、
SQL
キーワードを指定すると明確に指定できます。SQLコマンドは引用符で囲まなくてもよくなったため、SQLコマンド自体に引用符が必要な場合の構文が非常に簡素化されました。RMANコマンドは、SQLALTER
コマンドにかわりました。新しいRMAN
DESCRIBE
コマンドには、SQL*PlusのDESCRIBE
コマンドの機能があります。 -
マルチセクション・バックアップの改善
RMANでは、増分バックアップおよびイメージ・コピーに対するマルチセクション・バックアップのサポートを提供します。可能な場合は、マルチセクション増分バックアップとともに、未使用ブロック圧縮とブロック・チェンジ・トラッキングが使用されます。これによって、バックアップとリストアのパフォーマンスが向上します。
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ネットワークを介したファイルのリストアおよびリカバリ
バックアップ・セットを使用し、データベース、データファイル、表領域または制御ファイルを、フィジカル・スタンバイ・データベースからリストアまたはリカバリすることができます。RMANは、ネットワークを介してバックアップ・セットを宛先ホストに送信します。これは、スタンバイ・データベースとプライマリ・データベースを同期化するData Guard環境で役立ちます。
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アクティブなデータベースの複製の強化
RMANでは、バックアップ・セットを使用してアクティブなデータベース複製を実行することができます。十分な補助チャネルが割り当てられると、補助インスタンスはターゲット・インスタンスに接続し、ネットワークを介してバックアップ・セットを取得するため、ターゲット・インスタンスでの処理の負荷を軽減します。複製プロセスでは、未使用ブロックの圧縮を使用して、ネットワーク上でトランスポートされるバックアップのサイズを削減することができます。使用されるバイナリ圧縮レベルを指定できます。アクティブなデータベースの複製を実行している間、バックアップの暗号化とマルチセクション・バックアップを使用することもできます。
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クロス・プラットフォームのバックアップおよびリストアの改善
全体および増分バックアップ・セットを使用してプラットフォーム間でデータをトランスポートできます。増分バックアップでは、クロス・プラットフォーム・データ移行時のアプリケーションの停止時間全体を短縮できます。
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RMANバックアップからの表および表パーティションのリカバリ
RMANでは、以前作成されたRMANバックアップから、指定された時点に表および表パーティションをリカバリすることができます。
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統合監査とRMAN
統合監査によって、すべてのOracle Database監査レコードが、単一の監査証跡に連結されます。統合監査を使用するには、データベースをOracle Database 12cリリース 1 (12.1)にアップグレードしてから、統合監査を使用するようにデータベースを移行する必要があります。
参照:
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統合監査を使用するためのデータベース移行の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。
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RMANの統合監査情報を検索する方法については、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。
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DUPLICATE
の拡張機能複製データベースの作成後に、
RESETLOGS
を使用して複製データベースを開かないことを指定できます。複製データベースの初期化パラメータを変更する場合や、複製データベースを開くことでソース・データベースと競合する複製データベースのサービスが開始される可能性がある場合に、複製データベースを開かないことを選択できます。参照: