プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Database管理者リファレンス
18c for Microsoft Windows
E99714-01
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
次

データベースのリストアおよびリカバリについて

VSSスナップショットをリストアおよびリカバリする方法について説明します。その手順は、バックアップの場合と同様に、データベースのアーカイブ・モードと、リストアするスナップショットのタイプによって異なります。

ARCHIVELOGモードのデータベースのリストアおよびリカバリについて

リストアおよびリカバリ操作では、「リストア操作で使用可能なコンポーネント」にリストされたコンポーネントを選択できます。

この表は、Oracle VSSライターがリストア前のフェーズ中にコンポーネントに対して実行する確認作業と、リストアの完了後に実行するアクションを示しています。

表9-3 リストア操作で使用可能なコンポーネント

コンポーネント リストア前のフェーズ リストア後のフェーズ

サーバー・パラメータ・ファイル

データベース・インスタンスが起動していないことを確認します。起動している場合、ライターによりリストア前の障害エラーが戻されます。

データベースがNOMOUNTで起動していることを確認します。サーバー・パラメータ・ファイルがOracleホームのデフォルトの場所にリストアされる場合、インスタンスは自動的にNOMOUNTで起動します。それ以外の場合は、ORA_SID_PFILEを、サーバー・パラメータ・ファイルの場所を示すテキスト・ベースの初期化パラメータ・ファイルの場所に設定する必要があります。

サーバー・パラメータ・ファイルのリストア

制御ファイル

インスタンスがNOMOUNTで起動しているか、起動していないかを確認します。インスタンスが起動していない場合、ライターにより、ORA_SID_PFILEインスタンス・パラメータ・ファイルを使用してインスタンスが起動されるか、デフォルトの場所にある初期化パラメータ・ファイルまたはサーバー・パラメータ・ファイルが使用されます。

インスタンスによって示された現在のすべての制御ファイルの場所に制御ファイルをレプリケートした後に、制御ファイルをマウントします。

すべての制御ファイルが失われた状態からのリカバリ

表領域またはデータ・ファイル・コンポーネント

データベースがマウントされていること、または指定されたデータ・ファイルまたは表領域がオフラインであることを確認します。

これらの表領域またはデータ・ファイルの完全リカバリを実行します。リクエスタ・アプリケーションは、デフォルトのリカバリ動作を上書きできます。

表領域またはデータ・ファイルのリカバリ

すべての表領域

データベースがマウントされていることを確認します。

バックアップのライター・メタデータ・ドキュメントからREDOを抽出し、リストアされたすべてのデータ・ファイルを対象に、スナップショットの作成時点までの不完全リカバリを実行します。リクエスタ・アプリケーションは、デフォルトのリカバリ動作を上書きできます。

すべての表領域のリカバリ

Oracle Database

インスタンスが起動していないことを確認します。

データベース・インスタンスを起動して制御ファイルをマウントし、リカバリを実行します。サーバー・パラメータ・ファイル、制御ファイル、およびすべての表領域のリストア後の動作に関する説明を参照してください。

「障害時リカバリの実行」および「NOARCHIVELOGデータベースのコンポーネント・ベースのバックアップのリストア

アーカイブREDOログまたは高速リカバリ領域

なし。

このコンポーネントのデフォルト・リカバリは実行されません。ただし、リクエスタ・アプリケーションでは必要なRMANコマンドを実行できます。

 

サーバー・パラメータ・ファイルのリストア

サーバー・パラメータ・ファイルをリストアするには、この手順を使用します。

サーバー・パラメータ・ファイルをリストアするには、次のようにします。

  1. VSSスナップショットからServer Parameter Fileというコンポーネントを選択します。
  2. サーバー・パラメータ・ファイルをリストアします。

    Oracle VSSライターは、サーバー・パラメータ・ファイルを最初にコピーした元の場所にリストアします。このファイルは、別の新しい場所にリストアすることもできます。

すべての制御ファイルが失われた状態からのリカバリ

この手順では、すべての多重制御ファイルが失われた状態からリカバリする方法について説明します。

すべての制御ファイルが失われた状態からリカバリするには、次のようにします。

  1. データベースがNOMOUNT状態にあるか、データベースをOracle VSSライターによってNOMOUNT状態で起動できることを確認します。
  2. VSSスナップショットからControl Fileというコンポーネントを選択します。
  3. 失われた制御ファイルを含むコンポーネントをリストアします。

    Oracle VSSライターは、リストアされた制御ファイルを使用してデータベースを自動的にマウントします。制御ファイルのリカバリのみが必要な場合、VSSリクエスタ・アプリケーションは、Oracleライターに完全リカバリを実行するよう指示します。

  4. 必要に応じて他のデータベース・コンポーネントをリストアおよびリカバリします。
  5. RESETLOGSオプションを指定してデータベースをオープンします。

表領域またはデータ・ファイルのリカバリ

この手順では、1つ以上の表領域またはデータ・ファイルが失われた状態からリカバリする方法について説明します。この手順では、データ・ファイルの一部が失われたものと仮定します。

損失した表領域またはデータ・ファイルをすべてリカバリするには、次のようにします。

  1. データベースがマウントされているか、オープンしていることを確認します。データベースがオープンしている場合、リカバリを必要とするデータ・ファイルまたは表領域をALTER DATABASE ... OFFLINE文を使用してオフラインに移行します。
  2. データ・ファイルまたは表領域のリカバリにアーカイブREDOログが必要な場合、そのアーカイブREDOログをリストアします。
  3. 失われたデータ・ファイルを含む、または失われた表領域のすべてのデータ・ファイルを含むVSSスナップショットからコンポーネントを選択します。
  4. 失われたデータ・ファイルを含むコンポーネントをリストアします。

    Oracle VSSライターは、リストアされたデータ・ファイルを自動的にリカバリします。一部のアーカイブ・ログが失われている場合、ログをリストアしてSQL*PlusまたはRMANでデータ・ファイルをリカバリできます。

  5. オフラインのデータ・ファイルまたは表領域をオンラインに戻します。

すべての表領域のリカバリ

この手順では、すべての表領域が失われた状態からリカバリする方法について説明します。

すべてのデータファイルをリカバリするには、次の手順を実行します。

  1. データベースがマウントされていることを確認します。
  2. データ・ファイルまたは表領域のリカバリにアーカイブREDOログが必要な場合、そのアーカイブREDOログをリストアします。
  3. VSSスナップショットからAll Tablespacesというコンポーネントを選択します。
  4. 表領域をリストアします。

    Oracle VSSライターは、リストアされたデータ・ファイルを自動的にリカバリします。一部のアーカイブ・ログが失われている場合、ログをリストアしてSQL*PlusまたはRMANでデータ・ファイルをリカバリできます。

  5. データベースをオープンします。

障害リカバリの実行

この手順では、サーバー・パラメータ・ファイル、制御ファイル、およびすべてのデータ・ファイルが失われた状態からリカバリする方法について説明します。

障害時リカバリを実行するには、次のようにします。

  1. インスタンスが起動していないことを確認します。
  2. データ・ファイルまたは表領域のリカバリにアーカイブREDOログが必要な場合、そのアーカイブREDOログをリストアします。
  3. VSSスナップショットからOracle Databaseというコンポーネントを選択します。
  4. データベースをリストアします。

    Oracle VSSライターは、自動的にインスタンスを起動してデータベースをマウントし、リストアされたデータ・ファイルをリカバリします。一部のアーカイブ・ログが失われている場合、ログをリストアしてSQL*PlusまたはRMANでデータ・ファイルをリカバリできます。

  5. RESETLOGSオプションを指定してデータベースをオープンします。

NOARCHIVELOGモードのデータベースのリストア

NOARCHIVELOGモードで稼働しているOracle Databaseの場合、アーカイブREDOログは生成されません。このため、メディア・リカバリを行うことはできません。

NOARCHIVELOGデータベースのコンポーネント・ベースのバックアップのリストア

コンポーネント・ベースのバックアップをリストアするには、この手順を使用します。

コンポーネント・ベースのバックアップをリストアするには、次のようにします。

  1. サード・パーティのVSSリクエスタを使用して、Oracle Databaseコンポーネントを選択します。

    Oracle VSSライターは、自動的にデータ・ファイルをリストアし、データベースをマウントします。

  2. RESETLOGSオプションを指定してデータベースをオープンします。

NOARCHIVELOGデータベースのボリューム・ベースのバックアップのリストア

ボリューム・ベースのバックアップをリストアするには、この手順を使用します。

ボリューム・ベースのバックアップをリストアするには、次のようにします。

  1. サード・パーティのVSSリクエスタを使用して、データ・ファイル、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルが物理的に存在しているボリュームを選択します。
  2. データ・ファイルとログが存在するすべてのボリュームをリストアします。
  3. RESETLOGSオプションを指定してデータベースをオープンします。