ネット・ディレクトリ・ネーミングをActive Directoryとともに使用するには、サポートされるWindowsオペレーティング・システムおよびOracleのソフトウェア・リリースを所有していること、さらにOracleスキーマ・オブジェクトとOracleコンテキストを作成することが必要です。
ネット・ディレクトリ・ネーミング機能をActive Directoryとともに使用するには、Oracleスキーマ・オブジェクトを作成する必要があります。
スキーマ・オブジェクトとは、Active Directoryに格納されるOracle Net ServicesおよびOracle Databaseエントリとその属性に関する一連のルールです。Active Directoryとともに使用するOracleスキーマ・オブジェクトの作成には、次の制限事項が適用されます。
各フォレストに対して作成できるOracleスキーマ・オブジェクトは1つのみです。
Windowsサーバー・ドメイン・コントローラは、スキーマ更新を許可する操作マスターである必要があります。詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
Oracleスキーマ・オブジェクトを作成するには、次のようにします。
スキーマ管理者グループのメンバーとして、またはスキーマ・マスター・ドメインへスキーマを更新する権限を持っているメンバーとしてログインします。ログインしたクライアント・コンピュータはスキーマ・マスター・ドメインの一部である必要があります。スキーマ・マスター・ドメイン管理者は、デフォルトでスキーマ管理者に属します。
Oracle Net Configuration Assistantを使用してOracleスキーマ・オブジェクトを作成します。データベースのインストールの途中または後で、スキーマ・オブジェクトを作成できます。
24のデフォルト言語すべてを受け入れるようにActive Directoryの表示が構成されていない場合はOracle Net Configuration AssistantがActive Directoryをディレクトリ・サーバーとして構成している際に、Oracleスキーマ・オブジェクトの作成が失敗する可能性があります。Oracle Net Configuration Assistantを実行してディレクトリ・アクセスの構成を完了する前に、次のようにコマンド・プロンプトに入力して、24言語すべての表示指定子が移入されているかを確認してください。
ldifde -p OneLevel -d cn=DisplaySpecifiers,cn=Configuration,domain context -f temp file
このコマンドでは、次のことに注意してください。
domain
context
は、このActive Directoryサーバー用のドメイン・コンテキストです。
たとえば、dc=example
,dc=com
などです。
temp
file
は、出力先となるファイルです。
このコマンドのレポートに出力されたエントリが24個未満の場合でも、Oracle Net Configuration Assistantは使用できます。しかし、レポートは、単に一部の言語の表示指定子が作成されなかったことを示しているのではなく、Oracleスキーマ・オブジェクトの作成が失敗したことを示しています。
検出したエントリが24個未満であるためにOracle Net Configuration Assistantレポートがエラーを示しているときは、表示指定子を手動で作成します。
表示指定子の手動での作成
Oracle Net Configuration Assistantでは、Active DirectoryにOracleスキーマ・オブジェクトが作成される際に、Oracleエントリの表示指定子は作成されません。つまり、Active DirectoryのインタフェースにOracle Databaseエントリを表示することはできません。
Oracleスキーマ・オブジェクトの作成後に、次の手順に従って、Net Configuration AssistantでOracleスキーマ・オブジェクトを作成したときに使用したものと同じWindowsユーザーIDを使用し、これらのエントリをActive Directoryに手動で追加できます。
ネット・ディレクトリ・ネーミング機能をActive Directoryとともに使用するには、Oracleコンテキストを作成する必要があります。
Oracleコンテキストは、Active Directoryツリー内のトップレベルのOracleエントリです。ここに、Oracle DatabaseサービスとOracleネット・サービス名オブジェクトに関する情報が格納されます。
各Windowsサーバー・ドメイン(管理コンテキスト)に作成できるOracleコンテキストは1つのみです。
Oracle Net Configuration AssistantでOracleコンテキストをActive Directoryに作成するには、ドメインおよびエンタープライズ・オブジェクトの作成に必要な権限がある必要があります。
Oracle Net Configuration Assistantを使用してOracleコンテキストを作成します。Oracle Databaseのカスタム・インストールの途中または後で、Oracleコンテキストを作成できます。
関連項目:
インストール手順については、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。
構成の手順は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
Oracle Net Configuration Assistantは、Oracleネットワーク構成の設定および管理に使用できるグラフィカルなウィザード・ベースのツールです。
Oracle Net Configuration Assistantを起動するには、次のようにします。
親トピック: OracleContextの作成
ディレクトリ・ネーミング方法は、接続識別子をMicrosoft Active Directoryサーバーに含まれる接続記述子にマップします。
ディレクトリ・サーバーでは、データベース・サービスおよびネット・サービス名の集中管理が提供され、サービスの追加または再配置が容易になります。
Oracle Enterprise ManagerまたはOracle Net Managerを使用してネット・サービス名を作成します。Microsoft Active Directoryネーミング方法を使用するには、サポートされるWindowsオペレーティング・システムでOracle Database Clientを実行する必要があります。データベース・サービスをオブジェクトとしてActive Directoryに登録するために不可欠なOracle Databaseが存在している必要があります。データベース・サーバーはサポートされているオペレーティング・システムのいずれでも実行することができ、Windowsオペレーティング・システムである必要はありません。
デフォルトでは、ディレクトリ・ネーミング・アダプタは、匿名でアクティブ・ディレクトリに接続します。認証されたネーミング方法には、アクティブ・ディレクトリ・ドメインの一部であるクライアント・コンピュータが必要で、それによりデータベース・サービスまたはネット・サービス名を、そのドメインの中央ディレクトリ・サービスに格納された接続記述子へ解決します。
sqlnet.ora
ファイル内のNAMES.LDAP_AUTHENTICATE_BIND=
true
パラメータにより、認証されたネーミング方法が有効になります。
関連項目:
Oracle Database Net Services管理者ガイド