6.12.4.4 Oracle Databaseによるリスナー・ファイル(listener.ora)の使用
listener.ora
ファイルは、リスナーの構成ファイルです。
listener.ora
ファイルには、接続要求を受け入れるプロトコル・アドレス、リスニングするデータベース・サービスとその他のサービスのリストおよびリスナーにより使用される制御パラメータを含めることができます。Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)により使用されるリスナーの構成は、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)コマンドまたはOracle Net Configuration Assistant (NETCA)を使用して変更できます。listener.ora
ファイルを手動で編集する必要はありません。
各リスナーは、リスニングするエンドポイントを指定する1つ以上のプロトコル・アドレスで構成されます。リスナー・エージェントはエンドポイントをリスナーで動的に更新します。Oracle Database 11g リリース2からは、listener.ora
ファイルにIPCキーおよび次の情報のみが含まれるようになりました。
(ADDRESS = (PROTOCOL=TCP)(HOST=)(PORT=1521))
前述の例で、プロトコルADDRESS
は、暗黙的にローカル・ノードのHOSTエンドポイントとなります。Oracle RACデータベースの場合、listener.oraファイルはすべてのノードで同じです。ポート番号など、リスニングしているエンドポイントは、リスナーに動的に登録されます。
Oracle RACをインストールする前の、Oracle Grid Infrastructureのインストール中、NETCAはGridホームにLISTENER
と呼ばれるデフォルトのリスナーを作成して起動します。このリスナーは、デフォルトのプロトコル・リスニング・アドレスで構成されます。このリスナーは、インストール中に指定した1つのプロトコル・アドレスに送信された接続要求に応答するように構成されます。
Oracle RACのインストール中に、Oracle RACデータベースはGridホームのリスナーを使用して、Oracle RACデータベースに関するサービス情報を構成します。データベース・サービスは、その情報(サービス名、インスタンス名、ロード情報など)をリスナーに自動的に登録します。動的なサービス登録よって、データベース・サービスの静的な構成が不要になります。ただし、Oracle Enterprise Managerを使用する予定の場合は、静的なサービス構成が必要です。
例6-5 Oracle RACノードのlistener.oraファイルの例
次の例は、インストール後のmycluster
クラスタのlistener.ora
ファイルで、node1
というノードのエントリおよびSCANリスナーが設定されています。
LISTENER_SCAN1=(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=IPC)(KEY=LISTENER_
SCAN1)))) # line added by Agent
LISTENER_NODE1=(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=IPC)(KEY=LISTENER))))
# line added by Agent
# listener.ora.mycluster Network Configuration File:
C:\app\oracle\product\12.2.0\dbhome_1\network\admin\listener.ora.mycluster
# Generated by Oracle configuration tools.
LISTENER_NODE1 =
(DESCRIPTION_LIST =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC1521))
)
)
ENABLE_GLOBAL_DYNAMIC_ENDPOINT_LISTENER_NODE1=ON # line added by Agent
ENABLE_GLOBAL_DYNAMIC_ENDPOINT_LISTENER_SCAN2=ON # line added by Agent
ENABLE_GLOBAL_DYNAMIC_ENDPOINT_LISTENER_SCAN1=ON # line added by Agent
親トピック: リスナー構成およびlistener.oraファイル