3 Oracle Database 18cのLinuxに影響する問題

これらのトピックでは、Oracle Database18cのLinuxの最新の機能と変更について説明します。

3.1 Linuxのサポート対象外の製品

このトピックでは、Oracle Database18cで使用できない製品または機能について説明します。

Oracle Database 18cのこのリリースで使用できない製品または機能のリストに加えて、Linuxでは次の製品がサポートされていません。

  • IPv6ネットワークのサポート

    クラスタのプライベート・ネットワークを構成するIPv6ベースのIPアドレスは、IBM: Linux on System zではサポートされていません。現在テスト中で、サポートはテストが正常に完了した後に発表されます。

Oracle Database 18cのすべてのプラットフォームで使用できない製品または機能のリストを参照してください。

3.2 製品サポート

このトピックでは、Oracle Database18cでサポートされている製品または機能について説明します。

サポートされている製品または機能は次のとおりです。

  • データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュのサポート

    データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュは、Oracle Linuxでサポートされています。

  • Oracle ACFSおよびOracle ADVMのサポート

    Oracle ADVMは、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループのRAWディスクをサポートしていますが、RAWで作成されたOracle ADVMデバイス特殊ファイルはサポートされません。Oracle ADVMは、ブロック・デバイス特殊ファイルのみをサポートしています。

    サポート対象のプラットフォームおよびリリースについての最新情報は、でMy Oracle Support (https://support.oracle.com)のノート1369107.1を参照してください。

  • Oracle ASM Filter Driverのサポート

    Oracle Automatic Storage Management Filter Driver (Oracle ASMFD)はLinux x86-64でのみサポートされます。

  • 共有ベースのインスタンス・ケージング

    共有ベースのインスタンス・ケージングは、Oracle Linuxでサポートされています。

3.3 Linux用Oracleクライアント・ライブラリによるアプリケーションのリンク

Linux上でクライアント・コードをリンクするには、動的Oracleクライアント・ライブラリを使用する必要があります。 

静的Oracleクライアント・ライブラリはリンクしないでください。

3.4 Linuxプラットフォームのインストール前の要件

Oracle Database 18cのインストールの事前要件は、インストレーション・ガイドを参照してください。

3.5 Linuxのインストール、構成およびアップグレードの問題

このトピックでは、Oracle Databaseのインストール、構成およびアップグレードに影響する問題について説明します。

3.5.1 Oracle Bug#28153162

Oracle Database18cへのアップグレード後、Oracle Cluster Health Advisor (CHA)は、12cリリース2 (12.2)で構成されたデータベースを監視しません。これは標準クラスタ構成にのみ適用されます。

回避策:

次のコマンドを使用して、アップグレード後にすべてのデータベースの監視を手動で再有効化します。

GI_HOME/bin/chactl monitor database -db db_unique_name [-model model_name] 

監視が必要なすべてのデータベースに対して繰り返します。

3.5.2 Oracle Bug#28237088

メンバー・クラスタで18.3リリース更新(RU)からOracle Database18cへのロールバック中に、次のようなパッチ後のエラーが発生します。

データベース接続が失敗しました: ORA-12154: TNS: 指定された接続識別子を解決できませんでした(DBD ERROR: OCIServerAttach)

回避策:

パッチ後のロールバック・エラーからリカバリするためのロールバックの直後に、次の18.3リリース更新(RU)の再適用ステップを実行します。

$GI_HOME/perl/bin/perl -I$GI_HOME/perl/lib -I$GI_HOME/crs/install $GI_HOME/crs/install/rootcrs.pl -prepatch -nonrolling -rollback

$GI_HOME/perl/bin/perl -I$GI_HOME/perl/lib -I$GI_HOME/crs/install $GI_HOME/crs/install/rootcrs.pl -postpatch -nonrolling -rollback

opatchauto rollback -nonrolling

3.5.3 Oracle Bug#28745602

コマンドsrvctl export gns -clientdata <manifest_xml_file> -role clientを使用してスタンドアロン・クラスタからグリッド・ネーミング・サービス(GNS)クライアント・データ・マニフェスト・ファイルを作成すると、次のエラーで失敗します。

"java.lang.StackOverflowError: operating system stack overflow
error message:
./srvctl export gns -clientdata /scratch/gnswrap.xml -role client  Exception in thread "main" java.lang.StackOverflowError: operating system  stack overflow 

回避策:

IBM: Linux on System Z上でJAVA_STACK_SIZE="-Xss2048k -Xmso2048kとなるようにJAVA_STACK_SIZE-Xmso2048kを追加することで、srvctlコマンドを更新します。

3.5.4 Oracle Bug#28897417

IBM: Linux on System Zでの32ビットのOracle Database ClientソフトウェアのインストールがJavaコア・ダンプで失敗し、次のエラーが返されます。

Unhandled exception
Type=Segmentation error vmState=0x00052fff

回避策:

環境変数IBM_JAVA_OPTIONS-Xjit:disableInvariantArgumentPreexistenceにエクスポートし、インストーラを起動します。

次に例を示します。

$ export IBM_JAVA_OPTIONS="-Xjit:disableInvariantArgumentPreexistence"
$ runInstaller

3.6 Linuxに影響するオープン不具合

これらのトピックでは、Oracle Databaseリリース18cの最新の機能と変更について説明します。

3.6.1 Oracle Bug#21546793

Linuxコンテナでデータベースを作成すると、Database Configuration Assistant (DBCA)では、「構成オプションの指定」ページにLinuxコンテナではなくホスト・サーバーの使用可能なメモリーが誤って表示されます。表示される値に基づいてメモリーの割合を割り当てるように選択すると、Linuxコンテナで消費可能な合計メモリーが割当済メモリーより小さい場合に、データベースの作成が失敗します。

回避策:

Linuxコンテナ・システムの構成に従って、データベースの物理メモリーを割り当てる必要があります。

3.6.2 Oracle Bug#26708302

共有Network Attached Storage (NAS)上のOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)ホームのアンインストールによりディレクトリ$ORACLE_HOME/deinstallが削除されず、次のエラーが返されます。

ディレクトリ$ORACLE_HOME/deinstallの削除に失敗しました。ユーザーに削除する権限がないか、ディレクトリが使用中です。

回避策:

Oracle RAC所有者またはrootのいずれかとして$ORACLE_HOME/deinstallフォルダを手動で削除します。

3.6.3 Oracle Bug#24939744

libtiff.so.3のバージョンが欠落している場合、Oracle R EnterpriseのCairoパッケージは、SUSE Linux Enterprise Server 12上でのロードに失敗します。

回避策:

libtiff5.so.5からlibtiff.so.3へのsymlinkを作成します。

3.6.4 Oracle Bug#26929665

メンバー・クラスタ上のOracle Grid InfrastructureをOracle Database 12cリリース2 (12.2)にダウングレードした後、Oracle Cluster Health Advisor (CHA)モデルがOracle Grid Infrastructure管理リポジトリ(GIMR)でのリストアに失敗します。

回避策:

次のステップを実行します。
  1. R$GI_HOME/bin/srvctl stop chaコマンドを実行します。

  2. $GI_HOME/bin/chactl import model \ -file $GI_HOME/cha/model/os_gold.svm -name DEFAULT_CLUSTERを実行します

  3. $GI_HOME/bin/chactl import model \ -file $GI_HOME/cha/model/db_gold.svm -name DEFAULT_DBを実行します

  4. $GI_HOME/bin/srvctl start chaコマンドを実行します。