2.6.2 Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)の既知の不具合

Oracle Database18cでのOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)の不具合を次に示します。

2.6.2.1 Oracle Bug#12332603

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)では、Cluster Ready Services (CRS)がすべてのノードで停止され、Oracle ASMの初期バージョンがOracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)より古い場合には、ローリング移行状態がなくなります。

回避策:

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)で、Oracle Database 18cにアップグレードされる4つのノード(node1node2node3node4)の次のシナリオを考えてみます

  • node1およびnode2は18cにアップグレードされ、実行中です。

  • node3およびnode4は11.2.0.4のままで、実行中です。

停電によってすべてのCRSスタックが停止し、クラスタが異種混在状態になったとします(たとえば、11.2.0.4の2ノードと18cの2ノード)。アップグレードを続行するには、まだ11.2.0.4のノード(たとえば、node3またはnode4あるいはその両方)のみを起動し、18cのノードを起動する前に、Oracle ASMインスタンスでnode3またはnode4あるいはその両方に対して次のコマンドを実行します。

ALTER SYSTEM START ROLLING MIGRATION TO '18.0.0'

これ以降ですでに記載されているように、アップグレード手順を続行します。

なお、前述のステップを実行してOracle ASMクラスタをローリング移行に戻すまでは、クラスタ内でバージョンの異なる2つのノードを起動することはできません。これを行うと、いずれかのOracle ASMバージョンが失敗し、ORA-15153またはORA-15163エラー・メッセージが返されます。