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Oracle® Secure Backupインストレーションおよび構成ガイド
リリース12.2
E94561-01
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D Oracle Secure BackupとReliable Datagram Socket (RDS)

この付録では、Reliable Datagram Socket (RDS)に対するOracle Secure Backupのサポートについて説明します。クライアントとメディア・サーバーの間の通信にRDSを使用する方法について説明します。

D.1 Reliable Datagram Socket (RDS)の概要

Reliable Datagram Socket (RDS)は、Infiniband上の通信に使用されるオープン・ソース・プロトコルです。RDSは、高パフォーマンス、低レイテンシでコネクションレスな通信用のプロトコルです。CPUの使用が最小限に抑えられるため、Infiniband上の通信で優先して使用されます。

Remote Direct Access Memory (RDMA)は、RDSのゼロコピー拡張です。アプリケーションがRDMA読取りまたは書込みを行う際、アプリケーション・データは直接ネットワークに配信されるため、レイテンシが低減され、高速転送が可能になります。その結果、RDMAによってスループットが高まります。RDMAが使用可能な場合、Infiniband上の通信にRDSとともにRDMAが使用されます。

D.2 Oracle Secure Backupでのデータ転送に対するInfiniband上のReliable Datagram Socket (RDS)プロトコルの使用

Oracle Secure Backup 10.4以降、Infiniband上でReliable Datagram Socket (RDS)プロトコルを使用して、クライアントとメディア・サーバーとの間でのデータ転送を行います。RDSとともにRemote Direct Memory Access (RDMA)も使用すると、Infiniband上でのRDSの使用による効果を最大限にすることができます。可能なかぎり、Oracle Secure BackupはRDSをRDMAとともに使用します。クライアントとメディア・サーバーの間にInfinibandネットワークを設定すると、Oracle Secure Backupはその間のデータ転送に自動的にRDSを使用します。RDSが有効でない場合、Oracle Secure Backupはホスト間通信にTCP/IPを使用します。

注意:

Oracle Secure Backupは、LinuxおよびSolaris x86プラットフォームに対してInfiniband上RDSをサポートします。Oracle Secure Backup 10.4.0.2以降、Infiniband上のRDSはSPARC 11に対してもサポートされます。

RDSを使用してデータを転送するには、クライアントとメディア・サーバーの両方でInfinibandが使用される必要があります。また、クライアントとメディア・サーバーで使用されるオペレーティング・システムでRDSがサポートされている必要があります。オペレーティング・システムでRDSがサポートされていない場合、Oracle Secure Backupはデータ転送をInfiniband上のTCP/IPに変更します。

メディア・サーバーで、Infiniband接続を示す優先ネットワーク・インタフェース(PNI)を設定できます。

関連項目:

PNIの詳細は、優先ネットワーク・インタフェース(PNI)の構成を参照してください

D.2.1 ホスト間通信に対するRDSの有効化

クライアントとメディア・サーバーの間にInfiniband接続が設定されている場合、Oracle Secure Backupはクライアントとメディア・サーバーとの間のデータ転送に自動的にRDSを使用します。ただし、RDSの使用を管理ドメイン・レベルまたはホスト・レベルで制御できます。ホスト・レベルでの設定は、管理レベル・ドメイン・レベルでの設定より優先されます。

管理ドメインに対するRDSの有効化

次のいずれかのインタフェースを使用して、クライアントとメディア・サーバーとの間のデータ通信にRDSが使用される必要があるかどうかを指定します。

  • obtool

    データ通信にRDSを使用する必要があることを指定するには、操作ポリシーdisablerdsnoに設定します。この設定は、管理ドメイン全体に適用されます。disablerdsポリシーのデフォルト設定はnoです。

    関連項目:

    disablerds操作ポリシーの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。

  • Oracle Secure BackupWebツール

    「構成: デフォルトとポリシー」ページの「ポリシー」列で「操作」を選択します。RDSを使用するには、「構成: デフォルトとポリシー」>「操作」ページで、「RDSの無効化」フィールドの値が「いいえ」に設定されていることを確認します。

ホスト・レベルでのRDSの有効化

特定のホストに対し、次のいずれかのインタフェースを使用してRDSの使用を指定できます。

  • obtool

    既存のホストを変更し、RDSの使用をデータ転送に対して有効にするには、chhostコマンドのdisablerdsオプションをnoに設定します。ホストの初期構成時、mkhostコマンドのdisablerdsオプションをnoに設定して、データ転送にRDSを使用する必要があることを指定できます。

    disablerdsオプションに設定できる値は、yesnoまたはsystemdefaultです。デフォルト値は、systemdefaultです。

    関連項目:

    disablerdsオプションの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。

  • Oracle Secure BackupWebツール

    「構成: デフォルトとポリシー」>「操作」ページで、「RDSの無効化」フィールドを使用して、特定のホストに対してRDSを使用することを指定します。データ転送にRDSを使用するには、「RDSの無効化」フィールドが「いいえ」に設定されていることを確認します。

    「RDSの無効化」フィールドで選択できる値は、はい、いいえ、またはsystemdefaultで、このフィールドのデフォルト値はsystemdefaultです。

    関連項目:

    特定のホストに対するRDSの使用の無効化の詳細は、管理ドメインへのホストの追加を参照してください